防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

国民に道徳を押し付けるな-養老孟司さんの記事-

2008年08月31日 | Design with Nature

交通事故はなぜなくならないのか
http://ep.blog12.fc2.com/blog-entry-888.html

状況が安全になる
      ↓
そのぶん危険なことをやってしまう
      ↓
事故の発生が減らない

簡単にいえば、そういう身も蓋もないことを敢えて指摘したのがこの本です。
自分の身の安全度が増したと感じたら、そのぶん人間は気がゆるむだ行動をやらかしてしまう。
安全を提供すると、人間は危険はないのだとみなした行動をしてしまいがちになる。運転の安全度が増したと感じたら、危険回避のための注意をさぼるようになる。

だからといって、お前今後気をつけろよというだけでは芸がありません。
今日の朝日新聞に養老孟司さんが、

省エネはもちろん必要であるが、政治家や官僚は国民への説教という楽な道を選ぶのではなく、国際交渉の場で堂々と生産調整を主張するといった、本気の対策に乗り出すことだ

といっていますが、きちんとした方法論をもって、かつ人間の特性を十分に踏まえないと掛け声だけに終わるということなのでしょうか。


10年一昔では救われない

2008年08月30日 | 災害の記憶と想像力

牛山先生のブログに興味深い記事がありました。

http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/
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過去の災害のことを速やかに忘却し,あたかも全く経験もしたことがないような現象が次々に発生しているかのようなとらえ方がなされることに懸念を持っているだけである.過去の災害の教訓「だけ」を重視することは無論好ましくない.
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確かに岡崎市で1時間147㎜の雨と聞いたときはびっくりしましたが、きわめて局地的であることにも驚きました。そして、2000年8月の東海豪雨ほどではないなあ、というのも実感でした。

でも、相変わらずマスコミ報道は”地球温暖化犯人説””こんなのはじめて”の論調です。昨日の愚痴ではありませんが、扇情的です。かといって、圧力がかかっているような深刻さを見えないし、浅い取材でしったようなことをいっているという感想です。

岡崎の観測値は確かに記録的ですが、「観測史上最高値」は1982年7月の長崎大水害(長与町役場で185㎜/時間)です。第2位の記録を大きく引き離しているのです。今から26年前なのですが、だれも地球温暖化など言わなかったはずです。異常気象という言葉をすりかえてはいけないし、自然現象をもっとよく理解して伝えるべきことだけつたえるべきです。

たかだか10年未満で”こんなのはじめて””地球が狂ってるう”などというのでは、災害にあったときパニックになってしまうだけです。一番必要な防災用品は、現場の情報から出てきた正しい情報です。


グラウンドアンカー工の健全度評価

2008年08月29日 | 維持管理の時代

斜面崩壊防止のために最もよく使われてるアンカー工ですが、部材の劣化や斜面の緩やかな変動に伴って、破損する事例が多く見られるのだそうです。

昭和63年11月に「グラウンドアンカー設計施工基準 同解説)が制定される以前に施工されたアンカー工は、二重防錆構造になっておらず、施工後38年程度で設計アンカー工以下の機能となる。
材部分は防錆に十分注意する(二重防錆が原則)。腐食環境下(温泉地、強酸性地盤など)において計画する場合は、防錆に対し,材料の選定も含め、特に注意が必要である。

とのことなんです。

アンカー工とは、もともと山が重力にしたがって落ちようとする力を食い止める機能と、すべり台を滑ろうとする力を減らそうという期待を一心に(この場合”芯”というべきか)を背負っているわけですから、”緊張状態に”なるわけです。

人間同様、アラフォー世代が分かれ目なんでしょうか。


ブログへの反応

2008年08月27日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題

今日地すべり学会に参加したのですが、このブログを読んでくださっていた方がおられました。
なんでも、丸山先生の「地球温暖化にだまされるな」という記事について検索してたら、私のこの記事にヒットしたのだとか

真実は多数決ではない
http://blog.goo.ne.jp/geo1024/e/584006ec1e7bd6c1a2be1a65c794ff94

こういうのを嬉しい誤算というのですね。
良質な情報・人脈が得られただけでも、参加費・懇親会費の14,000円は安い出費と思えました。


クラカタウと仏教

2008年08月26日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題
寒くなれば食えなくなります。
寒くなる原因のひとつは火山の大噴火です。

例えば、インドネシアのクラカタウ火山
535年の大規模な噴火はインドネシアの文明に歴史的な断絶を引き起こし、世界各地に異常気象をもたらた。その痕跡は樹木の年輪や極地の火山灰の堆積のような物的なものから歴史文書に至るまで広範囲に亘っている。日本書紀においても異常気象と飢饉の発生についての言及が見られ(安閑二年)、同時期に朝鮮半島からの渡来人の流入、馬具の発達、中国から流入した仏教の隆興などが起きており、古代日本の国家形成に与えた影響は小さくはない

イデオロギー論不要か?

サザンのくれた夏

2008年08月25日 | 各地でのTOPICS
最近神奈川新聞に、サザンのくれた夏という記事が掲載されています。
「チャコの海岸物語」では、烏帽子岩が遠くに見えるという歌詞がでてきますが、あまり詳しい地質調査は行われていないようです。

ちなみに烏帽子岩というのはいろいろあって、天草の妙見浦の烏帽子岩は絶景で、国の天然記念物のひとつです。

ウサイン・ボルトと史上最高

2008年08月23日 | 防災・環境のコンセプト

その圧倒的で美しい存在感は見事でしたね。ウサイン・ボルト選手が世界新記録を達成しました。

ここでちょっと無駄ばなし
人類が誕生して数百万年、ボルト選手より速く走った人間は何人いたのでしょうか。
ボルト選手の記録があくまで「公式記録史上最高」であって「人類史上最速」ではないのですね。

昔、普通に夕立といっていたことを、たまたまそこに観測機器がおいただけで、史上最高を更新しましたって、上の無駄話程度の話に聞こえてなりません。

なんでもかんでも地球温暖化にむすびつけるのもしかり


扇子と地すべり

2008年08月22日 | 資格に関すること

それにしてもなんちゅうタイトル(自分でつけといて)
先日ある場所の地すべり対策を考えていました。地下水を抜けばとりあえず地面は滑らないので、最優先で考えるようにしています。

竹内先生がおっしゃるように地下水には水ミチがあり、偏った分布をしているのですが、ピンポイントであてるのはなかなか難しいので、扇子のような排水ボーリングを計画します。

○地表から3m以下にある浅層地下水を排除するには、一般に上向き10°~15°で口径66㎜ですが、曲がりやすいという問題点がある。滞水層(水ミチ)に達するにはストレーナのついた塩化ビニール管かガス管を挿入する。普通30~50mですから宅地レベルですね。さらに大規模な地すべりになると


○長い横ボーリング工になって、土層や基盤岩の区別なく掘進可能で、不動岩盤へ5~10m貫くことを原則、滞水層(水ミチ)の圧力が大きい場合には、下向き5~10°で自噴させる場合もある


警報連発

2008年08月20日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題

最近大雨洪水警報が連発されています。しかし、観測網が充実されただけのことで、過剰に反応するのはどうなんでしょうか。私の父はだいたい空模様をみて夕立の有無を予測していますが、そのような想像力・対応力がエセ「地球温暖化」論の情報洪水に流されていないでしょうか。


工学部を解体せよ!

2008年08月19日 | 維持管理の時代
「工学部を解体せよ」~さらば工学部(1)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080811/167777/?P=1

日本では、大学入学試験における工学部への志願者は、ピークの1992年度に延べ人数で62万人に達したが、その後急速に減少し、2007年度は6割減の27万人に落ちた。企業の人員削減の悪影響があるとされる。1990年代の不況の中で、大学の教育現場は荒廃。学生が集まらない旧来の学科の多くが消滅して、カタカナと漢字交じりの新しい学科へと再編された。

研究者というのは、特定の領域に秀でて、未知の真理を追究していくものです。それに対して、技術者は物理、化学、生物などの基礎科学知識を総動員して、新しい発明を行う人々のことをいいます。
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地質技術に目をむけると、研究者が部屋に閉じこもり発見をしないで、コンサルの技術者が現場にでて発見をし、商品を作っているという話もあります。

ただ、世間に対するアピール下手(あるいはそういうビジネス形態)は両者とも同じです。
これからの若者に夢を持たせるどころか、その扉さえ隠してしまっています。

応用地質学会-それはないでしょう-

2008年08月18日 | 盛土が安定すれば安心

まだ先の話ではありますが、今日届いた応用地質学会誌に、10月末に行われる応用地質学会のスケージュールが書いてありました。

私は、「宅地造成地盤の災害事例と今後の危険度予測」という大胆不敵なタイトルで発表します。ですが、それにしても『リモートセンシング・一般調査』はないでしょう。人工造成地盤の危険性や調査方法についての発表はいくらでもあるのに、そして、地べたをはいずりまわっているのに、リモセンって。。。

住環境は地質学からのアプローチが不可欠なのだから、独立したセッションを立ち上げてもいいのではないかと思いますが。


カテゴリー別の記事の数

2008年08月17日 | 雑感
やっぱり雑感が一番多いんですね。
ほかにも雑感的な記事を無理やり分類したのはありますけどね。
何年か続けたら、カテゴリーを増やすか。。
雑感が増えまくるのも生産性がないなあ