football knee

2004-11-06 21:07:51 | Weblog
金田一春彦さんの本ではなかったかと思いますが、英語と日本語の対比について書いた文にゴールズワージーの小説の一部が引用されておりました。日本語訳では「フットボールで傷めた膝」となっている部分が、原文では単に"football knee"とある、という話でした。英語ではこのように名詞と名詞とを強引に並べて、短い表現にしてしまうことがよくあります。例としては tennis elbow
が挙げられるでしょう。「テニスで傷めた肘」のことです。tennis elbow は非常にありふれた症状なので、いつの間にか「テニス肘」という日本語が定着してしまいました。
「サッカー膝」という日本語の表現は未だききませんが、サッカーで盛んに膝を傷めるようになれば、「サッカー膝」が日本語になるかもしれません。最近の流行語である ***syndrome もこの種の表現がかなりありそうです。だれでも知っている economy-class syndrome もその一つなんでしょう。これは日本語であっさりと「エコノミークラス症候群」と訳してしまいました。勝負は引き分け、というところでしょうか。従来の日本語では、ただ横のものを縦に直しただけでは意味が通じない場合は説明的に訳す傾向がありました。「フットボールで傷めた膝」などはその一例です。でも最近は日本語もこの点で変りつつあるように思います。英語の影響だろうと思いますが、それだけでは意味が分らなくても、かまわずに名詞と名詞とを並べて結合させる傾向が目立ちます。「エコノミークラス症候群」だって、せめて「同じ姿勢を長時間続けることによる病気」とすれば意味はかなりよく分りますがそういうことはやらなくなりました。
このような表現は日本語を簡潔にしますから個人的には良い傾向ではないかと思ってますが、いかがなものでしょうか?その代わりに、最初に聞いた時には意味が分らない、という欠点はありますね。

ブッシュ氏の英語

2004-11-06 09:30:40 | 英語
好きな人物ではありませんが、この人の英語は非常に聞きやすい。よく分ります。ケリーさんの英語も分りやすかったけれどもブッシュ氏ほどではなかった。
なぜブッシュ氏の英語が分りやすいのか考えてみました。まずスピードがゆっくりしている。これは最も基本的な理由なのでしょう。次に語彙が比較的少ないのではないかと思います。script を読んで調べたわけではありませんが、たぶんそれはありそうです。それではなぜ語彙が少ないかというといつも同じことを考え同じことを言っているからなのではないでしょうか?」「テロに対しては断固として闘う」など、言うことの幅が狭い。狭ければ分りやすいのは当然です。雄弁さ?悪くはありません。しかしJFKなんかと比べればかなり見劣りする。なぜ見劣りするかというとやはりこれは彼の狭さから出ているのではないだろうか?よく「ブッシュは頭が悪い」と言われております。これはブッシュ氏にとってお気の毒な話で、前任者に比べれば、の話でしょう?大統領職に耐えられないほど頭が悪いとは到底考えられません。ただし、一度考え付いたことは頑として変更しません。状況が大きく変わっても変更しない。これは一蓮托生である我々日本人にとってもたまったものではありません。
頭が悪いとは思いませんが「叡智」には欠ける方のようです。こういう方は君主にはふさわしくないと思うのですが。

ともあれ、ブッシュ氏の英語は聴き取りやすい。英語のリスニングの勉強には適しているだろうと思います。
なお、日本語を学ぶ外国人にとっていちばん聴き取りやすい人はたぶん小泉さんでしょうね。語彙がモノスゴく狭い。「テロには屈しない」とか「自衛隊は撤退しない」とかご詠歌のように繰り返すばかりだから10コくらいの日本語単語を知っていれば、言うことを理解できます。いや、何を言わなくても、口を開きかけたらもう言うことが理解できる、という不思議な方です。