岳遊のひとり言

日々の暮らしに農作業や好きな山登りのことなどを伝えていきたいです。

佐伯邦夫さんと囲炉裏を囲んで

2008-02-24 17:09:59 | 山登り

今朝は一転してどんよりとして風が強く荒れ模様の気配を見せている。

今日は町の宿泊施設、 いろり館で僕らの村の登山隊「小杉トレッキング倶楽部」の新年総会が開かれた。

     
     
旧民家を改装したこの施設は大きな囲炉裏とお風呂が自慢だ。それに蔵を改装した部屋も人気があり、素泊まり一泊一人1500円が魅力だ。

食事は今回のように自炊も出来るし、近くから出前もとれるので本来は研修目的で使われるのだが、民宿代わりに利用する方や、お盆などの帰省時や冠婚葬祭で県外から来た親戚を泊めたりなどにも使われているとのことだ。

      
         
僕とM.YさんにK.M君ら何人かがお昼に集まり宴の準備に余念がない。総会を仕切るのは昨年から僕に代わって会の幹事を務めるS.R君。責任感の強い彼は僕らが出向く以前から段取りをしてたようだ。

総会は夕方5時に始まり毎年恒例となった郷土の登山家、佐伯邦夫さんをお招きしての講演があり、その後に邦夫さんを囲んでの楽しい宴と続くのだ。

佐伯邦夫さんは僕が所属する山の会の大先輩だ。
山に関する著書や写真集も多数あり、近年では視点を身近な生活に置いた写真集やエッセイなどもある。 現在は、間近に迫った写真展「心象 黒部川扇状地」の発表に余念がない。

議事は少し遅れて始まったが、今年の山行に県外遠征が多く皆さん期待に楽しみなようであり、今年に会発足10年を記念して会報誌の作成案も併せて了承され、総会はつつがなく無事に終了した。

                   
引き続き囲炉裏を囲んで開かれた講演では佐伯さんから郷土の山の特性に始まり昨今の山での事故を題材に山に入る際の慎ましさや謙虚さなど心のあり方をお聞きした。

      
       
      
僕の右隣りで身振りを交えて語っておられるお方が、佐伯邦夫さんである。
 
それこそ邦夫さんの豊かな知識のほんの一端を伺わせて戴いただけなのだが、心が少し豊かになったような気がするのは僕だけではなかったように思う。

     
満ち足りた心で舞台は宴会へと続く。 
S.R君の頑張りの鱈と野菜の鍋料理に僕の姉が家で作ってくれたフクラギとイカの刺身、山菜の煮しめやイクラに魚の干物を囲炉裏で炙って戴く。話題は昨年の山行から今年の山へと移り、宴は日付が変わるまで続いた。

翌朝には里もすっかり冬景色に戻っていた。

     
昨日までの春模様は何処へやら、ここが片付いたら山へ写真でもと思っていたが、山も既に鉛色に包まれていて出かける気も失せた。
    
     
未明にはこの屋根の通風孔(三角の部分)からサラサラの雪が家の中へ舞い降りていて、昔の暮らしの厳しい現実を思い出させてくれたりもした。

皆も帰り、何人かで片づけを終え、僕の提案でねぎらいの湯に入りに行く。
もちろん、「ねぎらいの湯」とは宴の後始末が大変だったことから、自分らに対しての労いであり、行き先はS.R 君の提案で越中宮崎の《境鉱泉》へ。

     
     
ここの湯はご覧のようにお湯が赤っぽい色をしている。鉄分が多いとの事だが、以前はもっと色が濃くてタオルが赤っぽくなり、洗濯しても取れなかったものだ。 それでも怪しげな色合いの湯は身体に効きそうに思えるから不思議だ(笑。

湯から上がった僕らは、家のカミさんたちがそうであるようにアイスクリームを注文する。
湯上りの身体にアイスは潤滑剤のように染みわたり、一区切りがついた安堵感からか、心地よい身体に睡魔が差してきた。