ボーイズ'ン・ザ・フッド
cast >> Larry Fishburne, Cuba Gooding Jr., Ice Cube, Morris Chestnut, Nia Long, Angela Bassett, Tyra Ferrell, Regina King ...
director >> John Singleton
music >>Stanley Clarke
soundtrack >>
スパイク・リー次席の筆頭に挙げられる黒人監督ジョン・シングルトン( filmography )のデビュー作。
L.A. サウス・セントラルで肩を並べて育った3人の青年の青春の "悲劇" を、自らの体験を色濃く反映させて等身大に描いた作品 ーーー。
離婚家庭ではあるが、"暴力否定" のしっかりした考えを持つ父フューリアス・スタイルズ(ラリー・フィッシュバーン filmography )に育てられたトレ(キューバ・グッディング・Jr. filmography )は優等生。
親友のリッキー(モーリス・チェスナット filmography )はハイスクール・フットボールの名選手でありながら、すでに妻子持ち。その兄ダウ・ボーイ(アイス・キューブ filmography )は、いわゆる "ストリート・ギャング"。不良グループのクレンショウ組に目をつけられた彼らは、いざこざに巻き込まれ、怒り狂うダウ・ボーイに引きずられてトレもその報復に出向くのだが・・・・・。
この作品が訴えているのは「多感期に父親が息子に与える影響の大きさ」と「暴力では何も解決できない」ということ。
しかし、'91.7.12 全米公開と同時に各劇場の内外で発砲事件が多発し、脚本・監督のジョン・シングルトンは『「非暴力」のメッセージを訴えているにもかかわらず反対のことが起き、とても悲しい』と述べている。
監督はこの作品に彼自身の体験を色濃く反映させており、ロケーションはすべて L.A. の犯罪多発地帯「サウス・セントラル地区」で行われた。それがあまりにもリアルに彼らのライフ・スタイルを描き出していたため、若者たちの共感を呼び、監督の意図とは違った方向で噴き出したのかもしれない。
実際にアイス・キューブはサウス・セントラル育ちで、自身の体験を生かし、この役柄を違和感なくリアルに演じている。
映画の題名は、ラップ・グループ "N.W.A." の大ヒットしたデビュー・アルバムの、彼が書いた曲からつけられている。
また、L・フィッシュバーン(← '93 "TINA" 以降、本名の「ローレンス」を名乗るようになる)は、父親不在が珍しくない黒人社会にあって「威厳のある理想の父親像」を、C・グッディング・Jr. は、繊細でありながら父との関係も、友人同士の結束も大事にする青年を好演。なお、トレの母親役はフィッシュバーンと "TINA" "Akeelah And The Bee" でも共演しているアンジェラ・バセット( filmography )ーーー「考えさせられる」作品です。音楽はスタンリー・クラーク( filmography )。
ちなみに、デンゼル・ワシントンの著書 "A Hand To Guide Me(僕が大切にしている人生の知恵を君に伝えよう)" の中で、シングルトン監督は『なんでもやりたいことをやれ。そして変わり者だなんて誰にも言わせるな。人の思惑なんて気にするな』という、彼の父からの言葉を寄せている。
関連作品 >> "COLORS" "Menace II Society"
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2008-01-03