日の出の中でTVのモーツアルトのソナタを聴きながら
母を思い出しています。
毎朝、早朝から、ハノンが聞こえ、モーツアルトが聞こえ、
ショパンが聞こえていた母屋、
54歳で未亡人になった母には、、、ピアノが有った。
戦時中に生まれた私は、、、きっと
お腹の中の厄介者だったかもしれません。
昭和19年、、、終戦の一年前です、
大陸で軍の野戦病院に行くトラックが、、、来なかった。
代わりに、韓宇連絡船へのトラックに乗って
日本への帰還となった。
そして、本土、、日本は女も子供も戦闘態勢の物々しさだった。
焼夷弾が全土に落ちて、あちこちで防空壕が掘られ
、、、、、、、たぶん、、、地震の恐怖が毎日続くような
いいえ、、、人間の起こしている破壊行動だけに
最後の一秒まで戦う気持ちと、逃げる気持ちの葛藤だったことだろう。
よりによって、、、防空壕の中で生まれてしまった私だった。
戦争の真っただ中で、、、妊娠するなんて、、、
私は、母に聞いた。
「戦争の恐怖から逃げる一瞬が、、、夫婦のほうようだったのですか?」
私は戦争の記憶を一瞬でもよい、忘れるための副産物なのですか?
、、、、此処までは言葉にはしませんでしたが、、、
長男を授かった動機とは違いすぎるから、
私は、母の記憶の中で、、、恐怖の緊張の時間を思い出させるのだろう。
「戦争中に、あなたのお姉さんと、お兄さんを2人失ったのよ。」
「失った子供を取り戻そうと思たのよ、、、。」
そして、母は3人の子供を失った後
年子の兄と私と、戦後に弟を産んでいる。
「戦争も認めたくない、子供を失ったことも認めたくない、、、
もう一度自分のお腹に避難させて、、、、取り戻そうと思ったのよ。」
「でもね、、、皆、、、取り戻した子供ではなくて、、、
まるっきり、、、違う子供たちよね、」
母は、長男と、次男と、弟を愛していた。
長男の誕生日には「お祝い会」を開いていた。
次男の誕生日には「ほしいものはな~~~に?」
欲しがるものを、苦労して手に入れては
合奏していた。
次男の兄は、誕生日が来ると、アコーデオンや
蓄音機や、電蓄やハーモニカ、、、レコード、、と
母とは気の会う誕生日になっていた。
次男は、絶対音の持ち主で、
一度聞いたメロディは、音符が無くても、すぐに楽器で演奏できた。
理科系の頭の私に向かってため息をしていた。
「お兄ちゃんが女の子で、 あんたと逆さまだったらよかったのにね、、、」
振り返れば、語学が得意で、音楽が大好きで、
ロシア民謡も、カンッオーネも、川に向かい山に向かい歌う兄、、、
母には兄という「娘の代わりの友達が居た、」
いつも、楽しそうに、、、合奏していた子供時代を思い出す。
父が54歳で早逝した後、未亡人になった母は
ピアノ教室をはじめ、一年もしないうちに
お弟子さんが50人を超えてきた。
四人の子供たちのように「四葉のクローバーの幸せな会」として、
「よつばかい」という、手書きの四葉が看板の会を主催した。
毎年、公会堂を借り切って、お弟子さんの発表会をしていた。
会場は、家族や友人であふれて、トリには
母の母校で教授をしていた親友が、学生を参加させていました。
国立音楽大学のピアノ科を卒業して、
ドイツ人の先生に師事した母は、
外科医という、真逆のスポーツタイプの父と結婚して
長い間、主婦として育児に家事に明け暮れていた。
、、、、、
医師は「病人」という、、、マイナスエネルギーを持っている者を
健康に向かわせるべく、、、エネルギーを注ぐ側である。
母のエネルギーは
「父を支えるのに使われていたのだった。、、、もちろん
その中でも、父の姓を名乗る二世の育児は、母のすべてが必要だった。」
、、、、産めよ増やせよ。。。富国強兵時代の主婦は大変だったと思う。
子供は未完成だったが、、、54歳で父が早逝、、、
結婚以来眠っていた母を起こしたのは次男だったかもしれない。
「母の手書きの四葉会の看板」を、子供たちで作り上げた。
幸いに、、、長男が「内科。外科」の診療所を継いでいた。
外科の入院室を壊して、新しく外科医が来てくれた時に
全てを時代に即応した設備で、
病院として大きくするつもりの体制をとっていた。
お茶の会と間違うような名前の「淡交会」という
病院設立の会を創った。
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長い間、、、外科医と結婚した妹が帰ってくるのを待っていたのだろうか?
母が80歳を超えて、昭和が終わるころ、
兄は、開業を閉院して勤務医となって、
親の呪縛から解放されて、自分の世界に出発した。
戦争という「災害」からの出発は、、、実に30年の年月を要したという記憶です。
北海道の地震からの復活は、、、もう始まっています。
頑張って、、、復活して行く日が、、生きてゆくことですから。
75歳近くなって、、、驚くことに出逢うなんて
人生は、、、山あり、谷ありですね。
毎日、、、寝不足ですが、、、回峰に向かっています。
メール、、、有難う。
元気ですから、、