Iona / Heaven's Bright Sun (1997)

2006-11-18 21:17:42 | Music > Celtic

Iona:
Joanne Hogg - vocals, acoustic guitar, Keyboards, Shaker
Dave Bainbridge - guitars, keyboards
Phil Barker - bass
Terl Bryant - drums, percussion
Troy Donockley - uillean pipes, whistles, guitars, keyboards, cittern, vocals
Mike Haughton - saxophone, flute, tin whistle, vocals, tambourine

いつも他とは違った角度からケルト音楽ファンを増やそうと画策している ghostwind ですが、今回のキーワードは Clannad と Dream Theater です。なんか興味をそそるでしょ~(笑)。

アルバムを出すたびにケルト色を強めてきたプログレッシヴ・ロック・バンド Iona(アイオナ)。紅一点のヴォーカル Joanne Hogg とバンドのブレイン Dave Bainbridge を核に据え、常に質の高い音楽を作り続けてきたバンドです。1997年にリリースされた本作はそんな彼らにとって初となるライヴ盤で、二枚組というボリュームはほぼフルサイズのショウを収録しています。初期の代表曲をズラリと並べた構成は当時の集大成ともいうべき内容であり、デビュー作から四枚目までのベスト盤としても楽しめる選曲になっています。

先日、Donal Lunny 率いる Moving Hearts のアルバムを紹介しました。彼らはトラッドからロックへのアプローチでしたが Iona はプログレッシヴ・ロックをベースにトラッドのエッセンスを取り入れたスタイルです。例えるなら、Clannad の世界観をプログレッシヴ・ロックの構築美で体現した音楽といったところでしょうか。実際 Clannad の Maire Brennan とは交流が深いようですしね。雄大なスケールで織り成される楽曲群はケルトらしい幽玄さに満ちており、テクニカルなバンド・アンサンブルと Joanne 嬢のクリスタル・ヴォイスは Iona 最大の聴きどころでしょう。"Images And Words" の頃の Dream Theater、取り分け "Another Day" や "Surrounded", "Take The Time" といった楽曲が好きな方であれは琴線に触れるものがあるのではないでしょうか。

ライヴはインストゥルメンタルの "Turning Tide" で静かに幕を開けます。デビュー作でもオープニングを飾っており、Iona の産声となった一曲です。幻想的なキーボードとイリアン・パイプの孤高の響きはこれから始まる何かを予感させてくれます。そしてキーボードのフェイドアウトと入れ替わるように大地の鼓動を思わせるドラムが静寂の世界を明るく照らし出し、3rd アルバムの名曲 "Treasure" が始まります。彼らの魅力が存分に詰まった最高の仕上がりです。キャッチーなメロディでも幻想さが失われないのは Joanne 嬢の声質によるところが大きいでしょうね。続く "Flight Of The Wild Goose" は再びデビュー作から。元々は "Turning Tide" に続けて演奏されており、ライヴでは間に "Treasure" を挟み込む形になりました。オリジナルではギターとサックスがリードを取っていましたが、これがイリアン・パイプに変わることにより、スタジオ盤をはるかに凌ぐ叙情性のアップに繋がりました。シンプルにフロアタム一発から入るアレンジも鳥肌モノのカッコ良さです(笑)。メロディ、構成、アレンジのどれをとっても完璧で、間違いなく彼らを代表する一曲となりました。プログレ・ファンは Camel あたりに通じるものを感じるかもしれませんね("Goose" つながりってのもあるし・・・笑)。"Today" ではリズムの組み立てに面白みが感じられ、フルートのメロディが異国情緒溢れる雰囲気を演出します。Dave のアレンジャーとしての才能が光る一曲ですね。"Irish Day" は爽やかな秋の空を思わせるキャッチーな楽曲。伸びのある Joaane 嬢のヴォーカルが素晴らしいです。



・・・とこのまま書いていくと全曲紹介になってしまいそうなので、あと少しだけ(笑)。"Be-Se I Mo Shuil - Part 2" は Dream Theater ファンに是非聴いてもらいたい一曲ですね。後半の変拍子に乗せて繰り広げられるフルートとエレクトリック・ギターの高速ユニゾン・フレーズは圧巻。途中からギターのハモリがオクターブ上がったり、効果的なブレイクを一瞬挟んだりと高揚感も上昇しまくりです。初めて聴いたときはホント鳥肌が立ちました。何気にドラムもスゴイです(笑)。シンプルに "Reels" と題されたセッションもまた超絶! バンドのテクがハンパ無いのでフレーズもリズムも縦横無尽に動きまくっています(笑)。Wolfstone がさらに進化したような音を想像してもらえればと思います。ラストを 14分の大作 "When I Survey" で締めくくるあたり、やはり Iona はプログレ・バンドなんだなぁと再認識(笑)。ちなみにこの曲は "The Water Is Wide" というタイトルで有名な曲です(僕は Karla Bonoff のヴァージョンを思い浮かべてしまいます)。

王道トラッドからはかなりかけ離れた音作りですが、バンド・アンサンブル志向のリスナーがケルトに関心を持つキッカケとなれば嬉しいですね。またプログレといっても難解さはほとんど無いですから Clannad や Enya、さらには CORRS あたりが好きな方にもきっと魅力は伝わると思います。是非深遠なる Iona の世界へ足を踏み入れてみてください。こんなにレベルの高いバンドはそうはいないですよ!


Iona Official Website:
http://www.iona.uk.com


Iona Official Website In Japan:
http://www.mplant.com/iona.html


"Heaven's Bright Sun" アルバム試聴(CD Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=6855864




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ズボッ・・ (elmar35)
2006-11-18 23:52:17
はまったかも!(笑)
猛烈に興味が沸きました・・チェックしてみます。
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>elmar35 さん! (gw)
2006-11-19 00:21:23
試聴では魅力が伝わりきらないことに歯がゆさを感じます(笑)。是非にチェックしてみてください! 素晴らしいバンドであることは受け合います!
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はまる予兆です。 (エルジ)
2006-11-19 00:28:50
日記を読んでいて、Ionaにはまらぬ理由は無し!!
その一言です。

私的に、民俗音楽+プログレ これは、自分でもプレイしてみたい事の一つに入っています。
その意味でIonaチェックさせていただきます。

もちろん、今までは、ちゃんとチェックしている毎日ですので、どんどん、私の脳への情報お願いします。

話変わりまして。
Dream Theaterのメンバーはすごいメンバーですよね!? Dream Theaterと聞くと、まずメンバーが、MR.BIG並にそろえてあると思いますが、
GWさんにも、そう思うバンドございますか?
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>エルジさん! (gw)
2006-11-19 00:46:23
Iona は本当スゴイですよ。
雑誌での取り上げられ方によっては日本でも火が点きそうに思うんですけどね(笑)。

ケルト系は王道も色々紹介したくなってきました(笑)。気の向くままなのでいつ何を取り上げるかはわかりませんがよろしくお付き合いください!

DT は確かにスゴイ面子ですね。個人的には Jordan Rudess ファンなので彼がいるだけでも奇跡かと(笑)。僕にとってのスーパーバンドは・・・そうですねぇ、Steve Morse, Andy West, Rod Morgenstein, T Lavitz そして天才 Mark O'Connor が在籍した時代の DREGS でしょうか。フェイバリット・ミュージシャンで固められたこの編成を超えるバンドは未だ出てきていないですね(笑)。
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