◆ 小下図 ランス大聖堂 4号大 ( 29 × 24 cm )
「ゴート風な、野蛮で奇怪な代物」
12世紀後半に、パリ郊外のサン・ドニ修道院付属礼拝堂の改修から始まった”ゴシック”は
侮蔑の意味を込めてそう呼ばれたことが語源です。
言い出したのは、ルネサンス時代のイタリアの知識人だそうです。
それぞれの時代の建築様式には、それぞれの良さがあると思うのですが
古代ギリシャ・ローマを金科玉条としていた当時は
そこから外れるものは認めないという風潮があったのでしょう。
この作品のモチーフは、ゴシック建築の名作の一つ、フランスのランス大聖堂です。
数あるゴシック教会の中でも、私の好きなもの上位5位以内に入ります。
昨年は、玄関の中央柱にある聖母子像の下図を描いています。
2021年7月18日「小下図 その3 ランス」
本番では20〜30号で描く予定です。
ドローイングペンで形の描き起こし。
翼廊の方から正面にある鐘楼を眺めた構図です。
地上から見上げた様子も素晴らしいですが
こういう屋根に近い位置からの眺めも意外に面白いものです。
ゴシックを貶したルネサンス時代の建築に比べると、確かに装飾過多に見えますが
神の住まう天界を目指した強い上昇志向の中に
どこか間の抜けたようなコミカルな要素も多く含んでおり
大人びて少々冷静過ぎるように思えるルネサンス建築より、ずっと人間味があるように感じます。
ガッシュで彩色。
予想通り、装飾の多いゴシック建築を描くのはなかなかの手間です。
本画は20〜30号にする予定ですので、一層手間がかかります。
見えたままを正確・精密に描写するつもりはないのですが
今後の自分の作品には、ある種の”緻密さ”が、より必要だと思っています。
描写の緻密さではなく、存在感や雰囲気などを醸し出すための緻密さとでも言えばいいでしょうか。
その具体策は一連の下図でいろいろ試していて、気づいたことも多いですが
紙も絵の具も本画とは異なることもあり、今のところは何とも言えません。
絵は、描いてみなけりゃ分からない!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
本日のおまけ
歳をとると、悲しいことに、注意力・観察力の低下を感じてきます。
前期高齢者である私も、脳細胞の老朽化に危機感が募る今日この頃です。
その対策の一環として、テレビのクイズ番組などを見ています。
正解が出なくても、考えるだけで脳が活性化するそうです。
ネットでは、様々な話題を提供するサイト「ねとらぼ」 に掲載されている
隠し絵クイズを毎回楽しみにしています。
【隠し絵クイズ】この中に「ネズミ」が隠れています
将棋を楽しむ猫に見つかる前に助けてあげよう!
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/06/news017.html
このクイズは11月上旬に掲載されたもので、すでに新しいものもアップされています。
異なるイラストレーターによる別の種類のクイズもあります。
------------- Ichiro Futatsugi.■
「ゴート風な、野蛮で奇怪な代物」
12世紀後半に、パリ郊外のサン・ドニ修道院付属礼拝堂の改修から始まった”ゴシック”は
侮蔑の意味を込めてそう呼ばれたことが語源です。
言い出したのは、ルネサンス時代のイタリアの知識人だそうです。
それぞれの時代の建築様式には、それぞれの良さがあると思うのですが
古代ギリシャ・ローマを金科玉条としていた当時は
そこから外れるものは認めないという風潮があったのでしょう。
この作品のモチーフは、ゴシック建築の名作の一つ、フランスのランス大聖堂です。
数あるゴシック教会の中でも、私の好きなもの上位5位以内に入ります。
昨年は、玄関の中央柱にある聖母子像の下図を描いています。
2021年7月18日「小下図 その3 ランス」
本番では20〜30号で描く予定です。
ドローイングペンで形の描き起こし。
翼廊の方から正面にある鐘楼を眺めた構図です。
地上から見上げた様子も素晴らしいですが
こういう屋根に近い位置からの眺めも意外に面白いものです。
ゴシックを貶したルネサンス時代の建築に比べると、確かに装飾過多に見えますが
神の住まう天界を目指した強い上昇志向の中に
どこか間の抜けたようなコミカルな要素も多く含んでおり
大人びて少々冷静過ぎるように思えるルネサンス建築より、ずっと人間味があるように感じます。
ガッシュで彩色。
予想通り、装飾の多いゴシック建築を描くのはなかなかの手間です。
本画は20〜30号にする予定ですので、一層手間がかかります。
見えたままを正確・精密に描写するつもりはないのですが
今後の自分の作品には、ある種の”緻密さ”が、より必要だと思っています。
描写の緻密さではなく、存在感や雰囲気などを醸し出すための緻密さとでも言えばいいでしょうか。
その具体策は一連の下図でいろいろ試していて、気づいたことも多いですが
紙も絵の具も本画とは異なることもあり、今のところは何とも言えません。
絵は、描いてみなけりゃ分からない!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
本日のおまけ
歳をとると、悲しいことに、注意力・観察力の低下を感じてきます。
前期高齢者である私も、脳細胞の老朽化に危機感が募る今日この頃です。
その対策の一環として、テレビのクイズ番組などを見ています。
正解が出なくても、考えるだけで脳が活性化するそうです。
ネットでは、様々な話題を提供するサイト「ねとらぼ」 に掲載されている
隠し絵クイズを毎回楽しみにしています。
【隠し絵クイズ】この中に「ネズミ」が隠れています
将棋を楽しむ猫に見つかる前に助けてあげよう!
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/06/news017.html
このクイズは11月上旬に掲載されたもので、すでに新しいものもアップされています。
異なるイラストレーターによる別の種類のクイズもあります。
------------- Ichiro Futatsugi.■
こちらの更新も既に済んでおりましたぁ。
いや、初めてこういう構図の聖堂を見ましたが、面白い、というか、興味深いですねぇ。
それに、何とランスの聖堂! つい先日ブログで、ジャンヌ・ダルクの援けにより、ランスの聖堂で戴冠式を挙げたシャルル7世のことを書いたばかりで、そうか、この中だったのか、と。
意外と、側面の壁も真っすぐではなく、途中から角度が少しついていて、こういうのは、きっと「その心算でなく」てこうなった、というやつなのでしょうね。
なにせ当時の建築ですものね、少々は味があって良い、という部類ですねぇ、ははは。
それにしても、やはり描くのは大変なものを、良く挑戦されます、立派!
と思いましたが、ふっと年の差に気が付き、まぁね、出来るよね、と。へへ。
実作品を楽しみにしておりま~す。
ネズミ探しは、チラッとあれかな、と合っていたのですけど、絵が小さくて、ね。
絶対絵がもっと大きくないと、見つけにくいっすよ。
その辺がへそ、なのかもですけど。
シャルル7世の愛妾の記事は拝読しました。
ランス大聖堂は、歴代フランス国王の戴冠式が執り行われたところです。
ゴシックは、一見すると神経質で近寄り難い印象も受けますが
前時代のロマネスクのユーモラスな要素を色濃く残しており
よく見ると、可愛らしくもあり、冷たい印象は受けないのです。
一気に天に近づこうと高層建築に走ったあまり
逆に人間の小ささが浮き彫りになってしまったようにも感じます。
聖書に出てくるバベルの塔と似ている気もします。
ゴシック聖堂は、屋根周辺の眺めも結構面白いものです。
ミラノ大聖堂の屋根も尖塔がニョキニョキ立っていて興味を持っています。
隠し絵クイズは画面が小さいので拡大して見てください。
私はマック・ユーザーなので詳しくは分かりませんが
ウィンドウズの場合、段階的に拡大・縮小できるショートカットキーは
拡大する場合は「Ctrl」+『+』
逆に、縮小する場合は、「Ctrl」+『ー』だそうです。