House Of Lords / same (1988)

2007-01-24 00:33:30 | Music > HM/HR
 
2004年に奇跡的な復活を果たした House Of Lords が 1988年にリリースしたセルフ・タイトルのデビュー作。別段キッカケがあったわけではないんですが、何となくライブラリを眺めていたら目に付いたので久しぶりに聴いてみました(笑)。

アメリカン・ハード・プログレの要素を多分に盛り込みながらもヴォーカルを前面に押し出したポップな音作りは Giuffria 時代から受け継いだサウンドですね。そこに欧州的な湿り気も加わっているところが彼らの魅力でしょう。80年代の香りがプンプンでまた懐かしい気持ちになりました。

まずはバンドについてちょっとおさらいしておきますね(自身の備忘録も兼ねて・・・笑)。House Of Lords は元 Angel, Giuffria のキーボーディスト Gregg Giuffria が中心となり結成された HR バンドで Gregg 以外のメンバーはギターの Lanny Cordola とベースの Chuck Wright が Giuffria 組、ドラマーの Ken Mary が元Fifth Angel, そして当時は無名だったヴォーカルの James Christian となっています。James は Canata というバンドの出らしいですが、僕は詳しくは知りません。少なくとも当時はほとんど新人扱いだったように思います。しかし本作の鍵を握っているのは他ならぬその James なんですから Gregg はすでに彼の素質を見抜いていたのでしょうね。ハスキー掛かった中音域の野太い声質はバンドのサウンドに力強さを与え、まさに堂々たる唄いっぷりです。ネットに投稿されている House Of Lords に関する数々のレビューを読んでも、真っ先に言及されているのが James の歌唱力についてというのがその事実の裏付けですよね。

楽曲についてですが個人的にはちょっぴりフックが弱い気がするんです。これは Giuffria 時代からずっと感じていることなので Gregg の書くメロディと僕の相性なのかもしれませんが(笑)。ある程度聴き込めばこの違和感は解消されるので特に問題はないんですが、僕にとって一発聴きの印象が薄いのは否めません。・・・と少々ネガティヴな感想になりましたが、これはあくまで当時の話であって、今では冒頭で書いたとおり、懐かしさの方が上回っていますからね(笑)。オープニング・トラックの "Pleasure Palace" やイントロからドラマティックな盛り上がりを見せる "Hearts Of The World" はお気に入りです。あっ、それと今頃になって気付きましたが "Edge Of Your Life" でのクロマティック・スケールを主体としたギター・ソロは面白いですね。まさかモース先生を意識したのかどうかはわかりませんが・・・笑。最後にトリビアを一つ。本作は Kiss の Gene Simmons が設立した Simmons Records のレーベル第一弾としてリリースされたアルバムで、本人もエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットに名を連ねています。