仕事終えて徒歩での帰り道、後ろの方から「奥さ～～ん」と呼ぶ声がした。
振り向くと、庭にいたご婦人から、「大根一本持って帰らんね～！」と声を掛けられた。
え？親しく無いのに何故？と思いながらも、欲しかったので、「ハイ」と返事をした。ｱﾂｶﾏｼｲかの？
家の横の畑から大根一本をヒョイと抜き、丁寧に洗いながら、「奥さん、家はどの辺？」って聞く。
ぎこまめが通勤で朝通るときに、そのご婦人とはただ一度だけ顔が合って挨拶をしたことがある。
歩いてるので、ぎこまめが近くの人だと思ったに違いない。
でも、ぎこまめがどこの誰とも知らんのに、わざわざ呼び止めてまで大根抜いてくれるなんて。
人の親切温かさを嬉しく感じ、恐縮しながら有り難く頂いた。
ご近所と言えども、自分の組内以外の人とはあまり会うことも話すことも無いので、知らん人が多いのです。
まず、歩いてる人がいない。ほとんどが車で行きかう人ばかり。
そういう交流のない冷たい日常が、それぞれに当たり前のように過ぎていく暮らし。
昔から代々ここに住んでいる人と、よその地から来て家を建てて住み着いた人とは、自然と距離感がある。
ここに住んでもうすぐ20年になるし、ぎこまめも、やっとこの土地の仲間に入れたのかな。
帰ってから喉が渇いていたので、冷蔵庫を開けても牛乳しかない。
でも牛乳はお腹がゴロゴロ鳴るので、少しだけ飲もうと牛乳パックを取り出したら、コトコトと音がする。
ん？凍ってるのかなと思って注ぎ口を大きく開いたら、「あぁ～～！こんなところに隠しとぉ～！」
・・・缶ビールが出てきた。ｺﾘｬﾏﾀﾋﾞｯｸﾘ！
昨日、確か、あと一本あったと思ったのに探しても見つからんので、自分の思い違いかと諦めていたのです。
早速、写真撮って犯人らしき輩にLINEで画像を送ったら、「チッ！」と言う返事が来た。
今日は思いもかけん人から大根貰ったし、ビールも出てきたしで、嬉しい日だな。
☆追記☆
後で聞いたんだけど、パックの開け口は、両面テープで留めてたとのこと。
ご苦労なこった。
