風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

小下図 その9 カタルーニャ

2021年10月17日 | 仕事場
◆ 小下図 リベラ・デ・カルドスの聖堂 4号大 ( 29 × 23.3 cm )


スペイン・カタルーニャ州北西部。
ピレネー山脈の中の小さな集落リベラ・デ・カルドス。

フランス国境、及び、アンドラ公国国境から15キロほど。
世界遺産に登録されているボイ渓谷のロマネスク聖堂群も、さほど遠くはない場所です。

1年ほど前に偶然に知り、見た瞬間に描く!と即決したのが
この集落にある教会、サンタ・マリーア・デ・リベラ・デ・カルドス聖堂です。

本番では50号で描く予定です。






ドローイングペンでの描き起こし。

この場面は正面壁の一部です。
正面壁全体らしきシルエットが浮かび上がっていますが
これは11世紀に建てられた当初の聖堂の痕跡です。
例えば現在の聖堂全体の横幅は、この痕跡の横幅の倍ほどもあります。

この聖堂は18世紀に修復が行われたとのことで
その際に全体が拡大され、バラ窓なども作り替えられたのでしょう。








彩色後。

最初はもう少しカラフルな色を置いてみたのですが
それでは私が受けた印象や、この聖堂の持つ雰囲気とは程遠いと気がつき
彩度を落とした、モノクロに近い色調で行くことにしました。




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10月21日(木)〜 26日(火)
12:00 ~ 19:00 最終日 17:00 まで

igu_m_art イグ_エム_アート
大阪市北区西天満 4-5-25 北老松ビル1F
TEL : 06-6362-0063
igua.na@me.com



《久しく旅に出ていない…。それでも心はいつも架空軌道をさまよって。
 聴こえない楽の音に触れ、空想風景を楽しんでください。》




------------- Ichiro Futatsugi.■

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2 コメント

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Unknown (shinkai)
2021-10-22 13:20:11
こんにちは! 更新されたのは知っておりましたが、済みません、新デジTV対策でバタバタし、遅くなりましたぁ。

これはまた渋い作品になりそうですねぇ。
スペイン山間の古い教会は、本当にかっての素朴な信仰、巡礼者たちを思い起こさせるような、頑丈で、渋い、時に渋すぎる程の教会がありますね。

とはいえ、私はスペインはマドリッドの空港と、サンティアーゴ・コンポステーラしか知らず、
後はクリスさんの旅行記とか、どこかで拝見する写真で知っているだけですが、

如何にも暗い中に、静まり、埋もれかけている様なイメージが浮かびます。

11世紀建設の教会はイタリアにもあれこれありますが、やはりまるでイメージが違い、特別な暗さは感じませんから、やはり国それぞれの違いなのでしょうね。

本画を拝見するのを楽しみに!!
返信する
Unknown (二木一郎)
2021-10-25 12:03:07
Shinkaiさん、こんにちは!

ヨーロッパの建造物で、後世の補修の痕跡が残るものは
教会ばかりではなく民家や塀などでも、あちこちで見られますね。
そういう痕跡を見ると”化石”を連想します。

私は子供の頃から化石や考古遺物が大好きなのです。
地質学者や考古学者を夢見たこともあるくらいです。

博物館に展示されている標本も良いのですが
それ以上に発掘現場の出土状況に惹かれます。
この聖堂を見つけた時も、岩盤から露出した化石を発見したような
胸が震える驚きと感動がありました。

”驚きと感動”こそが、作品を生み出す原動力だと思っています。
そういう感覚を、いつまでも失くさないようにしたいものです。
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