風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2013年 6月13日 木曜日

2013年06月13日 | 仕事場
イタリア・トスカーナ州の古都シエナのドゥオーモ、サンタ・マリーア・アッスンタ大聖堂。
その正面壁の一部を20号で描いています。




一応下描きが終了しました。

薔薇窓に映っているのは月の浮かぶ夜空です。
と言うことは、またしても夜景なのです。
仕上がりは、もっとず~っと暗い画面になる予定です。
またネクラな絵かよ!という声が聞こえてきそうですが、暗い絵が好きなので、どうにも仕方が…。
眩い光に満ちあふれた明るい昼間を描くのは大の苦手なのです。
きっと私の前世はドラキュラか、夜の闇を徘徊する魑魅魍魎の類に違いありません。

薔薇窓を除く聖堂本体は鉛筆だけで描いています。
薔薇窓は鉛筆のあと薄墨で調子を入れ、月と雲はチョークを使っています。


それにしても…
なぜ私はこんなにも暗い絵が好きなのか。

先日、その理由の一端に思い当たりました!
私が高校生の頃大好きで憧れていた画家のことを思い出したのです。
まず一人目は、18~19世紀に活躍したドイツ・ロマン派の画家です。

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ Caspar David Friedrich





もう一人は、スイス生まれの19世紀末の象徴派の画家。

アルノルト・ベックリン Arnold Böcklin



このベックリンの作品なんぞは「死の島」という、暗さもここに極まれりというタイトルなのです。

人格形成期において出会ったものの影響は大きいのです。
私の青春時代は…暗かったんだねぇ、ぎゃはは!!

-------------- Ichiro Futatsugi.■

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4 コメント

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Unknown (shinkai)
2013-06-14 18:39:59
こんにちは!  

はぁ、そうでしたか、夜の雲と満月が薔薇窓に映っているのですね!
真正面からのあの何も無い薔薇窓をどう描かれるのか、と思っておりましたが、そうですか、こういうイメージを描こうと、ね。
やはり凄いですね、あの薔薇窓に夜空の満月と群雲!
私の様な正直者は、はい、夏のシエナしか覚えておらず、到底あの明るい正面の薔薇窓に夜空は思い浮かびませんです。

ええ、暗い神秘的なイメージがお好きな事は良く分かりますし、それは送って頂いた画集を見たこちらの友人達も皆言っておりました。

まぁ、「暗い青春」というのは、傍から見たり、振り返って考えた時に「暗い」と思うのですけど、その当時の本人はそれが好きでご自分は愉しんでいた筈ですから、若い時の暗さなんぞ屁の河童でして、ははは、失礼!
その記憶を如何に生かしていくかという事なのでしょうね。

どう展開して行くのか、楽しみに拝見させて頂きます!

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Unknown (二木一郎)
2013-06-14 21:24:43
shinkaiさん、こんばんは!

「絵描きとは、見てきたように嘘を描く」ある意味、ずる賢い人種なのです。
夜、大聖堂の前に立った記憶は全然なく、満月が浮かぶ場面に遭遇したこともないのです。
あまりに暗いのもどうかなぁと、月を入れてちょっと明るくしてみたのです。
でも、月はあくまで画面の彩りであって、一番大切なのは、やはり聖堂本体ですね。
私なりのシエナの夜の空気感が描けたらいいなと思っています。

しかし、この単純な薔薇窓は曲者ですねぇ。
まだ形は変なのですが、とりあえず下描きとしては許容範囲内かな…と。
色や陰影が入ると印象が変わってきますので、必要に応じて修正すればいいかな…と。
う~ん、トゥスカーニアのサン・ピエトロの方が反って楽かも…。
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Unknown (BB)
2013-06-18 00:00:53
『15、16、17とぉー♬。
私の人生暗かったぁーー♪!!』
ですか?
いやぁーー! この絵も是非に見てみたいですね。

「絵描きとは、見てきたように嘘を描く」by 師匠

『観覧とは これが本物と勘違い』by 素人

ですか? 
でも、見てみたいですね!てへぇ!
返信する
Unknown (二木一郎)
2013-06-18 12:43:39
BBさん、こんにちは!

絵描きは大嘘を描いていいのですが
観てきたかのように上手に嘘を描かないと説得力がないのですね。
絵を観た人に「なるほど!」と思わせるようなものがないと
単なる独りよがりに終わってしまうのです。
常日頃から、いかに巧妙に嘘をつくかばかりを考えている
詐欺師のような人種なのですよ。

夜空を眺めると、闇の中に星が点在していますね。
宇宙は闇が主体なのだという想いが私の中にはあるのでしょうね。
圧倒的な闇の中で、消え入りそうに光っているから星は美しい。
そんな絵を私は目指しているような気がします。
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