風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

小下図 その27 ギリシャ

2022年12月12日 | 仕事場
◆ 小下図 メテオラ 4号大 ( 31 × 18.8 cm )


東洋には、深山幽谷に仙人が住むという思想があります。
ギリシャでは、東洋の深山幽谷とは趣が違いますが
俗世を捨てて神に仕える修道士たちが、険しい岩山の上に暮らしています。

ギリシャの首都アテネから北西へ270Km ほど。
人が容易に登れない巨大な奇岩の頂上に大小の修道院が点在するメテオラ修道院群です。
かつては24の修道院があったそうですが、現在も存続しているのは6ヶ所です。

この作品は、2つある女子修道院の一つ「ルサヌ修道院」から少し登った道路脇からの眺望。
他の2、3の修道院が見渡せ、巨岩の背後には麓の街や山地が広がっています。


本番では15〜20号で描く予定です。






ドローイングペンでの描き起こし。
巨岩の右下がルサヌ修道院です。

構図としては、全体にもっと右に寄せた方が収まりはいいと思うのですが
この特異な空間の印象を描くためには、あえて左に寄せるのも良い気がしました。

修道院の手前側には、真新しく見える階段が設置されていますが
この景観にはそぐわないので省略しました。











ガッシュで彩色。

メテオラというと、背後にそびえるような巨岩の頂上に修道院が建つという印象があります。
ルサヌ修道院も岩の上に築かれていますが、この位置からではよく分かりません。

修道院の左の方へ平坦な岩塊が連なり、その上に樹木が群生していて
岩の上の修道院という印象が希薄になっているようです。

本画では、その印象を強調するために
修道院周辺の岩の形・樹木の数などを見直すことにしています。





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本日のおまけ

YouTube より「大阪伊丹空港 千里川堤防からの夜景 Night Landing at Osaka Itami Airport Japan」を。

伊丹空港こと、大阪国際空港のB滑走路の南東端は
脇を流れる千里川の岸辺から70mほどしか離れていません。
そのため、川の土手から大迫力の離着陸シーンが眺められ
航空ファンのみならず、絶好の展望・撮影ポイントとなっています。

特に夜は、空港の北西方向に丘陵地帯が位置することもあり
幻想的でダイナミックな夜景が展開します。




------------- Ichiro Futatsugi.■
コメント
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