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Keziah Jones / Blufunk Is A Fact! (1992)

2007-07-31 00:00:16 | Music > Rock/Pops
 
自らのサウンドを "Bulfunk" と形容し、独自のスタイルで活動を続けるアフリカン・ギタリスト Keziah Jones。彼との出会いは学生時代に遡ります。バンド仲間の友人が最近のお気に入りの一枚として貸してくれたのが本作でした。1992年のリリースですから、もう15年も昔になるんですねぇ。

タイトルにも含まれる "Blufunk" とは本人がブルーズとファンクを掛け合わせて作った造語。パーカッシヴにかき鳴らされるギターは "アフリカ人" いうイメージも相まってか、"全身バネ" を思わせる躍動感溢れるグルーヴを生み出しています。また Walkin' Naked Thru' A Bluebell Field" に代表される、しなやかで歯切れのよいカッティングは全身を心地良いビートで揺らしてくれます。小耳に挟んだ情報では山崎まさよし氏もそんな彼のギター・プレイに影響を受けているとのこと。



Asia / Alpha (1983)

2007-07-30 00:08:29 | Music > Rock/Pops
 
最近、今まで先延ばしになっていた "Anthologia" を入手しまして ASIA ブームが再燃しています。"The 20th Anniversary / Geffen Years Collection (1982-1990)" というサブタイトルが付けられたこのアルバムは初期の三作とベスト盤 "Then & Now" に収録の新曲に加え、当時のアウトテイクを追加したゲフィン時代のコンプリート盤です。まとめて揃えようと思っている方にはこれ以上ないお得なアルバムですね(笑)。ちなみに映画「オーバー・ザ・トップ」のサントラに提供されている "Gypsy Soul" は収録されていません(名義こそ Asia ですが、実体は John Wetton のソロ作品ですからねぇ・・・苦笑)。

そんなわけで "Astra" に続き "Alpha" です。初 Asia がこのアルバムでした。もう随分昔の話になりますが「"アジア" じゃなくて "エイジア" なんだぁ」と思った記憶がありますね(笑)。ところでプログレ・ファンには申し訳ないですが、僕にとっての Asia はやはりポップ・アーティストです。ミュージシャンたるもの様々なバックグラウンドを持っているわけで、その中の "ポップ感覚" を抽出して結晶した Asia を強いてプログレに関連付けて考える必要はないかな~と(笑)。もちろん捉え方や思い入れは人それぞれですから、これはあくまで個人的な見解です。シンプルに言うと Asia の楽曲を聴いているときは、良質な楽曲を届けてくれるバンドとしてイメージしているということですね。

"Anthologie" の目玉は何といってもアウトテイク。"Alpha" アルバムのレコーディングからも "Daylight" と "Lyin' To Yourself" の二曲が収録されました。存在そのものは知っていましたが、実際に耳にしたのは今回が初めてです。オリジナル盤の収録曲とは思い出の浸透度が異なるものの、アルバムのカラーを維持したなかなかクォリティの高い楽曲ですね。一方、オリジナル盤の本編ですが、出会いの一曲 "Don't Cry" がオープニング。Steve Howe 奏でるスライド・ギターの旋律が昇天級の高揚感を誘います。これはもう、言わずもがなの名曲でしょう。包み込むような優しさの感じられるバラード "The Smile Has Left Your Eyes"、あまりにドラマティックな "My Own Time"、どことなく荘厳な雰囲気を漂わせる "Open Your Eyes" などお気に入りのナンバーも多いアルバムです。

最後にプチトリビアをひとつ。渡辺美里さんのデビュー・シングル「I'm free」には「タフな気持ちで」というカップリング曲が収録されていまして、実はこれ "Don't Cry" のカヴァーです(笑)。



Asia / Astra (1985)

2007-07-29 00:00:59 | Music > Rock/Pops
 
Asia の初期三作はいずれも後追いで、その中でも "Astra" はもっとも後に聴いた作品です(といってもリアルタイムとのタイムラグは一年くらいかな)。キッカケは 2nd アルバム "Alpha" に収録の "Don't Cry" だったように記憶しています。あの高揚感に一発ノックアウトでした(笑)。

本来 Asia について筆を執るならば、プログレに触れず語る者など邪道の極みなのでしょうけれど、僕にとって Asia というバンドは John Wetton のウォームなヴォーカルとボッブで洗練されたサウンドが魅力だったわけで、その人脈やバックグラウンドに関してはあまり興味がなかったんです。そんな感じですから、ギターが Steve Howe 御大から Mandy Mayer に替わろうが、ASIA サウンドに対する印象はさほど変わりませんでしたね(笑)。

アルバムは勇壮感たっぷりの "Go" で幕を開けます。ドラマティックで颯爽とした曲調はオープニング・ナンバーに打ってつけですね。個人的には 2:34 からのメイン・ギター・リフにシンコペーションを効かせたアレンジが気に入っています。こういうのって、さり気ないけどセンスの良さを感じるんですよね。この曲に限らず、Mandy Meyer は素晴らしいギター・ワークを残してくれたように思います。ちなみに Gotthard 脱退後は再び Krokus に加入したそうで・・・。続く "Voice Of America" は幾重にも重ねられた美しいコーラス・パートが印象的ですね。前作には "The Smile Has Left Your Eyes" という名バラードがありましたが、それに匹敵するナンバーだと思います。とにかくキャッチーな "Hard On Me"(ラストに一瞬だけ、ケルト風のメロディが挿まれますね)、静と動の対比がドラマ性を際立たせる "Rock And Roll Dream"、メロディック・ハード全開の "Too Late"、これでもかと言わんばかりに叙情性を注ぎ込んだ "After The War" など、セールス的には不振だったそうですが、作品の完成度は極めて高いと思います。



The Power Station / same (1985)

2007-07-28 00:28:09 | Music > Rock/Pops
 
先日、何気なくテレビをつけていたらシュワルツェネッガー主演の「コマンドー」が放映されていまして、性懲りもなくまた観てしまいました。ストーリーはわかり切っているのにね(笑)。そんなだから、後半はほとんど "ながら" 状態。結局、聞き覚えのある曲が流れてきて、映画が終わったことに気付きました(苦笑)。

いきなり日常的な日記風の書き出しですが、ちゃんと The Power Station に繋げます(笑)。実は映画のラストで流れている主題歌は彼らのナンバーなんですよね。当時はサントラのみの収録だったため、長いこと入手困難な一曲だったようです。2005年にデビュー作のリマスター盤が発売され、ボーナス・トラックとして追加収録されました。ちなみに映画のエンドロールでは Duran Duran の "We Fight For Love" とクレジットされているとのこと(テレビでは本編のみしか流れず未確認)。どんな経緯があったのか気になります(笑)。

話をバンドに向けましょう。The Power Station は Robert Palmer をヴォーカルに John Taylor と Andy Taylor の Duran Duran 組、Chic の Tony Thompson の四人で結成されたロック・グループ。プロジェクト的な性格が強いものの、アルバムではロック、パンク、ファンク、ニュー・ウェイヴなど、個々のメンバーが持ち寄った音楽性を見事に融合させ、斬新かつスタイリッシュなサウンドを聞かせてくれます。T. Rex のカヴァー "Get It On (Bang A Gong)" は日本の CM でも使われていましたから、耳に覚えのある方も多いでしょうね。前述のボーナス・トラック "Someday, Somehow, Someone's Gotta Pay" は Robert Palmer に替わって加入した元 Silverhead の Michael Des Barres がヴォーカルを取っています。



Cobra / O.S.T. (1986)

2007-07-20 23:05:59 | Music > Rock/Pops
 
中学生の頃、「ロッキー4」(1985) や「ランボー/怒りの脱出」(1985) がキッカケでスタローンにハマっていた時期がありました。それまではあまり映画俳優というものを意識したことはなかったのですが、圧倒的不利な状況においてもそれに屈することなく敢然と立ち向かっていく主人公の姿は、当時の僕の目にひときわカッコよく映ったものです。ある種のヒーロー像をスタローンに投影していたんでしょうね。これは「オーバー・ザ・トップ」(1988) の頃まで続くのですが、実はこれらの映画の間には今ひとつ知名度の低い「コブラ」(1986) という作品がありました。

「コブラ」は興行収入的にはあまり振るわず、作品としての評価も低いようですが、僕にとっては結構思い出深い映画の一つなんです。スタローン演じるコブラの、無精ヒゲに大きめのサングラスを掛けたルックス、黒いシャツにジーンズ、そしてロングコートで決めたスタイリッシュでクールなファッションには子供ながらに憧れました。若い頃はとかく形から入りがちですからね(笑)。

さて本題のサントラですが、流行りのオムニバス・アルバムという形式はとっているものの、これといったヒット曲には恵まれず、映画同様、地味な一枚であることは否めません(苦笑)。もちろん個人的には、聴くたびに追懐の情に浸ることができる "青春のアルバム" なんですけれどね(笑)。収録アーティストは「ロッキー4」のサントラにも参加していた John Cafferty, Robert Tepper を始め、Miami Sound Machine, Jean Beauvoir, Gary Wright といった顔触れです。メイン・テーマとなる John Cafferty の "Voice Of America's Sons" は少年時代に思い描いていたアメリカを想起させる今でも大好きな一曲ですね。



The Byrds / Ballad Of Easy Rider (1969)

2007-07-08 00:09:59 | Music > Rock/Pops
 
僕がカントリー・ロックにハマるキッカケとなった思い出深いアルバム。先日、ふと思い出したようにリマスター盤をゲットしました。想い出のこびり付いたオリジナルの CD はそれはそれで大事にするつもりです(笑)。

Clarence White にも出会い、Steve Morse のルーツの一つであるブルーグラスともここでつながりました。遡って Gram Parsons を知ることも出来ましたしね。ただ当時は今のようにネットがなく、情報のほとんどは一方通行で提供される雑誌に頼るしかありませんでした。そんな心許ない時代でしたが、レコード・コレクターズ誌の The Byrds 特集号に出会えたのは、今思っても幸運という他ありません。周辺アーティストを含め、かなりのベーシックな知識を得ることができました。



ストリング・ベンダー・ギターに憧れたのもこのアルバムからでした。"Tulsa County" でのプレイがあまりにカッコよくてね、こんなフレーズが弾いてみたいと思ったものです。その後、アルバート爺ちゃんが教則ビデオで完璧に弾きこなしている姿を見て猛烈に感動。早速楽器屋に出向きましたが「ストリング・ベンダーを弾きこなせる人なんて、日本じゃ徳武さんくらいだよ」と店員に言われ、あえなく撃沈(苦笑)。まだヒップも青い学生時代のお話です。おっと、語り始めるとあまりにもマニアな方向に流れていきそうなので自制します(笑)。

フォーク・ロックからスタートした BYRDS はサイケ・ロックを経由したのち、本作でも聴けるカントリー・ロックに辿り着きます。この時代のアルバムは Eagles や The Doobie Brothers 辺りが好きな人にも是非お薦めしたいです(ちなみに本作では DOOBIES も取り上げたゴスペル曲 "Jesus Is Just Alright" が収録されています)。そういえば Bon Jovi も最新作ではカントリーに急接近していますね。旬を逃がさず、カントリー・ロックのルーツである The Byrds から開拓してみるもの面白いかと思いますよ。



Widespread Panic / Space Wrangler (1988)

2007-06-02 10:33:49 | Music > Rock/Pops
 
その昔、T Lavitz の参加アルバムをトレースしていて出会った一枚。20年近い活動歴を持つサザン・ロックの大御所 Widespread Panic のデビュー作です。オリジナルはマイナー・レーベルからのリリースですが、その後、Capricorn と契約し、メジャー・デビューを果たします(僕が持っているのは再発盤)。このバンドがキッカケでジャムバンド系にハマるようになりましたね。泥臭さと気だるさを持ち合わせた雰囲気がたまりません。緊張で張り詰めた人生を送っている方、こういうルーズな音楽に身を委ねてみてはいかがでしょう? 僕もこのところ、彼らのアルバムがヘヴィローテです(笑)。

そうそう、嬉しいニュースが! つい最近知ったのですが、去年からギターに Jimmy Herring が参加しているんですよね。さらなる強力布陣となった Widespread Panic は名実共にジャムバンド界のトップに君臨することになりそうです。



Jeff Beck のトリビュート・アルバム!

2007-05-21 21:12:25 | Music > Rock/Pops
 
Jeff Richman、今度は Jeff Beck 御大らしいですぜ! "Freeway Jam - To Beck And Back" と名付けられたこのトリビュート・アルバムは7月17日に Tone Center レーベルよりリリースされる模様。参加ミュージシャンは Steve Morse, Eric Johnson を始め、John Scofield, Adam Rogers, Mike Stern, Warren Haynes, Chris Duarte, Greg Howe, Walter Trout といった面々。お目当て以外のギタリストのプレイに触れることができるという点で、この手の企画は決して嫌いではないんですけどね(笑)。

Jeff Richman 主宰の合コンは果てしなく続く・・・(笑)。



Project Z / same (2000)

2007-04-17 00:00:38 | Music > Rock/Pops
 
最近、若干メロディ過多な気がしていたので、その反動でしょうか、グルーヴに埋もれたくなりました(笑)。Project Z を選んだことに深い意味はなく、たまたま目に入っただけです。そんなことを言うとバンドに失礼な気もしますが、そこはまあ許してもらいましょう(笑)。

Project Z は Jimmy Herring、Jeff Sipe、Ricky Keller というジャムバンド界の名手たちによるプロジェクトです。ジャムバンドらしくインプロ色が豊かで、メンバーの自由奔放なプレイが全編に渡って楽しめます。もっとも、才能のある三人が集まっていますから、要所要所は的確なアレンジが施されており、決してグダグダになることはありません。混沌の中に存在する秩序をピカソの絵画に例えるのはいささか誉めすぎでしょうか(笑)。タイトでヌケのよい Jeff のドラミングはジャズとロックの均衡が取れたスタイルで、テクニカルでありながら嫌味がありません。Ricky のベースにしても簡単には捕まらないくらいの勢いで動き回るのですが、ボトムがしっかりしているため、ちょこまかとしたイメージはなく、そのどっしり感は、さながら "大蛇のウネリ" のようです。そんなリズム・セクションをバックに生き生きとしたギターを聞かせるのは Jimmy Herring 御大。モース先生より若いのにヘリング翁と呼びたくなる容姿はさておき、円熟を極めながらも若々しいフレーズで縦横無尽に駆け回ります。本作ではモース先生のモロパクリはほとんど聞かれませんが、アレンジ面では結構 DREGS の影響が垣間見れますね。

去年、CLAPTON バンドの一員として来日した Derek Trucks が得意のスライド・ギターで友情参加しています。



Pride Of Lions / The Roaring Of Dreams (2007)

2007-04-10 03:15:38 | Music > Rock/Pops
 
メロディ・メーカーとしての腕が疼くのでしょうか。Jim Peterik は時おりメロディやコード進行にヒネリを与えすぎて、楽曲のグルーヴを削いでしまうことがあるように思います(一番顕著だったのは "Born To Believe In You" のギター・ソロ部分かな)。Jim の書くメロディに惚れていながらも、どこかもう少しストレートにと願っている部分はありました。本作でもその辺りが一番心配だったのですが、予想以上に真っすぐで、奇をてらったコード進行に頼らず印象的なメロディを紡ぎだしていて安心しました。トリプル・アクセルからダブルに落ち着いたという感じですね。一発ワザに賭けなくとも、全体のまとまりで観客を魅了するフィギュア選手のごとく、金メダル級のアルバムを届けてくれたことに感謝!

高揚感のある曲を主体とし、アクセントとなる曲を挿み込んだ構成は、アルバムにゆったりとした流れを作り出していて、これが自然な心地良さなんですよね。ヴォーカル・パートは Jim のシェアが増したように思いますが、個人的には [Aメロ:Jim] -> [ブリッヂ:Jim & Toby] -> [コーラス:Toby] という二人のリレー・スタイルが好きなので、この路線が増えたことは素直に嬉しいです(Toby ファンはちょっと物足りないかな?)。通しで聴いていると楽曲が粒揃いであることに驚くばかり。そんな中、懐かしさがじわっと込み上げてきた "Faithful Heart" にはすっかり心を奪われました。まだまだ聴き込みは浅いですが、これからメロディが馴染んでいくことを思うとワクワクしますね(笑)。

よく音楽の形容で「・・・の香りがする」などといいますが、80年代の香りたっぷりのこのアルバムを聴いていると、窓から入り込んでくる風が本当にあの頃の風のように思えるから不思議です。部屋が懐かしい匂いでいっぱいになっていく、そんな錯覚さえ覚えますね。新たな始まりのこの季節、夢や希望に満ちた人たちに贈りたい一枚です。



Bangles / Different Light (1985)

2007-02-24 08:23:15 | Music > Rock/Pops
 
もう20年以上も昔の作品になるのですね。洋楽聴き始めの頃に出会った懐かしいアルバムのひとつです。日本では「シルバースクリーンの妖精 」という邦題が付いていました。僕が全米のヒットチャートを追い掛けるようになったのは1986年の後半ですから、前年リリースの本作はかなり長い期間チャートの上位にランクインしていたということになりますね。

元々このアルバムはミュージック・テープで持っていたはずなんですが、いつの間にか行方をくらましてしまいました(記憶が不明瞭なので、もしかしたらダビングしたテープだったかもしれません)。かくれんぼが始まったことさえ気付かずに、今まで過ごしてきましたが、先日 cherry さんのブログで Bangles の記事を読んでいたら、無性にこのアルバムが聴きたくなりましてね。いわゆるノスタルジーというやつでしょうか(笑)。今から探すとなるとかなり骨なので、不精者の僕は安易に借り直す道を選択することにしました(笑)。

オープニングの "Manic Monday" からノスタルジックな風が吹きまくりです。とにかくスザンナの声が可愛いったらありゃしない! あんなチャーミングな曲をプリンスが書いただなんて未だに信じられないです(笑)。シングルカットこそされませんでしたが、続く "In A Different Light" も結構好きですねぇ。その後も "Walking Down Your Street", "Walk Like An Egyptian", "If She Knew What She Wants" などヒット曲が目白押しです。ただアナログでいうB面の記憶はかなりあいまいでした(笑)。シングル曲のほとんどがA面に集中しているせいでしょうかね(笑)。




Avalon - The Richie Zito Project / same (2006)

2007-01-27 09:50:49 | Music > Rock/Pops
 
先日 cherry さんに Joe Lynn Turner つながりでお薦めされた Avalon。Cheap Trick や Heart、Bad English など数々の大物アーティストを手掛けたプロデューサーとして知られる Richie Zito のプロジェクトです。善は急げということで早速聴きましたよ!(笑)

アルバムには Steve Perry の細胞を培養して育てたというバイオテクノロジーの結晶 Hugo や(笑) Eric Martin、Joseph Williams、Richie Kotzen、Eddie Money ら、過去に Richie と交流があったヴォーカリストが参加しています。このメンバーを見るだけで彼がどれほど多くのアーティストに信頼を寄せられているかわかる気がします。ギターとベースはギタリストでもある Richie 自身が担当。ドラムは Tommy Decker と Greg Bissonette です。Greg も本当に色々なところに顔を出しますねぇ(笑)。ピアノは Richie の幼なじみである Joey Carbone で、日本のポップス界では有名な音楽プロデューサーですから知っている人も多いでしょう。こちらのインタビュー記事のラストに Joey が邦楽アーティストに楽曲提供した作品のディスコグラフィーが掲載されているんですが、共作者に Richie Zito や Joseph Williams の名前が出てくる曲もあり面白いですよ。"Blue Monday" では Hugo と並び、コンポーザー兼プロデューサーとして名高い Giorgio Moroder の名前もフィーチャーされています。80年代に昨今のオムニバス・サントラの基盤を作った人物ですね。「フラッシュダンス」や「トップガン」は彼が手掛けた代表作で、これらのアルバムには Richie もギターで参加しています。

アルバムのサウンドはライトなメロディック・ロックで Richie のメロディ・メイカーとしての才能が遺憾なく発揮されていると思います。アレンジに関しては Sunstorm を聴いたあとだけに若干ラフさを感じますが、逆に言えば、作り込むことよりもライヴ感を重視したのかもしれませんね。個人的にはタイトル曲の "Avalon" や Joseph の唄うバラード "Oh Samantha" がお気に入りです。Eric の声も聴いていて心が落ち着くなぁ(笑)。cherry さんもご自身のブログで Avalon を取り上げていますので併せてどうぞ(こちら)。

※今頃になって気付きました。国内盤は一曲多かったんですね・・・(悲)。



Heads Hands & Feat / same (1971)

2006-11-01 23:11:34 | Music > Rock/Pops

Heads Hands & Feet:
Tony Colton - lead vocals
Ray Smith - guitar
Albert Lee - lead guitar
Chas Hodges - bass, fiddle, banjo
Pete Gavin - drums
Mike O'Niell - piano

60年代後半、Jimmy Page らと共にイギリスのセッション・シーンで活躍していた Albert Lee。そんな彼がメジャー・デビューを果たした初めてバンド、それが今回ご紹介する Heads Hands & Feet です。ブリティッシュ・ロックが好きな方なら一度はその名を聞いたことがあるのではないでしょうか。いきなり二枚組という大作でデビューを飾る度胸も大したものですが、何を隠そう、このアルバムこそ、名曲 "Country Boy" のオリジナルが収録されている記念すべき一枚、いや二枚なのです(笑)。

バンドのメンバーはそれぞれが自己の活動で名を上げてきた人たちです。中心となるのはリード・ヴォーカルを担当し、本作のプロデュースも手掛ける Tony Colton。Heads Hands & Feet の母体となる Poet & The One Man Band を立ち上げた人物でもあります。彼は The Animals や Cream に楽曲を提供したことでも知られ、ソングライターとしてのセンスも高く評価されていたようです。後に Dave Peacock と Chas & Dave を結成することになる Chas Hodges も主要メンバーの一人。ピアニストとして有名な彼ですが Heads Hands & Feet ではベース、フィドル、バンジョーとマルチな才能を発揮しています。ドラマーの Pete Gavin と共に Albert の "Hiding" に参加していました。バンド以外では、エンジニアに Yes のプロデューサーとして有名な Eddie Offord が(彼は The Dregs の "Industry Standard" もプロデュースしていましたね)、バッキング・ヴォーカル・アレンジメントに惑星一のベンダー星人と称される Jerry Donahue がクレジットされているのは興味深いところ。

どこか湿り気のあるサウンドは明らかにブリティッシュといった感がありますが、アメリカ No.1 の英国人カントリー・ギタリスト Albert Lee が海の向こうの音楽性を持ち込んだことにより、他の英国産バンドとは一線を画すスタイルを築くことに成功しています。ただスーパー・バンドとして売り出そうとしたキャピトルの意向とは裏腹にヒットには恵まれず、わずか三枚のアルバムを残し解散してしまったのは非常に残念です。

アルバム "Hiding" ではカントリー色が強いアレンジに変貌を遂げた "Country Boy" もここではよりアグレッシヴにロックしており、エンドレスで繰り広げられるギターのインプロヴィゼーションは 1971年という時代を考えるとかなり強力です。今ほどパッキパキのギター・サウンドではないですが、ロールやダブル・ストップを多用したリックはすでに現在のスタイルを思わせるもので、まさに「コンテンポラリー・カントリー・ギターの黎明ここにありき!」と言いたくなりますね。ちょうど Jimmy Page がロック史に輝く大名盤 "Led Zeppelin IV" をリリースした頃のことです。

その他、ギターとベースのユニゾン・リフがカッコいい "I'm In Need Of Your Self"、ブルージーなブリティッシュ・バラード "Song For Susie"、「若干25才にしてこの枯れ具合!」という Albert の渋いヴォーカルが味わえる "Delaware"、フィドルも加わりホンキートンクなムードが楽しい "Tryin' To Put Me On" など聴きどころは多いです。

以前は国内盤もリリースされており、1980円という安価で入手することができたのですが(僕が所有しているのもこの国内盤)、現在は国内外共に廃盤のようで、地道に中古を探すしかないようです。そんな入手困難なアルバムではありますが、アルバート爺ちゃんのファンには彼の記念碑的な作品として、そうでない方にも 70年代ブリティッシュ・ロックの隠れた名盤として是非とも聴いていただきたい一枚です。


Flashdance / O.S.T. (1983)

2006-08-08 00:05:49 | Music > Rock/Pops
 
♪ She's a maniac, maniac on the floor... ♪

このところ HR/HM ネタが続いておりますが、突然 Michael Sembello の "Maniac" が聴きたくなり引っ張り出してきたのが映画「フラッシュダンス」のサウンドトラック。アルバムを通しで聴いたのは久しぶりですね。80年代ポップスの空気が詰まったサウンドはセピア色の思い出に浸るのに持って来い!(笑)スミからスミまで懐かしい音で一杯です。

誰しも一度は耳にしたことがあるであろう Irene Cara の "Flashdance...What A Feeling"。リリースから 20年以上経った今でも全く色褪せることなく、正真正銘 80年代のポップス史に残る名曲の一つになりましたね。冷房を効かせるより窓を開けて自然の風を浴びたくなるような爽やかな気持ちにさせてくれます。アルバムは全米一位に輝いた同曲と "Maniac" の二曲がズバ抜けていて、他の曲の印象はやや薄いですが、エヴァー・グリーンな音楽に耳を傾けたい向きは是非!

本作を手掛けたのはオムニバス・サントラの仕掛け人 Giorgio Moroder。「映画音楽なのにヒット曲集」という新たなスタイルを打ち出した名プロデューサーです。彼の名前を知らない人でも「トップガン」のサントラを世に送り出した人物と聞けば、その手腕は想像に難くないでしょう。ちなみに僕の洋楽スタートはその「トップガン」でした。幼なじみの友人と出かけたレンタル・レコード店で壁に掛けられていたこのアルバムを偶然目にしたんです。「あのフットルースを超えるか?」といった内容の宣伝がされていましたね。当時は洋楽という未知の世界への憧れや好奇心でいっぱいでしたから、どんな些細なことにも素直に反応してしまうわけで・・・(笑)。「フットルース」が何なのかも知らないくせに、それと比較される「トップガン」にすっかり感心した二人は、記念すべき洋楽第一歩となるレコードを抱えて店を出ることになるのです(笑)。

その後、友人はすっかり Giorgio Moroder フリークになりました(笑)。色々と関連作品を聴き漁っていたみたいです。そんな彼の影響もあってか、僕自身前述の名盤以外にも何かと Giorgio の作品を耳にする機会は多かったですね。Limahl が主題歌を唄った「ネバー・エンディング・ストーリー」はもちろんのこと、Freddie Mercury の "Love Kills" が収録されている「メトロポリス」のサントラまで聴いていましたから(笑)。

ほとんどが「フラッシュダンス」と関係ないお話でしたね(笑)。あと「マニアックなのは彼女じゃなくてお前だろ?」というツッコミはなしで・・・。重々自覚しておりますから(爆)。

The Georgia Satellites / Georgia Satellites (1986)

2006-07-30 10:16:28 | Music > Rock/Pops
 
洋楽にハマり始めた頃、僕にはにわかに信じられないアルバムがチャートを席巻しました。それがこの The Georgia Satellites のデビュー作 "Georgia Satellites" でした。当時はこういう泥臭いサウンドに免疫が無く、全米第二位に輝いた大ヒット曲 "Keep Your Hands To Youself" を聴いても「こんなに声が裏返った曲のどこがいいんだろう?」って思っていたくらいです(笑)。渋さがキラリと光るシンプルなロックンロールに目覚めたのはもう少し後のこと。しかもそれは何の前触れも無く突然訪れました。とある日常の、とある瞬間、いきなり頭の中で "Battleship Chains" が流れ出したんです(相変わらずこういうことは覚えているんですよね~/笑)。シングル曲として MTV でよく耳にしていたというのもあると思いますが、単純極まりないサウンドが頭にこびり付いて全然離れません(笑)。そのうちエンドレスで脳内リピートされるこの曲が段々とカッコよく聞こえ始めてきたから不思議! どちらかというと自分はカッチリとしたサウンドが好みだと思っていたので、これには当の本人が一番ビックリでした(笑)。

一旦体が受け入れてしまえば病み付きになるサウンドってあるんですよね。Georgia Satellites のおかげでロックンロールの世界にも足を踏み出すことができました(笑)。彼らに出会わなかったら Motley Crue や Slaughter ですら好きになっていたかどうか・・・(笑)。今回、久しぶりにデビュー作を聴きましたが、やっぱり奴らはカッコいいです!