植木等氏が80歳で御亡くなりになられた。彼の死をマスメディアが報じていたが、「俳優の」という肩書きが多かった様に思う。でも自分の中では「芸人の」という肩書きがしっくり来る人物だった。「芸も糞も無いのに、唯勢いだけでバラエティー番組に出ている。」というイメージが在る「御笑いタレント」では無く、真に芸を持った「芸人」。多芸多才の植木等氏は、正に芸人と呼ぶに相応しい人だった。
ハナ肇とクレージーキャッツの全盛期を全く知らず、ザ・ドリフターズを”御笑いの教科書”として育って来た自分。でも森繁久彌氏の「駅前シリーズ」や「社長シリーズ」と同様に、植木氏の「無責任シリーズ」や「日本一の男シリーズ」はビデオ等で何度も見た程好きな映画だ。「無責任男」と言えば今では高田純次氏の代名詞の様になってしまったが、元祖は誰が何と言おうと植木氏。住職の子息という事も在り、素顔は至って生真面目で常識人な植木氏が、一度ブラウン管やスクリーンに登場すれば、一気に無責任パワーを炸裂させるギャップが素晴らしかった。
昨年末に盟友の青島幸男氏が亡くなられた際、その葬儀の場には鼻にチューブを通した植木氏の姿が。体調を崩され、入院していた病院を抜け出しての参列という事だったが、御元気な姿しか見て来なかった自分にはかなりショックな映像で、正直嫌な思いが頭を過ぎった。その嫌な思いが、こんな早くに現実となってしまうとは・・・。
晩年は個性的な性格俳優としての顔を見せてくれた植木氏。飄々とした雰囲気の中、時折見せる寂しげな表情が堪らなく好きだった。そもそも芸人には、役者としての演技にも秀でた人が昔から少なくない。最近の”御笑いタレント”の中には演技が下手では無い者も居るが、「どうだ俺の演技って上手いだろ?」といった思いが透けて見えて来るケースが多く、鼻白んでしまう事もしばしば。だが植木氏の演技にはそういった”邪念”が感じられず、とても感情移入出来る数少ない芸人の一人だった。気持ちが滅入った時、自らを盛り上げる為口ずさんだ「スーダラ節」(”カンカン帽”なんていう言葉も、もう死語になってしまったのかなあ。)や「ハイそれまでヨ」、「ドント節」等。「週刊ポスト」に連載中の彼の自伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」が大好きで、毎週読むのが楽しみだったのに・・・。
今週末、御宝として保存している「無責任シリーズ」を見ようと思う。合掌
ハナ肇とクレージーキャッツの全盛期を全く知らず、ザ・ドリフターズを”御笑いの教科書”として育って来た自分。でも森繁久彌氏の「駅前シリーズ」や「社長シリーズ」と同様に、植木氏の「無責任シリーズ」や「日本一の男シリーズ」はビデオ等で何度も見た程好きな映画だ。「無責任男」と言えば今では高田純次氏の代名詞の様になってしまったが、元祖は誰が何と言おうと植木氏。住職の子息という事も在り、素顔は至って生真面目で常識人な植木氏が、一度ブラウン管やスクリーンに登場すれば、一気に無責任パワーを炸裂させるギャップが素晴らしかった。
昨年末に盟友の青島幸男氏が亡くなられた際、その葬儀の場には鼻にチューブを通した植木氏の姿が。体調を崩され、入院していた病院を抜け出しての参列という事だったが、御元気な姿しか見て来なかった自分にはかなりショックな映像で、正直嫌な思いが頭を過ぎった。その嫌な思いが、こんな早くに現実となってしまうとは・・・。
晩年は個性的な性格俳優としての顔を見せてくれた植木氏。飄々とした雰囲気の中、時折見せる寂しげな表情が堪らなく好きだった。そもそも芸人には、役者としての演技にも秀でた人が昔から少なくない。最近の”御笑いタレント”の中には演技が下手では無い者も居るが、「どうだ俺の演技って上手いだろ?」といった思いが透けて見えて来るケースが多く、鼻白んでしまう事もしばしば。だが植木氏の演技にはそういった”邪念”が感じられず、とても感情移入出来る数少ない芸人の一人だった。気持ちが滅入った時、自らを盛り上げる為口ずさんだ「スーダラ節」(”カンカン帽”なんていう言葉も、もう死語になってしまったのかなあ。)や「ハイそれまでヨ」、「ドント節」等。「週刊ポスト」に連載中の彼の自伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」が大好きで、毎週読むのが楽しみだったのに・・・。
今週末、御宝として保存している「無責任シリーズ」を見ようと思う。合掌
単なるお笑いタレントではなかったですね。
元々は本物のミュージシャン。
そして本物のお笑い芸人。
俳優としてもクレージーキャッツの映画だけでなく、「平均」として「無責任男シリーズ」で主演し、歌って踊って日本中のサラリーマンに夢と希望を与えた。
この国から本物の芸人が、どんどんいなくなりますね。
ご冥福をお祈りします。
地方都市だと、アタシの出た学校を説明する時、(田舎は東京6大学しか都内に存在しないと思っている人、結構多い)、植木さんがOBです、と言うと反応が違うんですね。
謹んで哀悼の意を表します。
2人でやる漫才ですら仲違いして解散する事がまま在ると言うのに、これだけの人数のグループがずっと続いていた(石橋エータロー氏が料理研究家に転進すべく引退はしましたが。)というのは、ハナ肇氏のリーダーシップ&魅力も然る事乍ら、メンバー達が”大人”だったというのも大きいのでしょうね。
歌に御笑いにスポーツにと八面六臂の大活躍を見せるSMAPは「平成のドリフターズ」なんて喩えられていましたが、「SMAP←ザ・ドリフターズ←クレージーキャッツ」という確かな流れが在る様に感じます。クレージー無かりせば、今のSMAPは無かったのではないかと。
嘗て「オヨビでない奴!」というドラマがTBS系列で放送されていました。全てに於いてC調の祖父・父・息子が織り成すコメディー・タッチのドラマで、祖父役は植木等氏、父役は所ジョージ氏、そして息子役は高橋良明氏(元カープの高橋慶彦氏の従兄弟。)が務めていました。高橋(良)氏は18年前に交通事故にて16歳の若さで亡くなられ、そして植木氏がこの度亡くなられた事で、御元気なのは所氏だけとなってしまったのだなあと思うと、一抹の寂しさを覚えます。
私も週刊現代の連載を楽しみにしてましたので、とても残念です。
早く書籍化してほしいですね。
私も、撮りためてまだ観ていないクレイジーキャッツの映画があるのですが、観ると悲しくなってしまいそうです・・。