今回の高波による被災地へボランティアとして参加をしようと思ったのだが、終日どうしても外せない用事をもっている僕は、何らかの形で応援できればと思い、直売所を運営する JA に僕の大根を炊き出し等に使ってもらえないか相談。
僕は直売所で野菜を販売するようになってから思うのだが、消費者あっての生産者だと。 被災された地域では、当然畑も壊滅状態になって、困っておられると思う。
だから、こんな時にでも恩返しが出来るならばと思った。
JA から町の対策本部に連絡し、即、お願いするとの一報をもらう。
早速畑に出向き、抜いて洗ってトラックに積み込んで、対策本部へ駆けつけた。
出迎えてくれた地元のお母さん達や役場の職員の方々はとても喜び感激してくれた。中には涙を流さんばかりに感謝してくださる方もあり、かえってこちらが恐縮する。
今時スーパに並んだ他県産の大根の方が余程大きく立派なので、遅植えした僕の大根は「どうだ!」とは言えないものだが、それでもこんなに喜んで戴ける人の心の温かさに思わず目頭が熱くなった。
ポケットにブログネタ用に忍ばせたデジカメはとても出して使うような雰囲気ではなかった。 お母さん達の迫力に押され、僕も一緒に大根をコンテナに移し変え運んだ。
聞かれて名前だけ答えて僕は直ぐに本部を後にした。 そこには、物見高い者を受け付けない空気があり、お昼の準備も迫っており邪魔になってはと思ったのだ。
少し、離れた空き地に車を止めて被災した場所へ行ったが、港はもう普段に戻り、何人かの人たちが今回のことで傷んだ網の手入れをされていた。
海岸近くには大きな重機が入り建設用の車両が出入りし、各要所々には見張り員を立て、一般の車や人の出入りを制限している。
町の中ほどまで流入した海砂などはもう、既に取り除かれていたが、路面にはその痕が残り、此処まで押し寄せてきたのかと改めて驚かされた。
僕は、街中でもやはり、カメラを向けることは出来なかった。人々が一生懸命に普及活動されているのを見ると、此処はやはり、報道関係の方々の仕事だと思った。これを撮ってブログに載せるのが何故か心が傷んだ。
このことは決して僕の常日頃もっている良心ではないと思うし、そんな確固たる信念をもってる訳でもないが、これはやはり地元意識があるのだろうと。
これが旅先で出合った事件や事故ならカメラを向けていたのだろうと思うからだ。
ただ、今回自分の町でこの様な災害が発生し、目の当たりにしたことで被災者や災害への想いがより一層強まったことはこれからの自分にとっても何かの力になると思った。