防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

地学教育

2010年05月25日 | 雑感
今日Googleアラート「地質」のニュースで、地質調査会社の方が書いたブログが紹介されていました。

http://petro.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-240f.html

昨日,地球科学者ユニオンの談話会で,元埼玉大の関陽太郎先生の話を拝聴した。地質調査業に明日はないとの内容だった。生徒もフィールドワークしたがらない。高校の先生は減少,大学の石油・鉱床学は皆無。地質の未来は,外国人留学生に頼るしかないのだろうか。

まあ、このようなことは私が高校生だったころかた言われていたことで、阪神・淡路大震災や京都議定書が話題になっても地学教育のマイナーさにはノータッチでした。

地学のプロと言える職業や産業がないんですね。我々技術者は公共事業、あるいは建設事業の付録みたいなイメージになっていますから、もっと民間需要の喚起に取り組むべき、、、、ってこともなんども言ってます。なんだか日本サッカー強化の課題を論じるとき言われることが変わっていないのと似てきました。


言の葉

2010年05月23日 | 雑感

昨日は同業者の勉強会の二次会で、会話がはずんで楽しい時間を満喫してきました。同郷の人や、同じ大学出身者に囲まれ、焼酎も進みました。そんななか、私の前で飲んでいた方が研修で、「社会人になってから受けた言葉で印象に残っているものをふたつ書けというような作文があった」と語っていました。

そこで、自分だったらなにを書いただろうかとふと考えてみました。、、がっ、、、、改めてそういわれてみると意外とでてこないものです。地質調査は一人で行くことも多いし、公共事業に携わっていると結局「検査」や「基準」が幅を利かせることになりますので、いわゆる”言の葉”が自分の心に落ちていないのです。

ここでは、ブログやメールでのやりとりも含めてふたつ紹介してみます。

○スケッチは高度です
スケッチは高度な技術を持ったものにしかできません。
現場から読み取れる無数で多様な情報源から、経験と直観力によってノイズ(調査目的に対して無用なデータ)を削ぎ落とし、抽出したシグナルのみを、非専門の人々にも「見える化」する。その作業が現場の技術者の脳内で瞬時になされる。
それこそがスケッチです。
(2009年2月2日:今岡さんのブログから)
 

○銀座地すべり
   「銀座地すべりというのは泥臭さを忘れて、ただ格好だけ良い地すべりの研究や、対策のことである。まずその代表的なものは模型実験と、コンピューターを使ったやり方であろう。ただし、模型実験やコンピューターを駆使することを揶揄しているわけではない。模型実験を行うからには、その実体が正確に解明されていなければならないことであり、コンピューターにかけるためにはその資料が信頼されるものでなければならない。そういう基礎的なものを軽んじてただ実験や計算を精密に行ったとしても得られる結果は何の役にも立たないばかりでなく害をまくばかりであろう。」

http://www.ohta-geo.com/ginza.html


考える原点は色鉛筆

2010年05月22日 | 雑感

国土webマッピングシステムでは、1975~6年にかけて国土地理院によって撮影されたカラー空中写真を高解像度でダウンロードすることができます。

http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WF_AirTop.cgi?DT=n&IT=p

この空中写真はとても便利で、私は実務で役立てています。そんななか、ある有名な活断層沿いの写真で、色鉛筆のあとが残ったままスキャンされている画像を見つけました。その跡をたどってみると、断層沿いの浅い侵食性の凹地と扇状地をくくってあるのがわかります。

それにしても、公的機関のデータ整備状況としては”消し忘れ”ともすれば”ミス”といわれるかもしれませんが、このような味わい深いイレギュラーならむしろ歓迎。考える原点はCADでもGISでもなく色鉛筆です。


宝石は、女性の最良の友 - B.W.ピプキン・D.D.トレント著「環境と地質」より -

2010年05月19日 | 雑感
よくブログでお世話になる今岡さんとのやりとりで、地質とアクセサリーの話になりました。記憶の隅に、そういえば地質の本にそれに関するコラムがあったなと思い、B.W.ピプキン・D.Dトンレト「環境と地質」シリーズの第1巻の42頁を開きました。このシリーズ通じてそうなんですが、内容を読む前に「きれいだ、、」と思ってしまいます。科学的な説明に入る前に心を動かしておくことが、どの分野でも専門にとっつきやすいのだということを思います。

さて、地質、宝石、アクセサリー、、、この辺のキーワードでどんな話題があるのだろうとネット検索していたら、私が婚約・結婚指輪を購入した「銀座ダイヤモンドシライシ」のサイトが見つかりました(当時あったかなあ)。

銀座ダイヤモンドシライシのダイヤモンドが優れている理由について
http://www.bridal-dia.com/web/64
(途中引用:ところで、ひとくちにダイヤモンドとはいってみても、ダイヤモンドの価値を見定めるポイントは様々ですし、ダイヤモンドの石も、実はたくさんの種類があるのです。採掘される場所や地層などで、全く表情の違ったダイヤモンドが採掘されることは、地質学に少しでも詳しい方であればご存知だと思います。

私が銀座ダイヤモンドシライシを選んだ理由は、別にこの文章を読んだからではなく、ふつうブライダル系のサイトは赤やピンクが多い中、ホームページの基調がさわやかな青でこだわりがありそうだから、、、です。 http://www.bridaldiamond.co.jp/

B.W.ピプキン・D.Dトンレト「環境と地質」シリーズや、イワン・L・マクハーグ「Design with Nature」、B・ルドフスキー「建築家なしの建築 - 系図なしの建築についての小さな手引書」などの本は、「専門家の敷居」を低くするための工夫、配慮が洗練されていると思います。

崖錐 odt

2010年05月09日 | 雑感
いま尾根についたので携帯がはいりました。ルートマップに散々書いたodtを検索したら、なかなか古期崖錐の意味ではひっとしませんねえ。

平家の里でITについて考えてみる

2010年05月04日 | 雑感
連休明けから早速2週間ほど現場に入ります。携帯も入るかどうか微妙なところで、平家の落人伝説がのこるところです。最近は多少現場から時間がかかってもネットが利用できるビジネスホテルを利用することが多くなりました。

ところで、今日の太田さんのブログに、

木内里美の是正勧告 情報強者であり続けることの意味は何か?(vol.19) 
http://it.impressbm.co.jp/e/2010/04/05/2088

というコラム記事が紹介されていました。一部抜粋します。

情報強者である技術マネジャが、PCやスマートフォンを駆使して手際よく業務を処理している。情報強者だけに一見、効率はいい。効率がいいのだから当然、時間に余裕がありそうだが、現実は全く逆だ。いろいろなリクエストがきてスケジュールはタイトになる一方である。移動中にもメールで連絡したり経路検索したりGoogleマップで行き先を確認したりしている。確かに便利だがひたすら多忙感だけが残る。

そういう合間に情報弱者の営業担当者から電話が入る。資料はFAXで送った、と言われても事務所に戻るまで確認できない。情報弱者のコミュニケーションツールは面談、電話、FAX、郵送である。確認はFAXの資料を見てから電話するしかない。情報強者は情報弱者のスタイルに合わせざるを得ないのだ。情報弱者は客先を回り、やたらと人的ネットワークが強い。そして営業実績も高水準である。面談に勝るコミュニケーションはない

そういえば、最近現場の地形図がDWGファイルで宅ファイル便等で送られることが多くなりました。ひとつのファイルなのにやたらとデータ量が重く、開くのにも一苦労、自分の行く場所ををプロットするだけでもPCはうなるばかり、、、、それでもPCで扱いやすいようにとデータ量をしぼろうとして、等高線の精度を落とすなど本末転倒、、、地表・地質踏査に行く前の地図が形骸化した情報洪水に流されているため準備に時間がかかり、不便になりました。昭和40~50年あたりは、現地で自然と面談するというコミュニケーションに長けた人が地図作成に携わっていたので、それをコピーすれば精度の高い踏査が出来たのだろうと思います。

木内里美氏の別のコラムで、部品作りは得意だが、システム作りは上手とはいえない。ルールは作れても体系化は上手くない。フレームワークなどは輸入物を活用することが多い。情報分野においてもデザイン力がないと複雑で横断的な仕組みがうまく作れないし、キラーアプリケーションのようなものも生まれて来ない。http://it.impressbm.co.jp/e/2010/03/08/1960 という指摘もありました。実用の”実”は現実の"実”なのですが、、、、、、、、、


ポスドクの1/3が35歳以上

2010年04月28日 | 雑感
私も”ポスドク”さんと現場や仕事をごしっしょした事があります。当然私より地質を見る目も確かだし、知識も豊富です。なぜこんなことになるのでしょうか。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100427-OYT1T00142.htm
34歳以下の若手が初めて減少に転じる一方、民間などへの就職が難しくなるとされる35歳以上の「高齢ポスドク」は07年度より約7%増えて5825人に上り、全体の3人に1人を占めた。文科省は、ポスドクの企業実習を支援して民間就職につなげる施策などを展開しているが、厳しい現状が改めて浮き彫りになった。

問題は、”企業実習”を文部科学省が支援するというところ。研究者は独創的理論で科学の発展に貢献し、それが世の中に生かされるというのが本分でしょうから、実習ではなくてむしろドクターが上に立ちどのようなリードをしていくかを共学するようなスタンスを我慢強く構築した方がいいと思います。

事前防災

2010年04月26日 | 雑感
明日、がけ崩れの事前対策を依頼された方を伺います。以前、私たちが崖の点検をしていたのですが、一箇所不安定土塊がたまっていた斜面があったのです。公共事業では、災害が起こって抜け殻となった斜面にしか対策をしないため、費用対効果という意味ではとても非効率なやり方がまだまかり通っています。

ただ、明日は雨なんだよなあ~

人生ゲーム最新版

2010年04月23日 | 雑感
私も子供のころ遊んだことがあるのですが、人生ゲームの最新版が発売になりました。

人生ゲームの最新版
http://life.oricon.co.jp/65189/full/
最新作では(中略)ゲリラ豪雨に負けない雨具を考案

おっ!!防災関係きましたね。土地を購入するついでに地盤や斜面を調べるってのはないでしょうか。

ときどき忘れそうな日本語(2)

2010年04月08日 | 雑感
盛土の補強土工法に、テールアルメやジオテキスタイル工法といったものがあります。時々日本語でなっていうのだったか?と思う事があります。

・テールアルメ(帯鋼補強土壁)
 垂直盛土であるため用地が最小限ですむ。1963年にフランスの技術者によって考案された補強土壁で、土と補強材で構成され粘着力のない砂で出来た盛土の中に補強材を順次層状に埋め込むと、これが粘着力を発揮する。壁面が倒れないように、盛土奥に向かって締め固める。振動ローラやタイヤローラで締め固めるのが効果的

・ジオテキスタイル
 ジオテキスタイルとは英語の「大地」または「土地」に関する技術を意味するGeotechnicsと織物のTextileを組み合わせて作られた造語であり、我が国では「土木(用途の)安定繊維材」という呼称がありますが、ここ数年の間にジオテキスタイルという用語が一般的に用いられるようになっています。

 のだそうです。

目指す役職は”興味なし”

2010年04月02日 | 雑感

新入社員:目指す役職は?…「興味なし」が男性で初の首位
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100326k0000m040040000c.html?inb=yt
明治安田生命保険が25日まとめた新入社員対象のアンケートで、将来目指す役職を聞いたところ、男性の28%が「役職には興味がない」と答え、初めてトップになった。厳しい就職環境や先行き不安から、就職先を選んだ理由も「会社の安定性」が2年連続でトップだった。

 「役職には興味がない」は、女性も65%に上った。自身のタイプを診断すると、職場の人間関係を重視して自分の考えを修正する「平和主義」が55%。成功のためにとことん頑張る「成功主義」は22%、自分の理想を貫き上司の反対にも対抗する「理想主義」は6%にとどまり、苦労して入った会社にスムーズに溶け込みたいという意識が強いようだ。「一生同じ会社に勤めたい」割合は52%と過半数に達した。

専門職という役職があるかどうかはわかりませんが、人命・財産を災害から守る、地学を国民的関心事にするといった野望を持つ人が少なくなったのは感じます。


地層と路層

2010年03月30日 | 雑感
本当は桜前線のくる直前のいまが地層の観察時、世間は道路工事の路層観察が終わりかけってところでしょうか。地層にも高温高圧など、締め固まり方があります。道路の締め固めは、初転圧:ヘアクラックが生じない限り110~140℃のできるだけ高い温度で行う。2次転圧の終了温度は70~90℃、交通解放が50℃みたいに決まってはいませんが、、、、もう一息です。