ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“劇場型政治”からの決別

2015年05月17日 | 政治関連

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橋下氏が引退表明『僕の人生から、政治家は終了です。』」(5月18日、日刊スポーツ

 

大阪市を廃止し、5つの特別区新設する「大阪都構想」への賛否を問う、住民投票が17日投開票され、反対多数で否決された。

 

大阪維新の会代表の橋下徹市長は、午後11時過ぎから行った記者会見で「僕の人生から、政治家は終了です。」と言い切り、政治家引退を表明した。

 

12月の任期満了市長は続けるが、其れ以降に付いて「其れ以降は、政治家は遣りません。(私は)弁護士ですから、維新の党法律顧問で雇ってくれないかと江田(憲司)代表に聞いたら、雇ってくれると。」と笑った。

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「大阪都構想」への賛否を問う住民投票が投開票され、「反対:70万5,585票、賛成:69万4,844票」で、反対多数という結果になった。

 

バブル経済崩壊後、財政悪化が進む一方の大阪府と大阪市。2013年10月時点で、大阪府は約5.3兆円、そして大阪市は2.9兆円の赤字抱えており、大阪府と大阪市の双方によって、ばらばらに行われて来た広域行政二重行政)を一本化する事で無駄を無くす。」という「大阪都構想」は、理解出来なくも無い。

 

、個人的に言えば、“大阪維新の会が掲げる形での”「大阪都構想」には賛成出来ない。此方に「大阪都構想」のメリットデメリットが詳しく記されているが、大阪維新の会が主張する様な“薔薇色の未来”が実現するかどうか、彼等の考えからは危うい物を感じるので。賛成出来ない一番の理由は、大阪府知事と大阪市長がきちんと連携すれば、態々『大阪都』にしなくても二重行政は解消出来るという思いが在るし。

 

とは言え、「反対が上回ったの事実だけれど、賛成とは1万741票差しかなかった。」というのは、大阪府&大阪市の現状に危機意識を持つ府民が少なく無い事を表しているのだろう。

 

反対多数の結果を受け、橋下市長が記者会見に臨んだ。「大阪都構想が否決されたら、政治家を辞める。」と宣言していた橋下市長だが、「(どういう理由が在ったにせよ)『大阪府知事選には2万%出ません!』と言い切り乍ら平然出馬したという大嘘を吐いた過去が在る。」ので、「どうせ又、ああだこうだ屁理屈を並べ立て、結果的に政治家は辞めないだろうな。」と思っていたが、「政治家は、僕の人生から引退です。」と言い切った事から、どうやら本当に完全に辞める様だ。

 

後述するが、彼の政治手法にはうんざりしていたので、彼が政治家を辞めるのは喜ばしいが、昨日の記者会見では良い事も言っていた。

 

政治家は、住民の皆さんの気持ちを汲む。負けるなら、住民投票は仕掛けるべきじゃない。(自分は)汲み取れてなかった。政治家として。運転能力の無い者は、ハンドルを握っちゃいけない。僕みたいな政治家は、ワンポイントリリーフです。課題が出て来た時に出る実務家だ。僕みたいな政治家が、長く遣るのは危険です。敵を作る政治家は、本当にワンポイントリリーフ。要らなくなれば、もう交代。権力なんてのは、使い捨てが一番良いんです。世の中にとって害悪です。求められた時に求められ、要らなくなったら、なくなる。

 

私利私欲のみを追求し、其のだけに政治家という職にしがみ付いている。」様なが、政界には余りにも多いが、「権力なんてのは、使い捨てが一番良いんです。世の中にとって害悪です。」というのは、其の通りだと思う。

 

4年前の記事でも書いたが、政策に中身が無い分、ワンフレーズ・ポリティクスや派手なパフォーマンスを多用して誤魔化す。」や「常に“仮想敵”を作り上げ、其れを叩く事で、国民の“ガス抜き”を図り、支持率アップに繋げる。」という橋下市長の政治手法が大嫌い。小泉政権下で此の手の「劇場型政治」が大成功して以降、民主党政権化も含め、劇場型政治が大々的に行われる様になり、安倍晋三首相に到っては、自身に少しでも反対すれば「左翼」だ「日教組」だと根拠も無しに決め付けるのだから、「劇場型政治も、此処極まれり。」という感じだ。

 

こんな阿保な政治手法、国民はもう決別すべきだろう。十八番にしていた橋下市長が政治家引退を明言した事が、そういう切っ掛けになって欲しいもの。


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10 コメント

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白か黒かはもういらん (雫石鉄也)
2015-05-18 10:15:03
大阪市民の今回の判断、近隣の神戸市民として、私も大変に良かったと思います。
橋下氏が本当に政治家を引退すのなら、なお結構なことです。
郵政民営化の時の小泉首相もそうだったけれど、反対か賛成か、敵か味方か、白か黒か、こういう選択肢が二つしかないようにして、決断を迫る政治家は、有能そうに見えて、本当は無能だと思います。
本当に有能な政治家は灰色を認める政治家ではないでしょうか。
白だと決まれば黒派は全員不満。だから白70と黒30の灰色、いや調整して白60と黒40、う~む。白をもう少し増やすか白65と黒35の灰色。これでなんとかOKだ。こういう調整能力を持った政治家が有能だと思います。全員を満足させられません、どれだけ満足を増やして不満を減らすか、そこが腕の見せ所ではないでしょうか。
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Unknown (梅吉)
2015-05-18 11:19:11
こんにちは

どう考えても無謀としかいいようがないのに
こういう意味のない改革やっても
世間とくに大阪府民、大阪市民はなにをいまさら
やってもしゃーないやん、何の意味があんねん
アホちゃうかと
思うだけだと思いますね。
地方分権、地方創生も大切なことですが
メスを入れるところが根本的に間違えてる感は
ありますよね。
商品券もそうです 一回使えばそれっきりって
どこが地方創生なのといいたくもなります。

国政も憲法改正や原発再稼働、原発新設という
誰得で国民の多くが喜ばない危ない政策で
国民は日々ピリピリしてるというのに。
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>雫石鉄也様 (giants-55)
2015-05-18 13:12:00
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

橋下市長の引退表明を受け、TVではコメンテーターが色々発言していますが、「一旦引退したとしても、再び政界に戻って欲しい。」という声が意外に多いのには、正直辟易としております。

雫石様が書かれている様に、「全員を満足させられません、何れだけ満足を増やして不満を減らすか、其処が腕の見せ所ではないでしょうか。」というのは全く同感で、「白か黒の何方かしか在り得ない。」的な主張は、結局、排除の論理に直走ってしまう、非常に危険な考えと思います。(ヒットラー然り、ムッソリーニ然り、スターリン然りと、歴史を振り返れば明々白々。)

もう劇場型政治はうんざり。地味でも構わないので、“丁寧な熟慮型の政治”になって欲しい。
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>梅吉様 (giants-55)
2015-05-18 13:18:51
書き込み有難う御座いました。

国民の目先を逸らす政治手法というのは、昔から在った事ですが、安倍政権は特に酷い。国民の反対が少なく無い事を強引に推し進めようとする時には、必ずと言って良い程に何かを遣って(被災地訪問等のパフォーマンス)、目先を逸らそうとする。真っ向勝負を避け、隠し玉で何とか切り抜けようとするのは、政治の手法としては真っ当と思えない。

「商品券もそうです。一回使えば、其れっ切り
って、何処が地方創生なのと言いたくもなります。」、全く同感です。此れも、目先逸らし以外の何物でも無い。

国民が望まない事を、自分の“趣味”で押し通す一方、国民と約束した「身を切る改革」(議員定数削減等)は全く行おうとしない。こんな不誠実で欺瞞的な政権が、何故高い支持率を得ているのか、本当に不思議でならない。“支持率操作”されているとは思いたくないけれど、本当にこんなにも高いのならば、思考停止ししてしまった国民が多いという事なのだろうか?
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Unknown (悠々遊)
2015-05-18 17:48:19
支持率の高さをバックに、他人の意見に耳を貸さず自説をごり押しする、その手法に安倍ちゃんと同じ独裁者の危険を感じていましたが、昨夜の敗戦記者会見での民主主義の件では、少し見直しました。
肝心の安倍ちゃんは、そこんとこ自覚できているんでしょうかねえ。怪しいですねえ。
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悠々遊様 (giants-55)
2015-05-19 02:14:24
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

政治手法は全く同じだけれど、橋下市長の場合には彼なりの知識と戦略に基づき、「計算尽くで煽り立てている。」という部分が感じられました。一方、安倍首相の場合は、申し訳無いけれど知識も戦略も全く感じられず、「好きだから遣る!嫌いだから、絶対に遣らない!」といった幼稚さしか感じられない。

又、「安保闘争に毅然と立ち向かった爺ちゃん(岸信介元首相)は超格好良い!多くが反対する事を、全て押し通す僕ちゃんも、爺ちゃんと一緒で超格好良い!」という倒錯した美意識も、一国の首相として危うさしか無い。

仮に周りに真面な人間が居て、忠心からの諫言をしたとしても、彼にとっては全て「左翼の戯言」と取るんでしょうね。
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劇場型政治と独裁政治からの決別 (梅吉)
2015-05-20 00:52:49
安倍さんはイスラムの問題のとき
後藤さんともう一人の方が殺害されたとき
テロには屈しないといいながら
憲法改正にはこだわり安保法制には必要な政策だと
ウソぶいている、ウソをつく人です。
安倍さんはもう忘れてるのでしょうが
今回の後藤さんのことを考えたら
こういう法案なんてできっこないと考える
と、思うんですけど。
憲法改正にこだわるあまり東日本大震災
福島の原発事故、県外避難の重要性
帰還困難な一部の福島県の住民のことをお忘れに
ないがしろにしていませんか。
安倍さんがいましてほしいことはするべきことは
福島への視察とチェルノブイリへの視察です。
なぜチェルノブイリへ行かないのですか。
国の官僚が安倍内閣の閣僚が
自民党の国会議員や民主党の国会議員が
チェルノブイリに行ったという話は聞いたことがない。
それなのに時代錯誤である、時代錯誤も甚だしい
憲法改正、安保法制で鬼の首とるかのように
喜んでいる場合かと言いたい。
もういい加減独裁政治はやめてほしい。
野党は不信任決議案出して良いですよ、もう。
それでも安倍さんに対抗する人が出てこない
と、いうのはどういうこと。
女性総理誕生はまだ先の話かな。
民主党があまりにもだらしないからこうなるんですよ。
このまま独裁政党と化した自民党がつけあがるのは
断じて許されないはずなのに。
民主党は過去の政権時代のふがいなさ、ダメなところ良くなかったところを大いに反省して
自民党叩きを徹底してとお願いしたいところです。
それが劇場型政治と安倍自民党独裁政治から決別
するためのひとつのきっかけになれば良いですね。









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>梅吉様 (giants-55)
2015-05-20 04:42:53
書き込み有難う御座いました。

橋下市長を批判し捲っていたメディアが、彼が政界引退を表明した途端、手の平を返した様に「惜しい人材だ。」みたいな持ち上げをする。結局、良くも悪くも注目を集める人間だから、メディアとしては視聴率や部数を稼ぐ材料として、彼には辞めて欲しく無いという事なのでしょう。そうだとしたら、余りに無節操。

先進国と称される国々の政治状況を鑑みると、何処も問題は在ったりする。でも、日本程、世襲議員が異常に多かったり、同じ様な政治スキャンダルを繰り返したりしている国は、見当たらない様に思います。となると、結局は、そういった政治家達を選んでしまい、且つ澱んだ政治システムを許し続けて来た我々国民の責任が、非常に大きいとも言える。

先日、シーズン中にも拘わらず、安倍首相とジャイアンツの原監督が会食した事が報じられましたね。以前の記事(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/abea76ae4bef40f35a577c81eeed46d1)でも書いた様に、安倍首相と原監督は非常に親和性が高いと感じているし、「政治家、其れも自民党籍の政治家になりたい。」というのが夢の様な原監督ですから、恐らくは来年の参院選に自民党から立候補する事でしょう。(“アーチェリーのおっちゃん”とか“家族会のおっちゃん”等、野心満々の連中も出馬しそう。

幅広い見識と能力が在れば、誰が政治家になろうとも構わないけれど、「有名人だから、政治家に選ぶ。」という発想だけは、もう好い加減に止めて貰いたい。

自分は手塚治虫氏や王貞治氏の大ファンだけれど、だからと言って、若し彼等が政治家に立候補したら、投票しようとは思わない。政治家としての資質と、其の人間が好きというのは、全く別の問題だから。勿論、政治家として総合的に能力が在ると考えた場合は、投票も考えなくは無いけれど。
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問題はこれからです (Kei)
2015-05-21 00:19:14
橋下徹氏は、家が私の近所という事もあって、当初知事になった当時は好感を持っていたのですが、政党を作ったり、批判する相手をクソだのバカだのと罵詈雑言で攻撃しだした頃から、これはダメだな、と思うようになりました。
彼の、小泉首相に倣ったと思える、仮想的を作って徹底攻撃するいわゆる「劇場型政治」的手法は、私もgiants-55さんと同感で問題の多いやり方だと思いますが、哀しいかなこういう吼えまくる威勢のいい政治家が出てくると、「何かやってくれる」と期待してしまう層が結構いるのですね。
無論、橋下氏が多額の負債を抱える大阪を何とかしたい、という純粋な思いで出馬したであろう、その事は信じたいと思います。タレントをやってる方がずっと収入がいいでしょうから。
ただ、大阪都構想を本当に実現したいと思うなら、ゆっくり時間をかけて、徐々に対立陣営を取り込み、味方にして行くべきでした。だが実際は、自民民主はおろか、当初は良好な関係だった公明党までも敵に回す排他独善性で、これではやがて行き詰まるのは目に見えていたでしょう。

そもそも民主主義とは、多数決ではありません。少数意見にも耳を傾け、長期的な戦略を練り、粘り強く時間をかけて、本当に自分の信念に賛同する支持者を増やして行くべきです。単に味方の数だけ増やせば勝ちというものではありません。
そういう考えだから、人気にあやかって集まって来た政治理念のカケラもないバチもんまで公認して当選させ、結果として上西小百合のような困った議員を生んでしまったわけです。大いに反省すべきでしょうね。

坂本龍馬は、長く感情的に対立していた薩摩と長州を粘り強く説得し、薩長同盟を結ばせる事に成功しました。
また、アパルトヘイトで27年間も刑務所に繋がれていたネルソン・マンデラ氏は、やがて南アフリカ初の黒人大統領となりますが、多くの白人が報復を恐れたのに対し、「国を立て直す為にはあななたちの力が必要だ」と言ってむしろ積極的に白人を部下に登用しました。
こういう、寛容性、包容力、先を見据えた長期的展望、人間的魅力等が、国を束ねる政治家に必要不可欠な条件だと思います。橋下氏には、残念ながらそうした条件が欠けていたと言わざるを得ません。
これは安倍首相にも言える事ですが。

とは言え、この結果を喜ぶ事は出来ません。大阪の抱える諸問題は何ら解決しておらず、抜本的改革が必要であるのは論を待ちません。自民、民主をはじめ各大阪府、市、議会議員の方たちは、賛成49%強という事実を重く受け止め、力を結束して改革を断行していただきたいと、大阪府民として切に願っております。長文ご容赦。
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>Kei様 (giants-55)
2015-05-21 02:26:06
書き込み有難う御座いました。

「少数意見にも耳を傾け、長期的な戦略を練り、粘り強く時間を掛けて、本当に自分の信念に賛同する支持者を増やして行くべきです。」というのは、全く同感です。日本の場合、“改革者”というと織田信長を思い浮かべる人が多く、其れ故に「旧勢力を、力尽くで排除して行く。」事が「改革」と盲信されている様な所が在りますね。新しい事を成し遂げる場合、“時には”強引な手法も必要だとは思うけれど、「強引な排除の論理=改革」では決して無く、Kei様が挙げられた人物の他にも、マハトマ・ガンディー氏も、良い意味での改革者だったと思っています。

今回の住民投票の投票率が非常に高かったのは、橋下市長のパフォーマンスによる物も在ったとは思うけれど、其れ以上に、多くの府民が現状に危機感を持っていた証左だと思う。だから、勝ったとは言え、反対派も抜本的な改善策を真剣に講じないと駄目。

又、政治家を詰るだけでは無く、国民ももっと真剣に政治を考えないといけない。人気投票みたいな投票行動は、好い加減止めて欲しい。
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