金田一春彦さんの本ではなかったかと思いますが、英語と日本語の対比について書いた文にゴールズワージーの小説の一部が引用されておりました。日本語訳では「フットボールで傷めた膝」となっている部分が、原文では単に"football knee"とある、という話でした。英語ではこのように名詞と名詞とを強引に並べて、短い表現にしてしまうことがよくあります。例としては tennis elbow
が挙げられるでしょう。「テニスで傷めた肘」のことです。tennis elbow は非常にありふれた症状なので、いつの間にか「テニス肘」という日本語が定着してしまいました。
「サッカー膝」という日本語の表現は未だききませんが、サッカーで盛んに膝を傷めるようになれば、「サッカー膝」が日本語になるかもしれません。最近の流行語である ***syndrome もこの種の表現がかなりありそうです。だれでも知っている economy-class syndrome もその一つなんでしょう。これは日本語であっさりと「エコノミークラス症候群」と訳してしまいました。勝負は引き分け、というところでしょうか。従来の日本語では、ただ横のものを縦に直しただけでは意味が通じない場合は説明的に訳す傾向がありました。「フットボールで傷めた膝」などはその一例です。でも最近は日本語もこの点で変りつつあるように思います。英語の影響だろうと思いますが、それだけでは意味が分らなくても、かまわずに名詞と名詞とを並べて結合させる傾向が目立ちます。「エコノミークラス症候群」だって、せめて「同じ姿勢を長時間続けることによる病気」とすれば意味はかなりよく分りますがそういうことはやらなくなりました。
このような表現は日本語を簡潔にしますから個人的には良い傾向ではないかと思ってますが、いかがなものでしょうか?その代わりに、最初に聞いた時には意味が分らない、という欠点はありますね。
が挙げられるでしょう。「テニスで傷めた肘」のことです。tennis elbow は非常にありふれた症状なので、いつの間にか「テニス肘」という日本語が定着してしまいました。
「サッカー膝」という日本語の表現は未だききませんが、サッカーで盛んに膝を傷めるようになれば、「サッカー膝」が日本語になるかもしれません。最近の流行語である ***syndrome もこの種の表現がかなりありそうです。だれでも知っている economy-class syndrome もその一つなんでしょう。これは日本語であっさりと「エコノミークラス症候群」と訳してしまいました。勝負は引き分け、というところでしょうか。従来の日本語では、ただ横のものを縦に直しただけでは意味が通じない場合は説明的に訳す傾向がありました。「フットボールで傷めた膝」などはその一例です。でも最近は日本語もこの点で変りつつあるように思います。英語の影響だろうと思いますが、それだけでは意味が分らなくても、かまわずに名詞と名詞とを並べて結合させる傾向が目立ちます。「エコノミークラス症候群」だって、せめて「同じ姿勢を長時間続けることによる病気」とすれば意味はかなりよく分りますがそういうことはやらなくなりました。
このような表現は日本語を簡潔にしますから個人的には良い傾向ではないかと思ってますが、いかがなものでしょうか?その代わりに、最初に聞いた時には意味が分らない、という欠点はありますね。