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「ゆるキャン△」に登場しない大井川鐡道を巡る その30 井川線のアプト式列車

2024年05月05日 | ゆるキャン△

 大井川鐡道の千頭駅の井川線のホームです。出発時刻の9時25分までまだ間があるので、ホームに待機中のアプト式列車の編成を見に行きました。

 御覧のように、井川線のホームは車輛の小ささ低さに合わせて階段を付けて低く造られています。Nゲージの模型製作で千頭駅を作った時にこの井川線ホームの階段と上下二段のホーム、屋根部分の柱が前後で長さが異なる点も再現しました。

 

 駅名標と時刻表が貼られた掲示板です。これらは模型ではまだ作っていませんでしたので、いずれ追加する積もりです。

 

 ホームに待機中のアプト式列車の先頭は、運転制御室付きの客車、クハ600形です。以前にアルナインのNゲージの金属キットを作りましたが、特徴をよく捉えた良いキットでしたので、こうして実物と見比べても全然違和感はありませんでした。

 

 ただ、アルナインのNゲージの金属キットではバックミラーや予備灯などが省略されていて、前照灯のレンズもありませんでしたから、それらをプラ材やクリアパーツで追加しています。

 

 前面に付けられたヘッドマークは、奥大井湖上駅でした。ゆるキャンアニメ3期にもレインバーブリッジとして登場し、各務原なでしこがこの奥大井湖上駅まで乗って、駅から鉄橋を渡って展望所までの山道を登り、あの美しい景色を見ています。

 しかし、こうしてみると、車体が小さいぶん、線路も狭く見えてしまいます。日本の鉄道線路の標準である狭軌つまり1067ミリより狭いように感じますが、以前に井川線の廃線跡散策路で線路の幅を測ったら、ピッタリ1067ミリでした。つまりは大井川鐡道の本線とも同じ国鉄規格であり、したがって現在のJR線とも共通の軌間であるわけです。

 そういえば、昔は金谷駅で線路が東海道線と繋がっていて、国鉄の機関車や列車が大井川鐡道に乗り入れたこともあったそうです。また、井川線の列車がイベント企画で新金谷駅まで走ったこともあった、と聞きました。同じ狭軌の軌間であるから出来たことでした。

 

 先頭車のクハ600形の車番はクハ603でした。クハ600形は井川線に4輌が在籍しており、上図のクハ603は3号車にあたります。1号車のクハ601は客車のスロフ310(初代)からの改造であるそうですが、クハ602から604までの車輛は余剰となって廃車となったcトキ200形の台車を流用して改造されたそうです。

 製造元は日本車輌製造なので、そこに務めた父の遺品の設計図類を探したら、クハ600形の設計資料もありました。鉄道工学の専門家であった父が、自身の設計資料として手元に残した青写真の写しですが、図面は実車そのままではなく、製造段階で随所に変更や修正が施され、平成二年(1990)7月に完成しています。

 この製造は、平成二年に井川線のアプトいちしろ駅から長島ダム駅までの路線付け替えによってアプト式運転区間が設けられたのに伴うものであったそうです。
 アプト式運転区間の設置後は、機関車を常に列車の千頭方に連結して、上り千頭方面行きは機関車が牽引し、下り井川方面行きは機関車が後ろから押していく推進運転が行われることになったのですが、このため井川方面行きの先頭車輛が客車のままでは運転制御が難しいため、制御車が必要となってクハ600形が他車からの改造にて作られたわけです。

 

 次の客車はスロフ300形の5号車であるスロフ305でした。スロフ300形は昭和三十七年(1962)に日本車輌製造で4輌が製造されましたが、上図の5号車からは大井川鐡道の両国車両区で昭和五十五年(1980)から製造され、最新の18号車は令和三年の完成になります。いまも18輌全てが井川線にて現役として働いています。

 

 スロフ305の次はスロフ306、スロフ307と同型車輛が繋がっていました。スロフ300形は製造時期によって細部の仕様が異なりますが、上図の車輛は同時期に作られているので、窓は一段下降窓のタイプで、最もシンプルな仕様になっています。

 

 スロフ300形の3輌の次は上図のスロニ200形でした。車番はスロニ202でしたから、2輌あるうちの2号車です。御覧のように、一方の車端部が荷物室兼展望デッキになっており、この部分だけがステンレス無塗装の外板なので外から見ただけでも識別が容易です。さらに出入口のドアが片面に二ヶ所あります。

 また、上図のスロニ202の千頭方が荷物室兼展望デッキであるのに対して、1号車のスロニ201では井川方が荷物室兼展望デッキになっているという相違点があります。
 これに関して、サークル仲間の鉄道マニアの川本氏が「今度井川線に乗るんなら、客車はスロニ200形に乗っておけ。展望デッキが付いてるんで、そこの座席につけば、左右の視界が広々と楽しめるぞ」と言うのでした。

 それで、今回はそのスロニ202に乗る事に決めましたが、その展望デッキからの視界は広々というほどには開けないことがすぐに分かりました。

 

 なぜならば、スロニ202の次に上図のDD20形ディーゼル機関車が繋がっていたからです。これが最後尾かと思いきや、まだ後ろに客車が繋がっているのでした。列車の最後尾を見るとそこにも別のDD20形ディーゼル機関車が見えましたので、途中の接岨峡温泉駅で後ろのDD20形と客車を切り離すのだな、と気付きました。

 

 とりあえず、Nゲージ模型製作の参考資料に、とDD20形ディーゼル機関車の足回りや連結器まわりを何枚か撮影しました。以前にアルナインのNゲージ金属キットを作った際に、キットでは省かれていたバックミラー、バックライト、開放テコも追加再現しましたが、それらの実物を改めて観察し、撮りました。

 

 そして外観を各アングルから撮っていると、発車時刻間近を告げるアナウンスが流れましたので、撮影を急ぎました。

 

 最後に上図のヘッドマークを撮り、ダッシュでスロニ202まで戻って乗り込みました。  (続く)

 

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