Rik Emmett / Raw Quartet (1999)

2008-01-19 09:25:24 | Music > Rock/Pops
Airtime 以来、僕の中では密かに Rik Emmett ブームが再燃中。しかも来る6月に行われるスウェーデン・ロック・フェスティバルでは Rik Emmett, Mike Levine and Gil Moore の三人が集結し、再結成 Triumph として出演するとの情報が! Rik の原点回帰がここまで強いものだったとはまったく思いも寄りませんでした。今回は再結成を祝し、彼のディスコグラフィーから全編ブルージーな楽曲で占められた 1999年リリースのソロ・アルバムを取り上げたいと思います。

Rik のギターというとオールラウンドなスタイルが魅力的ですが、サウンドは今ひとつ個性に欠けるのが残念。正直、本作のようにアルバムのカラーを統一してしまうと、そのあたりの弱さが露呈してしまうのではないかという危惧がありました。しかしそんな心配はどこ吹く風、アルバムはブルーズ・ロックという枠を飛び出さない程度にバラエティ豊かです。アーティストが方向性を絞ったアルバムというのは、似通った曲が並ぶ単調な作品が多いものですが、さすがは Rik Emmett、懐の広さを活かし上手くまとめてきました。個性的なヴォーカルは健在ですし、唄メロもこの路線にしてはかなりメロディックだと思います。ただ一点、アルバムの性格上、テクニカルなギター・プレイは控えめですので、ギター・ファンはお間違えなきよう・・・(笑)。

本作に漂うブルージーな雰囲気は手を替え品を替え様々なアプローチで演出されます。アルバムはネオ・ロカビリー調のゴキゲンなナンバー "Perpetual Motion Love Machine" に始まり、ソウル系の "Walkin'"(ハモンドがカッコいい)、オーセンティックなブルーズ・ロック "Gasoline"、ラグタイム風の "Hogtown Rag"、ちょっぴりハードなファスト・チューン "All On Board"(Billy Idol っぽい!)、しっとり系のインスト "The Last Goodbye" と起伏に富んだ流れで聴く者を飽きさせません。さらに後半も七変化は止まらず、躍動感溢れる "C'mon Along"、アコギの渋さ全開の "Crazy Woman"、ワウ・プレイが印象的な "Head Case"(Steve Vai がやりそうな感じ)、三拍子のスローなブルーズ "Too Little, Too Late"、Cinderella が好みそうなスライド・ギターの "Come Clean"、そしてラストはヒーリング調の "Navajo Sunrise" と、すべてを書き出してみても似通った曲がまったく無いことに驚かされます。ブルーズひとつやるにしても本当に引き出しの多いアーティストですね。





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2 コメント

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そう、 (こーじ)
2008-02-10 23:04:13
これでした、AIRTIMEのところで言った、Rikのソロ(笑)。
もうほとんど覚えていないのですが、「Gasoline」って曲名だけ、なぜか頭にこびりついていました。

またチャンスがあったら、聴きなおしたいです。
今は、ブルーズ耳もありますから(笑)。
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>こーじさん! (gw)
2008-02-11 00:54:57
やはりそうでしたか(笑)。

僕自身 Rik のソロ作をリアルタイムで聴いていたのは 2nd まででした。その後の活動は全く知らず、再びアルバムを聴き始めたのはここ数年のことです。

成長と共に「聴く耳」は広がっていくと思いますが、若い頃にこれを聞いていたらまた違った印象を受けたような気がしますね(笑)。
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