定年退職後の趣味のこと

2006-03-16 10:15:16 | Weblog
定年退職した後の人生の過ごし方として必ずテーマに上るのが趣味の有無である。自分の場合も退職後に備えよう、などという心がけは全く無かったので退職したばかりの頃は、自分は全く無趣味の人間であると思いこんでいた。ところが退職してしばらく経ってから、そうではないことに気付いた。写真があるではないか・・・。ここ20年ばかり写真を撮ることに興味を失っていただけだ。2年前の春、縁があってコンパクトタイプのデジタルカメラを購入した。さらに昨年、キャノンのイオスキッスDに切り替えたところ、まもなく30年前の撮影のカンを取り返した。とは言っても旦那芸も良いところだが、それで十分だ。

人間60年以上も生きてきて、その間に趣味が全く無かった、などということは有り得ないと思う。無ければ、忘れているだけなのではないか。ことさら新しい趣味に挑むよりは、自分の人生の軌跡を回顧して、何か楽しかったことを発掘してみたほうが良いのではないだろうか。

現役時代に温泉めぐりを趣味としたことはないけれども、これなら無条件で楽しいことなのでやってみる価値がある。というより、すでに昨年から始めた。

シニアの生き方としてマスコミさんから色んな雑音が入る。たとえばまるっきり別の場所、時には外国に移住して農業などの一次産業に従事し、近隣関係も申し分なく非常にエネルギッシュに生きている・・・そういう方のリポートが時々放映されるが、これをまともに取るのはバカげでいる。そういう人は「人生のエリート」なのであって、エリートでない人がそういう生き方をトライしてもひどい挫折感を味わうに決まっている。夢物語として観て、あとは忘れることだ。シニアになったらムリは何よりもいけない。人間関係もたいていのシニア向けの本でウンと強調される点ではあるが、私のように人付き合いが苦手だったら人間関係の構築などは苦痛以外の何物でもない。一人だけで少しでも楽しく過ごせるノウハウを身につけようと私なりに考えてはいる。
カメラが生き方のすべてになり得るとも思ってはいないけれども、これに温泉でもプラスすれば、お迎えの日まで何とか楽しく生きることは可能である、と見ている。そう・・・ムリはしない、体験を「数」や「量」では測らない・・・嫌いなことはしない・・・そういうことですね。