胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

早期胃癌研究会

2008-11-09 | 研究会、学会
 初の土曜開催となる早期胃癌研究会がありました。写真は当日の「日の出桟橋とベイブリッジ」です(クリック, bitte)。九州の親分がご欠席のため、病理司会はDr CurryとQussieが務めました。
1) HP陰性の隆起性MALT lymphomaというご提示です。レントゲンでは 0IIa+IIcのcarcinoma、内視鏡では厚い白苔のある潰瘍があり周囲は過形成性にみえ、GISTなどの非上皮性腫瘍が考えられるという意見でした。病理ではlymphoma or reactive!?という議論になりました。
2) 隆起主体の印環細胞がんの症例です。0I+IIcです。I型の周囲がお堀のように凹んでいます。画像診断は少し難航しましたが、我らが運営委員長は陥凹面に着目して未分化型がんと一発で回答されました。ただし中央部は再生粘膜からなるインゼルではなく、印環細胞の塊でありました。印環細胞がんであるが接着性がよいのでは?という指摘もありました。
3) 先月に引き続き、高分化主体の胃型腺がんです。胃型マニアとしては興味深い限りです。見事な拡大内視鏡観察が提示されました。同じ絨毛状でも周囲の完全型腸上皮化生と胃型腺がんのところの血管パターンが明らかに異なりました。
4) 膵炎によって大腸が全周性狭窄をきたし、炎症性ポリープが多発した症例です。レントゲンでは転移性ca.、腸間膜脂肪織炎、膵炎、びまん浸潤型大腸がん等が鑑別にあがります。炎症の消退によってボコボコのポリープがきれいに消えていました。ポリペクトミーの標本は線維筋症を伴った炎症性ポリープの組織像でした。大先生はcap polyposisのようなものだとおっしゃっていました。
5) 拡大内視鏡の血管パターンからは、高度異型腺腫~腺癌と読んでしまったが、病理診断は低異型度腺腫であったという大腸ポリープです。
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