昨日、(東京都)府中市の大國魂神社に行って来た。4月30日から始まった例大祭「くらやみ祭」に参加する為だ。大國魂神社の起源は111年5月5日というから、もう1908年も前で、武蔵国の総社で在る。くらやみ祭は「嘗て、街の明かりを全て消した深夜の暗闇の中で行われていた。」事から、そう呼ばれる様になったと言う。此の祭に参加するのは、昨年に続いて2度目。
「期間中、70万人近くの人出で賑わう。」と言われるくらやみ祭。ぱっと見た感じ、境内は300軒近くの屋台が並んでおり、こんなに多くの屋台が並ぶ祭は珍しいだろう。(草花の販売コーナーも、非常に充実。)多くの人で溢れ返っていた。
昨日のメイン・イヴェントは、20時から行われた「競馬式(駒競)」。一部通行止めとなった旧甲州街道を、6頭の馬が3往復駆け抜ける。昨年も見たが、間近で見られて、とても迫力が在ったし、馬の可愛い表情が堪らない。
【競馬式1】
【競馬式2】
屋台での飲食は、童心に返れて楽しい。焼き蕎麦に五平餅、ドネル・ケバブ、鳥皮焼き等々、ついつい財布の紐が緩んでしまう。
くらやみ祭で楽しみな物の1つに、見世物小屋が在る。14年前の記事「親の因果が子に報い・・・」の中で書いたけれど、「自分が子供の頃、祭会場の奥まった所に見世物小屋が在ったりした。入り口の看板には、『蛇を食らう蛇女登場!』とか、『三つ目御化け現る!』といった宣伝文句と共に、毒々しく且つ恐怖心を煽る様な蛇女の絵等が記されていた物。入り口では呼び込みの爺さんが、必ずと言って良い程の濁声で、物悲し気な音楽に併せて、『親の因果が子に報い、生まれ出たる不肖の子が、此の蛇女!あな痛ましや、蛇女が食らうのは生きた蛇。御代は見てからで結構だ。さあさ、入った入った。』といった口上を述べていた。」のが、深く記憶に刻み込まれている。今では見掛ける事が殆ど無くなった見世物小屋だが、くらやみ祭では見る事が出来るのだ。
【御化け屋敷1】
【御化け屋敷2】
アナクロさと安っぽさが、“良い意味で”堪らない。入り口には木戸銭入れ(300円~500円)が置かれ、其の脇には80台と思われる女性達が口上を述べている。幾つかのパターンを繰り返しているとはいえ、自分が見ていた30分位の間、1人でずっと喋り続けていて、「こうなると、もう“芸”だな。」と感心してしまった。
「昔はこういう見世物小屋が、全国で結構見られたんですよ。でも、今は殆ど消えてしまった。私達は北海道から九州迄回っているけど、東京で行っているのは此処だけ。(年齢面で?)何時迄出来るか判りませんが、頑張りますよ!」といった事を、口上で述べていた。「見世物小屋を設置出来る、広いスペースが在る境内。」というのも中々無いだろうし、設置する労力や費用も馬鹿に出来ないだろう。又、休む間も無く口上を述べ続けるのも大変だと思う。でも、可能な限り、こういう見世物小屋は存続し続けて欲しい。