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高円寺のアジアンカフェでバドガール様がXserve

2004-08-10 | ぷらぷらアーカイブ
魅惑の街――高円寺。その魅惑の街に、魅惑のアジアンカフェがあって、海外渡航歴が豊富ないやし系のマスターがいて、なおかつ今月末で閉まってしまうときたら……無類のアジア好きとしては、行かないわけにはいかない。

アジアンミュージックカフェ「asyl(アジール)

そもそも、俺が生まれたのは阿佐ヶ谷であり、言うまでもなく、高円寺とは地理的にも文化的にも地続きだ。体の構成要素の約半分が、“高円寺マター”であると断言してもいい。そして突然――得も言われぬ何かが、俺を襲った。ものごころつくかつかないかのあの頃の刹那い記憶――幼なじみの隣りの豆腐屋の女の子にもらったシロクマのぬいぐるみと、そのシロクマにまつわる家族の愛憎劇――が、俺の脳幹を打ち震わす。愛憎劇の終着駅は、もちろん……そう、いつものバッドエンドだ。

ああ……母さん。なぜ……なぜ、あの日シロクマくんを燃えないゴミの日に出してしまったんだい?……確かに、確かに……彼の後頭部は、俺の不注意で電気ストーブの熱風にさらされ、焦げちぢれていたかもしれない。1日中家のなかを引きずりまわしていたせいで、色んなエキスやら、ダニやらなんかともシンクロ率が異様に高かったかもしれない。でも、でも……!

――俺は、あの日のことを思い出すと、浜口庫之助の「涙くんさよなら」のメロデーを鼻ずさまずにはいられないんだ。

♪シロクマくん さよなら
♪さよなら シロクマくん
♪また 会う日まで (See you again)
                 ↑ココが悲しみのピーク。

そんなことは兎にも角にも、である。

時代は――今――シロクマのぬいぐるみなどではなく――バドガール――様。
そう認識を改めざるを得ない事態に直面した。

店のなかにこれ見よがしにディスプレーされている、バドガール様の衣装。いやし系だとばっかり思っていたマスターは、時間の経過とともに徐々にその本性をあらわにしていく。目を細め、不遜な笑みを右の頬に浮かべつつ「いいねぇ」「いいねぇ」を連呼し始める……そう、マスターは、マスターは……実は……いやし系ではなく……いやらし系だったんだ(ギャフン!)。

一緒に杯を酌み交わしていたはずの婦女子が――キューティーハニーもびっくりの早ワザで――バドガール様になってしまうという、2004年の高円寺の夏。これを、ミラクルと言わずして、何をミラクルと言おう……?(衣桜?)

――俺は、思わず、永井真理子の「ミラクルガール」のメロデーを鼻ずさまずにはいられなかったんだ。

♪ミラクル(バド)ガール 奇跡はいつでも 衣装のサイズ次第
♪ミラクル(バド)ガール オヤジの瞳は いつもギラギラよ
                         ↑ココが実況そのまま。

ありがとう、Asyl。
ありがとう、バドガール様。
ありがとう、高円寺の、街の灯。

・追記
バドガール様が降臨あそばされる前に、高円寺の女もきっと近くにいるだろうから呼んでみたんだけど、彼女はバイト中で電話にでれなくて、本当によかったと思う。よかったのかな?