A → Z : Xserve

モラモラ会社員がムラムラしながらお届けするヌルヌルアーカイブ。

節税対策でマンション経営? でXserve

2004-08-05 | ヌルヌルアーカイブ
ボクらは(←「SPA!」を意識した書き出し)、税金を払っている。そして、世の中にはその税金を合法的に節約する方法が、いくつか存在する。そのなかのひとつに、「マンション経営」というのがある。

マンションを経営すると、何で節税になるんだ?――あの頃の俺は、まさに貧弱な男の見本だった……ので、このナゾの答えはいっつもクエスチョンマーク。もう、「アメリカ横断ウルトラクイズ」で回答者が早押しボタンをブッたたいたとたんに、ウルトラハットについている「?」のオブジェが、“ビコーン”という効果音とともに起き上がったときのような、それはそれは見事な「はてな」ぶりだった。某人力検索サイトもクリビーだ。

とあるキャフェで――27歳で及川光博似の――営業マンが、かく語りき。

「ぜったいお得な物件っすよ。生命保険やゴルフ会員権など、数ある節税方法のなかで、マンション経営が最強なんすYo!」

――からくりは、こうだ。

1.ローンを組んでワンルームマンション(大江戸線月島駅から徒歩5分)を1,900万円で買う
2.買うと同時に、入居者が入る(98%埋まってるエリアなのですぐ見つかるとのこと)
3.ローン代よりも賃貸代が若干多いので、元手いらずで懐がいたまない
4.確定申告のときに、マンションのローンが減価償却費として、所得金額から割り引かれる
5.結果、年間数十万円の税金が返ってくる

これだけ聞くと、なんだかとてもすばらしい、やらなければ絶対ソンというか、アホというか、うんこちんちんとういか、非国民で逆賊で売国奴なんじゃないか……という気さえしてくる。

しかし、ちょっと考えれば、いろんな不安要素が、瞬時に頭をもたげるんだ。

「入居者が入らなかったらどうするの?」
「新築マンションとはいえ価値は年々目減りしていくのでは?」
「ローンの金利が4%って高すぎやしねぇか?」
「地震、雷、火事、親父に襲われたら?」

しかし、そこはさすがはミッチー似27歳の営業マン。すべての疑問に対し、さまざまな資料を駆使しながら、「リスクなんて一切ないぜ? 俺を信じれば、バラ色の節税人生が待っているんだぜ?」的な言説を弄しまくる。俺は、思わず……核心に触れてやった。

「そんなにすばらしい節税対策なら、当然ミッチーはやってるんだよね?」
「もちろんすYo! っていうか、俺はローンの与信がおりなかったんですけど、代わりに親が喜んで入ってくれてますYo!」
「え、それって……。営業成績が足らなくて無理やり親を入らさざるをえなかったのでは?」
「いや~、まさかぁ。いやだなぁ。えーと、あの、その。…………。」

いや~、節税対策でマンション経営するって、本当にいいものですね!

にしても、今回はすごくいい勉強になった。これを機会に、真剣に財テク(←死語)を考えてみようかナ? な~んて思いつつ、哀れなモラモラ貧民会社員は、節税どころではないですから。かつての安達祐実ばりに、声を大にして言いたい。

「節税すすめるなら、金をくれ!」

ええ、数千万とか、数億単位の金があれば、ワンルームマンションくらいえいやと経営して、いたいけなミッチー似27歳の営業マンを喜ばしてさしあげるくらいの器のでかさを、これみよがしにひけらかしますよ? けど……そんな金、ないからね。あたりまえだけど。

そもそも、最近の俺はついてないし。しかも、生来ひとにだまされたり、全力ではぐらかされたりしやすいタチだし。

合言葉はBee!(←もう自暴自棄)