また、下山先生やbeachmolluscさんと言ったまさしくDesign with Natureを実践している方との新たな出会いもありました。また、一人親方さんのように、地質調査の現場について生きた教科書ともいえるブログも拝見できました。来年はさらに、交流、勉強を重ねたいと思っています。
2010年は、阪神・淡路大震災から15年、防災の日制定から50年。本当に”新たな年”にしたいものです。
http://www.gupi.jp/letter/letter011/letter-011.htm
「海の水がどんどん引いています」とか「大きな波が押し寄せてきます。異常気象です。」などといったナレーションもありました。 海が引くというのは津波の前兆現象です。 戦前の教育を受けた人なら誰でも知っていました。 小學國語讀本で「稲むらの火」を教わっていたからです。 稲むらの火は安政元年11 月5日、紀伊國有田郡廣村を襲った津波の話です。 庄屋の五兵衛(本名濱口儀兵衛)は地震の後「波が沖へ沖へと動いて見る見る海岸には廣い砂原や黒い岩底が現れ」たのを見て「津波がやって來るに違ひない」と気づき、とっさに稲むらを焼いて村人に危急を伝えたため、村人は助かったという実話がもとになっています。 この美談を小泉八雲が”A Living God”という小説に書き、その和訳が国語の教科書に載ったのです(昭和12~22年)。当時は国定教科書ですから国民全員がこれを学びました。
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これは、NPO法人地質情報整備・活用機構の岩松先生が寄せられた文章です。この文章には、地学教育の弱体化に対する憂いがあり、知的好奇心と自然をイメージする力が防災への近道であるという主張も読み取れます。
しかし、最近出版された 広瀬弘忠『どんな災害も免れる処方箋』講談社新書http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2726211&x=Bによると、
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津波という災害は、決して綺麗な災害ではない。高速で陸上を流れる海水の層は、破壊された建物や船の残骸、油やゴミ、廃棄物などの人工物と、樹木、岩石、砂などの自然物のミックスであり、渦をまいて流れる水の中では窒息の危険だけではなく、切断や打撲の危険性がある。津波は土石流と同じで液体と固体のアマルガム※なのである。
※Wikipediaでアマルガムをみると、広い意味で混合物を指し、ギリシャ語で「やわらかいかたまり」を意味するとあります。土石流は”お粥状”ということができるので、それよりはゴツイでしょうか
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前者の稲むらの火は小説で国語の教科書でもあるので、後者のようなリアリティはないのですが、科学的描写もしっかりイメージすることも確かに大切です。ただ、初学者がとっつきやすくするためには多少の娯楽性も必要ですので、バランスが難しいところです。
下山先生のブログに「日本建築技術史年表」が掲載されていました。年表といえば、私も雑誌に投稿するための年表を作っておりました。地震と耐震の法律に斜面災害等との対応をまとめて、地盤も耐震化を促すものですが、下山先生の年表の迫力に押されてしまいました。
下山先生の記事には、「技術は突然生まれるものではなく、醸成されるものだ」という認識がないのです。
というフレーズがありますが、地盤はまさに醸成されるものです。どういう過程で醸成されたのかを知ることによって初めてどのように付き合っていけばよいかの考察が始まるのです。単純に定数を与えクリックするだけで得られた答えに対して、あれは想定外、これはイレギュラーと言い訳作りに終始し勝ちな最近の調査業務。。。下山先生の年表もよくかみしめたいと思います。
それにしてもこうしてみると、最近地震が頻発しているのがわかります。また、ゲリラ豪雨や地球温暖化とおいう言葉のなかった時代に豪雨による災害も頻発しています。
そのたびに(そして事後に)法律が後追いで整備されていくわけですが、コンクリートで抑えるにしても、ソフト対策のための調査(調査のための調査というべきですが)、そこに災害史(誌)が振り返られることはありませんでした。記録としての災害がないにしても、地形や地名が災害の歴史を物語っているのですが、市町村合併に代表されるように何のことかわからない名前になってしまいました。即戦力ばかりを求めるよりも人を育てる会社の方が健全であるということを聞いた事がありますが、似ているかもしれません。
新住宅ジャーナル新年号発売 - 防災ブログ Let's Design with Nature By geo1024 情報処理技術や物理探査手法も格段に進歩して地下深部の地質構造が”みえる化”され、地表・地質踏査結果とのマッチングが可能になり、先日紹介した高橋先生の日本列島の形成史と将来予測に画期的な知見も出てきました。 しかし、一般社会に対するアウト ... 防災ブログ Let's Design with Nature - http://blog.goo.ne.jp/geo1024/ |