ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「兇人邸の殺人」

2021年10月17日 | 書籍関連

**********************************************************
魔眼の匣の殺人」から数ヶ月後。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲(はむら ゆずる)剣崎比留子(けんざき ひるこ)が、突然の依頼で連れて行かれた先は、“生ける廃墟"として人気を博す地方のテーマ・パークだった。園内に聳える異様な建物「兇人邸」に、比留子達が追う班目機関の研究成果が隠されていると言う。深夜、依頼主達と共に兇人邸に潜入した2人を、“異形の存在"による無慈悲殺戮が待ち受けていた。
**********************************************************

4年前、2018本格ミステリ・ベスト10」、「2017週刊文春ミステリーベスト10」、そして「このミステリーがすごい!2018年版【国内編】」と、自分が注目している“ミステリー関連の年間ブック・ランキング”の3つ全てで1位となった小説屍人荘の殺人」。著者今村昌弘氏は以降、「『屍人荘の殺人』シリーズ」として第2弾「魔眼の匣の殺人」を上梓していたが、3ヶ月前に第3弾として上梓されたのが、今回読了した「兇人邸の殺人」。

其れなりに来援客が訪れている“現役の”テーマ・パーク「馬越ドリームシティ」内に在る「兇人邸」が、此の作品の舞台となっている。非人道的な研究を行う組織として戦後に設立され、1985年に解体された班目機関。其処に属していた“マッド・サイエンティスト”の不木玄助(ふぎけんすけ)が所有する兇人邸は、外部からの侵入者を阻み、内部で“巨人”を“飼って”いる。そんな兇人邸に、或る目的の侵入した葉村達だったが、「次々と人を狩り、其の首を切り落とす、非常に凶暴な巨人。」によって逃げ場を失って行く。そんなパニック映画ホラー映画を合わせた様な世界観を持つ、クローズド・サークルを題材とした作品

猟奇的な場面が結構在り、そういうのが苦手な人も居る事だろう。又、冒頭見取り図が描かれているとはいえ、兇人邸の内部構造が非常に複雑。謎を解いて行く上で、其の構造を“立体的に”理解している必要が在る為、逐一見取り図で確認するのがしなければならないのが面倒。

登場人物達の心理描写巧みなれど、トリックの説明がくどくどしいのが葉村達が邸外に出られない理由が色々記されていたけれど、終わってみれば「あっさり出たなあ。」という違和感も在る。続編の存在を確実視させる終わり方で、「読みたい。」とは思わせるが・・・。

総合評価は、星3.5個とする。


コメント    この記事についてブログを書く
« 帯に短し襷に長し | トップ | 約12年間で1万764人を... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。