防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

野茂投手引退

2008年07月16日 | 防災・環境のコンセプト
メジャーリーグで活躍した野茂英雄投手が引退を表明しました。
個人の力で閉鎖された世界を突破した生き様に憧れを感じる人も多いと思います。

さて、気になることがあります。

今年はオリンピックイヤーですが、最近のスポーツ選手は「楽しむ」「楽しみたい」という言葉をよく使います。個人的には、「楽しむ」の意味が深く考察されずイメージが一人歩きしていると感じます。多分、メジャーリーグの野茂英雄投手が「アメリカで通用するかとういうよりも、アメリカで野球を楽しみたい」と言ったのが最初だったと思いますが、その言葉尻だけをとらえ「さしあたって”楽しみたい”と答えとけば無難だろう」のような感覚で使われますよね(野茂投手はもっとかたい決意を秘めていたんだろうと思うのは私だけでしょうか?)。
 話を環境にもどしますと、この20年、地球温暖化に関連するCO2削減や廃棄物の3R政策など、化学的・生態学的な側面からの議論、刻々と変化する地表より上部の眼に見える範囲での諸現象に関する「言葉」はよくつかわれてきました。「水と緑の○○づくり事業」があったり、「公害」「災害」との言葉の意味の違いや対策にかかわる技術論などはあまり表に出てきませんでした。むしろ、健康・生命被害にかかわる”かわいそう”な部分に”かんきょうろん”ならぬ”かんじょうろん”にさえ聞こえることもありました。まるで、「楽しむ」かのように

みなさんどう思います?

漁業一斉ストライキ

2008年07月15日 | 雑感
自然と語らう第一次産業の方の悲痛な叫びは、日本という国自体のきしむ声に聞こえます。
海に囲まれたこの国で、海で生きる男たちが悲鳴をあげる。
電車やバスのストライキと違って、日本のアイデンティティーの崩壊が始まったような気がします。

地震調査研究推進本部(推本)よ、もう少し慎重に

2008年07月14日 | Design with Nature

○2000の活断層、精密図を来年から作製…完成順に公開
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080712-OYT1T00804.htm

この記事で気になったのはこちら。

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 活断層基本図は、今年から始めた日本海の海底活断層調査の結果も反映させる。同本部は「活断層が近くにあることを知らせ、住宅の耐震補強対策などが進むようにしたい」としている。
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それでも活断層の位置は限られています。
どこで大地震が起こってもおかしくない などと、ヒョーロンカみたいなことを地震調査研究推進本部がいっては困ります。
耐震偽装などの問題で建築基準が厳しくなったことによる不動産不況は深刻です。

活断層から遠い地盤もあるのです。
地震に強い地盤もあるのです。
「まじめに」基準どおり建築していれば、そうそう倒壊しないと思います。
被災しやすい地盤や住宅は限られています。

研究のための研究ではなく、知識を備えておくことが価値であるという世論を醸成するようなものであってほしいと思います。


江ノ島の夕日

2008年07月13日 | Design with Nature

今日は妻とふたりでサザンで有名な江ノ島に行ってきました。
絵になり、詞になる風景です

ちなみにグーグルで江ノ島&地質で検索したら13,200件ヒットしました。


このブログも100回目

2008年07月12日 | 雑感
今日の記事は、100回目の投稿です。
こじんまりとはじめたつもりですが、今岡さんやkon25さんなど、有意義な議論を交わすこともできました。
これからも質量ともに充実させたいと思います。

長崎は今日も。。。

2008年07月11日 | 維持管理の時代
 今日の朝日新聞の記事に、長崎新幹線による時間短縮はわずか5分とありました。整備新幹線、空港、港湾、巨大公共事業により仕事が続きそうな気がする。。そんな「昭和的価値観」が、まさに時代に追い抜かれた印象のあるニュースです。高くて遅い電車に誰が乗るのか。。
 一方で諫早湾干拓の水門開放に関する佐賀地方裁判所の判決に対して、国は控訴する方針のようです。インターネット上では、ほとんど批判一色です。

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CO2削減ばかりがエコじゃないだろう
環境への影響を無視し続けて、「既に始まっている営農にも被害」どころじゃない
被害になったらどうするのだ
まずは確実な調査が先決だ
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この意見に一票。

変わるスピード - 地すべり防止技術指針 -

2008年07月10日 | 資格に関すること
以前こんな記事を書いていました。

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やっぱり基本は変わっていない

http://blog.goo.ne.jp/geo1024/e/85d7543a188a6ce34cbf7b76cbb8cbde私の手元に、山田剛二・渡 正亮・小橋澄治『地すべり・斜面崩壊の実態と対策』という本があります。地すべりの発生しやすい地質構造、調査、設計、施工、施工の際気をつけるべきことなどひととおり分かるのですが、なんと昭和46年9月出版。。。私が生まれる1ヶ月前です。
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今日、土木研究所の最新版地すべり防止技術指針と比べてみました。
やはり、基本的なところはかわっていませんねえ。ポンチ絵の精度にいたるまで。。。。

むしろ災害事例がリアルに紹介されている分、昔の文献のほうが迫力があります。
地すべり防止工事士の試験問題も、『地すべり・斜面崩壊の実態と対策』から出ているような気がしてなりません(さすがにGPSはありませんが。。。)

嗚呼 兵どもが夢の跡

2008年07月09日 | 各地でのTOPICS
欧州平泉の中尊寺金色堂が、ユネスコの世界遺産の選考からはずれたとの報道がありました。
もともと 夏草や 兵どもが 夢の跡 と呼ばれ、源平の戦いのフィナーレの舞台は”月見草で良い”とばかりに、いにしえの兵どもが派手さを求めなかったのかもしれません。。



今日、応用地質学会からあった連絡でビックり

日本三景松島は巨大地すべりによってできた

というタイトルの発表があるのです。楽しみです。

地震は貧困に襲いかかる―「阪神・淡路大震災」死者6437人の叫び

2008年07月08日 | 災害の記憶と想像力

核心を一撃されると心のペンがとまります。なんという衝撃的なタイトルでしょうか。
私は、阪神・淡路大震災の「衝撃」は経験しましたが、「被災」はしていません。

http://www.kankyo-c.com/column/shimogawa_3.htm

朝日新聞の書評を引用しますと

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死者は「病死」ではなく災害による「変死」であり、「検視」など手続きを経なければ葬ることもできなかった。あまりにも多い遺体に、追いつかない対応。結局約1カ月かかって34都府県で火葬されたということに驚いて取材を進めたフリーライターは、震災による死とその後が、高齢、生活保護、障害などの弱者に重くのしかかったと検証する。格差と貧困が拡大した今日、またひとたび地震が起きたら……。
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その後、身近な災害原因のイメージトレーニングは遅々として進んでいません。地震が起こるたびに、いつどこで地震がおこるかわかりませんという、身もふたも防災に対するモチベーションも沸かないことばの繰り返し。なぜ、山は動くのか、家は傾くのか、しっかりとしたイメージトレーニングできるための教材が今必要です。


エンジニアは謙虚であれ - 神戸地震から13年 - 『地盤工学会誌』

2008年07月06日 | 防災・環境のコンセプト

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国も自治体も、いろりろな地震対策を進めており、研究面でも世界をリードする成果を生み出していた。(略)
相対的に見ればという意味である
 それにもかかわらず、なぜあんなに惨めな震災を受けてしまったのだろう。地震の揺れが想定していたものより強かった言って片付けてしまうわけにはいかない。
 (略)要するに、
 「専門家の勉強不足」「専門家の自己満足」「専門家の説明不足」 にあった(略)。被害を受けた人たちの責任は小さかった。
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 今日届いた地盤工学会誌56巻7号(通号606号)の総説(片山恒雄:東京電気大学)

 私も一応専門家の端くれ、専門的知識を使ってどうにかこうにか飯を食い、いまは家族も持ったわけです。勉強不足は、個人的には真摯に受け止めるとしても、向学心に燃える専門家の方も何人か知っているので(このブログにブックマークしている皆様のような)ちょっときついなあと思います。

 が、自己満足、説明不足は納得です。

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・地震学者は自分たちがやっている地震学の基礎研究を、世間が「地震予知」と勘違いしていることに気がつかなかった。
・破壊的な地震に見舞われたとき、いったい誰が、「断層面の向きや傾き、破壊の特徴、地震モーメント」に興味を持つだろうか 
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 私がこのブログをはじめたり、あるいはホームページのデザインにこだわったりしているのは、エンドユーザーに背を向けた議論はすべて空虚である と思っているからです。最近いろんな偽装問題が発覚していますが、これらは結局「自己」の欲求に走った結果、「事故」よって「自己」の真実を知るというブラックジョークです。
 
 例えば、私がよく関わる斜面問題では、よく「断面図」と「平面図」を見ます。そして、「地質調査者」が熱をこめて語るのは、縦断面図を用いていることが多いのです。考えてみれば「斜」面なのに、「断面図」と「平面図」の『垂直的二次元思考』が、現実にあっていないことに気がついていません。まして、エンドユーザーと一緒に問題に取り組むとなると、その感覚は伝わりません。「平面図」と「断面図」をジアゾ焼き(古っ!!)を納品する感覚に慣れすぎたとか、100万円なら100万円なりの成果でいいだろうという感覚は、実は公共事業になれきり最終決断を下してこなかったことなどを、理解してもらえるのは難しいこといなのです。道路や宅地といった生活に密着した問題であるにも関わらず、技術者という職業が社会に認知されていない状況は改善されなければなりません。

 地震が起こるたびに、いわゆる地質屋さんは、震源の位置とかプレートテクトニクスや地震が発生した背景や道路や橋脚の耐震性がどうのこうのという話、ようはメカ二ズム論にはいきいきと興味を示すのですが、家屋が被災しないために保険料をどう捻出するか、地盤のメンテナンスに関してどこまでリスクを許容し、個人負担がナンボで、公共補償費用がナンボで、といった社会科学的観点になると、やれ建築屋は地盤・地質を知らない、文系人間は自然がわからないなど愚痴るひとも見かけるくらいです。

 片山先生も「お役所の縦割りが問題だ」という研究者は多いが、まずは「隗よりはじめよ」とおっしゃっています。トレースなど図面表現は女性アシスタントの仕事、俺の仕事じゃないといっていないで、どういう表現が、専門知識をどうように説明したらよいか、真剣に考えないと、公共事業を民需が上回ったとき、つぶしが利きません。


宅建の勉強法

2008年07月05日 | 資格に関すること

先日知り合った技術士の方に、宅建の勉強法について教えて頂きました。
この方は技術士の総合技術管理部門など多彩な資格をお持ちの方ですが、技術士と宅建を持っておる方と始めて存じ上げました(建設部門、地質部門は少ないか)。

頂いたメールによると、

まず宅建業法で9割以上の得点を目指す。
次に法令上の制限その他です。都市計画制限や建築制限は地質技術者だから知らなくても良かったものの、宅地取引のシーンに積極的に関与しようとする場合には、必須の知識と思います。用途地域も知らないというのはおそらく宅建業者から本当の意味で信頼されないと思います。その他、農地法や税法などこれら知識は実務と直結できる知識と思います。 最後に権利関係

だそうです。

一般の参考書か、過去の問題から考えると見事に逆なんですね。権利・相続関係は、複雑な人間模様が関わるのでややこしいのです。ある意味、ベテランになりたくないところですね。

でも、きいてよかった。聞いてなかったら試験問題のAさん、Bさん、Bさんの土地を担保にしたDさん、その前妻の子のEさん、その人間関係に疲れたら試験日だったってことになりそうなところでした。


ブックマークの追加

2008年07月04日 | 盛土が安定すれば安心

○比叡平3丁目自治会自主防災部 http://blog.livedoor.jp/shagal/
  私は日々地盤の防災に関わっており、最近は人工地盤の危険性について調査することも多くなりました。そして、地形の成り立ちを考えながら、ハザードマップ(土地条件図や地形分類図)として描写することを仕事にしてきました。
 この観点が日本の防災、ひいては一般社会に不足していると感じたため、このようなブログで微力を尽くしているのですが、このたび、私の目指すところにぴったりな自主防災組織があることを知りました。

 それが、滋賀県は比叡山にある自治会の自主防災組織です。部長の方が、ブログを開設しておられます。

 その内容の一部を紹介しますと、宅地の耐震化工事
 
http://blog.livedoor.jp/shagal/archives/cat_50035114.html
  
 2006年9月の
宅地造成等規制法の改正に伴い、自治体が谷埋め盛土造成地を中心とする危険宅地の抽出と調査を行い、危険と判断される場合には「造成宅地防災区域」に指定できるようになりました。防災区域には費用の一部を国と自治体が負担して耐震化工事を行い、災害が起る前に減災対策を行うことが可能になりました。(宅地防災パンフレット)

 宅地造成等規制法では、災害が起る前に自治体が危険度を調査をすることから減災対策を始めるとしているのですが、記事によれば危険宅地マップの作成を始めたのは大阪府や川崎市、横浜市など全国でまだ十数自治体しかないそうです。大津市もまだ一次スクリーニングを始めていません。10年間で危険宅地を半減するという目標はこれで達成できるのでしょうか。まず自治体が調査を行い、危険性を把握し、住民に説明することから始めなければなりません。

 私たち技術者からみても大変高度な内容で、勉強になります。扇情的なマスコミ報道やイメージ先行に踊らされず、専門的知識を高め「知域」をひろげる、、そういった意味で、このブログのブックマークの紹介文は、以下のようにしました。

地盤の成立から「知域」の防災にも貢献する正統派自主防災組織


だらしない人ほどうまくいく

2008年07月03日 | 雑感
だらしない人ほどうまくいく
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31958369

整理のための整理、管理のための管理に走ると、労働力が発生し、無駄がでる。なかなか面白い視点です。社会保険庁などの問題は、台帳のための台帳、書類のための書類に奔走してしまい、実際使う人の立場が理解できなかったというのもあると思います。

実はこれ、防災にも当てはまるのです。がけ崩れや地すべりの危険性が高いほど、書類が分厚くなる傾向があります。そこで、よく調査もしたし、対策案も考案できたぞと、空虚な達成感に浸っていると、いざというとき書類をめくっている間に被害がでてしまってはブラックジョークです。

医者が重症な人ほど分厚い処方箋をつくっていたら、ああ、こんなに治療が大変なんだと、逆に途方にくれてしまいそうです。

きぃすとんさんではありませんが、ひとめでぱあっとわかるのが基本でしょう。
http://www.rope-access.co.jp/j-seika.html
環境地質のHPもそうしたつもりですが。。。。

アコースティックギター

2008年07月02日 | 雑感

仕事では防災に関わってるわけですが、趣味の話になると、酒やスポーツが多いですね。体を張った仕事ですから、ダイナミックな人が多いのでそうなるのでしょう。

そんななかにあって、アコーステイックギターで美しい音楽を奏でる人がいます(コチラ↓)。
http://kuro2.seesaa.net/
私も作詞者として参加していたりもします。
http://www.kuro2kun.com/sinkyokuhassin.htm

さあ、後は下手な文章よりもたまには息抜き、楽しみましょう。