断る英語表現

2004-11-13 20:12:28 | Weblog
頼みごとと、断ることは人間関係の中で難しいことの双璧です。前のブログでは頼みごとする場合についてちょっと考えてみました。
それでは断る時はどうなんでしょうか?「No を言えない日本人」などということがよく言われましたが、英米人だって断る時にいきなり"No."と言うとは限らないと思います。いや言わないことの方が多いのではないでしょうか?特に相手が頼みずらいことを頼んできたのに断らざるを得ないような場合はつらいことです。
「1000ドルばかり貸してくれまいか?ワイフが入院してるんだがそろそろ貯金が底をつきそうなんでね」などと親友から頼まれて断りたいならどうするでしょうか?この状況でただ一言 "No." で済ませるなんて考えられないことです。
まず、"Let me see." とか "Well. Well," などの無意味な言葉で場をつなぐでしょうね。しばらく時間稼ぎしてから、"I'm very sorry, but ・・・" とか "I'm afraid I can't ・・・" などとジワリと話を断る方向へ持って行くのだろうと思います。ま、お互いの人間関係によって千差万別の断り方があるのでしょうが・・・。

少なくとも、I'm very sorry, but・・・とI'm afraid・・・は武器としていざという時には使えるようにすべきでしょうね。I'm sorry と言っただけで相手はもう引き下がる心の準備をするはずです。
え、結婚を申し込まれたら?「待ってちょうだい」とか「時間をくれ」という表現はたぶんYesの意味に取られかねないと思います。これだけは一生がかかってますからいやな相手だったら、話のどこかの時点ではっきりと No を言うべきでしょうね。ただし、相手が Do you mind marrying me? と来た場合に No と言ったら大変です。承諾の表現ですからね。

英語の敬語表現

2004-11-13 19:43:59 | Weblog
日本語の敬語の難しさは世界に冠たるもののようで日本語を学ぶ外国人を苦しめてますが、英語(いや英語以外の外国語でも)敬語表現がしっかりと根付いており、これを知らないで米英諸国に行ったらヒンシュクを買うことになるかもしれません。

敬語表現とはどういう場合に使うのでしょうか?相手を敬うために使う、と言ってしまえば実もフタもありません。だって敬語を使うのは相手が年長者であるとか仕事上の上司である場合だけではないでしょう?むしろ、相手との親疎の程度による場合が多いのではないでしょうか?始めて出会った人同士ならしばらくは敬語的表現を重視して話すのが普通です。

さて、英語で敬語的表現が最もよく観察されるのは「お願いの表現」だろうと思います。
「駅へ行く道を教えてください」という表現には、次のようなものがあります。

(1)Tell me the way to the station.
(2)Tell me the way to the station, please.
(3)Tell me the way to the station, will you?
(4)Will you tell me the way to the station?
(5)Would you tell me the way to the station?(Could you・・・?)
(6)Do you mind telling me the way to the station?
(7)Would you mind telling me the way to the station?
(8)I wonder if you could tell me the way to the station.
(9)I wonder if you would mind telling me the way to the station.

もっとあるかもしれません。(1) → (9)へ行くにしたがって丁寧な表現になるでしょうが、同時に、相手との距離を大きく取るようになります。親しい人へのお願いである場合は(4)くらいが限度ではないでしょうか?(5)のWould you ・・・・?を親友に使うとすれば、何か仲たがいしている場合ででもなければ言わないでしょう。(7)の Would you mind・・・?は高校の文法の時間などでしっかりと習いますが、実際は殆んど使うことは無い表現だろうと思います。すごく頼みずらい状況の下でならば使うかも知れませんが、どうなんでしょうか?これで頼んだら相手は怒るかもしれません。なぜそんなに私と距離を取るんだ、というわけです。特にアメリカではまず使わないでしょうね。
(8)は Would you mind のさらに上を行く表現です。「あなたとは人間関係に於いて無限の距離はあるが、駅への道を訊くくらいならば差し支えないだろうから訊きます。」というようなニュアンスが感じられていきなりこれを使ったら相手はびっくりするだろうと思います。頼むことの内容が非常に訊きずらい事柄(たとえば相手のプライバシーに関するような事)ならば、これを使うことは充分考えられます。たとえ相手が親友であっても、です。(9)に至っては相手との距離を無限大にとっており、なにやら滑稽な感じさえしますね。

観光客としてアメリカなんかを訪れて道を訊くならば(4)か(5)くらいが良いのではないでしょうか?

敬語的表現は英語でも奥が深いものです。相手が非常に気が置ける人物である場合は、自分の話す英語全体を敬語的に構築しなくてはなりません。たとえばチャールズ皇太子に話しかける場合は、恐ろしく気を遣うでしょうね。もっともチャールズが「もっとキャジュアルな英語で話せ」などと言ってくれたら別ですけれどもね。

英語のお願いの表現でもっと別の表現があったらぜひ教えてください。