もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

LAWS兵器の非人道性

2018年03月04日 | 軍事

 AI(人工知能)が支配する自律型致死兵器システム(LAWS)が研究開発の段階から、実戦配備が問題視される段階に来たとされている。

 現在の無人兵器は航空機しか実戦配備されていないが、航法は自動化されているものの攻撃はすべて人間の判断・制御下にあり誤爆による非戦闘員の殺害と民間施設の破壊を防止するように運用されている。しかしながら、中国は航法・攻撃のすべてをAIが判断する無人航空機や、無人潜水艦を既に完成させ、ロシアはAI搭載で目標を長時間にわたり自動追尾・攻撃できる魚雷や自動追尾機雷の実戦配備を終わったとされている。AIは一定の条件に合致する目標をすべて攻撃するようにプログラミングされるために、LAWSは非戦闘員の殺傷を禁じたジュネーブ条約や非人道的な武器使用を禁じたハーグ戦争条約に抵触するとされているものの、自国兵士の損耗を考慮することなく長時間の戦闘行為を行えること、攻撃精度が人をはるかに超えることから日本を除く先進国で開発されているとされている。さらにLAWSが脅威とされるのは、運用のための衛星通信や指令室等の支援施設や装備が不要の、いわゆる撃ちっ放し兵器であることからテロ国家やテロ組織の手に渡った場合の脅威は計り知れないことである。また、撃ちっ放しの兵器であるため、発進基地・発射母体から攻撃者を特定することが困難で、攻撃者は報復や国際的な非難から免れることも期待できる。嘆かわしいのは人道や国際社会の思惑など一顧だにしない中国が保有して点であり、さらには、中国の傀儡である北朝鮮に供与された場合、インド洋や東・南シナ海の航行や当該地域上空飛行の自由は保障されないことである。

 安価であるが強力な武器が世界中に蔓延する日がそこまで来ているものの、製造や保有を禁止しようとする国際条約作りは難航している。おそらく日本でも研究されていると思うが、自前のLAWS保有を目指すべきではないだろうか。(既に米海軍が揚陸艦に搭載しているレーザー兵器システム(LaWS)と混同してしまいそうだが)