催眠療法

2006-01-29 09:15:39 | Weblog
世はセラピー(療法)ばやりで、カネになりそうなことは何でもセラピーにしてしまう。セラピーには、だから常にカネの臭いがつきまとう。どこか胡散臭いのだ。胡散臭さでもトップクラスといえば、催眠療法だろう。hypnotherapyだ。催眠療法とは、検索してみるとわかるが、文字とおり催眠術を駆使した「療法」である。何を治すのかというと、いわく、対人恐怖症、何もやる気のない状態、など、世に対して積極的になることのできない状態を治してやる、ということらしい。
そこでクライアントに催眠術をかける。それによって、自分の前世のことを想い出してもらって、前世の自分から命をもらう、というようなことなのだろうか。これを前世療法と呼び、催眠療法の立派な一部になっている。
カネは一回約1万5千円くらいのようだ。これを5回以上やって効果を見る、ということのようだ。10万円以下で人間性がプラス方向に変わるものならタダみたいな値段だけれども、そんなことを信じられるだろうか。信じられない。それにどういうわけか、女性のみをクライアントとする施療所が多い。女性の方が催眠術にかかりやすい、ということなのだろうか。

いろんな年代の女性を10数人も囲って「一夫多妻を実現したかった」などとうそぶく老年男が警察に捕まった。まるでナマコのような感触の風貌で見るだけで気分が悪くなる。こいつが催眠術の本を多数所持していたそうだ。ヒプノセラピストなのかもしれない。

冥土の土産に一回くらい催眠療法を受けて体験するのも悪くはない、と思っている。でも、このように頭から信用してないのでは催眠術はかからないだろう。美味いものでも食べたほうがましではないか?


therapy について

2006-01-13 13:18:29 | Weblog
「・・・療法」が流行っております。時々「癒し」とか「療法」などを勉強したいのですが、それにはまず「療法」の意味を探るべきでしょう。英語ではtherapyです。
therapyを「ロングマン現代英英辞典」で引くと次のように出ます。

therapy
the treatment of illness or injury over a fairly long period of time, especially without using drugs or operations
(薬や手術によることなく、かなり長い期間にわたって病気や怪我の治療をすること)

これは良い説明です。ポイントは2つあって、まず「薬や手術などに頼らないこと」と「かなり長い期間に亘ること」です。なるほど、たとえば音楽療法などというのがありますが、1時間だけモーツァルトを聴く、などというのは音楽療法とはいえないのでしょうね。

そう、薬や手術などという現代の利器を振りかざすことなく、辛抱強く長期間にわたってコツコツと癒すことなんですね。何かというと「癒し」という言葉を使って無知な客からおカネを巻き上げよう、という各種セラピーはこの点で落第ですね。

屠蘇のこと

2006-01-01 14:44:18 | Weblog
明けましておめでとうございます。

大昔、子供時代なら元日はずらりとお膳を並べて、先ず屠蘇を飲むことからすべてが始まった。
これは日本(いや世界)の酒がらみの慣習に照らしてみて誇るべき伝統であった、と言えよう。正月だけは子供でも飲まされるのである。もちろん、屠蘇など大嫌いだったが、そのことと正月の儀式に参加しているのだ、という感覚とは違う。そのことは子供ながら分っていた。
その慣習もなし崩しに廃れて、朝はまず雑煮だけをバクバク食って、夜にビールという準屠蘇(?)で正月を祝う日々が続いた。今では胃酸過多のために酒そのものが飲めなくなってしまった。屠蘇、とは私にとってはすでに廃語である。

屠蘇、という奇妙な表現は、「蘇」という悪い鬼を屠(ほう)る、ということだったそうだ。中国では唐の時代、日本では平安時代に屠蘇を飲む習慣が始まったのだそうだ。一種の薬酒として飲んだものらしい。