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「ワクチン接種を躊躇う若者 孤独感が影響 東京科学大等調査」(6月8日、毎日新聞)
「若者が新型コロナウイルスのワクチン接種を躊躇う背景に、望ましい人間関係を得られない為に生じる孤独感の影響が在る。」との研究結果を、東京科学大等のチームが纏めた。新型コロナ禍でのワクチンの接種率は、若年層程低かった。次なる新興感染症に備え、若者の孤独感を軽減する取り組みが、接種率向上の鍵と成りそうだ。
チームは2022年3月、東京都内の大学生を対象にオンラインでワクチンの接種回数の他、孤独感といった心理的な健康状態、友人と会う頻度等を調査し、2,907人から回答を得た。
当時は感染「第6波」に当たり、3回目のワクチン接種が実施されていた。「ワクチンを一度も打っていないか、1回しか打っていない。」と回答した人を、「接種を躊躇っている。」と定義。孤独感との関係を調べた。
其の結果、接種を躊躇っているとされた113人の内、27.4%に当たる31人が「孤独を感じていた。」と回答した。此れに対し、2回以上接種した2,794人の内、「孤独を感じていた。」と回答した人は16.1%(449人)だった。年齢や性別、健康状態等を加味して分析した所、孤独を感じる人はそうで無い人に比べて、接種を躊躇う傾向が約2倍に上った。
チームは理由の1つとして、「孤独感の在る人は、自分自身や周囲の人に対して否定的な感情を抱いている為、信頼出来る人や情報を見付ける事が難しく、医療に関する情報を適切に判断出来無い可能性が在る。」とした。又、感染予防に積極的な人達との繋がりが無く、接種に関心を抱き難いと見る。
更に、「孤独感の在る人は、否定的な情報を好む傾向。」が見られ、「ワクチンの副反応のリスクを過度に恐れた可能性も在る。」と考察する。
厚生労働省によると、2024年3月末迄に3回目の接種を終えた人の割合は、全年代で67.1%だった。一方で、12歳~19歳は41.5%、20代は55.9%と、若い年代で低かった。
チームは、「学生は対面授業の減少や外出自粛で交流の機会が制限され、孤独を感じ易い状況に在った。相談し易い環境の整備や学生間の交流促進等、学校や地域社会での孤独感を軽減する取り組みが、接種率向上に繋がる可能性が在る。」と指摘する。
研究結果は5月21日付けで、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。
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今回の調査結果、「孤独感の在る人は、否定的な情報を好む傾向が見られ、ワクチンの副反応のリスクを過度に恐れた可能性も在る。」という分析には、「確かにそういう面が在るかもなあ。」とは思ったが、腑に落ちない所も在る。
孤独感というよりも、当ブログで何度か指摘している様に「自分の頭で考えたり、想像する事を"放棄"している人が老若男女を問わず増えており、そういう人達は概して"否定的で陰謀論的な情報"を鵜呑みする傾向が強い。」と自分は考えており、ワクチン接種に関する陰謀論的な情報に飛び付いてしまっているのではないかという感じが在るので。
とは言え、「自分の頭で考えたり、想像する事を放棄している人。」という定義が難しいだろうから、「孤独感云々に結び付けた方が理解され易い。」という面が在るのではなかろうか。