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大阪からすっぱいXserve

2005-11-17 | ヌルヌルアーカイブ
出張で大阪に来ている。大阪と言っても、中心部から一時間以上かかる南海線の「高石」という“ド”のつく田舎街だ。なんともすっぱい駅の看板が、たまらない。

南海線と聞いて、な~んかなつかしいなぁと思っていたら、終点が昔住んでいた和歌山なのだった。

和歌山といえば、ミカンである。愛媛の「ポンジュース」ほどメジャーにはなりきれなかったが、「和歌山じゃ~」というオレンジジュースも昔あったほど。和歌山では、お中元、進学祝い、新年のご挨拶、おめでたなどなど、ありとあらゆる喜ばしいタイミングで、段ボールいっぱいになみなみと入ったミカンギフトがばらまかれる。ちなみに、俺の妹はミカンを食い過ぎて、なんと体が黄色くなった。この事実は、「何事も行き過ぎは良くない」という確固たる教訓を、俺のなかに否応なしに刻みこんでくれた。ちなみに、妹は現在でも、若干黄色い。

そして、その和歌山における局所的かつ尋常でないミカンの量的緩和は、和歌山人ならではの、独創的なミカン食いテクニックを生み出した! それが――

「セパレート食い」

である。なんと、和歌山人はミカンを食うときに皮を剥かない。ではどうするのかというと、

1. ミカンの中心部にいきなり真上から親指をブッこむ。
2. ブッこんだ親指を手前にスライドさせながら、「あれんち誰んち?……オレンジ」というギャグをブッかます。
3. 約三等分に割ったあと、おもむろにひとまとまりとなった身を取り出し、自分の口のなかへとブッこむ。

誤解を恐れずに言ってみれば、ミカンは宇宙てあり、神田の万惣で買ってみたい自分へのご褒美であり、三神格宿るトリニティーなのである。

ああ……いったい、なんで俺は大阪くんだりまできて、トイレも風呂も共同な最新鋭ホテルの6帖部屋のベッドの上で、タバコの燃えカスで縮れた絨毯の黒いシミに流し目をしながら、こんなミカン論をここぞとばかりにケータイで展開しているのだろうか。

……すっぱいなぁ。マジで。