"SPACE COWBOYS"（2000）

　スペース カウボーイ

cast >>  Clint Eastwood, Tommy Lee Jones, Donald Sutherland, James Garner, James Cromwell, Marcia Gay Harden, William Devane, Loren Dean, Courtney B. Vance ...
producer / director >>Clint Eastwood
music >>  Lennie Niehaus
soundtrack >>


クリント・イーストウッド製作・監督・主演 ーーー ベテラン俳優共演で贈る、夢をあきらめない男たちのドラマ。
かつて空軍の英雄的存在だったフランク・コービン（Ｃ・イーストウッド）ーーー とうに引退した40年後、彼のもとにＮＡＳＡから緊急要請が入る。故障した通信衛星を設計した彼に、修理方法を教えてほしいというのだ。かつて優秀なテスト・パイロットチーム "チーム・ダイダロス" のメンバーだった彼は、アメリカ初の宇宙飛行士として宇宙へ飛び立つはずだった。しかし、土壇場になってＮＡＳＡの権限でその "夢" を断念させられたという、苦い過去があった。40年前の屈辱を晴らすべく "チーム・ダイダロス" を再結成し、自らが宇宙へ行くことを条件に仕事を引き受けるフランク。こうして伝説のチームは再結成されたのだが・・・・・。

Space Cowboys - Trailer

全員60歳以上のメンバー（オヤジ・・・というより、老いぼれ or ジジぃ?!・苦笑）が、パイロットとして "宇宙を目指す" という設定がたまらない。フランク役のＣ・イーストウッド（ filmography ）は1930年生まれ。カウボーイハットがトレードマークで、頑固なホーク・ホーキンズ役のトミー・リー・ジョーンズ（ filmography ）は1946年生まれ（← 唯一、彼だけが設定年齢よりも若い）。いくつになっても "女殺し" のジェリー・オニール役のドナルド・サザーランド（← "24" でお馴染み、キーファーの父  filmography ）は1934年生まれ。バプティスト教会の牧師タンク・サリバン役のジェームス・ガーナー（ filmography ）は最年長の1928年生まれ。これだけで感動！（笑）  その他、いつもながらボブ・ガーソン役のジェームス・クロムウェル（ filmography ）や "24" シリーズのヘラー長官でお馴染みのウィリアム・ディヴェイン（ "PAYBACK" ）もイイ。

シャトルに乗るため、健康診断を受け訓練を開始したものの、視力も体力も低下。ランニングですら、すぐ息があがってしまう。しかし40年ぶりの "宇宙への夢" を捨てるものかと、根性と気力でこなす姿に、笑ったり眉をひそめたり（苦笑）・・・でも思わずエールを送ってしまう。ーーー と同時に、観る者に【元気を与えてくれる】作品。

「イーストウッド監督＋宇宙＝異色作品」の裏側は、映像特典で。ジョージ・ルーカスにアドバイスを求めたことや、撮影秘話や苦労話などが楽しめます。イーストウッドは45年前に共演し、尊敬しているＪ・ガーナーと再共演できたことを心より喜んでいるようです。

Fly Me To The Moon

performed by Frank Sinatra with Count Basie & His Orchestra

ラストに流れる名曲 "Fly Me To The Moon（ In Other Words ）"（← 現在、某ＡＮＡのＣＭでも使われています）が、作品の余韻と一緒にいつまでも耳に残ります・・・。

2008-03-16

"A Dry White Season"（1989）

　白く渇いた季節

cast >> Donald Sutherland, Zakes Mokae, Winston Ntshona,  Marlon Brando, Susan Sarandon, Jurgen Prochnow, Janet Suzman  ...
writer/ director >>Euzhan Palcy（107min）
music >> Dave Grusin


一人の白人男性を通して、南アフリカの “アパルトヘイト（人種隔離政策）” の現状を鋭くえぐった衝撃作 ーーー。デビュー作『マルチニックの少年』（仏作品）で国際的に高い評価を得た女流監督ユーザン・パルシーが、アンドレ・ブリンクの原作をコリン・ウェランド（ "Chariots Of Fire" 原作・脚本）と脚色・映画化。

First scenes A Dry White Seasons mkv

（予告がなくて、とても残念なんですが・・・）

1976年、南アフリカ共和国 ーーー そこに生まれ育った白人教師ベン（ドナルド・サザーランド  filmography ）は、政府の人種隔離政策に何の疑いも抱かずに、何不自由なく生きてきた。しかしある日、雇っていた黒人庭師ゴードン（ウィンストン・ヌショナ  "The Air Up There" ）の息子ジョナサンが、デモで警察に連行されたまま死亡。この事件に疑問を持ったベンは、真相を調べるうちに、政府や警察への “不信” を募らせていく。 そして “初めて” アパルトヘイトの “恐るべき現実” を知ることとなる ーーー。真実を証明するため、渋る老弁護士マッケンジー（マーロン・ブランド  filmography ）を説得し、公安警察を相手に裁判にうって出るのだが・・・・・。

ゴードン夫妻の友人スタンリーをゼイクス・モカエ（ filmography ）、ストルツ大尉をユルゲン・プロホノフ（ "DAS BOOT" "The English Patient" "Beverly Hills CopⅡ" ）、ベンを助ける女性ジャーナリストのメラニーをスーザン・サランドン（ "The Client" "In The Valley Of Elah" "Dead Man Walking" ）、ベンの妻をジャネット・サズマン（ "MAX" ）などの面々が演じている。Ｄ・サザーランドとＭ・ブランド二人のシーンが観られるのは、ちょっと得した気分。

以前にも述べましたが “知らない” というのは恐ろしい。知らなければ疑問を抱くこともなく、それが “当たり前” ですから。知らなければ “苦しまずに済む” という意味では幸せなのかもしれませんが、私は理不尽な差別を受けるのも、それを知っていながら為す術もなくただ見ているのも耐えられません。エンド・クレジット前に『この映画を自由と民主南アフリカのために命を懸けた人々に捧げる』と出ます。世の中に遺すべき、社会派ドラマの秀作です ーーー。

関連作品 >>  "Cry Freedom" "Goodbye Bafana"

>>  Africa - filmography

2008-07-22

"A MAN CALLED OVE"（2015）

　幸せなひとりぼっち

cast >> Rolf Lassgard, Ida Engvoll, Bahar Pars, Filip Berg, Tobias Almborg, Klas Wiljergard, Chatarina Larsson, Borje Lundberg, Stefan Godicke ...
director, writer >> Hannes Holm（116min）《スウェーデン作品》


フレドリック・バックマンの同名ベストセラー小説を、『青空の背後』のハンネス・ホルムが脚本・映画化。
じんわりと心に沁みるハートウォーミング・ドラマ ーーー。
孤独に暮らす気難しい迷惑オヤジが、近所に越してきた移民家族に振り回されながらも、思いがけない交流を育んでいく姿をユーモラスに綴った物語 ーーー。

A Man Called Ove - Official Trailer

最愛の妻を亡くし、43年間もの長きに渡り全うしてきた鉄道局の仕事も早期退職を勧告され、孤独に暮らす 59歳のオーヴェ（ロルフ・ラッスゴード）ーーー。
年齢を重ねるにつれ気難しさに拍車がかかり、いつしか厄介な鼻つまみ者と化したオーヴェ。今や誰からも望まれていないのに、地域の安全を守るため共同住宅地の監視＆見回りを日課とする日々を送っていた。
そんなある日、亡き妻との記憶が脳裏を離れず、妻のもとに行くと約束したオーヴェは自宅の天井にロープをかけ首つり自殺を図る・・・が、ちょうど向かいに引っ越してきた移民家族の騒がしい声が耳に飛び込み、やむなく中断 ーーー。
彼が外へ飛び出すと一家の車がオーヴェの郵便受けに衝突してしまい、烈火の如く怒り、挨拶もナシで運転を代わり、無事定位置に駐車。

翌日、お詫びの印に手作りのペルシャ料理を届けに来た身重のパルヴァネ（バハール・パルス）。
生き方も考え方も全く違う二人だったが、この美味しい手料理をきっかけに、喧嘩したり振り回されながらも思いがけない友情が芽生えていく。
相変わらず頑固で扱いづらいオーヴェだったが、やがてご近所同士のあたたかい交流に心を開き、妻ソーニャ（イーダ・エングヴォル）との出逢い、そして彼らの人生を一変させた出来事などを語り始めるのだった・・・・・。

この作品、すごく観たかったのですが、きっと行けず終いになると思いきや、なんとか観られました！
私が鑑賞した日は全国でたったの 12館しか上映していなかったのでラッキー☆★☆
ドンパチ好きな方には地味かもしれませんが（苦笑）、本当にじんわりと心に沁みる素敵な作品で、観られて良かったなぁ・・・と、帰り道余韻にひたりました。
邦題も珍しく秀逸ですし、オーヴェと妻ソーニャはもちろん、オーヴェと父との関係もぜひご覧くださいね。

『遠くの親戚より近くの他人』・・・ホント、"心" でつながれば誰だって強い絆を築くことができるのが人と人の "ご縁" ですよね。
 ーーー "ひとの世の幸不幸は人と人とが逢うことからはじまる。よき出逢いを"  by みつを

>>  Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

 

2017-01-29

"Forrest Gump"（1994）

フォレスト・ガンプ パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン このアイテムの詳細を見る

cast >>  Tom Hanks, Sally Field, Robin Wright, Gary Sinise, Mykelti Williamson, Haley Joel Osment, Sam Anderson, Afemo Omilami, Margo Moorer ...
director >>Robert Zemeckis（142min）
music >>Alan Silvestri
soundtrack >>

《人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまでわからない。》
1985年にウィンストン・グルームが発表した小説『Gump and Co.』をエリック・ロス（ "ALI" "The Good Shepherd" ）が脚色。監督はロバート・ゼメキス（ "REAL STEEL" ← 製作総指揮  "FLIGHT" "Back To The Future" ）。"Forrest Gump" は主人公の名前だが、"gump" には「うすのろ、間抜け、愚か者」という意味がある。アカデミー賞６部門【作品賞・監督賞・主演男優賞（トム・ハンクス）・脚色賞・視覚効果賞・編集賞】受賞作品。

IQ（知能指数）は人より劣るが、母親の献身的な愛情と、運命がもたらす不可思議な力によって、時のヒーローとして歴史をかけぬけていく青年フォレスト・ガンプ（Ｔ・ハンクス  "The Green Mile" "Philadelphia" "Saving Private Ryan" "Slepless In Seattle" ）の半生を描いた傑作。時代を象徴する "事件" やヒット・ナンバーで綴った心あたたまるヒューマン・ドラマ ーーー。

物語は、フォレストがバスを待つ人々に自分の過去を回想しながら「話す」ことで進行する ーーー。
人より知能は少し劣っているが、誠実で何事も信じる純真な心を持つフォレスト・ガンプ。いつも「僕にわかるように説明してくれるママ」の言葉を胸に、彼の生き方は真っ直ぐ。幼い頃、背骨の病気と診断され、わん曲した足に矯正機を付けていたフォレストだが、ある日いじめっ子から逃れようと必死に走ったことで "俊足" であることに気付く。その後も彼は風に身を任せる "羽" のように、運命に逆らわずに生きていく。誰よりも早い "俊足" を見込まれ、大学のアメリカン・フットボール・チームでプレイ。ベトナム従軍で受勲、アメリカ卓球ナショナル・チームへの参加、エビつり漁など、成功を望んだ訳ではなく "ただ一生懸命" に取り組んだ事が思わぬ成功へとつながっていくのだが・・・・・。

フォレストの活躍を伝えるニュースでは、時代を象徴するケネディ大統領やジョン・レノンなどと、本当にその場にいたかのような見事な映像を、"ILM" の巧みな視覚効果によって映し出している。
フォレストを "普通の子供と同じように" 育てたいと努力し、息子が生きていくのに必要な "人生の知恵" を授ける、逞しさと深い愛情を併せ持つ母親に扮したサリー・フィールド（ filmography ）の演技は秀逸。でも親子を演じたトム・ハンクスと、実年齢は10歳しか違わない（苦笑）。通学バスの中で出逢った心優しいフォレストの天使ジェニーをロビン・ライト（← ショーン・ペンの元妻  "MONEYBALL" "THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO" ）、軍隊で出逢ったエビが大好きな親友ババをミケルティ・ウィリアムソン（ filmography ）、ダン中尉をゲイリー・シニーズ（ "APOLLO 13" ← ハンクスと共演  "CSI: NY" シリーズ）が演じ、フォレストと "一期一会" の運命とも思える関係を築いていく。ちなみに、ハーレイ・ジョエル・オスメント（ "Secondhand Lions" "The Sixth Sense" ）は本作で映画デビュー。

ひと言で言うなら "とてもよくできたイイ話" ーーー 私は何度観ても好きな一本。

>>  AFI'S 100 YEARS 100 CHEERS（2006）- filmography
>>  AFI'S The Greatest Movies 100（2007）- filmography

2008-05-04

"Jerry Maguire"（1996）

ザ・エージェント デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) ソニー・ピクチャーズエンタテインメント このアイテムの詳細を見る

cast >> Tom Cruise, Cuba Gooding Jr., Renee Zellweger, Kelly Preston, Jonathan Lipnicki, Jerry O'Connell, Jay Mohr, Bonnie Hunt, Regina King, Beau Bridges, Mark Pellington, Jeremy Suarez, Katarina Witt, Lucy Liu, Donal Logue, Angela Goethals, Reagan Gomez-Preston ...
writer / producer / director >>Cameron Crowe（139min）
soundtrack>>


ある “理想” を抱くスポーツ・エージェントが、挫折の果てに本当の「信頼」「友情」「愛」をつかむサクセス・ストーリー。脚本・製作・監督は、自身の少年時代を描いた "Almost Famous（あの頃ペニー・レインと）" の脚本でオスカーを受賞したキャメロン・クロウ（ "Fast Times At Ridgemont High" ）。アカデミー賞【作品賞】と【主演男優賞（トム・クルーズ）】は惜しくも逃したが、キューバ・グッディングJr. は【助演男優賞】を受賞。

Jerry Maguire

スポーツ選手の契約を一手に仕切る、やり手のスポーツ・エージェント、ジェリー・マグワイア（トム・クルーズ  "COLLATERAL" "the Color of Money" "Rain Man" ）は、利益ばかりを追求するやり方に疑問を覚え、改善を訴える提案書を提出。ところが、それが原因で会社をクビになってしまう ーーー。独立したジェリーについてきたのは、ただ一人共感してくれた会計係のドロシー（レニー・ゼルウィガー  "CHICAGO" "Cold Mountain" "Bridget Jones's Diary" シリーズ）と、"落ち目" のアメフト選手のロッド（キューバ・グッディングJr.  filmography  "A Few Good Man" ← トムと共演）だけ。ジェリーは大学フットボールのスター選手フランク（ジェリー・オコネル  "Stand By Me" ← いちばん太めのバーン役だった子です・笑  "First Daughter" ← 製作総指揮・脚本）の獲得に躍起になるものの、かつての同僚ボブ・シュガー（ジェイ・モーア  "HEREAFTER" "Pay It Forward" ）に奪われてしまう。窮地に追い込まれたジェリーを救うのは・・・・・？

その他、ドロシーの一人息子レイをジョナサン・リプニッキ（← 当時5才でかわいい  "Stuart Little" シリーズ）、姉をボニー・ハント（ "The Green Mile" "Return To Me" ← 監督・原案・脚本・出演）、ジェリーの元恋人をケリー・プレストン（← ジョン・トラヴォルタの妻  "TWINS" "Nothing To Lose" ）、ロッドの妻をレジーナ・キング（ filmography   "Boyz N The Hood" でキューバと既に共演済みの2人の息はピッタリ！）、旧東ドイツのフィギュア・スケートのメダリスト、カタリーナ・ビットなどが出演。

この作品、シンプルだけれど意味深い、短いフレーズが耳に残ります。
'♪Show me the money ~~~ ♪♪' をはじめ、'Help me, help you !' とか 'You complete me.' とか。笑ったり、追い詰められたり、心配でしんみりさせられたり・・・。でも最後にかつての同僚に「（ジェリーとロッドの）あんな関係っていいな」と言わしめたところに、爽快感を感じます。
～～"Jerry is not a loser!"～～

>>  Sports - filmography

2008-6-30

"America's DREAM"（1996）

　America's DREAM

cast >> Danny Glover (1), Tina Lifford (1), Tate Donovan (1), Wesley Snipes (2), Vanessa Bell Calloway (2), Rae'Ven Kelly (2), Norman D. Golden II (2), Jasmine Guy (2), Timothy Carhart (2), Lorraine Toussaint (3), Susanna Thompson (3), Carl Lumbly (3) ...
executive producer >> Danny Glover
director >> Kevin Rodney Sullivan (1), Bill Duke (2), Paris Barclay (3), （86min）《劇場未公開》
music>> Patrice Rushen
region 1>>  English, French, Spanish subtitles


1930年代から50年代の30年間に渡るアメリカの歴史を、著名なアフリカ系アメリカ人作家の短編を基に３話からなるオムニバス作品にまとめた人間ドラマ ーーー。
人種差別が蔓延るアメリカの "光と影" を黒人の視点で描いた原作は〈１〉リチャード・ライト、〈２〉ジョン・Ｈ・クラーク、〈３〉マヤ・アンジェロウ（活動家・詩人でもあり、"ROOTS" "Madea's Family Reunion" などに出演。彼女の心に訴えかける詩の朗読は素晴らしい！）。
全編に流れるジャジーでブルージーな音楽を担当したのはパトリース・ラッシェン（ discography ）。
製作総指揮は出演もしているダニー・グローバー。

America's Dream (1996)

〈１〉Long Black Song（ロング・ブラック・ソング）
　　1938年のアラバマ ーーー 自分の留守中に偶然現れた白人セールスマンと、妻が浮気したことを知ってしまった黒人農夫の苦悩を描いたストーリー。

農夫のサイラスをＤ・グローバー（ filmography ）、乳飲み子を抱えて子守歌を唄い聴かせる妻のサラをティナ・リフォード（ "BLOOD WORK" "THE TEMPTATIONS" ）、訪問販売を生業とするデイヴィッドをテイト・ドノヴァン（ "DAMAGES ＜TV＞" "ARGO" ）。
サイラスがデイヴィッドと鉢合わせた時、彼は・・・・・？


〈２〉The Boy Who Painted Christ Black（クライスト・ブラック）
　　1948年のジョージア ーーー 心優しい聡明な少年が描いた作品 "黒人のキリスト" を巡る、黒人学校の校長の葛藤を描いたストーリー。

生活のため音楽の道を諦め、小さな黒人学校の校長を務めるジョージ・デュヴォールをウェズリー・スナイプス（ filmography ）、貧乏で惨めな生活を避けるため、白人に従うことを望む妻エルナをジャスミン・ガイ（ "QUEEN" "Michael Jackson: LIBERIAN GIRL" ← Music Video に出演）、デュヴォールの同僚女性教師をヴァネッサ・ベル・キャロウェイ（ filmography ）、コンペに出品するため "黒人のキリスト" を真っ直ぐな心で描き上げたアーロンをノーマン・Ｄ・ゴールデンII世、同級生のララをレーヴン・ケリー（ "A TIME TO KILL" "TINA: WHAT'S LOVE GOT TO DO WITH IT" ）。
デュヴォールは複雑な葛藤の果て、アーロンの作品を出品するのか・・・・・？


〈３〉The Reunion（ザ・リユニオン）
　　1958年のシカゴ ーーー 黒人たちの集うジャズクラブで演奏する才気溢れるピアニストと、かつて彼女とその両親が召使いとして働いていた裕福な白人家庭の傲慢な娘との過去の関係を、色褪せることなく描いたストーリー。

カウンターで、グラス片手に出番を待つピアニストのフィロミーナをロレイン・トゥーサント（ filmography ）、バンドマスターで彼女に気があるキャルをカール・ランブリー（ filmography ）、予期せずクラブに現れたベス・アンをスザンナ・トンプソン（ "COLD CASE ＜TV＞" ← 個人的にはファイナル・シーズンでのゲスト出演が印象的）。
想い出したくもない過去の傷がフラッシュバックしたフィロミーナが、無神経にも友人でいてほしいと頼むベス・アンに告げた返答とは・・・・・？


短いストーリーの行間から、あなた自身が感じて考えるべきオムニバス作品です ーーー。
黒人が "肌の色" だけで虐げられていた時代のことなど、関心がなければご覧になる機会はほとんどないでしょうが、偏見だらけの、"あり得ない大統領" が就任しようとしている今、改めて色々な意味で時代が逆行することのないよう考えるべきでは？


>>  Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）
>>  Unscreened - filmography（劇場未公開  映画作品一覧）

"Mr. Holland's Opus"（1995）

　陽のあたる教室

cast >> Richard Dreyfuss, Glenne Headly, Jay Thomas, Olympia Dukakis, William H. Macy, Alicia Witt, Terrence Howard, Damon Whitaker, Jean Louisa Kelly, Alexandra Boyd, Nicholas John Renner, Josef Anderson, Anthony Natale, Balthazar Getty, Joanna Gleason ...
director >>Stephen Herek（143min）
music >> Michael Kamen
soundtrack1 >>
soundtrack2 >>


音楽教育に「30年」の歳月を捧げた高校教師の生徒や家族との "ふれいあい" を、その時代の "音楽" や "出来事" を巧みに織り交ぜながら描いた心あたたまる人間ドラマ ーーー。
監督はスティーヴン・ヘレク（ "Life Or Something Like It" ）、音楽はマイケル・ケイメン（ "Against The Rope" "Lethal Weapon" シリーズ  "Die Hard" シリーズ）。ゴールデングローブ賞【主演男優賞（リチャード・ドレイファス）】受賞。

1965年 ーーー 30歳のグレン・ホランド（Ｒ・ドレイファス  "Stand By Me" "Always" ）は "作曲" の時間を捻出するためバンド活動をやめ、ジョン・Ｆ・ケネディ高校の音楽教師になる。ところが教壇に立ってみると "作曲" する時間などなく、やる気のナイ生徒たちはオーケストラの授業もてんでバラバラ。彼はそんな生徒たちに音楽に "興味" を持たせ、彼らの "人生" を少しでも "豊かな" ものにしようと、次第に熱中していく。そんな夫を妻のアイリス（グレン・ヘドリー  "Around The Bend" ）は、写真の仕事で家計を助けながら、あたたかく見守っていた。
1967年 ーーー 息子が生まれ、ジョン・コルトレーンにちなんで "コール" と名づける。しかし喜びも束の間、彼が先天的に "耳が聞こえない" ことが発覚・・・。悲しみの中、ホランド夫妻は息子を聾唖専門の学校に入れ、自分たちも "手話" を習い始めるが、アイリスの熱心さとは裏腹に、グレンは "現実" から "逃避" するように仕事に没頭していく・・・・・。

Mr. Holland's Opus Movie Trailer 1995

グレンを採用してくれたジェイコブス校長をオリンピア・デュカキス（ "Moonstruck" ）、グレンの同僚で体育教師のビルをジェイ・トーマス（ "Dragonfly" ）、アタマの固いウォルターズ教頭をウィリアム・Ｈ・メイシー（ "Boogie Nights" "Wild Hogs" ）、美術教師のサラをアレクサンドラ・ボイド、単位が足りずに卒業が危ないため、ビルとの約束でバンドに加えることになった "リズム感のない" ドラマーのルイスをテレンス・ハワード（← 本作で映画デビュー。実際はリズム感バッチリ＆ギターも得意・笑  filmography ）、ボビーをデイモン・ウィテカー（← フォレストの弟  "BIRD" ）、努力しているのに上手くクラリネットが吹けずにグレンの個人レッスンを受けていたラング（成人）をアリシア・ウィット、ロウィーナをジャン・ルイサ・ケリー、15歳のコールをジョセフ・アンダーソン。

生徒たちとは良い関係を築いているのに、息子とは向き合うのを避けるように "距離" をおいているホランド先生。ある日、コールが感情を爆発させ「僕は耳が聞こえなくてもバカじゃない！　耳が不自由でも音楽くらいわかるさ！」と激しく父を責め、ショックを受けた父はようやく息子と "向き合う" ために聾唖者向けのコンサートに取り組む。
そして迎える1995年の "引退" の日 ーーー 涙が溢れてきます。
２度劇場に足を運んだ '96年以来久しぶりに観ましたが、"感動" は当時のまま色褪せていませんでした。'65年に始まった彼の教師生活と教え子たちの関係、そしてホランド先生のかけがえのない "作品（opus）" とは何だったのか・・・じっくりとご覧ください。心に沁みる、いい作品です ーーー（実感）。

>>  Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

2009-06-22

"PHILADELPHIA"（1993）

　フィラデルフィア

cast >> Tom Hanks, Denzel Wahington, Jason Robarts, Mary Steenburgen, Antonio Banderas, Joanne Woodward, Charles Napier, Roger Corman, John Bedford Lloyd, Chandra Wilson, Warren Miller, Obba Babatunde ...
photographer >>Tak Fujimoto
producer / director >>Jonathan Demme（125min）
soundtrack >>


《闘うべき相手は ーーー AIDS。人間の尊厳を賭け、いま、最後の法廷へ。》
ジョナサン・デミ監督（ "The Manchurian Candidate" "The Silence Of The Lambs" ）が "エイズ" というシリアスなテーマを描いた人間ドラマ ーーー。
"フィラデルフィア（← ギリシャ語で「兄弟愛」を意味する）" を舞台に選んだのは『独立宣言起草の場であるこの街は "正義" と "兄弟愛" のテーマにふさわしいから』と監督は語っている。トム・ハンクスは本作でアカデミー賞【主演男優賞】をはじめ多数の賞に輝き、演技派としての地位を不動のものとした。オープニングで流れる、ブルース・スプリングスティーンが本作のために書き下ろした "Streets Of Philadelphia" はアカデミー賞【主題歌賞】を受賞。

Philadelphia (1993) - Movie Trailer

フィラデルフィアの一流法律事務所で働く弁護士アンドリュー・ベケット（トム・ハンクス  "Forrest Gump" "The Green Mile" "Road To Perdition" ）は、体調不良で検査を受けた結果、HIV感染を宣告される ーーー。
会社側は仕事上のミスを "でっちあげ"、彼を解雇。"不当な差別" と闘うためにベケットは意を決して訴訟に踏み切り、以前渡り合ったことのある敏腕弁護士ジョー・ミラー（デンゼル・ワシントン ← "The Manchurian Candidate" でも監督と組む  filmography ）に弁護を依頼。ゲイに偏見を持ち、エイズを恐れていたミラーは一度は断るものの、世間の蔑視に毅然としているベケットに心打たれ、弁護を受諾 ーーー。
７ヶ月後 "正義と兄弟愛の街フィラデルフィア" で注目の裁判が幕を開けた・・・・・。

ベケットが働く法律事務所の社長チャールズ・ウィラーをジェイソン・ロバーズ（ "All The President's Men" "Parenthood" ）、ベケットを激しく追求する会社側の主任弁護士をメアリー・スティーンバージェン（ "THE HELP" "What's Eating Gilbert Grape"  "Parenthood" ←Ｊ・ロバーズと共演）、ベケットの恋人ミゲールをアントニオ・バンデラス（ "TAKE THE LEAD" "DESPERADO" "The Mask Of Zorro" ）、ベケットの母をジョアン・ウッドワード（← ポール・ニューマンの妻  "The Three Faces Of Eve" ）。

ベケット役を見事な "減量" で演じ切ったＴ・ハンクスは、当初「ベケット」「ミラー」の両役に名乗りを挙げたが、監督との面談の結果「ベケット」役に。「ハンクスとの共演はなかなかバランスがとれていると思う」とＤ・ワシントンが述べたように、優れた共演者たちによりハンクスの演技はより輝きを増し、作品に "現実性" と "深み" を与えている。Ｊ・ウッドワード演じる、息子を最期まで支える母の「私は偏見に負ける子は育てなかったわ。堂々と闘いなさい」という台詞が、印象深く耳に残ります ーーー。
劇中マリア・カラスのオペラより " Mamma Morta" が印象的に使われ、エンディングではニール・ヤングの "Philadelphia" が流れます。

個人的に「偏見」や「差別」の根源は "無知" もしくは "真実を知ろうとしないこと" だと思っています。
「知らない」から恐れ「特異なこと」「違うもの」と思い、受け入れられない。"正しく知れば恐れる必要がない" ことなのに・・・。
忌み嫌うまえに、まずは "知る努力" をするべきだと、強く思います ーーー。

>>  Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）
>>  AFI'S 100 YEARS 100 CHEERS（2006）- filmography

2008-07-17

"JOHN Q."（2002）

　ジョンＱ ～最後の決断～

cast >> Denzel Washington, Robert Duvall, James Woods, Anne Heche, Eddie Griffin, Kimberly Elise, Shawn Hatosy, Ray Liotta, Daniel E. Smith, Kevin Connolly, David Thornton, Paul Johansson, Heather Wahlquist, Laura Harring, Larissa Laskin, Ethan Suplee, Obba Babatunde ...
director >>Nick Cassavetes（116min）


《その時、彼は病院を占拠した ーーー。
　要求はただひとつ、「息子の命を救うこと」。》
アメリカ社会における医療・保険制度に鋭くメスを入れ、最愛の息子を救うため、最後の手段として病院の救急病棟を占拠した "父" の姿を描いた社会派ドラマ。
監督は、ニック・カサヴェテス（ "The Notebook" "She's So Lovely" ）。

John Q Trailer

ジョン・クインシー・アーチボルトことジョンＱ（デンゼル・ワシントン  filmography ）は、妻デニース（キンバリー・エリス  filmography  "The Manchurian Candidate" "The Great Debaters" ← これらの作品でもD・ワシントンと共演 ）と９歳になる息子のマイク（ダニエル・Ｅ・スミス ← 本作でデビュー）の３人で幸せに暮らしていた。ところがある日、マイクが野球の試合中に倒れ、病院に担ぎ込まれる。診断の結果、彼は重い心臓病を患っており、生き延びる方法は「心臓移植」しかないと判明 ーーー。
しかし、リストラで半日勤務に格下げされていたジョンＱの保険は高額な移植手術に適用されなくなっていた上に、国の補助も受けられず "移植リスト" に息子の名前を載せる金すらない。家財道具を売るなど金策に走ったが、支払いが滞ったため、病院から無情な退院勧告を受けてしまう。どんどん衰弱していく息子を目の前に、ある "決断" をしたジョンＱは拳銃を手に大病院の救急病棟を占拠。医師らを人質に立てこもるのだが・・・・・。

シカゴ市警のベテラン警部補フランクをロバート・デュヴァル（ filmography ）、心臓外科医ターナーをジェームズ・ウッズ（ filmography ）、金の話ばかりする冷酷な院長レベッカ・ペインをアン・ヘッシュ（ "Donnie Brasco"  "VOLCANO" "Six Days Seven Nights" ）、レスターをエディ・グリフィン（ "Undercover Brother" "Double Take" ）、モンロー本部長をレイ・リオッタ（ "Field Of Dreams" "Unlawful Entry" "Wild Hogs" ）、ムーディをオッバ・ババタンデ（ filmography ）、ジョンＱの友人ジミーをデヴィッド・ソーントン（ "Unhook The Stars" ← Ｎ・カサヴェテス監督作品）、警備員のマックスをイーサン・サプリー（ "UNSTOPPABLE" "Remember The Titans" ← でＤ・ワシントンと共演  "American Hiatory X" ）など、うれしくなるほど個性派揃い。

追い詰められた挙げ句、息子を助けたい一心で病院に立てこもる気持ちはものスゴクよくわかりますが、そんなことで "移植リスト" に名前を載せるなんて不公平だ！・・・と、納得のいかないままハラハラさせられます（苦笑）。
人質たちに「彼（＝犯人）はいい人」と言わしめ、観客の同意を得られたのはＤ・ワシントンが誠実で説得力ある "父親" を演じたからでしょう。でも彼のみならず、Ｒ・デュヴァルもＪ・ウッズもＡ・ヘッシュ（← この院長の言うコトは極めて正しい！）も、それぞれの立場をうまく演じています（巧）。最終的には、辻褄のあうカタチで物語は終息します。Stevie Wonder や Patti LaBelle の声も聴けます。

>> Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

2008-08-30

"The Notebook"（2004）

きみに読む物語 スタンダード・エディション ハピネット このアイテムの詳細を見る

cast >> Ryan Gosling, Rachel McAdams, Gena Rowlands, James Garner, Joan Allen, James Marsden, Sam Shepard, Heather Wahlquist, Kevin Connolly, David Thornton, Jamie Brown, Starletta Dupois, Obba Babatunde ...
director >>Nick Cassavetes（123min）
soundtrack >>


《365通の手紙。白鳥の棲む湖。ーー あの雨の朝の匂い。
　想い出が少しずつ、きみからこぼれてゆく。
　だから、きみが想い出すまで、ぼくは読む ーー。》
ベストセラー作家ニコラス・スパークス（ "Message In A Bottle" ）の小説を、ニック・カサヴェテス監督（← 母は本作に出演しているジーナ・ローランズ、父は故ジョン・カサヴェテス監督  "She's So Lovely" "John Q"  "LIFE" ← 出演）が映画化。17歳の夏、運命的な恋と知りながらも、その関係を引き裂かれてしまった “ふたり” の、限りなく美しい愛の物語 ーーー。

The Notebook Movie Trailer [HD]

とある療養施設に暮らす "想い出" を失ってしまった老女（G・ローランズ  "A Woman Under The Influence" "GLORIA"  ）。そんな彼女のもとへデューク（ジェームズ・ガーナー  filmography ）と名乗る老人が定期的に通い、"ある物語" を読み聞かせていた。それは古き良き時代、アメリカ南部の小さな町の、きらめくような夏の恋物語 ーーー。
1940年、ノース・カロライナ州シーブルック。裕福な家族とひと夏を過ごしにやって来た17歳のアリー（レイチェル・マクアダムス  "Mean Girls" "The Family Stone" ）は、地元の青年ノア（ライアン・ゴズリング  filmography ）と出逢う。二人の恋は熱く燃え上がり、このままずっと一緒の時間が続いていくと思えたが、ある日突然、大喧嘩したまま離ればなれになってしまう・・・・・。

ノアの父をサム・シェパード（ "Safe House" "The Pelican Brief" "Swordfish" ）、アリーの母をジョーン・アレン（ "Innocent Moves" "FACE/OFF" "The Bourne Supremacy" ）、ロンをジェームズ・マースデン（← "X-MEN" シリーズのサイクロプス役  "HAIRSPRAY" "LEE DANIELS' THE BUTLER" ）など。

本作の邦題『きみに読む物語』は実に秀逸 ーーー。
やさしく美しい響きで、しかも意味深長。作品の構成・演出も実に秀逸。
若さ弾けるフレッシュな演技と、ベテランだからこその味わい深い演技・・・どちらにも魅せられます。
そして、まるでポスト・カードのように美しい田舎の風景にも息を呑みます。

こんなに愛し愛されたら、幸せでしょうね・・・。
ただひたすら愛する気持ちが "ふたり" に奇跡をもたらしたんでしょうね。

>> Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

2008-07-31

"A Time To Kill"（1996）

　評決のとき

cast >> Matthew McConaughey, Sandra Bullock, Samuel L. Jackson, Kevin Spacey, Oliver Platt, Charles S. Dutton, Brenda Fricker, Donald Sutherland, Kiefer Sutherland, Patrick McGoohan, Ashley Judd, Chris Cooper, John Diehl, Nicky Katt, Anthony Heald, RaeVen Larrymore Kelly, Elizabeth Omilami, Octavia Spencer ...
writer / producer >> John Grisham
director >> Joel Schumacher（150min）


"The Client" に続く、ベストセラー作家ジョン・グリシャム（ "The Pelican Blief" "Runaway Jury" ）× ジョエル・シュマッカー監督（ filmography ）第２弾 ーーー。
Ｊ・グリシャムの新米弁護士時代の体験に基づく処女小説『評決のとき』を映画化。
人種差別問題を背景に多彩なキャストで描く、人間ドラマ ーーー。

A Time To Kill Trailer

ミシシッピー州カントン ーーー わずか10歳の黒人少女トーニャ（レイヴェン・ラリーモア・ケリー  "TINA" ← 少女時代のティナ・ターナー役）が２人の白人青年に暴行される事件が起こった。幸い命は取り留めたものの、娘思いの父カール・リー（サミュエル・Ｌ・ジャクソン  filmography ）はその姿に心を傷め、マシンガンを手に裁判所に潜り込み、白人２人を射殺してしまう・・・。
新米弁護士のジェイク（マシュー・マコノヒー  "AMISTAD" "The Wedding Planner" ）はカール・リーの弁護を引き受けることになるのだが、人種差別が蔓延る南部の街で、事件は "白人 vs. 黒人" の対立という大きな社会問題へと発展していく・・・・・。

ジェイクの弁護を助ける有能な法学生エレンをサンドラ・ブロック（ "THE BLIND SIDE" "CRASH" ）、ジェイクと相対する検事をケヴィン・スペイシー（ filmography ）、黒人シェリフをチャールズ・Ｓ・ダットン（ filmography ）、ジェイクの法律学校時代の恩師をドナルド・サザーランド（ filmography ）、暴行したウィラードをダグ・ハッチソン（ "The Green Mile" ）、弟をカール・リーに殺され、"KKK" に加わるフレディをキーファー・サザーランド（← 父と共演  "Stand By Me" "A Few Good Men" "24" シリーズ）、ジェイクの妻をアシュレイ・ジャッド（ "SMOKE" "High Crimes" ）、カール・リーに運悪く撃たれてしまう保安官助手をクリス・クーパー（ "American Beauty" "Money Train" "The Bourne Identity" "CAPOTE" ）など。

被告は "黒人"、陪審員は全員 "白人" ーーー。
法廷をめぐっての攻防は、この "陪審員たちをどう味方につけるか" が勝負。
同じ法廷モノで "正義" を求める裁判でも "PHILADELPHIA" とは全く趣が違います。
近い将来、自分が "陪審員席" に座っているかもしれません。
あなたなら、どう裁きますか ーーー？

>> Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

2008-07-18

"A Lesson Before Dying"（1999）

　ジェファーソン / 冤罪の死刑囚

cast >> Don Cheadle, Cicely Tyson, Mekhi Phifer, Irma P. Hall, Brent Jennings, Lisa Arrindell Anderson, Dana Ivey, Frank Hoyt Taylor, Elijah Kelly, Von Coulter ...
director >>Joseph Sargent（101min）《TVM》
region 1>>  English, French, Spanish subtitles


原作は全米批評家協会賞を受賞したアーネスト・Ｊ・ゲインズの "A Lesson Before Dying"。
人種差別が厳しい1940年代末のルイジアナで、不幸な家庭環境と教育の欠如により犯罪に巻き込まれ、強盗殺人の罪で死刑を宣告された青年と、その彼に "人間としての尊厳" を教えるように頼まれた教師との人間ドラマ ーーー。

A Lesson Before Dying Trailer 1999

1948年のルイジアナ ーーー よく晴れたある日、魚を釣りに行こうとジェファーソン（メキー・ファイファー  filmography  "ER" ← プラット役）が歩いていると、背後から知人の車が近づいてきた。断り切れずに同乗し向かったのは雑貨店。しかし所持金が足りなかったため、白人の店員がツケを拒むといざこざが起き、彼らは共に撃ち合い死んでしまう。たまたまその場に居合わせたジェファーソンは、白人店員殺しの罪で捕まり、無実にも拘わらず "死刑" を言い渡されてしまう・・・。しかも法廷では公選弁護人（白人）にまで "hog（豚）" 呼ばわりされる始末 ーーー。
死刑執行までの間、ジェファーソンの名づけ親ミス・エマ（イルマ・Ｐ・ホール  "Soul Food" ← でＭ・ファイファーと共演  "Collateral" "Bad Company" ）は、大学出の教師グラント（ドン・チードル  filmography ）に、一緒にジェファーソンの面会に行くよう頼むのだが・・・・・。

ルーをシシリー・タイソン（ filmography ）、同じ教師でグラントの恋人ヴィヴィアンをリサ・アリンデル・アンダーソン（ filmography  "Clockers" ← Ｍ・ファイファーと共演）、牧師をブレント・ジェニングス（ filmography  "Hard Lesson" ← イルマと共演）、エドナをダナ・アイヴィ（ "The Color Purple" ）、シェリフをフランク・ホイト・テイラー、クラレンスをイライジャ・ケリー（ filmography ）。

普通 "冤罪" といえば、"The Hurricane" のように何とかして "無実" を立証しようと闘うもの ーーー。
ところが、本作では "無実" を訴えるなどということは全くの問題外で、いかに "人間としての尊厳を持って死ぬか" がテーマ。弁護人でさえ「不当な差別」をし、それが公然と許される時代だったのです。
同じ南部、しかも1930年代のアラバマで、人種差別と闘いながら黒人を弁護し "正義" を貫こうとした白人弁護士を描いた "To Kill A Mockingbird（アラバマ物語）" が、いかに困難を極めたか改めて思い知らされます。

「死ぬだけ」の若者の心を開かせるのは至難の業だったでしょうし、余計に別れが辛かったでしょう。
・・・どちらの立場も耐えかねます。

>>  TVM - filmography（TV movie  作品一覧）
>>  Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

2008-11-04

"American History X"（1998）

　アメリカン・ヒストリーＸ

cast >> Edward Norton, Edward Furlong, Beverly D'Angelo, Fairuza Balk, Avery Brooks, Stacy Keach, Elliott Gould, Ethan Suplee, Guy Torry, Jennifer Lien ...
director >>Tony Kaye（119min）
soundtrack>>


白人至上主義の極右組織 "ネオナチ" のカリスマ的リーダーとなった兄と、彼を崇める弟が辿る悲劇を通して、現代アメリカの暗部を描いた衝撃の問題作 ーーー。
撮影・監督は、本作が監督デビュー作となるＣＭ界の奇才トニー・ケイ。
モノクロとカラーの映像を巧みに使い分けた映像表現が、美しく秀逸 ーーー。

American History X - Original Trailer

カリフォルニア州ヴェニス・ビーチ ーーー "白人史上主義集団" のカリスマ的リーダーで、自宅を襲った２人の黒人の〈故殺罪〉で服役していたデレク（エドワード・ノートン  filmography ）が出所した。
その日、兄を崇めて自らも "スキンヘッド（← ネオナチのシンボル）" にした高校生の弟ダニー（故エドワード・ファーロング  "Terminator 2: Judgment Day" ）は、黒人で人権運動に深く関わるスウィーニー校長（エイブリー・ブルックス  "ROOTS: The Gift" "15 Minutes" "STAR TREK: Deep Space Nine" ）から呼び出され、ヒトラーの『わが闘争』についてのレポートの代わりに "兄弟" をテーマに書き直すよう指示を受ける・・・。
消防士をしていた父を黒人ドラッグ・ディーラーに殺された恨みから、スウィーニーの教え子で優等生だったデレクは、母ドリス（ビヴァリー・ダンジェロ  "Coal Miner's Daughter" ）らの反対を無視して、白人至上主義集団の組織者キャメロン（ステイシー・キーチ  "The Courage To Love" "PRISON BREAK" ← ウォーデン所長 ）の配下となり、地元のスキンヘッズのヒーローとなった。しかし３年の服役中、デレクはスキンヘッズの仲間に酷い "仕打ち" を受け、黒人のラモント（ガイ・トリー  "LIFE" "Slow Burn" "Pearl Harbor" ）との交流を通じて、次第に "怒りと憎しみは何も生まない" ことを学んでいく ーーー。
が、デレクが出所したときは時遅く、自分を崇拝する弟ダニーはネオナチの "メンバー" となってしまっていた・・・・・。

ネオナチのメンバーでデレクの恋人ステーシーをフェアルーザ・バーク（ "Aimost Famous" ）、同じくメンバーのセスをイーサン・サプリー（ "UNSTOPPABLE" "Remember The Titans" "John Q." ）、マーレイをエリオット・グールド（ "M☆A☆S☆H"  "Ocean's Eleven" シリーズ）。
もともと役者として "ヤリ過ぎない" のに、巧くて印象深いＥ・ノートン。本作での彼は記憶に突き刺さるほど衝撃的だった！（驚）  悪人には見えない彼ならではの、成せる技かもしれない。作品の "切り口" も "ストーリー" も、映像としての "観せ方" も実に秀逸。
そして刑務所での目を背けたくなるような悲痛なシーンですら、対照的にシャワーの "滴" のなんと美しいこと！

つい先日、オバマ氏の暗殺を謀った若いネオナチ・メンバー２人も "スキンヘッド" でしたね？
「88人」の黒人生徒を射殺、「14人」の首を切断するつもりだったと。
ーーー 何の解決にもなりゃあしないのに（遺憾）。

>> Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

2008-11-01

"Fame"（1980）

　フェーム

cast >> Irene Cara, Barry Miller, Lee Curreri, Laura Dean, Paul McCrane, Eddie Barth, Gene Anthony Ray, Boyd Gaines, Antonia Franceschi, Albert Hague, Joanna Merlin, Maureen Teefy, Debbie Allen, Tresa Hughes, Anne Meara, Steve Inwood, Meg Tilly, Richard Belzer ...
director >>Alan Parker（133min）
soundtrack >>


Ｎ.Ｙ. マンハッタンに現存する芸能専門学校（← 移転し、校舎は新しくなっているが）を舞台に、ダンサー・歌手・役者・ミュージシャンなどを目指し "有名" になることを夢見る若者たちが、"障害" や "挫折" を乗り超えて「卒業」するまでの姿を描いた青春ミュージカル・ドラマ ーーー。
監督はアラン・パーカー（ "MISSISSIPPI BURNING" "MIDNIGHT EXPRESS" ）、振付師はルイス・ファルコ。
アカデミー賞【作曲賞・主題歌賞（アイリーン・キャラ "Fame" ）】受賞。

Fame (1980) Trailer [HQ]

Ｎ.Ｙ.にある公立芸能学校は「音楽」「ダンス」「演劇」の３つのカリキュラムを主体とし、秋の新学期を控えて連日オーディション（入学試験）が行われていた。母親に付き添われた内気な少女ドリス（モーリーン・ティーフィ）、ガール・フレンドのダンス・オーディションのパートナーを務めるためにやって来た青年リロイ（ジーン・アンソニー・レイ  "Fame" ← '03に41歳の若さでで他界）、スラム街育ちの "美声" の持ち主ココ（アイリーン・キャラ  "ROOTS: The Next Generations"  "Flash Dance" ← 主題歌  "SPARKLE" ）、ダンス志望でおしゃべりのリサ（ローラ・ディーン）、先進的な音楽の才能を持つブルーノ（リー・カレリ  "Fame" ）、演劇科のプエルトリコ人青年ラルフ（バリー・ミラー  "Saturday Night Fever" "FLAWLESS" ）、同じ科で精神科医にかかっているモンゴメリー（ポール・マクレーン  "24" ← ジャックの弟役  "ER" ← ロマノ役  "ROBOCOP" ）。さまざまな "希望" と "不安" をみなぎらせ、厳しいオーディションに合格した彼らの「４年間」の学校生活が始まる・・・・・。

一年後輩で、金持ち娘のバレリーナ志望ヒラリーをアントニア・フランチェスキ、ショロフスキー先生をアルバート・ヘイグ（ "Fame" ）、外国映画のプロデューサーだと名乗る男をスティーヴ・インウッド（ "Staying Alive" ）など。

Fame - Irene Cara

Ｉ・キャラの名を日本に知らしめたテーマ・ソング♪
サントラには私のお気に入りドラマーであるヨギ・ホートン（ discography ）が参加。

やはり食堂で "Hot Lunch Jam" を唄い踊るシーンや、46丁目で "Fame" が流れ、皆がストリートに飛び出すシーンが圧巻！（← ヴォーカルは共にＩ・キャラ）
ひたすら "夢" にむかって努力する "ひたむき" な若いパワーを想い出し？ます（笑）。
なお本作が好評につき、一部のキャストそのままにＴＶシリーズ『フェーム / 青春の旅立ち』が制作されています。

>>  80's movie - filmography（'80年代［1980 - 1989］ 映画作品一覧）
>>  AFI'S 100 YEARS 100 CHEERS - filmography

2009-03-28

 

"Falling in Love"（1984）

　恋におちて

cast >> Robert De Niro, Meryl Streep, Harvey Keitel, Dianne Wiest, Jane Kaczmarek, George Martin, David Clennon, Jesse Bradford, Victor Argo ...
director >>Ulu Grosbard（106min）
music >> Dave Grusin


《男は走り、女はためらう・・・》
ニューヨークを舞台に、いくつになっても変わることのない "恋愛感情" を描いた大人の純愛物語 ーーー。
監督はウール・グロスバード（← 主にニューヨークの舞台で名声を馳せた人物で、"True Confessions" でもデ・ニーロと組む）。

Falling In Love - Trailer

ニューヨーク郊外のウエストチェルターから通勤者たちを乗せた満員列車に、モリー（メリル・ストリープ  filmography ）がアーズレイ駅から乗り込んだ。続いて、フランク（ロバート・デ・ニーロ  filmography ）がダブス・フェリー駅から乗り込んできた。モリーは父ジョン（ジョージ・マーティン  "A Gun For Ringo" ）を看病するためマンハッタンに通うイラストレーターで、一方フランクは建築技師。まったく "他人" のふたり ーーー。
しかしクリスマス・イヴにプレゼントを買おうと入った、とある「書店」で "運命的" な出逢いをしたふたりは、２度めの "偶然" の出逢いで急速にお互いを意識しはじめ、デートを重ねる度に精神的にも惹かれあっていく。
ただひとつの問題は、お互いに「家庭」があることだけ・・・・・。

フランクの親友エドをハーヴェイ・カイテル（ filmography ← プライベートでも親友のデ・ニーロとは、これまた親友のマーティン・スコセッシ監督作  "Mean Streets" "Taxi Driver" の２本でも共演）、モリーの親友イザベルをダイアン・ウィースト（ "Hannah And Her Sisters" "Footloose" ）、モリーの夫ブライアンをデヴィッド・クレノン（ "DOWNTOWN" "Legal Eagles" ）、フランクの妻アンをジェーン・カツマレク、息子のマイクをウィリー・アール、ジョーをジェシー・ブラッドフォード（← 本作で映画デビュー  "Bring It On" "Flags Of Our Fathers" ）。

お洒落で上品なニューヨーカーの生活ぶり、「10代の恋」のような切ない感情・・・優秀な脚本と、そして何より "心の襞（ひだ）" までもきめ細かく描写してみせるデ・ニーロとストリープあってこその作品（← ふたりは "The Deer Hunter" 以来の共演）ーーー。
普通に "恋する" デ・ニーロが観られるだけでも価値あり（笑）。ストリープって、角度や表情でものすごく女性らしくキレイに映るときもあれば、まるで違う顔に映るときもあって、そこが魅力のひとつ。
ちなみに、本作はクリスマス・イヴに始まるロマンティックな物語ですが、撮影が始まったのは1984年3月26日で、実際は「４月のクリスマス」だったようです（苦笑）。

>> Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）

2008-12-18

 

在宅ワークならいまたすねっと