ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「テロリストの家」

2024年08月20日 | 書籍関連

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公安部のエリート刑事・幣原勇一郎(しではら ゆういちろう)は、イスラム国関連の極秘捜査から突然外された。間も無く、息子の秀樹(ひでき)がテロリスト志願したとして逮捕された。妻や娘からは息子を売ったと疑われ、組織や世間には身内から犯罪者を出したと非難される。

公安刑事は、家庭と仕事の危機を乗り切れるのか!?
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中山七里氏は、文壇デビューが48歳と遅咲き部類。だが、其れから14年間でシリーズ物8種類を含む77冊の小説上梓している、実に多作の小説家だ。多作なだけで無く、作品の出来自体も多くが一定水準を満たしているのだから大した物だ。

毛色”の変わった作品が少なく無い中山氏だが、今回読了した「テロリストの家」は、凄腕の公安刑事の息子がテロリスト志願者”という変化球的な設定で、「どんな作品なんだろう?」と興味を惹かれる方も多い事だろう。

・・・と、設定自体は悪く無いのだが、肝心なストーリーがパッとしない。「凄腕の公安刑事が、どんな事情が在るにせよ、そんな簡単に“見張り対象”の脱出を許してしまうかなあ?」という疑問や、何よりも「テロリストに志願した人物の動機、そして其の人物を救おうとした人物の動機が、自分には理解し難い。」というのが在る。後者の動機に関しては「過去のトラウマが大きく影響しているという事か。」と未だ判らないでも無いが、前者の動機は余りにも幼稚過ぎて理解不能

公安部を中心に、人間のな部分が前面に出て描かれているし、結末も後味が悪い。中山作品としては、駄作の部類だろう。

総合評価は、星2.5個とする。


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