防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

真実は多数決ではない

2008年07月31日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題

 最近地球温暖化(寒冷化)の議論にはまっています。丸山茂徳先生が今年5月に出版された、「『地球温暖化』論に騙されるな」講談社を買って読み始めています。そしたら、いきなり考えさせられるフレーズにぶつかりました。http://www.bk1.jp/product/02994729

-------------------------------------------------------------------------------
 私はかつて環境省に呼ばれて、「CO2は地球温暖化の犯人ではない」「地球は次第に寒冷化する」という話をしたことがあります。
 そのとき環境省の方々の反応は、まるで私の論を受け付ける気もないようでした。
「IPCC{気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)}は4,000人もの世界の科学者が集まって研究している。その結果、温暖化の主要因の人間が排出するCO2だと結論づけたのに、あなた一人が言っても信じられない。間違いではないのか。」
 と環境省の方々はおっしゃるのです。
-------------------------------------------------------------------------------
 
 いやあ、相変わらずですねえ。YAKUNINですねえ。はっはっは!寒冷化ならぬ慣例化!環境論より感情論!
  青色発光ダイオードの中村修二先生やミスター半導体「独創は闘いにあり」の西澤潤一先生と同じパターンですね。


太陽光発電-朝日新聞の社説から-

2008年07月30日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題

 地球温暖化を食い止めるために、太陽光発電に向けて大胆に踏み出すべきときが来た。

 7月27日朝日新聞の社説の第一段落です。
 太陽光発電の目的は地球温暖化を防ぐためにではないと思います。人口爆発とまったく逆のペースで減り続ける石油資源の枯渇に対する代替といったほうが正論でしょう。テレビ朝日は地球温暖化が破滅を招くような特番もやりましたが、地球と文明の歴史は気候変動に支配されているということを地学の目で"冷静”に評価する必要があると思います。
 くしくも同じ日の天声人語では、食糧不足を示唆する記事に内容になっていますが、そちらのほうを心配すべきでしょう。食料自給率39%なのだから。。。


2008年度比叡平3丁目自治会の記事(その2)

2008年07月29日 | 災害の記憶と想像力

2008年度比叡平3丁目自治会の記事が更新されました。
具体的な取り組みとして、福祉マップの作成、ハザードマップの作成、緊急連絡体制の確立、一時避難所の再検討、地滑りや液状化の予測、県下における過去の地震被害調査など、私たち技術者からみてもお手本になるような内容と水準があります。

楽しい、そして実用的な取り組みとしては、DIGを中心に、クロスロードの考え方をとり入れた防災マップの作成があげられています。

DIGとは、災害図上訓練((Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム))の頭文字をとったものです。自然災害は非常時ですから、レスキュー隊や消防隊以外は”防災のベテラン”はいません。ですから普段から想像力を働かせておくことが重要で、特に2008年度比叡平3丁目自治会さんのように、地盤をよく知っている方々にとっては、3次元・4次元的なイメージトレーニングができます。

机上の空論ならぬ地上の正論というわけです。

クロスロードは、災害対応カードゲーム教材「クロスロード」は、カードを用いたゲーム形式による防災教育教材で、ゲームの参加者は、カードに書かれた事例を自らの問題として考え、YESかNOかで自分の考えを示すとともに、参加者同士が意見交換を行いながら、ゲームを進めていくものです。ゲーム感覚ですから、防災を楽しく学べるわけです。

この防災クロスロードは、京都大学防災研究所准教授の矢守克也先生のサイトに詳しく解説されています http://www-drs.dpri.kyoto-u.ac.jp/staff/yamori/

実は、矢守先生のお父様は城下町の研究を中心として、国内外の都市計画の歴史地理の第一人者の方でした(1992年、私が大学2年生の夏休みになくなりました。最期の講義を受けた世代です)。

地域の構造を知り「知域」を広げる ことがいかに大切かこのようなことからもわかります。


カテゴリーの追加

2008年07月28日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題
先だっての丸山先生の講義を聞いて、新たにカテゴリーを設けるべきと思いました。地球が温暖化するか寒冷化するかという議論を冷静に、客観的に、科学的mな根拠にもとづいて語るためには、地質学の知識が必須だからです。

地球誕生かtら46億年、その変遷の記録は岩石中に含まれる生物の化石であったり、酸素同位体比(例えば、表面海水中の酸素同位体の値は海水温度によって変動します。浮遊性有孔虫などの殻に含まれる酸素同位体の比は表層海水の酸素同位体比をよく記録しており、これらの微生物の化石の酸素同位体比の分析を行うことによって、海洋表層水の温度変化の記録が得られ、それに基づいて気候変動が論じられています)であったり、文字どおり深いい話であり、私もブログを書きながら勉強できるからです。

地球寒冷化

2008年07月27日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題

今日は同業者での技術勉強会があり、招待講演として、東京工業大学の丸山茂徳先生のお話を聞くことができました。その趣旨は、これから地球は寒冷化に向かうというものでした。

・過去150 年間の地球温暖化の原因が人類起源の二酸化炭素の増加であることを実証したわけではない。むしろ、それは間違いで、宇宙線照射量と太陽風の相対比で決まる雲の量の変化(減少)が最も効果的な原因であることを示唆している。IPCC の報告書でも、二酸化炭素犯人説を高い可能性として強調したに過ぎない。

・21世紀は人類史1万年の中で過去に例がない激動の時代になる。その最大の原因は異常という形容では表現できない人口の爆発的増加である。自然環境と調和した形で持続可能社会を構築するためには、地球が養える世界人口は30-40億人程度であろうが、世界は既に66 億人を突破している。

・空気と水の化学汚染:人類を始めとして地球生物にとって、空気と水の化学汚染による遺伝子上の変異速度の急増は緊急を要する課題である。CO2 の問題が大きく取り上げられ、その裏に隠されたこの問題ははるかに深刻であり、全世界共通の汚染制御技術と汚染度の指標作りが緊急課題である。

・世界人口の縮小計画:持続可能社会の実現に向けた最も根本的な課題は世界人口の速やかな減少である。その為の具体的行動計画が提案されねばならない。

 政府の主張と逆ですねえ


すべり面にならなきゃいいですけど

2008年07月26日 | 盛土が安定すれば安心
この写真の真ん中あたりに層理面といって、地層の境界部が露出していて、20度ほど北に傾いているみたいです。気になるのは、上の地盤はかさかさに乾いているのに下の地盤は湧き水によって湿ってることです。この上に盛土したレストハウスがあります。なんとなくいやな予感がします。

海雪

2008年07月25日 | 雑感

黒人演歌歌手ジェロの歌う「海雪」を聞いています。
いい声ですねえ。飾り気のない情感が好きですね。

さて、気になるのは歌詞

あなたを追って出雲崎
悲しみの日本海
愛を見失い 岸壁の上


出雲崎周辺は平成16(2004)年の豪雨災害、平成19(2007)年中越沖地震によって大きな被害を受けました。柏崎の景勝地聖ヶ鼻でも地すべりが発生しました。応用地質学会によると

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
聖ヶ鼻の南側鞍部は広い駐車場となっているが,その東端を含め東側斜面が幅約100m延長250m程度にわたって大きく滑落している(写真-6).頭部から両側部にかけて高さ15~20m程度の分離崖が生じ,層理の発達した地層が露出している.この地層は,灰爪層に相当すると考えられる砂岩優勢の砂岩泥岩互層であり,細礫岩を挟み,概ね東西走向で北に25°余りで傾斜している.地すべり面はほぼ全体にわたって層理面に沿っており,層すべりとなっている.

分離崖のさらに東寄り上方の尾根部にも崩壊跡が見られることや分離崖をなす地層が全体にやや褐色化していることなどから,分離崖を含む上方の岩盤は不安定な状態にあるものと考えられる.ここはさらに北側に隣接する斜面も明らかに古い地すべり地であり,以前から地すべりの徴候が見られた地域のようである.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

山も時々"身を投げて”いまの景観を造りました。冬が厳しいゆえ物悲しい歌詞になっていますが、その悲しみの裏に美しい棚田、おいしいお米、お酒、まさに演歌の原点があります。


これぞ”はらみだし”

2008年07月24日 | 盛土が安定すれば安心

私たちはよく”はらんでいる”という言葉をよく使います。
とても危険なことです。
今日神奈川県内でまさに”はらんだ”擁壁を見てしまいました。
これはやばいです。
中身の風化土砂・岩が膨張している可能性があります。


応用地質学会東北支部の資料

2008年07月23日 | 盛土が安定すれば安心

盛土の地震防災に関わる私が今頃知るのも不勉強ですが、応用地質学会東北支部の公開資料に地震災害危険度判定のチェックリストという資料があるのを知りました。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jseg/tohoku/download_file/H15/H15-s-check.pdf

盛土地盤の地盤災害のさきがけとなった1978年(今年で丁度30年です)宮城県沖地震を経験しているため、取り組みが先進的です。

やや文字が大きくて読むのに大変ですが、熱心な方だったら入念なチェックが可能でしょう。
個人的には2ページ目の挿入図がリアルでわかりやすいと思います。
私も首都圏の段丘・丘陵地の盛土版を造ってみたいと思っています。


神奈川県内のがけ崩れ激増-雨のせいだけではない-

2008年07月22日 | 各地でのTOPICS
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiijul0807556/
県内でがけ崩れが激増している。<WBR>ことし四月から六月までの発生件数は平成に入った1989年度から最多の六十五件で、前年度同期比(六件)<WBR>の約十一倍にも上る。<WBR>がけ崩れを引き起こす大きな要因となっているのは降り続いた雨。<WBR>横浜地方気象台によると、3~5月までの県内の降水量が1897(<WBR>明治30)年の統計開始以来、過去最多。<WBR>県は台風シーズン前のがけ崩れの増加に苦慮している。
 
県は2008年度、急傾斜地対策を推進するため、<WBR>県単独工事の事業費を前年度より約3億2000万円増額したが台風シーズン前の予想を上回る<WBR>がけ崩れの増加に財源確保にも頭を悩ます。

県砂防海岸課によると、<WBR>発生を未然に防止するための防止施設などの整備率
は、傾斜度30度以上などの「急傾斜地崩壊危険個所」(<WBR>2511カ所)で43%。ひとつの急傾斜地に必要な工事費は平均2000~000万円という。

同課は「<WBR>危険度を考慮し優先順位をつけて施工しているが約五年間工事を待<WBR>っ
ている住民もいる」と説明。「<WBR>ハード面での対策をさらに進めるため、財源を確保していくしかない」と話している。

--------------------------------------------------------------------
神奈川県内のがけ崩れが平成になって最多だそうです。
記事では雨のせいばかりにされていますが、高度経済成長、バブル景気を経て崖に家が建つだけ建って飽和状態に達してしまって、降雨が増えただけだと思うのですが

温暖化はいいことだ!?

2008年07月21日 | 技術動向

温暖湿潤だった初期の火星は生命誕生に適していた!?

  初期の火星は数百万年にわたって温暖湿潤な環境にあり、生命が生まれるには最適な場所だったことが新たな研究により判明した。

ロードアイランド州ブラウン大学の惑星地質学者ジャック・マスタード氏がリーダーを務めた研究チームは、NASAの火星探査機マーズ・リコナイサンス・オービタを通じて、火星表面にある粘土鉱物の詳しい調査を行った。調査が行われた粘土鉱物はフィロケイ酸塩と呼ばれ、水が存在していたことの裏付けとなる物質だ。そして今回行われた調査の結果、クレーターや渓谷、デルタ地帯、砂丘など火星表面のいたる所にこのフィロケイ酸塩が存在することが判明した。研究チームは、さまざまな地形に水が分布していたことを示す結果だと話す。

 また、マスタード氏は「かつての火星が高温多湿の過酷な環境にあったわけではない。むしろ長い間、温暖で水に恵まれた惑星だった」と語る。

温暖化ってエネルギッシュですね。


日経の雑誌

2008年07月20日 | 資格に関すること
 妻が日経WOMANという雑誌を呼んでいました。
 我々の業界誌では、日経ホームビルダーや日経コンストラクションが有名ですが、

日経WOMANは、自分らしく幸せに働きたい、そう考える女性を応援する雑誌です。仕事のスキルアップ情報、ワークライフバランスの取り方、心とカラダをケアする方法、マネープランの立て方、旅行・グルメ・恋愛情報も充実。働く女性のON・OFFに、楽しいライフスタイルが見えてきます。

 なんだそうで、資格の通信講座の案内も掲載されていました。宅建はやはり難しいようです。

災害ツーリスト

2008年07月19日 | 防災・環境のコンセプト

○竹内の地下水調査日記 - 四川大地震の報告を聞いて -
  
http://takeuchi-atsuo.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_3f32.html

  耳の痛い記事がありました
---------------------------------------------------------------------------
今日防災研の汪さんのところに土産話を伺いに行ってきました。彼はこれまでに2回四川大地震の現地踏査に行ってきたそうで(略)

しかし、何は物足りない感じを抱いた。何だろう?と考えた。踏査結果としてはいいのだが、何か足りない。

・現地踏査をしてそれをまとめるだけで、我々自然災害研究者はいいのだろうか?
・考察を加えると言っても後は地形的・地質的考察を行う程度であろう。それで
研究者
 としてはいいのかもしれない。
・でも その後どうしたらいいかという一歩突っ込んだ考察も必要ではないのであろうか?
・このような巨大災害に対してどう対処したらいいのか?災害社会学的にはいろいろな対処法
 (耐震設計や避難の方法など)が考え出され、為政者に提案されることだろう。
・多くの自然災害研究者がこれまでやってきたことは現象発生直後できるだけ早く現地に行き、
 その現象を注意深く観察し、それぞれの得意分野に主点を置いた報告をすることで終わ
 ってしまっている
ような気がする。
・いろいろな方が評論家然として色々発言されているが、実際どれだけ価値があるのかと疑問を抱く。
---------------------------------------------------------------------------

 このようなことを、千木良先生の本では「災害ツーリスト」として批判的な文章を書いておられました。
 これは防災に関わる技術者が、実は防災に関わる行政文書代書屋としての自分に気がつかず、一般の方にわかりやすく説明する努力をしてこっなかったことににもつながると思います。
 大きな災害を受けてしまうと、復旧、二重ローン、ボディブローのように効いてくる財産、地盤・岩盤おダメージ、、、
 確かに災害の要因を知ることを重要、でも、どこの部分は軽症なのか、どこの部分が重症で、今後どのような生活改善をしていかなければならないのか、、そっちのほうが『皆さん』が気になることなのです。
 


竹の花

2008年07月18日 | Design with Nature

kon25さんのブログに素敵な記事がありました。
http://ten-shock.jugem.jp/?day=20080717

竹の実には、大変栄養があるらしく、鼠などがすべて食べる為枯れるともいわれてます。
山ばかり行くので、こんな珍しい事にも遭遇します。
60年に1度咲くらしいですけど、大変珍しいものだと思います。

私は自分の結婚式で「ハナミズキ」という曲を使いましたが、その歌詞に

薄紅色の可愛い君のね
果てない夢がちゃんと
終わりますように
君と好きな人が 百年続きますように


ほんの~り、薄紅色ですね。


中越沖地震から1年

2008年07月17日 | 災害の記憶と想像力

今日は中越沖地震から1年です。
昨年私は川崎の会社におり、パソコンが若干ゆれたくらいで、2004年に大地震のおきた新潟県でまた直下型地震が起ころうとは想像していませんでした。

太田ジオリサーチさんのブログでは、

宅地の被害が大きかった柏崎市の山本団地地区は、改正宅造法による「造成宅地防災区域」の第一号に指定され、暗きょ工(延長2000m)を主体とした地下水排除工で、全体事業費1億6000万円ほどです。ざっと地図を見ると50戸くらいです。1戸あたり300万強というところです。本来、この宅地耐震化促進事業は、「事前対策」として実施されるものですが、今回は特例として「事後対策」として使われるようです。これで宅地耐震化の重要性が広まってくれたらよいのですが、逆に何かあっても事後にちゃんとしてくれるという「防災はお上がやるもの」という誤った思いこみにならないようにしなければなりません。

とありますが、

柏崎原子力発電所の話題のインパクトが大きすぎて、宅地耐震化は地味な存在になってしまいました。
我々ががんばらねば