米下院議長が年頭行事である大統領の一般教書演説延期を求めていることが報じられた。
延期要請の理由は、2回目の繋ぎ予算不成立による連邦政府機関閉鎖の影響でシークレットサービス等の手当てが滞っているために、大統領の警護態勢が懸念されるとのことである。先日は、ホワイトハウスに招待した全米大学選手権を制したアメフトチームを、ホワイトハウス職員の人手不足から市販のハンバーガーでもてなしたこともあった。尤も、同チームの招待時はハンバーガーでもてなすのが恒例で、ホワイトハウス手作りのハンバーガーを味わえると選手は期待していたものではあるが、市販品とは!との落胆が推し量られる。メキシコ国境の壁建設費用を巡る攻防は終息する気配もなく、トランプ大統領が「連邦政府の閉鎖を意に介しない」としていることから、更に長引くものと思われる。連邦政府の閉鎖については、どのような優先順位で行われるのかは知らないが、ホワイトハウス職員はともかくとして、核のボタンを持つ大統領の身辺警護態勢維持さえも、優先順位がさして高くないことに驚いた。日本でも”ねじれ国会”で次年度予算が年度内に成立できない場合があったが、国民生活を守ろうとする与野党の譲歩によって暫定予算は成立・執行されたために、政府機関の閉鎖は未経験である。もし、近い将来に日本でも暫定予算さえ組めなかった場合は、どのような優先順位で政府機関を閉鎖する計画・仕組みなのだろうか知りたいところであるが、ネット内で見つけることはできなかった。1995年のアメリカの例では、国立公園・博物館等の閉鎖、パスポート発給事務の中止などが報道されており、日本でも同様の不都合が起きるのだろうが、あって欲しくないことである。
参考までに、日本が暫定予算執行を余儀なくされた事案をネット内に見つけたので、懐かしさのあまり転載する。
《細川連立政権時代の1994(平成6年)年に、政治改革関連法案の審議を優先させたことから予算案が国会に提出されたのは3月4日であったために、当然、年度内に成立させることができず50日間の暫定予算が組まれた。暫定予算で新年度がスタートした直後の4月8日、細川護煕総理が突然退陣を表明。とうとう暫定予算の期限である5月20日になっても予算審議が始まらず、さらに40日間延長して「暫定予算の補正予算を組む」という異常事態になってしまった。遅れに遅れたこの年の本予算が国会で承認されたのは、6月23日であったが暫定予算が編成されたことで政府機能の停止は避けられた。》