胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

胃癌、HER2検査(4)、DISH法、夏の学校、

2010-08-24 | 胃分化型腺癌
 「夏の学校」が故郷の街にある大学で行われました。お招きありがとうございました。
 2010-7-23投稿記事の続編です。同じ切片でDISH法というのを開発中の会社の方に施行してもらいました。DISHはdouble colored ISHと言って、HER2とChr17をカクテルしたプローブを用いて、それぞれをSilverとNaphthol Fast Redで発色するものです(SISH & CISH)。HER2が黒シグナル、Chr17が赤シグナルです。これを用いると、従来のFISHの様に蛍光顕微鏡や油浸レンズを用いることなく、遺伝子の増幅が通常観察でわかります。極端な言い方をすると、右上のように弱拡大で遺伝子の増幅がスキャンできるのです。胃癌の様に多様性heterogeneityの強い組織で遺伝子の変化をみるのにとても有用なツールになりそうです。
 左下の写真をみると同じ胃癌組織の中にHER2-IHC3+腺管とHER2-IHC±の腺管が隣り合って観察できますが、DISH法でみると左側の腺管でHER2のシグナルが増幅していることが一目でわかります。
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2 コメント

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質問 (あや)
2012-11-16 07:55:03
DISHについて質問させてください。
DISHははdouble colored ISHの略との記載がありますが、dual color ISHの略ではないのでしょうか?
勉強中のため知識不足で申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
返信する
DISH (Dr Qussie)
2012-11-16 16:55:41
Dual Color ISHですね。ご指摘ありがとうございます。
返信する

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