深夜、皆寝静まっても、TVにクギ漬けの73歳目の前の。婆ちゃん。
そろそろ、立ち直って現実の春に向かって
雪囲いをほどきながら、
下に向かう枝を剪定して、
山嵐のような枝振りに流れをつくってゆく。
頭の中は、滑らかな、羽生ワールドのイメージで
冬に疲れた庭の木々の枝に、勢いの方向を聴きながら
摩擦をつくる方向に向かうアンチな枝は切り落としてゆく。
いけばなのように、「見せる要素」は全く考えないが
命の伸びようとする枝の方向を見定めて
空に向かうパワーを発揮させてゆく。
一日、1っ本か?それとも2本か?
4時間ぐらい、庭木と向き合っていると、
腱鞘炎に似たこわばりが
指と肩の三角の筋肉に痛覚を伴って現れてくる。
羽生さんは、何度も何度もリンクの上で
自分の流れをつくるために
練習を重ねているうちに、
自らの身体が、
スケートに適したスリムな形に
進化したのかもしれませんね?????
無駄な贅肉が一グラムも無いという感じがする。
しなやかな氷上の動きとは
強靭な意志と、幼いころから
環境に適合した進化の筋肉の付き方や
身体が覚えてしまった暗譜のピアニストの指のように
羽生さんも、、、全身が音楽に舞う光の粒子のように
会場に維持のようにアーチをえがくのだろうか?
塀に登って、細かい葉のオンコの木や
ヒバの樹の葉を揃えながら、
纏った冬の衣を取り除けてゆく。
通りから、近所のおじいさんが、「大変だねー」、、、
連れているパグが、しわくちゃの顔で見上げてくる。
現実の中で、頭の中は、別世界。
ともかく、家事だけは。しっかりやって、
当たり前の手入れの入った、当たり前の家に
普通に住んで、冬の冬眠から目の覚めた、、、熊さんのように。
春に向かって、動き出した、、、婆ちゃんです。