防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

川崎市防災まちづくり

2008年04月30日 | 各地でのTOPICS
 
重点密集市街地の改善に向け、新たに「防災まちづくりプラン」を策定しました。この
プランは、建築物の不燃化促進を中心に不燃領域率や防災性を向上させることを
目指すものです。川崎市における重点密集市街地としては、川崎区小田2・3丁目
地区、幸区幸町3丁目地区が該当しています。

川崎は、全国の政令指定都市のなかで、最も面積がせまく、それに伴って最も人口密度が高いのだそうです。この取り組みでは、まず、平坦な川崎区から取り組むようですが、実際中原区、高津区、宮前区などでは、急な坂道にとてつもなくごちゃごちゃした道が入りくんでいます。物理的に区画整理は無理です。

川崎市では、盛土地盤の耐震化事業も進めていますが、
http://www.city.kawasaki.jp/takuchibousai/takuchitaisin/takuchitaishinka.html
来るべき地震への備えは、都市計画的な視点と個々人の高い意識の両方で行っておくべきものです。

川崎市の取組はかなり、先進的だと思います。

ガソリン狂騒曲

2008年04月29日 | 雑感
ガソリン国会で、てんやわんやですね。

ガソリンスタンドは防火対策がしっかりしているため、防災上重要な施設として、震災時帰宅マップにも重要度の高い施設として記載されていますね。

ところが、ガソリンスタンドは減る一方、特に田舎に行くと、シャッターを閉めたガソリンスタンドが目につきます。

5月10日は地質の日

2008年04月28日 | 防災・環境のコンセプト

京都新聞に、次のような記事が掲載されていました。

地質学の面白さ知って 京大で10日にイベント 180年前の図も公開
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008042600066&genre=G1&area=K00

5月10日の「地質の日」にあわせ、京都市左京区の京都大総合博物館で同日午前10時から、化石や気候変動の研究など、地質学の面白さを紹介するイベントが開かれる。  
京大博物館では午前10時から、理学研究科の渡邊裕美子助教が「石から探る、むかしの天気」と題して、インドネシア・ジャワ島洞窟(どうくつ)の鍾乳石が1年ごとに刻む「年輪」から分かる降雨などの歴史を紹介。大学院生の北川博道さんが「網にかかったナウマンゾウ」と題し、瀬戸内海で漁の網にかかったナウマンゾウの化石を見せ、かつて日本にいた動物について解説する。

これは興味ぶかい。個人的には都合が悪いのでいけませんが、多くの人に足を運んでほしいと思っています。

なにがって、今の高度な測量技術によって作成された地図にはない、文字通り手に汗握った地質図の論理構成と色彩美、、、そのための努力を感じます。そして、ノーベル賞で有名な湯川秀樹博士のお父様が地理学・地質学の大家であったことも、興味深い。

以前、湯川秀樹先生の自伝で「自然は曲線をつくり、人間は直線をつくる」というシンプルかつ完璧な形容に感動したことがあります。

そうだ、、京都行こうって気になった方、、

感想を聞かせてください。


住宅の耐震化ー防災で飯が食えるかー

2008年04月26日 | 雑感
奈良の住宅耐震化進まず

奈良新聞の記事に、思うように事業が進んでいないということが書かれていました。京大防災研の河田先生が委員長を務めておられますので、奈良県の本気度が伺えます。

それ以上に気になったのは、今井光子議員の「災害に強い奈良県づくり」の意見です。

奈良県では新たな耐震基準以前の住宅が平成13年の調査で人口2万人以上の22自治体で17万戸あります。「備えあれば憂いなし」と言いますが災害が起きて多くの命や財産が犠牲となりその復旧に莫大な費用がかかることを思えば、個人住宅への助成は、より効果的です。
 また、不況の中、地元業者の仕事の確保、雇用拡大にもつながります。経済の波及効果や、地元にお金が落ちること地域のお金が循環しては地域の活性化にもつながります。奈良県でも実施すべきと思いますがいかがでしょうか。

そうなったら良いですねえ。
さらには、宅地地盤の耐震化も含めて、奈良の都は咲く花のにおうがごとく今盛りなり を再現したいところです。

防災を生産的・建設的に考えてゆきたいものです。

多摩川のそばにて

2008年04月25日 | 雑感

今私は多摩川と鶴見川の間に住んでいます。福岡の水郷柳川で育ちましたので、河川には興味があります。また、引っ越しに伴い、不動産情報も多くみましたので、宅建なんかも興味があります。

参考までに、宅建と河川法で検索したら


宅建試験において、河川法は出題されてもおそらく一問です。ですから、最初から捨て問にすることをお考えの方も多いでしょう。時間がない方などは、それでもいいでしょう。民法や宅建業法などに時間をかけたほうがいいと思います

水に流せってか


福岡警固断層

2008年04月24日 | 各地でのTOPICS
政府の「地震調査研究推進本部」が、警固(けご)断層帯で発生するおそれがある地震の最新の評価結果として、想定される震度分布等を公開しました。
http://www.jishin.go.jp/main/kyoshindo/08apr_kego/index.htm

地震ハザードステーション
http://www.j-shis.bosai.go.jp/

これによると、平均活動間隔が約3100年~5500年 、最新活動時期が約4300年前~3400年前

ということは、そろそろやばいんじゃないかということになります。

活断層に接する場合、とても直線的な崖が連続しています。六甲などはその典型です。

そして、もっと深刻なのは地盤災害です。2003年7月19日の豪雨では、土石流災害が発生しましたが、風化しやすいマサ土による谷埋め盛土による宅地造成地が多いのではないかと心配しています。地震があると、谷埋め盛土は間違いなく”ななめにすべり”住めなくなるのです。

防災クイズ

2008年04月23日 | 各地でのTOPICS

行列のできる法律相談所という人気番組がありますが、面白いサイトを見つけました。

比叡山3丁目自治会自主防災部
自主防災部長のブログです。地域の防災情報と自主防災部の情報の公開を行っています。http://blog.livedoor.jp/shagal/archives/50907183.html

まず、これくらい高度で、かつ気楽で、自治会という全体と細部が見渡せるスケールで、防災に取り組む。とても参考になる取り組みです。

環境問題は、怪しいものも含めてずいぶんとビジネスになっているのに、防災はずいぶん幼稚です。日本はプレートがひしめきあっているから地震や火山が多いのです以上の説明がない。生活者の視点に立つ以前に、それに必要な知識がないのです。

このような自治会が全国に広まってほしいものです。


アーバンクボタPDF版

2008年04月22日 | 雑感

happyman さんという方のブログに、興味深い記事がUPされていました。

アーバンクボタPDF版
http://happy-man.jp/engineer/
http://www.kubota.co.jp/urban/pdf/index.html

アーバンクボタはフルカラーで、
分かりやすく、レベルが高く、しかも安い(800円)

ただ、happyman さんも残念がっておられるように、ここ5年間更新されていません。その間、2004年以降の豪雨や地震によって、相当地表は変動しました。

クボタは農機具の会社なので、大地と直接触れ合っている会社です。ある意味本業の利益とは別なところで、良質な顧客あるいは技術の集う場として、アーバンクボタがあったと思います。玉石混交の紀要類や同人誌が乱造されるなか、アーバンクボタと月刊地球・海洋は、査読誌ではないにも関わらず、高度な知見を集積してきた功績はとても大きいと思います。

レッドデータにしてはいけません。


21世紀ハザードマップへの取り組み

2008年04月21日 | 防災・環境のコンセプト

私たちの暮らす土地について、地盤工学会という学会があります。その学会誌の名称が(3月までではありますが)「土と基礎」といって、ダムや道路、トンネル、崖崩れ、地すべり、地盤に関する様々な現象を扱っています。

さて、その「土と基礎」2008年3月号に、興味深い記事が3つありましたので、今日はまずそのひとつを紹介します。

土砂災害ハザードマップ-21世紀型ハザードマップへの取り組み

まず、いままでのハザードマップの課題として、
1)みやすさとわかりやすさをさらに工夫していく
2)自分に被害にあうはずがないという思い込みをなくす工夫
3)目から入る情報だけでなく、動き・音・振動など五感に訴える情報を伝達する工夫

があげられています。

この解決策として、3次元動画を用いた火山ハザードマップが紹介されています。しかし、私たちの日常生活にとって親近感があるとは言えません。情報機器の高度化に迎合するのではなく、むしろ手書きでも生活に関わりのある、現在位置の分かりやすい、自然現象に対して感情移入のしやすいマップを作成することが重要です。自分の命を自分で守るためには、自分の目線での安全情報を足で稼ぐのが王道です。私たち技術者は、そのアドバイザーにすぎません。

たとえば
http://www.ohta-geo.com/x/gan/04_23rd/toyooka041106.pdf


防災ブログ

2008年04月20日 | 雑感

防災ブログを始めて2週間近くになりました。
このようなテーマのブログは少ないかなあと思って、グーグルで”防災ブログ”と検索したら、トップに以下のサイトが出てきました。

防災ブログ:明日は我が身
http://184.tea-nifty.com/bousai/

私は地盤や自然環境の考え方について、ブログを書いているのですが、このような生活密着型のブログも大変参考になります。実践的なモノと意識が備わって、始めて防災が可能になるからです。この方とは有意義な意見・情報交換をしたいと思っています。

 


川崎市で道路陥没

2008年04月19日 | 維持管理の時代
十五日午後三時十五分ごろ、川崎市中原区下新城の市道「宮内新横浜線」で、下水道管工事中に出水したと通報があった。直後から道路が落ち込み始め、午後五時の時点で工事用の掘削穴周辺の道路と県立新城高校のグラウンドにかかる長さ四十メートル、幅四十メートルの区間が、最大二メートルの深さに陥没した。市下水道局は現地対策室を設置。原因を調べる。
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiiapr08044040/

同じ場所で2度目ということですね。川崎や横浜はかつての谷を埋めて平坦にした、「谷埋め盛土」だらけです。下水管だけにとらわれず、地盤もきちんと調査した方が良いように思います。

明和の大津波その2

2008年04月18日 | 各地でのTOPICS

石垣島レポートその2です。
美しい海に、ときどきでっかくてごつごつした岩がありますね。
たぶん、これは津波石です。
1771年の明和大津波だけではないと思います。
きれいなサンゴに目を奪われがちですが、過去の災害の歴史の黙示録として、不気味な静けさを保っています。

これをみていて、氷河期の迷い石を思い出しました。
北米大陸には、約1万数千年前の氷河の後退にともなって、岩盤の割れ目が破壊されるなどして残存したものと言われていますが、まわりの風景からみて異様である巨大な石は、地球環境の変遷を語っているのです。

 

 


大牟田-大川 有明海沿岸道路が部分開通-道路特定財源を考える

2008年04月17日 | 維持管理の時代

大袈裟ですが、日本の歴史上、今ほど道路の意義が問われたことがあるでしょうか。私の地元、福岡県の筑後平野では、地域高規格道路「有明海沿岸道路」が造成されていますが、賛否両論です。

筑後川や矢部川など、橋が少ないので、車の流れがボトルネック状態となり常に渋滞していました。だから、もうひとつ橋をという要望は以前かたありました。

その渋滞解消策の橋の一つが、いま地盤沈下を理由として、工事が中断しています。

なんといっても知る人ぞ知る軟弱地盤「有明粘土」。地下15m以上も貝を含む粘土・シルトが出てきます。とろーりとしたスープ状の”潟”が延々と続きます。しかも、日本でいちばん干満の差が激しく5mに達します。

特に、河口付近では、潮が満ちてくるときに海水が集中してしまいます。このとき、粘土や泥土が巻き上げられ川を逆流します。ういたゴミが秒速0.9~1mで上流へむかって流れていきます。そして、潮が引く時に、この水をたっぷり含んだ泥水が”へばりつくように”積み重なっていくのです。

そこへ、「高規格道路」という重量をのせたら、、、くず湯状態のところに鉛玉を載せたらどうなるか、、、

この道路の規格は大牟田市の石炭産業の隆盛が前提にありました。そのころ造っていればまた事情は違ったかも知れません。

時は移り、資源地質学→防災地質学→、そして今は環境地質学、そしてリスクマネジメントの時代。

道路特定財源に限らず、これからは「維持・管理」に重点が置かれます。道路特定財源はあってもいい。しかし、バランスがもっと重要です。必要な箇所に、必要な対策を講じ、必要なだけの金をかける。

たぶん、10年くらいたったら、軟弱地盤上の道路の沈下や陥没、たわみが連発、潟土の道路に”ガタ”がきて、工事でまた渋滞。。。

しゃれにならんなあ

 


南極の氷床下で2000年前に大規模噴火

2008年04月16日 | 技術動向
南極といえば氷の大地、その氷が海へ崩落する様子が地球温暖化の象徴的映像として用いられることがあります。

意外に思えるかも知れませんが、南極には富士山より高い火山があります。
そして、最近の研究で、南極の地殻変動に関することが明らかになってきました。


南極の氷床下で2000年前に大規模噴火、海面上昇に影響か
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2339496/2541191
南極大陸西部の氷床下で約2000年前に大規模な噴火を起こした火山が現在も活動中で、海面上昇の要因となっている南極の氷の融解に影響している可能性があるとの研究が20日、英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」(電子版)に発表された。


南極 大陸の衝突示す鉱物発見
http://www3.nhk.or.jp/news/t10015552361000.html
この鉱物は地球上ではこれまでにアフリカのケニアでも見つかっていて、観測隊では当時、南極を含む大陸とアフリカを含む大陸が衝突したことを示す貴重な資料だとしています。

このような、地道で着実な地質学的成果を踏まえて、地球の気候変動を語らねばなりません。マスコミの環境論ならぬ”カンジョウロン”にながされちゃあだめなんですよ。