さて、私が参加している委員会でも、ポスターセッションで地域の地質学習マップ?的な展示をする予定です。会場となる島根県はジオパークで有名ですから、見劣りのしないものを作らなければ、、
さて、私が参加している委員会でも、ポスターセッションで地域の地質学習マップ?的な展示をする予定です。会場となる島根県はジオパークで有名ですから、見劣りのしないものを作らなければ、、
ネット上に「斜面と防災・ 別記」と題したPDFが転がっています。
とのコメントを頂きました。検索してみたところ、まさに”ぶら下がって”おりました。
http://www.ctt.ne.jp/~myama/slope_landslide.pdf
PDFには栞がつけてありまして、読みやすい状態になっていました。別記とあるとおり、『斜面と防災』そのものではなくて、こちらの方は、追加項目もあり、より焦点を絞った力説型となっています。そして、より批判的な内容になっているとのことですが、強烈な文章がありました。
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『空論の法則』
地すべりとは、読んで字の通り土地がすべる現象を指しているのであるから土地の摩擦に関する問題であるといえる。摩擦の問題といえばクーロンによって三つの実験的法則が確立されたのであるが、この報告がクーロンの思いつきや研究で実ったものではなく、300年もの歴史の上に打ちたてられたものであることは、曽田範宗さんの『摩擦の話』(岩波新書)という本に面白く書かれている。地すべり研究者は一度はこの本を読んでみることを薦めたい。
現在地すべり研究者のなかにこの本の中に書かれている先人達に対しても恥ずかしいような実験や、それに基づいた奇妙な理論やを振り回している者があって、それが幅を利かせているようで、これを評して「空論の法則」と揶揄したのである。
代表的な例は前からたびたび述べているように、地すべりを防止するためには地下水さえ抜けばよいというような理論である。
現在集水井などによって排除されている地下水は、大部分がすべり面に接している地下水ではなくて、単に移動層内を流れている地下水である。このような地下水を排除すれば、移動層の重量が軽くなるだけであって、すべり面上にある自由地下水の水位を上げて移動層の見かけの重量をかるくしたことと同じ結果である。すなわち、すべり面に接していない地下水を排除することは防止する工事ではなくて地すべり促進工事である。
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摩擦の話については、このブログで紹介されておりました
http://blog.goo.ne.jp/picarin2005/e/6b2691030be3ce623cbe04e0a462730c
事業仕分けは、昨日私にとって最も身近な部分が行われました。一部抜粋します。
ちなみに私は”5年に1回講習がある地すべり防止工事士”を持っていますが、もしかしたら砂防関係のOBで構成される「斜面判定士」とまとめられるなど、なんらかの”仕分け”があるかもしれません。たしかに5年に1度の耳学問ではスキルアップにつながるとは思えませんしね。
私は月に1度、同業者で開催されている(CPD認証あり)の地質技術勉強会に参加しています。そこでは毎回3人の発表者が、PPTを使って45分もの自己研究や課題とを発表し、そのご懇親会、二次会と議論を組みかわします。そういった能動的な勉強会を47都道府県で三ヶ月に1回くらいやった方が良いとおもうのですが。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20100523/541335/?P=1
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仕分け人側は、「一級施工管理技士のような資格を持っている方々に対する講習にしては、内容が薄い。一日仕事を休んで、わざわざ受けるような話ではないのではないか。法律や制度が変わるので必要だというなら、ほぼ毎年変わっているので5年に1回の講習では不十分だ」と主張した。
監理技術者資格者証の交付については、「権限付与の廃止」が8人、「見直しを行う」が5人(重複あり)。津川議員は、「建設現場の安全・品質・環境、品質管理の適正性確保が重要であることは論を待たない。不適格業者の排除も重要だ」としながらも、資格者証の交付に効果があるとは認められないとして「廃止」と結論付けた。さらに、「建設業には資格が様々ある。資格制度全体の見直しをしてもらいたいとの意見もある」とも言及した。
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長いタイトルを付けましたが、地学雑誌の今年の4月号にあった総説論文のタイトルです。「日本列島形成史と次世代パラダイム」という特集がPartⅠとⅡと組まれ、そのPartⅠに掲載されていました。地質学の最先端を行く論文集ですのでかなり高度で私には手に負えない部分もありますが、それでも興味と読み応えはあります。
http://www.geog.or.jp/journal/chigaku/jpre_119_2.htm
内容をごくごくかいつまんでみると、明治初頭ナウマンに代表される海外から地質学を輸入していた時代があり、それが成熟して次第に発展し、いまや最先進国となり(例えば、マントル・トモグラフィーによる日本列島や東アジアの地下構造の推定など、地球物理学分野からの貢献と地質学・岩石学の分野のコラボレーションにより、さらに新しい概念が生み出されようとしていることなど)、「輸出科学の時代」になったというものです。
この論文全体をでは、「日本は地体構造論・造山運動論の歴史を対象に、西欧以外の科学後進国がいかにして先進国に追いつき追い越すのかという視点から再整理を試みたもので、日本地質学の「坂の上の雲」物語と言えるかもしれない」と結んでいます。
このような背景には、おそらく何百万歩にも及ぶ踏査、ハンマーで岩を割ってルーペで鉱物を観察する、崖に這いつくばってクリノメータで走向傾斜を測るといった、ローテクと呼ばれてしまっている地道な努力の積み重ねがあります。もっと世界に誇って教科書にも載せるべきと思います。
ところで坂の下の地すべりを扱う分野はどうでしょう。誇りを持って輸出できるとしたらどんなことが考えられるでしょう。詳しい方のご意見を聞いて勉強したいところです。
いよいよ私の関連する業界の仕分けが始まります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100518-00000609-san-pol
【国交省(24)】運輸政策研究機構▽海外運輸協力協会▽河川環境管理財団▽関東建設弘済会▽東北建設協会▽中部建設協会▽北陸建設弘済会▽近畿建設協会▽中国建設弘済会▽四国建設弘済会▽九州建設弘済会▽港湾空港建設技術サービスセンター▽空港環境整備協会▽建設業技術者センター▽全国建設研修センター▽航空医学研究センター▽航空輸送技術研究センター▽浄化槽設備士センター▽全日本トラック協会▽道路保全技術センター▽日本建設情報総合センター▽雪センター▽リバーフロント整備センター▽ダム水源地環境整備センター
利用者が急増している簡易投稿サイト「ツイッター」に今月中旬から最新の災害情報を提供するよう、総務省消防庁に指示したことを明らかにしました。原口大臣が「ツイッター」をよく利用していることは報道などで有名ですが、いろいろと賛否両論あるようです。
反対意見としては
・ツイッターを使わない人は情報を知ることは出来ない
・日本でのユーザー数はmixiやGREE以下であり、ツイッターの理由が不明。
・ツイッターには情報が二次加工されやすい問題がある。誤った情報を流してしまった場合、情報修正をすることはできても、混乱の収拾は事実上不可能。
・サーバーは決して強固ではなく、ダウンしやすい。
などです。一方賛成意見としては、
・ネット専門でテレビ、ラジオを使わない人に速報を伝えることには、良い試み。
・一企業のインフラを使うのはどうなんだ、という声もありそうだが放送局でもそれは変わらない。
・携帯電話ではホームページを閲覧しにくく、ツイッターで情報が入手できる事は有益。
などいろいろです。
永年的にツイッターのみで限定するわけではなく、他の情報機関で同じ試みを初めても良いわけで、試みとしてはいいのではないでしょうか。
災害時の情報が一斉に広がる速さと危うさを認識しつつ、住民に誤った情報が広がっている場合、ネットに誤情報が蔓延した場合などに、全国一斉に正すツールとなることなどを期待し、見守りたいものです。
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いさぼうネットより。直観力がなえそうですが、、、、
県などから市町村に届くFAXに含まれる情報は,現在よりむしろ簡略化される.従来なら警報発表地域名と,具体的に予想される現象などを記した「文章情報」がFAXの中に記載されたが,情報量が増えすぎて警報発表地域名の列挙が中心になると聞いている.情報端末の使い方に習熟しなければ,むしろ今までより得られる情報が少なくなる可能性すらある.
市町村警報によるメリットが多々あることは間違いない.メリットを生かすためには,誰が,どう使うのかを,より真剣に議論していく必要があるだろう.
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このあたりは、専門家が陥りやすい罠の典型だと思います。わかりやすいというのは「詳しい」ということではなくて「イメージを共有しやすい」ということです。その意味では、ポイントを絞ったメリハリのある情報提供が必要です。例えば曲の楽譜をいくら詳しく解説しても、それがメロディーとして人々の印象に残るとは限らないというのと同じことと思います。
技術が素晴らしくて良い物を安くできる技術があったとしよう。かつての日本商品が世界で活躍したのは、その技術が素晴らしいので「良い製品を安く作る」ことが出来たからだ。 たとえば「世界の平均的な技術では、この性能のテレビが10万円」という時に、日本の家電メーカーは「7万円」で作った。だからたとえ9万円で売っても 2万円だけ有利だった。 これが技術者の誇りだ。そして、「安い」ということは「技術が良いので、無駄が少なく、省エネルギーで製品ができる」ということだから、技術としては鼻高々だ。 ところが技術が拙劣で12万円もかかるとすると、2万円の補助金を貰って10万円にしないと世間様と太刀打ちできない。 つまり、補助金とは「自分の技術はこんなに劣っています」ということを世間に公言することに他ならない。 http://takedanet.com/2010/04/post_01da.html
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防災に関しては、家具の転倒防止金具くらいはあるにしても、がけ崩れや盛土など土地(資産と言い換えてもいいでしょう)の崩壊を防ぐ手立てには”商品”があまり開発されておらず、殆どが公共事業に頼っている現実があります。防災を自立した産業にするにも、補助金は実はじゃまなのでしょう。