“太陽系惑星”と言えば、自分が子供の頃には「すい、きん、ち、か、もく、どっ、てん、かい、めい」と覚えたもの。太陽から距離が近い順番の配列を意味した物で、「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星」が対応した。一時期「海王星」と「冥王星」の順番が入れ替わったものの、再び「すい、きん、ち、か、もく、どっ、てん、かい、めい」に戻ったが、今では「冥王星」が準惑星に“格下げ”されてしまったので、「すい、きん、ち、か、もく、どっ、てん、かい」に。
太陽系惑星の形状を初めて本で見た時、最も印象に残ったのは「土星」だった。土星を取り巻く巨大な「環」が、余りにも魅力的だったから。「其の環が、消滅する可能性が在る。」と言う。
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「土星の環、1億年足らずで消滅か NASA研究」(12月19日、CNN.co.jp)
土星を取り巻く大きな環は、後1億年も経たない内に消滅してしまうかも知れない。米航空宇宙局(NASA)の研究チームが此の程、探査機「カッシーニ」の観測などを基に、そんな説を発表した。
土星の環は主に、水と氷で出来ている。NASAの観測によると、此の環は土星の重力によって分解されつつ在り、「環の雨」となって土星の表面に降り注いでいると言う。
土星の環から降り注ぐ雨は、オリンピック用のプールが30分で一杯になる程の量に相当すると研究チームは推測。其れだけでも後3億年で環が消滅する計算だが、其れに加えてカッシーニが環から土星の赤道に降り注ぐ物質を測定した結果、環に残された寿命は1億年に満たないと思われる事が判った。
土星の環に付いては、土星や太陽系が誕生したのと同じ40億年前頃に形成されたという説も在る。
だが、今回の研究では、環が形成されてから未だ1億年も経っていないという説を取り、現在は「中年期」に在ると推測。NASA研究者のジェームズ・オードノヒュー氏は「我々は、土星の環が見られる時代に存在していて幸運だった。」と指摘する。
「若しも環が一時的な現象だとすると、今は小さな環しか持たない木星や天王星や海王星にも、嘗ては巨大な環が在ったのかも知れない。」と、同氏は話している。
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「土星の環が形成されたのは40億年前頃。」とされていたのが、今回の研究で「1億年も経っていない。」となったのは驚きだが、「土星の彼の特徴的な巨大な環が、後1億年も経たない内に消滅する可能性が在る。」というのは、実に衝撃的な発表。
「“人類の歴史”からすれば、“永遠”に近い程先の事。」だが、「“宇宙の歴史”からすれば、そんなに先では無い。」という感じだろう。自分が生きている間に消える事は無いと考えられるが、ショックな説では在る。
ただ、「コペルニクス的転回」が起きるのは、それだけ未知の部分が多いという事で、今後も新たな事実の積み重ねから全く違った説が出てくる可能性も大きいものです。
1億年後には土星の輪がどう見えているのか、私たちには知りようもありませんが、せめて想像の翼を広げてロマンを感じるのはいいですね(笑)。
現実に戻れば、1億年どころか100年先に人類が生き残っているのかさえ疑わしい昨今の政治・科学状況です。
コペルニクス的転回、確かに其れを考えると、「説」が色々変わるというのは、人類にとって宇宙は、未知なる部分が非常に多いという事なのでしょうね。
宇宙に関する情報に触れる度、毎度毎度思う事は「物理的な面でも、時間的な面でも、宇宙は本当に広大。そんな広大な宇宙に対し、我々人類の何と矮小な事か。其れなのに、人類は下らない争い事に明け暮れる歴史をずっと続けている。本当に不毛だ。」と。