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モラモラ会社員がムラムラしながらお届けするヌルヌルアーカイブ。

去勢された犬「ワン太夫」に想うXserve

2004-09-30 | ヌルヌルアーカイブ
「ワン太夫(だゆう)」

ウチで飼っている、柴犬の名前。しかし、なぜか俺以外には「太郎」と呼ばれているこの犬が、赤ん坊のヨダレかけみたいな円すい状の物体を、これみよがしにその首に装着しているそのわけは――

去勢をしたから。

……とどのつまり、“傷口を舐めないように”という、獣医さんのせめてもの配慮、形だけにとどまらない優しさ――というわけだ。

今ちょうど、1歳半くらいだったかな……犬的思春期を迎えていたのだろう。最近のワン太夫は、たしかにいささかのっぴきならない感じだった。突然飼い主に噛みついたり、道行く他人さまにいきなり襲いかかったり、盗んだバイクで走り出したり、校舎の窓ガラスを壊して回ったり……だからって、いきなし最終手段ですか、父さん。

すっかりメッキリはっきりクッキリ、大人しくなってしまった……ワン太夫。人は言う。子孫を遺せない飼い犬は、去勢したほうが幸せだと。本当に……ホントにそうか? そうなのか……?

(意味合い的に)同じようなことが、いま俺にもふりかかっている。いや、まだそうだと決まったわけではないんだけど……その“かのう”性はあるんだ。

願わくば、あかひげ薬局あたりで売っている最高級ローション……いやせめて、ホルモン注射――もとい、カンフル剤であってほしい。

長年あたためてきたプランと、中堅の気負いと、ほんのちょっぴりの下心と、そしてなにより“ブラザーソウル”に依って、ここまであまりに順風満帆だったある極秘プロジェクトが、いったいどう解体され、そして……再構築されるのか。

去勢されたワン太夫のあの表情が、視界の隅に常駐してはなれない。
そう、まるで――「テトリス」で次に来るブロックを知らす、画面右下のあの予告モジュールのように。


「忍者ハットリくん」「ranKingranQueen」「マロニー」「妹」Xserve

2004-09-28 | シネシネアーカイブ
■「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE
観た。なんというか、

・マイナーなネタをマイナーなテイストで“あえて”メジャーに出す
ってことが流行っている昨今において、

・マイナーなネタをメジャーなテイストで“当然のように”メジャーに出す
っていうことって、意味性が薄いというか……ああ、やっぱりつまらないなぁ……という感じ。

■「ranKingranQueen」
渋谷駅の「ランキンランキン」で、

・「ふりかけ」ランキングの2位 「納豆ふりかけ」
・同3位 「唐辛子ふりかけ」
・「ゆず」ランキング1位の 「チューブ入りゆずコショウ」

をお買い上げ。たまにしか来ないけど、ここに来ると毎回必ず何か買ってしまう……きっと、最高に気持ちよく衝動買いができるからだろうな。

情報受発信拠点としての駅の潜在的価値に注目し、駅を「メディア」として捉え、膨大な量の情報の中から取捨選択した「話題」の提供と商品販売を結びつけることで、「リアル」と「バーチャル」を融合させた新コンセプトのショップ

東急みたいなオールドエコノミーの代表のような会社に――ホリエモンやらミキティーもクリビー間違いなしの――こんなコンセプトを、考えて実際に形にできる人間がいるということが、すごいよなぁ……とあらためて思った。

■「マロニー」の由来
高校時代から腐れ縁の男5人で渋谷の「しゃぶ禅」でひたすらしゃぶついていると、ある男がこういった――「もっと、マロニーが喰いたい」――数分後、出てきた皿には、通常あるはずのほかの具材は一切なく、マロニーだけが……そう、マロニーだけが……ただ悠然と、鎮座ましましていたんだ……。

あまりにも感動的な光景だったので、写真に収めるだけでは飽き足らず、思わず「マロニー」の由来を調べだす始末。それがまさか……

・まろやかに煮えるから、マロニー
・シベリアの少女「マロンちゃん」にちなんでるから、マロニー

ダブルミーニングだったなんて……。

■「妹」に彼氏ができた
長年付き合った凸○印刷のSEと別れ、○産の営業マンとも速攻で別れてはや数か月。妹に彼氏ができたらしい。2歳年上の中堅SIのSEで、一週間くらい前に合コンで知り合ったとのこと。つーか……もう外泊かよっ。

ああ、俺も、某H谷君みたく、血の繋がってない妹10人と箱根に行きたい……。
(↑これって小さくまとまってなくない?)

コンピイベントとイタリアオヤジとうどんの旨さでXserve

2004-09-26 | ぷらぷらアーカイブ
某コンピアルバムのイベント@代官山へ。予想してはいたんだけど、先日の「GREE Night 2.0」とは比べモノにならないくらい、ハイカルチャーなイベントであった。

LEON」風に喩えるならば、

・ちょいシックなイタリアオヤジが
・裏銀座の裏VIPたちと
・夜にアヤしく華ひらくちょいモテトークを
・“お金じゃなくてセンス”を武器に展開し
・コムスメに勝つ!

みたいな。

プロトカルチャーがマスカルチャーを侵食するとき――大音響とともに、壮大なカタルシスが訪れ、世界を革命する……!

みたいなことを、ついつい考えてしまう俺は、いわば「イタリアオヤジ」とは真逆の存在。「コムスメに勝つ」どころか、連戦連敗の惨状を喫する。アテンドに徹してくれたHくんOくんの貴重な工数が惜しまれる(時間単価いくらだ……?)。ていうか、そんなことしてくれなくてもいいのに……決めた! 俺は、いまから……今日この日から、「ちょいシックなイタリアオヤジ」に将来なるべく、目指すべく……邁進するゾ! お金はなくていいんだ!(ヤッター) 大事なのは、センス!(ぎゃふん) 最終的には、夜にアヤしく華ひらくちょいモテトークで、コムスメに勝つ!(ぜってー無理)

――イベントで傷つき、疲れ、磨耗し……いまはこんなに淋しくて、涙も涸れ果てて、もう2度と笑顔にはなれそうもなく……家に帰る気力すらなかったので、Hくんの家に転がりこむ。

嗚呼、そこですするうどんの旨さよ。金星と冥王星と月と太陽よ。ああ、君の心に僕は……住んでいますか?――そんな感じで、うどんでできたスキ(うどんスキ)を、あけっぴろげに開陳していると……

「最近、楽しそうだけど、小さくまとまってるっつーか、安くないですか?」
「努力しないなんて、もったいないですよ」

なんてな辛らつなお言葉が――
説教タイム( ゜Д゜)キタ━━━━━━━━━━━━━!!!!

これは、今日を振り返っての話じゃない。ここ最近の“俺評”だ。3つも年下の……いやいや、この際、年齢なんか関係ない。この手のことは昔から言われてきた俺だが、最近はこういうことを言ってくれるヤツはまれだ。乃木希典(のぎまれすけ)くらい、まれだ。変色度MAXのアレキサンドライトくらい、まれだ。まれであるということは、希少性が高いということであり、それが手に届くところにあるということは、とても幸せなことだ。

だが、「幸せ」なんて所詮「安い」ところにあるのでは?……というのも、紛れもなく最近の俺の感触ではあるんだ。
だが、「努力」らしい「努力」を生まれてこのかたまともにしたことがない……というのも、紛れもなく生来の俺の感触ではあるんだ。

来4半期は、がんばろう、と思った。
いろいろな意味で。

「スター・ウォーズ」旧3部作DVD観て親指骨折…!? Xserve

2004-09-24 | シネシネアーカイブ
午後5時……。今日、俺が起きた時間……。いったい、今の今まで生きてきて、何度この後悔という名の苦汁、諦めという名の辛酸を嘗めてきただろう。キダ・タロー

しかし、落ち込んでばかりもいられない。今日というこの日を糧にして、明日という名の壮大なサーガをストーリーテリングしていこうじゃないか。ましてや、今日は待ちに待った「スター・ウォーズ」旧3部作DVDの発売日。amazon.co.jpと書かれたダンボールを豪快にデストロイし、現れたるそのDVD-BOXを見るやいなや――脳内ジョン・ウィリアムズが、例のテーマをフェードインさせるんだ。

♪ジャーン ジャーン ジャーン ジャッジャジャーン ジャッジャジャーン

そして、脳内C3POが手際よくビニールをはぎ取り、我がスーパースターデストロイヤー級のスーパーホームシアターのスーパーDVDプレーヤーに、タトゥーインする。脳内R2D2がピコピコうるさいなぁと思っていたら、あっついお茶をもってきてくれた――。

そんな至福の時間は――まるでおとぼけキャラのヨーダのように――あっという間に過ぎ、今日のところは「帝国の逆襲」まででとりあえず打ち止め。俺の大好きなキャラ、アクバー提督との逢瀬は、次の機会にとっておこう。ウフフフフ……。

――そんなふうに余韻を楽しんでいたときだ。今年高校受験の弟が、真っ青な顔をして俺の部屋に突然入ってきたのは。

「アニキ、ちょっと見てくれよぉぉぉ」
「ん、どした?」

見ると、弟の右手の親指が腫れ上がっている。

「ハンモックから落ちたんだよぉぉぉ」
「……え?」

聞くところによると、今日弟は友だちから使っていないハンモックをもらってきて、それを大喜びで自分の部屋にセッティング……したはずが、派手にすっころんで床に親指を強打した……ということらしい。

「いたいよぉぉぉ。しかも、曲がらないよぉぉぉ。きっと、折れたんだよぉぉぉ」
「救急車呼ぶか?」
「………。本当は折れてなかったらカッコ悪いからいいよぉぉぉ」

――パシャッ――

「なんで写真とるんだよぉぉぉ」
「まぁまぁ、こういうのは記念になるから」

とか言いつつ、心のなかでは「ネタ (σ・∀・)σゲッツ!!」と叫ばずにはいられない。しかし、いい年して泣き叫ぶ弟を、いくら面白いからといって、これ以上おもちゃにもできない。俺は、手際よくインドメタシン入りの軟膏を患部に塗ってやり、ガーゼと――割り箸で作った即席の――添え木を足したあと、包帯でぐるぐる巻きにしてやった。

040924_0115~01.jpg

とりあえず、これで明日の朝まで様子を見ようと思う。もしかしたら、朝イチで病院に連れていくかも……。

サーフィンデビューでXserve

2004-09-21 | ぷらぷらアーカイブ
サーフィン映画「ブルークラッシュ」にアテられてから一週間……ついに、ついに俺は……サーフィンデビュー……しちまったぜ?

これを書いている現在、俺はからだの節々がもういたくてしょうがない。おまけに右手の親指には原因不明の激痛が走っている。右足の親指にいたっては5ミリ四方ほど皮がむけちまっていて、あまつさえ中に砂が入り込んでいて取れやしない。

それでも、ああ、それでも……俺を捕らえて離さない、水面を走るというあの感覚――。エリマキトカゲも、ましてや水蜘蛛を履いた忍者なんかにも負けようはずがない。パドリングからテイクオフへと移行するその瞬間――オンショアに荒ぶる波のフェイスをことごとく制服していく俺は、水神ナーガか……はたまた蛇神清姫か。なーんて、波に乗れたのはせいぜいMAXで5秒くらいなんだけど。

まったくのはじめてなので、とりあえずスクールに入った。1時間ビデオを見させられたあと30分の陸上トレーニング、そのあと海での実践が約1時間半という計3時間コースで、5,150円(税込)ポッキリというのは安い……っ! スノボとかなら、確かこの3倍くらいしない? それに、山の斜面と違って海は平らだし、転んでも水なので痛くないというのはデカイ。パイプラインのビッグウェーブくらいデカイ。ジャンボ鶴田のジャンボラリアットくらいデカイ。下唇の裏にできた口内炎くらいデカイ(!)。

ただ……鵠沼海岸は、本当に汚いと思う。水は腐ったトムヤムクンみたいな色だし、砂浜はゴミだらけだ(足の指をケガしたのはこれのせい)。俺も、きっと地球から見れば汚い腐ったゴミみたいな存在だから、環境保全のためにももう死のうかな……みたいな気持ちにさえなってくる(ウソ)。

だが、駅から海岸へと続く街並みは情緒ゆたかで、

040919_1735~01.jpg「木造モルタル」という言葉がとてもしっくり来る散髪屋や、







040919_1737~01.jpgレトロなBMWの屋根つきスクーターなど、







これらの存在を見つけるにつけ、3連休という感慨を記憶に刻みつけるのだ。さらにいえば、それは「サーフィンデビュー」という一生に一度のキーワードとともに、俺の海馬に刻印されるのだ……BGMは、ビーチボーイズの「サーフィンU.S.A.」に決まってる。つーか、この日はずっと鼻ずさんでいた。たとえ、波に巻かれてすっころび、鼻のなかがいくら海水で「ツーン」としようが、俺のなかで芽生えつつあった“無類のサーフィン好き”としてのプライドが、そうさせたんだ。あらためて言おう。BGMは、ビーチボーイズの「サーフィンU.S.A.」に決まってる……。

040919_1904~01.jpg帰り路。町田で途中下車し、行き着けのタイ料理屋「マイペンライ」へ。







早い旨い安い! 鵠沼カラーのトムヤムクン! そして、

「この食器は銀ですか?」
「いや、アルミです」
「じゃぁこの燭台は銀でしょ」
「いや、すずです」

なんてトッポイ会話を、あえてデジャブさせる。
頭のなかでは、あいかわらず「サーフィンU.S.A.」が流れていた……。

メガスター見そこね原宿でおじや喰らって和スイーツXserve

2004-09-20 | ぷらぷらアーカイブ
ひょんなことから、東大出で恐妻家のおちょぼ口と、お台場にある世界一のプラネタリウム「MEGASTAR-II cosmos(メガスターII コスモス)」を見に行く予定だったが……当然のごとく巷のカポーに大人気とのことで、午前中にチケットが売り切れて……という憂き目に。いやむしろ、男2人でお台場でプラネタリウムを見れていた方が“憂き目”だったのかもしれないが――。

そんなわけで、気をとりなおして特別ゲストに某“古風なビッグネーム大統領”を迎え、なぜか……原宿で遊ぼうということに。

――原宿に到着。

オジヤンカフェ」で揚げパン入りのおじやを喰らって――むかし風邪をひいて学校を休んだときのような――スペシャルな気分を醸成しつつ、「アシストオン」でのちのちの処置に困る不必要な雑貨――ノンバッテリーライト、回すと鳥の声が出る木ネジ、完全二足歩行ロボット、方位磁石キーホルダーなどなど――を買い込む。

晩夏の沙羅双樹が生い茂る「東郷神社」で、正規のセオリーにのっとって手水(ちょうず)を済ませ、神前で2拝2拍手1拝したのちこうべをもたげると――眼前の本殿では、あまりに「和」な結婚式が、今まさにおごそかに……そして、しめやかにとり行われていた。しばし遠い目をしつつ、ながめる。

東郷神社の祭神が何かと気になり立て札をみやると、日露戦争でバルチック艦隊を破ったかの海軍大将「東郷平八郎」が祭神だった。「これは!」と思いおみくじを引いたら、「小吉」だった。ちぇ。だいたいが俺は、おみくじを引くと吉か小吉か凶か大凶あたりしか出ないんだ。一体、“何吉”だと、バルチック艦隊とかって撃破できるのかな、と思った。

さて、「バルチック艦隊」といえば、「和菓子」に決まってる。境内を竹下通り方面へ抜け「菓匠寿々木」へ。ここで、つめたい煎茶とくずもちをいただく。んまい。まんず、んまい――東郷神社で奮った俺のにわか大和魂が、和スイーツの甘さのなかへ溶け込んでゆき、つめたい煎茶が刹那るカタルシスを招致する。休日ボケのガキどもで密集する竹下通りからわずか20mほどなかへ入っただけなのに、たたみ8畳の部屋にいるのは……俺らだけ。

ガキの街で味わう、オトナの味。
オトナの味なのに、とってもスイーツ。

――至高のアンビバレンツの連鎖が続く。原宿という街の素顔をひとつ知った気がする。その奥深さに、「どうりで、筒井康隆なんかがしょっちゅう散歩してたりするわけだ」みたいなことを思う。と同時に、「筒井康隆なんて別にどうでもいいじゃん」みたいなことも思う。

結果的に、行き当たりばったりだったわりには、なかなかかなり充実したホリデーだった。

で……あれ、最初のそもそもの目的(メガスターよりさらに前の)って、なんだっけ……?

う~ん。ま、いっか。

パエリアをかっ喰らいながら「きみのためなら死ねる」Xserve

2004-09-18 | ピコピコアーカイブ
女性は、「幼児体型」と言われると、怒るものらしい。そりゃ、怒るか。そして、その言葉をいつのまにか俺が吐いたことになっていて……「言ってねー」という弁解は、反って「誠意って何かね?」という事態を呼び、新宿の驚異の賄い酒場こと「藤田バー」の夜は更けていくのだった――。

妙に前知識を植え付けておいてかつ何の事前談合もなくバカ殿ときたろうを足して2で割ったような顔をした後輩をその場に呼んだのは、いま思えばチャレンジブルな試みだった。4半期末という名の高揚のなかで、言葉の行き違いから生じた確執と、2Dチャットから生まれた確執、呪われた職場環境が生んだ確執……などなどが、次々と明らかにされていく。あと、衝撃的な事実とかも……。それは、ほんのちょっと想像力を働かせさえすれば、点と点を線で結ぶのは、容易かったんだ――嗚呼。

どでかい具だくさんパエリアを満を持してかっ喰らうころには、俺は深々と長いすに身体をあずけ、すでにあさっての思考モードとなっていた。そして――決して音色も、ましてや同時発音数も多くはない脳内音源で、あるメロディーが流れ出す。

♪ヌヌネネヌヌネノ ヌヌネネヌヌネノ ヌヌネネヌヌネノ ………

聞くところによると、このジャジー(邪自慰)なナンバーは、あのセガのソニックチームがニンテンドーDSで放つらしい最新作――

きみのためなら死ねる

のテーマらしい。商品説明をここであえて引用すると、

ナイスバディの魅力的な彼女。
彼女のまわりには、いつもすごくイケテル男たちが。
主人公である少年はいわゆる “ぱっとしない、ふつうの男の子” 。
彼は彼女に一目ぼれをしてしまいます。
そして、彼はいつか彼女に振り向いてもらいたくて、色々な試練に立ち向かうのです。
衝撃と感動と奇跡のラブストーリー。

とのことで、軽いめまいに襲われた。そうだ。「ナイスバディ」とまでは言わなくても、「スレンダー」くらいのボキャブラリーは、俺だって持ち合わせているんだぜ……?

それにしても、である。「101回目のプロポーズ」からはや10数年――。
ひとまわりして、もはやこれって……新しくない?

「きみのためなら死ねる」

いっぺんでいいから、言ってみてぇ。

「乃木坂」の由来――旧乃木邸でXserve

2004-09-15 | ぷらぷらアーカイブ
毎朝毎晩、俺は――千代田線の「乃木坂」駅を利用している。なぜって、通勤で。そして、「乃木坂」という地名の由来なんて、考えたこともなかった。なかったんだけど、ひょんなことからその由来を知るに至った。そう、そこにヒラヒラと舞う歴史のベールを1枚めくれば……ひとりの男の名が浮かぶんだ。

乃木希典(のぎまれすけ)――日露戦争を勝利に導いた、陸軍最高の「名将」。
乃木希典(のぎまれすけ)――世俗的欲望を絶ち、自らを徹底的に純化したひとりの「男」。
乃木希典(のぎまれすけ)――軍事的才能に関しては、無能の烙印を押された「演出家」。
乃木希典(のぎまれすけ)――近代随一の国民的英雄であり、「軍神」。

つまりは、明治の世に乃木将軍という軍人さんがいて、生きているときからとても有名だったと。そして、明治天皇が崩御した際に妻と共に後追い自殺して、さらに有名になったと。そしてさらにいつしか――彼の旧邸の周りは、「乃木」が付く地名であふれたいたと……まぁ、そういうわけなんですね。不思議発見!

そして、そんな彼の“清く気高い忠臣の志”が、周りの空間を――まるで原子レベルで励起するかのように――呼応させてか、すぐ近くの六本木トンネルは心霊スポット兼使い勝手のいい撮影ロケーションとして名を馳せ、なかんずく青山霊園では俺はなぜかこの夏の勝負をかけていたってなわけですよ……おっと、話が脱線しちまったぜ。

そして、毎年9月13日は、乃木大将の命日――。
その日は、年に一度2日間だけ、普段入れない旧乃木邸が公開される日。これは、無類の乃木大将好きとしては、行かない手はない。

――驚くほど質素なたたずまいだ。まるで、「おしん」とかが住んでいたような家だ。大きさも、大豪邸というほどではない。現在で例うならば、庶民が「ちょっと背伸びしてがんばっちゃいました」「それでも家を買いました」クラスだ。しかし、おしんの家には「大将が自決したときに着ていた血染めの肌着」なんてあろうはずもなく、その意味においては別宇宙の存在である――と、そう認識を改めざるを得ない。それはきっと……あえて有り体にいうならば、「歴史の重み」ってやつだ。

そうこうするうちに、ところどころに西洋家具で統一されたシーケンスが出てくる。そのなかのひとつが、↑の写真――「洋式トイレ」だったんだ。これを見つけるなり俺は……気に入った。とにかく、気に入った。そのわびさび。微に入り細を穿ちっぷり。洋式といえど、メリケン人のデカ尻の存在を、そのレゾンデートルからして否定するような瀟洒なたたずまい……そのどれをとっても、そう……一流。
嗚呼、一流のトイレで一流の用を足したひ……。

「これは、日本で最初の洋式トイレなんですよ」

誰も聞いちゃいないのに、係りのお兄さんが親切心から教えてくれた。もちろん、もう、俺は大興奮だ。

「マジッすか! マジッすか! すげぇ! すげぇ!」

そしてすかさず、

「便座のフタ、取って開けてみていいすか?」

と聞いた。お兄さんは、本当にいいヒトだった。迷わず、フタを取ろうとしてくれただけで、俺はもう万感が胸に迫った。

「あ。くっついてて、取れないです」

……いいんだよ、取れなくて。それは重要ではない。そもそも人生なんて、取れることと取れないことどっちが多いかっつったら、取れないことの方が多いんだよ。大事なのは、そのときの心意気だ。取れなかったからって、いちいちひがんでいるようじゃぁいけねぇってことよ。え、そう言うあんたはどうなんだって? 俺にそんなこと、本当に聞くのかい? 本当の本当かい? 俺は……そう、パラサイトシングルさ。「14コ年のはなれた弟の成長過程を見守りたいから」ってな言い訳は、お天道さまが許しても、俺の心意気がもうそろそろ許しちゃおかねーぜ? ってなことよ。乃木坂のあたりっていいよね。心霊スポットでもいいから、安い物件ないかなぁ~?

そんなわけで、最後に乃木神社でお参りして、乃木大将の絵本「いのち燃ゆる」を買って、帰りましたとさ。

「GREE Night 2.0」でXserve

2004-09-14 | ヌルヌルアーカイブ
「GREE Night 2.0」に行ってきた。いわゆる“友だちストーキングツール”こと、ソーシャルネットワークサービスのいまや日本における草分け「GREE」が、利用者10万人突破目前を記念して行うビッグエベントだ。

――つっても俺は、前回のこれに参加して一通りネタにさせてもらっていたので、今回はぶっちゃけ興味なかった。なかったんたけど、なんかいつの間にか参加することになってしまっていた。嗚呼……。

何というか、もう予想どおりだった……そのダメっぶりが。あまりのいたたまれなさに、俺のなかで年に数回しか起動しない「負のバラフレイザー」が、ファイナルフュージョンを承認する……然して、その起動プロセスはこうだ。

一、人多すぎ。
  →しかも、学生っぽいオタ(もち男)がほとんど。

一、料金高すぎ。
  →ワンドリンクで3,150円ってどうよ?

一、スポンサーのMSN、だまされすぎ。
  →メッセンジャーとブログの宣伝がしたかったらしく、企画担当以下20人くらい動員してTシャツまでバラまいてとにかく必死だったが、総じてはげしくイタかった。

一、せっかく代官山のクラブでダンスナンバーかかってるのに、誰も踊らなすぎ。
  →オタに「踊れ」だなんて、植物プランクトンに「食われるな」と命令するほどありえない。

一、客、ほっとかれすぎ。
  →進行、構成、演出すべてがグダグダなので、結果的にそうなる。

さぁ、ここまできた! 会場があったまってきた~っ! 北が北からキタナイ顔してやってきた~~っっ!
「負のバラフレイザー」が、いまここに導き出さん! 「GREE Night 2.0」がなんたるかを物語る、決定的なキーワードを……!!

それは――そう、「コミケ」だ。

オタがすごい密度で集まって、なのに話し相手がいなくてオタオタしている。いくつかのセクトは閉鎖的で、共通言語を持たざるものを寄せ付けない。ステージの上ではMSNのちょうちょのコスプレをしたヘンなおっさんがはしゃいでいる……これは、俺が知る限りにおいて、「コミケ」以外の何モノでもない。しかも、「コミケ」なのに、肝心の同人誌に当たるものがない。岡田斗司夫のヒマな趣味本もなければ、たこつぼ倶楽部も……ましてやいまか屋の本もない。前回の立役者の元ビズシーク社長もいない。あるのは、グダグダの進行で垂れ流される意味不明の出し物と、それを呆然と眺めるオタの死んだ目だけ――そこにはもちろん、買ったばかりのエロ同人を品定めするときのまばゆいばかりの輝きはない。っていうか、オタだけじゃなくて、みんな目に力がない。誰も何もない。つまりは、このイベントはコミケ以上でも以下でもなく、“コミケ未満”ということなんだろう。

ただ、会場をよく観察すると、オタたちの間に「GREEとかよく知らないけど、なんとなくたまたま知って来ちゃった」風の女の子も7.2%くらい埋もれていた。ライバルらしいライバルもほとんどいないことだし、彼女たちを「GREEはいっすよ! いっすよ! でも、mixiの方がもっといいんだYo!」とかいいつつ口説くのが、このイベントの唯一の楽しみ方だったのかも。

そんなこんなで2時間ほど粘ってはみたものの、とりもなおさずいたたまれなくなった俺たちは、会場を音速で離脱! 恵比寿に最近できたタワレコのキャフェへ移動する。ここで、体に溜まったベロ毒素や異常プリオンなどの毒物を「癒し」をテーマにしたカクテルで洗い流したあと、もつ鍋「蟻月」へ。失われた人生の時間を取り戻すかのごとく、焼酎にバッチグーな――プリン体がもうプリンプリンしちゃっている――激ウマもつを、これでもかとかっ喰らう。

しかし……その程度の酒気食気で祓えるほど、ヤワな「呪い」では……なかったんだ。

ちょうど、JRで恵比寿から新宿に移動していたころだ――俺は、急激に気分が悪くなった。腹をさすらずにはいられない。頭もガンガンする。こんな……こんなところで……無念!……ぐふっ。気づくと、俺は、新宿駅小田急改札横のトイレでウンウン唸っていた。

「今日のこの苦しみを、明日への糧としようぞ」

そう思いつつ、グリッとうんこをひりだした、そんないたたまれない夜。3.0は、もういいです。

「ブルークラッシュ」でゴーイングマイウェイXserve

2004-09-12 | シネシネアーカイブ
サーフィン映画「BLUE CRUSH」を、マイ☆スーパーホームシアターにて鑑賞。ハワイ、オアフ島ノースショア――。オアフ島といえば、相撲で行司があの何ともいえないイントネーションで宣(のたま)う台詞、「ハワイ、オアフ島出身、○○部屋」が頭をかすめるばかりではない。いま、眼前の80インチと7.1チャンネルサラウンドから迫りくるのは、紛れもない――CGその他も一切なしの――パイプ・ラインのビッグウェーブなんだ。

この映画を観ると、サーフィンをやりたくなる――っていうけど、ご多分に漏れず俺もやりたくなった。ビッグウェーブじゃなくてマイクロウェーブとかでもいいから、ライディングしてみたい……あ、マイクロウェーブっつったら電子レンジの電磁波のことじゃん。ライディングどころか、ライデイン状態になっちまうぜ。でも、そもそも土台からして無理な話なんだろうな、俺に……サーフィンなんて。だって、危なそうじゃない?

主人公が3年前にパイプラインのサンゴ礁にドタマをぶつける――という描写があるんだけど、これが痛そうなことこの上ない。痛いのキライ。痛いのコワイ。それに、このブログを読んでいるひとは、サーフィンをやってる俺なんぞ誰も期待していないだろう。期待されていないことは、やらないに限る。

しかし……もしも仮に、俺の趣味がサーフィンだったとしたら……きっと、ブログの更新なんか二の次にしてハマってしまっているに違いない。そう、新しい――青く広大な世界が無限に広がって俺の魂を開放し、すべての世迷い言をデリートし、貧弱な男の見本な自分とおさらばし、お目当てのあの子をついにゲットし、キライなアイツは事故ってクラッシュバンディク……したりするに違いない。

閑話休題。

来週のジャンプ(近所の薬屋で土曜に出るのを弟がたまに買ってくる)の巻末読み切り「ゴーイングマイウェイ進」が面白かった。悪者にさらわれた愛しのあの子を救ってかつ“告る”ため、友だちのミソゴリラと――14142(ひとよひとよに)――瞳五郎、落ち武者と落ち武者2、釈迦とオバケ……などなどと協力するという、最高最低のバカバカしさ。そして……ミソゴリラは魂をすいとられて別次元の存在となり、瞳五郎はサイボーグ化し、落ち武者はタイムスリップし、釈迦は特に何もせず、オバケはお月様になる……最高じゃない? 読み切りって一期一会だし、切り抜いて保存しとこうかな……くらいまで思ってしまった。

というわけで、「ブルークラッシュ」のように「ゴーイングマイウェイ」な人生を歩みたいものです(←どんなオチだよ)。

タクシーの運ちゃんとローリング内沢でXserve

2004-09-10 | ヌルヌルアーカイブ
なぜ、タクシーの運ちゃんは、「ああ、つかれたーっ」「ねみーっ」「つーか、寝る」「頼むから、話しかけるな」――というときに限って、話しかけてくるのですか?

だが、その話が面白いと、眠い目をこすりつつ、つい聞き入ってしまう。

ついこのあいだ、某代理店で30年間「東武デパート」のクリエイティブをつくっていたという運ちゃんは、

・弱小代理店が電博などの大手にいかに立ち向かっていくか
・クライアントが納得する大物デザイナーをいかに探して口説いて仕事させるか
・西武と東武のイデオロギーの違い

などなどを力説してくれて、とても面白かった。定年まで現場にいて、今は運ちゃんをしている……と。物腰のやわらかい、そして話好きな、“下町のおいちゃんライクな”運ちゃんだった。

ちなみに、今までに一番印象深かった運ちゃんは、こんな運ちゃん。

某全国チェーンの進学塾を一代で立ち上げ、熟経営と関連教材等の販売で数十億レベルの資産を作ったが、なんか調子こいている間になぜか会社が倒産。数十億の資産は数十億の借金となり、自己破産し、そんなこんなで今あなたを乗せてるんですよ……という――まるで「逆・愛の貧乏脱出大作戦」ともいうべき――運ちゃんだった。いかにもバタくさく、でもある意味清々しく、唾を飛ばしながら思い出したように話を紡ぐ、“青木雄二ライクな”運ちゃんだった。

人生いろいろ――運ちゃんもいろいろ……で、ある。

俺も、数十年後には、誰かの家路を――相応の年輪を刻んだ手でハンドルを握り締めつつ――昔話に華をさかせながら、ひた走っているのかもしれないなぁ……なんて。

そう思うと、ちょっと人に「巻き糞みたいな髪形だな」っていわれたからって、翌日の昼休みに速攻で髪を切りに行くような自分が、なんだかとってもちっぽけな存在に思えてきた。

「巻き糞」
  ↓
「ローリングうんち」
  ↓    ↓
「うんち」 「ローリング内沢」
  ↓      ↓
「運ちゃん」  「テクノ好き」
  ↓        ↓
「人の役に立つ」 「本当にテクノが好きな人に嫌われる」
  ↓           ↓
「存在価値がある」   「存在価値がない」

……ローリング内沢って、今なにしてるんだろう。

「オリキャラにみんなでなまえをつけよう大作戦」でXserve

2004-09-08 | ヌルヌルアーカイブ
はじめまして! ぼくにぴったりのなまえをつけてね。

こんな汚い愚鈍な世の中で、怠惰で散漫な日常で、↑こういうセリフを宣(のたま)うオブジェクトに出逢う機会は……まずない。その「まずない」という機会を与えられ、瞬間――俺は刮目し、このかわいくもあどけない――そして思わず“お持ち帰り”したくなってしまう――キャラクターに、ここぞとばかりになまえを考えてあげるんだ。

もうこの際、

「※応募された名称の権利はヤフー株式会社および株式会社サンリオに帰属します。ご了承ください」

なんていうオトナな事情は関係ない。俺のソウルが……パトスが……第三の目が……左曲がりのダンディが……長ぐついっぱいに集めたチコの実が……このUSO(未確認方形物体)の、全存在を肯定する……そのうえで、こう指令を出すんだ。

「かの方形君(ほうけいくん)に、言霊(ことだま)がさきわいたまえる御名代(みなしろ)を、すべからく沈考を重ねて応募するべし!」

――みたいなことが8秒間くらいで頭のなかを駆けめぐり、そして、次の48秒間くらいで思いついたなまえを……応募してみた。さぁ、そのなまえとは?……できたばっかの隠れ家キャフェとは?……さじ加減が微妙な予算をゲットする、ここだけのマル秘テクとは?

詳細は次号で!

……というわけにもいかないと思うので、一応ここに書き記しておくと、

1. カクバッ太
2. でんじろう
3. トーチ・ポーチ・テイ君
4. ニキータ 
5. パケラッタ
6. でんきトウフ
7. 権田原崎助之進くん(ごんだわらざきすけのしんくん)

という感じでした。
ちなみに、1.3.6が個人的にヒット中。

さらにちなみに、ワザと (あくまで“おちゃめ”に“おしゃま”に) 不正アクセスっぽいことをすると、こんなエラー画面が出るんですよ

いや~、かわいいね~。うん。いや、かわいい……のか……な?

そうだ! どうせなら、語尾を「っス」で統一するとか、「なのら」言葉にしてみるとか、何の脈略もなく「ロサ・ギガンティア!」と叫ばせてみるとか、そういうベタなキャラ作りも欲しいな、と思うのは……私だけでしょうか?(←だいたひかる風に)

伝説の覆面作家の怪作「ワイオミングの惨劇」で読了Xserve

2004-09-06 | ヌルヌルアーカイブ
伝説の覆面作家トレヴェニアンの新作「ワイオミングの惨劇」を“読了”。――ああ、これ、いっぺん言ってみたかったんだ……「読了」ってなんか、よくない? よくなくなくない? 年に、ほんの数冊しか本を読まない俺が、こんな――決してメジャーとはいえない――ナゾ小説を手に取ったのは、ゴールデン街の「深夜+1」で内藤陳会長や、カウンターボーイのユウスケくんに強力に勧められたからだった。

正直、タイトルがイケてねーな、と思った。「ワイオミングの惨劇」って……。原題の「Incident at Twenty-Mile」もどうかと思うけど。……そもそも、タイトルから受ける印象と中身が違いすぎるんだ。これは、この事実は……この作品にとって、まさに“惨劇”だ。しょうがないから、俺がもっとましな邦題を考えてみた(←余計なお世話)。

・どすこい西部劇
・ヅラ野朗を探せ!
・妖艶! 七枚のヴェールの踊り
・俺の特大ショットガンを喰らえ!
・“リーダーが悪者だからって、名字が「リーダー」という設定はどうかと思う”伝
・萌え萌え漂流記 with RK(リンゴ・キッド)

……だめだ。本気でむずいそ、邦題つけるのって。しかも、本を読んだ人じゃないと分からないネタをはさむなんて……最低だ……最低だよ。しかも、多分ネタが分かる人が見ても、おそらく、あまり面白くないであろうデキだ。

…………。

俺は、自分の「もうひとつの場所」に逃避する。そこは――すべての現実、すべての心配ごと、すべての悩みの種、その他もろもろの驚異の一切が、五感で捉えられる情報感覚と切り離される……いわば、別次元(マクー空間)。しかし、まるで第六感で感じとっているかのようなおぼろげな状況判断はできる(マクー空間)。……その結果、通常の状態では処理できようもない難しい事態を、いとも簡単に処理でき得る(……蒸着!)。

――という主人公の設定が、この物語ではひとつのキーになっていて、一見完璧に見える主人公の人間像に次第に深い影を落としていく……そう、根底にあるのは、実は「人間ドラマ」なんだ。
また、「もうひとつの場所」をはじめとした細やかな心理描写、ゴールドラッシュの残り香が漂うアンチ・マカロニウェスタンな情景描写、品を落としすぎずに外見や性癖をブチまけつつ、セリフでまくし立てる人物描写などが――ちなみにそのどれもがまぶたの裏に映像を映し出すほど“映画的”だ――三位一体となって、物語の外堀を埋めていく。

いや~、面白かった。いわゆる派手なオモシロさではなく、胸に染み入り、そこから血肉となって全身に運ばれ、最後に脳の海馬に――まるで自分が実際に経験したかのような記憶となって――蓄積されていくような……そんな面白さ。

その一番の理由は、本編のあとに作者自身が綴る後日談と、今作ができあがるまでのセルフモノローグだ。本来作品を補完するのみの役割しか与えられないはずのそれらの要素が、まるで作品の一部であるかのごとく有機的に本編と結びついていて、得もいわれぬ読了感の演出に成功している。

いやー、すげーぜ。トレヴェニアン。もしかして……これがゴールデン街クオリティー……?
同じトレヴェニアンの、「夢果つる街」と「シブミ」も読んでみようと思った。

さて、俺も「もうひとつの場所」に逃げ込んでいる場合じゃない――今週は、めちゃくちゃ忙しそうだから。
惨劇は、「南房総の惨劇」だけで、もうたくさんっスよ。

忍者風居酒屋でXserve

2004-09-03 | ヌルヌルアーカイブ
アルカトラズ以降、進化という名のポストモダン化に、ますますドライブがかかりつつある、居酒屋業界――。

その新たなる刺客として――黄色い砂塵うず巻く街――六本木に、ピンクのほほのくノ一戦士……が降臨するなんて、いったい誰が予測できた?

忍者風居酒屋「忍人本舗

今週新しく俺の職場に入社された、せんだみつおにクリソツの大型新人氏の歓迎会が、なぜよりにもよってこんな店なのか……幹事のドテチンさん(仮)を、問いつめたい。小一時間問いつめたい。そして、そのあとに……もう……胴上げしたい。アンタ……最高だぜ……。

折りしも、世間では香取慎吾の「忍者ハットリくん」が衆目をさらい、ファミコンの名作忍者ゲーム「影の伝説」はファミコンミニでの再販を嘱望され、“世界の忍者”ショー・コスギは、完全に息子をほったらかす……などなど、空前の忍者ブームだ。

そんななか、俺の目線は……そのただ一点に注がれる。彼女たち――麗しくも妖艶な、くノ一軍団に。

例えば、もしこの場に巨匠村西とおる御大がいらっしゃったとして、この状況を看過したと思えるか? いーや、思えない。

きっと、男たちは真っ青になるまで忍者刀プレイの完成度を要求され、爆弾おにぎりに刺さった花火の火花は、いつのまにか黄金水となっていただろう……その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし……おお!……古き言い伝えは、まことであった……!

ってなことになっていたに違いない、と思うわけですよ。
ええ。俺は、写真撮るだけで精一杯だったけど。
どういうオチなんですかね、これは。


「エロリータ」でXserve

2004-09-02 | エ○エ○アーカイブ
買ったばかりのマイ端末「W21S」で、そのリンクをクリックしたのは、ほんの出来心からだった――どこからともなく俺のケータイに迷いこんできた記念すべき迷惑メール第1号を開かない道理があると思うかい?――たしか、「まみ」だかなんだか……そんなハイパーリンクだったと思う。もちろん、俺はそんな女は知らない。まみといえば、「Mami画像」くらいしか知らない。しかし、そんな俺の無知蒙昧ぶりをまるであざけ笑うかのごとく、その文言はあらわれたんだ。

「会員登録が完了しました」

じょ・じょ・じょ、冗談じゃない。冗談じゃねぇぜ? っていうかそもそも……俺は、会員登録なんざしていない。ほんのちょっとだけ、「まみ」に興味があっただけだ。それだけ……たった、それだけなのに……なのに……嗚呼……!

「いますぐ以下の口座に入金してください」

とはどういう了見だ? 一体、どういう幼少期を過ごすと、こんなことを宣(のたま)えるンだ? ウェブ稼業に関わりはじめてはや有余年。ここまでデストロイなハイパーリンクは、いまだかって見たことがない。コイツの前では、アマゾンのワンクリック特許……いや、今日突然寝耳に水状態で始まった「Googleニュース」のアグレッシブなニュースアグリゲートリンクの羅列をも――まるで“ゴムじゃない”コンドームを被せたかのごとく――霞むんだ。

「只今サービス期間中登録5日以内の振込み180日間見放題3万円」

そんなサービス期間なんていらない。
巨泉のこんなものいらない。
「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」なんて、絶対言わない。

――そう、本件につきまして、私は……ないないづくしで通します。

金はないし、
払う気もないし、
カウパーはでないし、
最近息子が元気がない。

ああ、いくらでも、やるがいいさ。毎回発信元が違う入金催促の「Cメール」を、1日何十回でも送りつけてくるがいいさ。俺は、屈しないぜ……?
くやしかったら、

「入金されない場合、直接集金に伺います」

というのをやってみやがれ、ヘイ、ブラザー。
かかってきやがれ、エロリータ(←ていう名前のエロサイト)。