職場の友人の親戚のおばあさんが99歳で亡くなったという。
晩年は認知症で子供も孫も全く分からず、一日のほとんどを定まらない視線でテレビを見てすごされたという。
そんな話を聞いていて、前にブログで紹介した妻が死んだと思いこんで、身の周りの世話にきている妻を「あんたは誰や」と尋ねるおじいさんの話を思いだした。
ふと、認知症にる症状を我々は「ボケ」と呼んでいるが、それは「今」を認識していないという状況を言っているのだけれど、ちょっと目線を変えると・・・
「今」を飛び越えて、「物凄い想像力の世界」で生きておられるのではと・・・少なくとも我々現世の尺度では理解できない世界に・・・
というのは、今日の昼から系列のグループホ―ムで救命講習を開いた時に。
場所がないので、入所者の方がおられる居間の一角を使ってやったのだが、入所者のおばあさんが床に寝かせている人形を「おじいさん」と思い込んで・・・
「かわいそうやから床に寝かさないで」とか「布団をかけてあげて」とか涙ながらに訴えられて・・・挙句の果てに、傍に寄ってきて人形の手をとって、「おじいちゃん、もう家に帰ろう」と・・・
その情景を唖然として見ていたわけだけれど・・・認知症の人たちは、ある意味現世だけで生きている僕らよりも、遥かに人生のバリエーションを楽しんでおられるのではとふと思ってしまった・・・
「現世」に生きる僕たちには少し迷惑だけれど・・・
ひょっとして、妻が死んだと思いこんでいるおじいさんは、「想像の世界」の中で新しい彼女?に出会って楽しんでいるのかもしれない。
(奥さんには大変、申し訳ないけれど)