6月30日、思いがけなく天気が回復してきましたので、少し時間が遅くなりましたが、夫に車で送ってもらい8時15分に真狩の羊蹄山自然公園奥の登山口に到着しました。
羊蹄山(1898m)へ登るルートは4か所ありますが、今回はまだ一度も登っていなかった「真狩コース」を選びました。ここは一番なだらかなコースになっていますが、ルートは長いため同じように時間はかかってしまいます。
ガイドブックのコースタイムは,上り4時間40分、下り3時間30分となっていますが、後期高齢者の私達がはたしてどのくらいで登れるか?山頂まで到達できるのか?疑問です。
しばらくは林の中の見通しが悪い登り道が続き、30分ほどで南コブへの分岐点に着きました。すると、夫から電話が入り、「今、羊蹄山の山頂まで綺麗に見えているから、頑張って登って!」と、励まされました。
4合目付近から道が険しく急になり、昨日まで雨が降っていたために、足元が柔らかくて滑りそうな感じです。
登りり始めた頃に「ゴゼンタチバナ」の白い花があちこちに見えてきました。今回の登山をこの時期にしたのは、山頂付近の高山植物を見たいと言う思いからです。
岩がゴロゴロしている中で、大きなダケカンバの倒木が2か所ほどありました。根こそぎ倒れており、倒れて横たわった大きな白い木の肌がなんだか艶めかしく感じられます。
5合目付近を喘ぎながら歩いていると急に目の前が開けて、明るくなり、眼下に町が見えてきました。遠く黄色いニセコ大橋が見えていましたので、ニセコ町近辺だと思われます。羊蹄山を上る途中で、眼下に広がるこれらの景色を見ることが出来るとは思っても居ませんでしたので、とてもうれしくなりました。
山頂付近から下りてくる人達に視界はどうでしたか?と聞くと、今日はとても運が良い!素晴らしい景色でしたよ!と言っていました。朝5時ごろから登り始めた人や、避難小屋で宿泊して下山している人達です。その声に励まされて、1歩ずつ登ります。
しかし、7合目付近にたどり着いたころから、下の方から雲が湧いてきて、少しずつ視界が悪くなり始めました。その頃、私の左足のももが少しツルようになり筋肉痛になり始めました。この分では登りきれないと思い、休憩中に特効薬を飲むことにしました。これは登山経験が豊富なNさんから教えてもらった薬で、5分もすると幸いに痛みが無くなってきました。
7合目を過ぎた12時ごろ、登りが続いていた道が標高1600m付近で少し平らになり、ガレ場を横切っていくと、道の両側に高山植物次々に現れるようになりました。
上から、薄い黄色の花の「ウコンウツギ」我が家の近くでも見られる「チシマフウロ」と「シラネアオイ」 キラキラする黄色い「ミヤマキンバイ」が群生していました。
9合目手前の分岐点にやっと着いて、ともかく避難小屋まで先に行くことにしました。小屋までの道の両サイドにお花がたくさん咲いていました。
黄色の「イワベンケイ」「濃いピンクのかわいらしい「エゾノツガザクラ」は、疲れを癒してくれました。さらに石楠花の群落が広がっており、よく見ると倶知安町の「町の花」として親しまれている「キバナシャクナゲ」がこれからちょうど満開になる時期でした。
石ころが多いがれ場を歩いて小屋に近づくにつれ、川の流れのような水音がしてきました。山頂の方向を見上げると雪渓が広がっていました。今年は積雪量が多かったために、かなりの雪渓が残っていたのです。
下界の方からガスが上昇しているため、景色は良くありませんでしたが、やっと目の前に避難小屋が見えてきました。