ジャズ・ヴァイオリニスト Jean-Luc Ponty の名前を初めて聞いたのは Mark O'Connor の "Heroes" というアルバムでした。このアルバムはタイトルが示すとおり、Mark が自分のヒーローであるヴァイオリニストをゲストに迎えて共演するという、ある意味彼のルーツの総決算ともいうべき作品です。Jean-Luc も自身の "New Country" でこのアルバムに参加していました。フュージョン・カントリーとでも形容したくなるこの楽曲は "Heroes" の中でも抜きん出てカッコ良く、すっかり魅了されてしまいました。そんなわけでオリジナル作者である Jean-Luc も聴くようになったんですね。・・・とここまで書いておきながらこんなこというのもなんですが、実は今回紹介するアルバムに "New Country" は収録されていないんです。特に深い意味があってこのアルバムを選んだわけではないので・・・(笑)。
エレクトリック・ヴァイオリンを駆使したフュージョン・サウンドはアコースティックとはまったく異なる質感でとても新鮮です(ヘヴィ・メタル・ヴァイオリニストの Mark Wood までいくとやり過ぎという気がしないでもないですが・・・笑)。かなりプログレ色が強いフュージョンで、彼が Frank Zappa のバンドや Mahavishnu Orchestra に在籍していたことも頷ける内容ですね。ですから僕にとっては Mark O'Connor つながりですが、ブルーグラス畑の人にはあまりお薦めしません(笑)。そういえば一時期 Kansas に在籍していた David Ragsdale も Jean-Luc にはかなりの面で影響を受けているのではないでしょうか。余談になりますが、本作でギターを弾いている Joaquin Lievano は古くから DREGS の Andy West と交流がある人物で、彼の Zazen というバンドには Andy もちょくちょく顔を出していました。二人は現在 Fwap というバンドを組んで活動しています。