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モラモラ会社員がムラムラしながらお届けするヌルヌルアーカイブ。

北の国からXserve

2005-04-19 | ヌルヌルアーカイブ
「北の国」といえば、(こないだ俺のスーツ姿が“っぽい”と言われた)北○鮮などでは断じてなく、「北海道」だと、声を大にして言いたい今日この頃。そんな昨今の(個人的な)世界情勢をかんがみ、北海道に行ってきた。

一口に北海道と言っても、かつて「北海道はでっかいど~」というコピーが一世を風靡したように、ひたすらだだっ広い。そんななか、いま一番おすすめしたいホッツなエリアは、札幌の時計台でもすすき野の色街でもなく、「十勝」に決まってる(特に帯広)。

広大かつ肥沃な平野には、名産の小麦、じゃがいも、ハスカップといった作物をはじめ、牛、豚、鳥、魚、カニといった大地や海の恵み、チーズやワインなどの加工食品まで、すべてが揃う。しかも、安くて激ウマ。特に、いままで食べたことのない甘さが口のなかに広がるじゃがいも「北あかり」と、それにかかったとろとろチーズ「ラクレット」の美味は、筆舌に尽くし難い。

また、先住民族であったアイヌの伝統文化(特に地名や民俗衣装の柄が気になる)や、「北海道遺産」に代表される数々の名所旧跡(世界で3か所しかない植物性の天然温泉「モール温泉」、湖に白く幻想的な橋梁を浮かべる旧国鉄の石橋、そこここの牧場にそびえ立つ牧草貯蔵庫「サイロ」など)が、日本なのに本州とは明らかに違う――とはいえ横浜や長崎ほどあからさまではない――なんとも不思議な……異国情緒を醸しだす。

さらにすばらしいのが、道路の広さと車の少なさ。街中で軽自動車が軽く80kオーバーで飛ばすという、「首都高バトル」もびっくりな現状がそこにある(その分事故も多いらしいけど)。まるで京都のように碁盤の目状に区画された街並みは、郊外に出るとひたすらまっすぐな道と田園風景にとってかわり、それが地平線までずーっと続く。山道も景色がよく、とにかくさわやか! 雄大かつキレのある稜線からは、台地の若さが感じられ、元気が出てくる。峠のなが~いワインディングを攻める感覚は、忘れられない快感を覚えることうけあいだ。また、「花粉疎外」という言葉があるほど杉花粉が飛んでないので、この時期に窓を開けて走っても、無問題。

そんな十勝平野で――うねりゆく十勝川を端の視界に捉えつつ、おおらかな「シュガーベイブ」のコーラスを聴きながら――愛車のMINIを走らせたい……そう思い立ち、苫小牧行きのフェリー(商船三井のサンフラワー号)をネットで予約したのは、至って自然な行為だった……だって、“車で東京から北海道に行く”なんていう無謀な行為ができるのは、前の会社を辞め、次の会社までの寸暇をゲットした、しかも独身の身であるいまこのときしかないのだから……。

と、ここまでいろいろとにわか十勝通っぷりを披露してきたわけだが……実は、これらのほとんどは表向きの、しかも……言ってみれば、あとづけの理由に過ぎないんだ。

真の目的は、とあるいい女を口説くことだった。そして、結果から言うと、またしてもフラレた。今回は、全体的にかなりカッコ悪いシチュエーションだった。端的には、口説くどころか完全に接待されてしまった(その接待があまりにすばらしかったのでこの日記の前半があるわけだ)。ああ、なんて珍しくもカッコ悪いシチュエーション(俺は寅さんか?)。なんかもう通しで、反省する点が盛りだくさんだ(詳細については、きっとが徐々に語ってくれるような気がする)。

フラレたその晩は、「ああ、やっぱりなぁ……」という感じでただただ力が抜け、あまり悲しくはなかった。しかし、翌日十勝を発ち、ミラー越しに街並みが見えたとき、ふと涙が止まらなくなった(最近よく泣くなぁ……俺)。道路の中央線が涙でかすみ、危うく対向車にぶつかりそうになった。

「ああ……いったいなんだって俺は、北海道のこんなところを走ってるんだろう……しかも、泣きながら」

――あらためてそう思うと、気分はドン底まで沈み、気分が沈むとますます涙が止まらなる。昨日までの出来事もリアルにフラッシュバックし、追い討ちをかける。

……そんな状態の俺を救ってくれたのが、帰りのフェリーのマリンシアターで何気なく観た、往年の映画「トラック野郎 故郷特急便桃次郎」だったとは。

あと少しで叶いそうな自分の夢と天秤にかけた結果、愛を選んだヒロインに、それまで必死に口説いていた桃次郎が、彼女の背中を押すべく言う。

「迷惑だぜ……俺に惚れてるのはお前だけじゃねぇんだ……星の数ほどいるんだぜ……?」

――カッコよくね? これぞ、マジもんの“カッコマン”じゃね……? 菅原文太さま万歳!

というわけで、今回の旅のオチは、

“カッコマン目指して今後も精進せいよ……それが、男の道じゃけぇ”

と、いうことにしようと思います。

なんて言いつつ……明日から一週間、ハンガリーに傷心旅行に行ってくるんだけど。

ざいす! ちわっす! ばんす!


引っ越してXserve

2005-04-15 | ヌルヌルアーカイブ
桜咲く小春日和のある週末。
俺が実家から、巣立つ週末。

――そんな週末に、町田に集うイケメン4人衆。85%荷造りが終了している、イケてる荷物たち。それらに囲まれ、いま最も輝いてるのは……そう、この俺。

思えば、この29年間、いくどもの“巣立ちチャンス”を失ってきた。

例えば、長野は茅野にある某高校に進学するあの日……父親が転勤になり、俺だけが残る(=巣立ちる)はずだった。しかし、諸事情により、その転勤はなくなってしまった。

例えば、神奈川は湘南方面にある某大学に進学するあの日……俺だけが、かの地へ赴く(=巣立ちる)はずだった。しかし、父親が東京に転勤になり、家族全員でひとつところに引っ越すことになってしまった。

あれよあれよという間に、あれから10年以上の時が流れた。そして、いよいよ、今日というこの日……俺が、ついに実家を出るという、“俺史”のなかで新たなる、そして確実なメルクマールが刻まれるのである。

そんな歴史的瞬間に、ぜひ立ち会いたいという、イケメン4人衆。なんと恵まれ……もとい、ありがたいことなんだろう。また、この前日にもひとりの男が手伝ってくれた。ありがたいことだ(イケメンじゃないけど)。

だが、クリティカルに困ったことがひとつだけあった。荷物が多すぎるのだ。

おかしい。前日までに、ダンボール5箱分ものサブカルオブジェクツを、ゴミとして処分したはずなのに……。

おかしい。前日までに、ダンボール6箱分ものエロティカルオブジェクツを中古品として処分し、3万円になったはずなのに……。

おかしい。前日までに、85%荷造りが完了していたはずなのに……。

イケメンたちが運転する、トヨタレンタリースのハイエースと、驚くほど燃費の悪いチェロキーが、悲鳴を上げている。俺のMINI Cooperも、なぜかオーバーホール寸前だ。

そんななか、俺は眉間にしわを浮かべつつ、あの最終兵器を投入する決断を下す……そう、この4月に0.9倍という難関を見事にくぐりぬき勝ち抜いた、高校受験の覇者・弟だ。

コイツの荷造りスキルは、決してあなどれない。なんといっても、俺の部屋のなかに隠されたエロティカルオブジェクツを、すべて把握してやがる。まったく、冗談じゃねぇ……しかし、前日までにあらかたのエロティカルオブジェクツが処分され、3万円になっていたことを彼は知らなかったようだ。途中から、あからさまに覇気がなくなっていた。

また、ついでにヤツも投入した。この4月に損保から厚生省の外郭団体へと、見事に華麗なる転身を遂げた、天下るヤマトタケル・父だ。

彼の監督スキルは、決してあなどれない。なんといっても、腕組みをしながらイケメン4人衆のひとりに、「ほれ、そこのDVDも持ってけ」と、完璧な指示出しをしていた。彼のおかげで、DVDの梱包が5割増しのスピードで終わったことは、言うまでもない。自分の息子の引っ越しを手伝ってくれている息子の同僚を、業者扱いするという荒業をやってのけたのだから……。

そんなこんなで、夜までになんとか引っ越しは終了。韓テラで焼肉打ち上げを済ませ、意気揚々と新居・高円寺サブカルトリニティー邸に戻った俺を待っていたのは……文字通り、荷物の山脈。山脈を切り崩し、文明の利器たるネット接続をその手にするまでに、さらに数日間を要したのだった……。

というわけで、「町田のゴー」もとい「高円寺のゴー」を、今後ともよろしくお願いいたします。


伝説の送別会ギグでXserve

2005-04-03 | ヌルヌルアーカイブ
「サイッッッコーのギグにしますよ」

その日――スーパーエースのそのひとことは、文字通り“サイッッッコー”にジャズィなシェイプで、現実のものとなった。

「少し大人になる初春 ~2005、ゴーは旅立ちます~」

彼が名付けた、このけったいなタイトル……そう、これが――俺の送別会のタイトル。

エース:「何人くらい呼びたいですか?」
俺:「ん~、100人」
エース:「……」
俺:「あと、生ギターでライブやりたいので、PA必須ね」
エース:「……」

ここから、彼の悪戦苦闘が始まった。同じく幹事としてクレジットされていた、スーパーMCとスーパー合コニストも、フル稼働。まず、このキャパを収容できる店を探す。六本木、西麻布、赤坂から表参道まで、あれよあれよという間に十数店舗がリストアップされる。平行して進む電話攻勢と実地調査……それらの結果、ものすげぇ店が見つかった。西麻布「Birth」――まるで、絵に書いたようなラグジュアリーっぷり。しかし、それだけにやはり値段が張る。交渉に交渉を重ねた結果、「3時間貸し切り&料理&飲み放題付きでお一人さま6千円ポッキリ」という、サプライズプライスが実現したのだった。さすが、極悪ヅラが3人そろうと、価格破壊も底なしだ(とはいえかなりの持ち出しもでちゃったらしい)。

しかし、1点だけ問題があった。ライブできるPA機材がない……そこで、スーパーグルメ男の出番だ。彼に自慢のフェンダーのアンプを持ってきてもらい、マイクやスタンドなどほかのこまごまとした機材は、俺が家から持っていくことにした。

そして、いよいよ当日――。

最大の心配は、本当に人が集まるのか? と、いうことだった。年度末である3月の最終金曜日という日取りは、決して会社を出やすいシチュエーションではない。さらに、サッカーの日本代表戦もある。また、天候もあやしい……あと、3人の幹事も、ぁゃι ぃ。とりあえず、なぜか全員が全身黒づくめだ。黒澤明「隠し砦の三悪人」のような伝統的スゴミと、「メン・イン・ブラック」のふたりと彼らにキャプチャーされたユウザロック★のような、未来的ファニーさをあわせ持つ。

しかし、そんな心配もどこ吹く風。バラバラと人が集まりだし、最終的には総勢70人もの人々が参加してくださった。もろもろの事情で参加できない方も少なからずいたのはとても残念だったが、充分すぎる数字。文句なし、掛け値なしの、S達成。

始まりのあいさつ。
回りだす――元「バーフアウト」な――DJの選曲。
プロジェクターに映し出される、お世話になったリーダーや事業部長からのメッセージ。
すばらしき同僚たちからの生メッセージ。
俺の生ギターライブ 「STAY STAY DREAM(寒いオリジナルソング含む)」。
花束贈呈と、サプライズプレゼント。
ご歓談、ご歓談、ご歓談……。

俺が事前に知っていたもの、知らなかったもの、すべてのイベントが――まるで「東京フレンドパーク」の番組最後のエアホッケーのように――中空をすべるかのごとく、進行していく。「こっち来て……次、あっち行って」という感じで、俺の身ひとつも完璧にコントロールされる。それは、骨身まで染み渡る、最高の心地良さ。

感動的な場面も何度もあった。でも、不思議と涙は出なかった。それは、ただただ嬉しかったから。そして……最高に、楽しかったから。

……そして続いた、2次会3次会が終わるころには、すっかり夜は明け、その日5回目くらいの俺のスベるあいさつで、サイッッッコーのギグ(=オルガスム・ギグ)は終焉を迎えたのだった――。

あとで、いろんな人の感想を聞くと、「送別会というよりは結婚式の2次回みたいだった」という意見があって、なるほど、と思った。あと、3人の幹事の黒服姿――特にスーパー合コニストの格好――が、女子にえらく評判だったらしい。

俺も、彼らに合わせて黒のスーツと白シャツにえんじ色のネクタイでキメていたのだが、「七五三みたい」とか、「北○鮮の人みたい」など、さんざんな言われようだった。

七五三……はまだしも、北○鮮たぁどういう了見だ、こんちきしょーっ。

――って、それはの芸風でした。私が言いたいのは、次のたった一言です。


3年間、ありがとうございました!