テレビで「エッセンシャル・キリング」を観た。2010年の映画だ。
アフガン戦線で、アメリカ軍の捕虜となったムハンマドは護送途中で車両転覆事故により雪原で逃亡の機会を得る。
しばらくはアメリカ軍の攻撃に中をひたすらに逃げるムハンマドの姿が映し出される。言葉は出てこない。
淡々と逃亡劇が雪原で繰り広げられる。やがて、アメリカ軍の追手から逃れる・・・
雪原の荒野で彼はひたすら逃亡をする。何から逃れているのか・・・アリや木の皮を口にしながら飢えを凌ぎ・・・
いつしか、彼は「生きる」ために逃亡を、そしてその過程で全く平和に暮らしている人たちを殺めていく。
彼にとって「聖戦」とは・・・ムハンマドの神は「勇敢なる戦士も、そうでない戦士も隔たりなく受け入れる」とテロップに・・・
自己の「生」のために他者の「死」は許されるのか・・・
同じ日に邦画の「一命」を観た。
こちらは「武士」の最後の尊厳である「切腹」をテーマにした映画だ。
自らの子供の命を救うために武士の究極のよりどころ・尊厳である「切腹」を切り札にして、金銭を受けようとしたが。
武士よりも一個の人間として生きようとしたのだが・・・かれは屈辱の仕打ちを受けてしまう。「武士の情け」とは・・・
「生」と「死」を考えてしまう映画2本だった。