ミラーズ・クロッシング
cast >> Gabriel Byrne, Marcia Gay Harden, Albert Finney, John Turturro, Jon Polito, J.E. Freeman, Mike Starr, Steve Buscemi, Frances McDormand ...
writer >> Ethan & Joel Coen
producer >> Ethan Coen
director >>Joel Coen(115min)
禁酒法時代のアメリカ東部のある街で、アイルランド系とイタリア系ギャングの抗争を、斬新な映像で描いた人間ドラマ。
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟( "Bad Santa" ← 製作総指揮 "No Country For Old Man" "FARGO" )が放つ、「博打打ち」「したたかな娼婦」「裏切りに裏切りを重ねるチンピラ」「血生臭い抗争」の世界 ーーー。彼らが本作の脚本を共同執筆中に "壁" にぶちあたり、気分転換に次回作となる "Barton Fink" を書いたのは有名なハナシ(凄)。
1929年、アメリカ東部の街では、アイリッシュのレオ(アルバート・フィニー "Before The Devil Knows You're Dead" "Two For The Road" )とイタリアンのキャスパー(ジョン・ポリト ← 他でもコーエン兄弟と組んでいる "American Gangster" )、2つの勢力が暗黒街で激しい勢力争いをしていた。レオと、その片腕でアタマは切れるが博打好きのトム(ガブリエル・バーン "The Usual Suspects" "The Man In The Iron Mask" )は、固い絆で結ばれていた。同じくレオの部下バーニー(ジョン・タトゥーロ filmography )は、レオに愛されるしたたかな情婦、姉のヴァーナ(マーシャ・ゲイ・ハーデン ← 本作で映画デビュー "Space Cowboys" "Mystic River" "The Mist" )に守られて「裏切り」を重ねていた。ある夜、トムはヴァーナと一夜を共にしてしまい、やがてその事実を知ったレオから決別を言い渡される。博打の借金に追われるトムは、キャスパーの下で働くことになるのだが、最初の命令は「バーニーを殺す」こと ーーー。
森の奥深く "ミラーの十字路" を背景に、裏切りと陰謀、友情と愛欲の行方は・・・・・。
キャスパーの片腕デインをJ・E・フリーマン( "Alien: Resurrection" )、その他、マイク・スター( "The Black Dahlia" "The Bodyguard" )、スティーヴ・ブシェミ( "Pulp Fiction" "Reservoir Dogs" )、フランシス・マクドーマンド(← J・コーエン監督の妻で、他の作品にも出演 "Mississippi Burning" )がカメオ出演している。
とにかく "脚本" と、揃いも揃った "役者陣" が秀逸 ーーー。
コーエン兄弟の作品にはいつも「不安」がつきまとい、ユーモアの中に隠れた「暴力」、暴力の中に見え隠れする「ユーモア」を、ギャングたちを主人公にすることで強調したかったように思います。オープニングの森、風に舞う「帽子」や空を見上げるアングルで映し出される「樹々」に目を奪われるとともに、後に "効いて "きます。それにしてもこの時代を描いた作品の「衣装」は独特で、特に男性の "洒落ぶり" は素敵。ただのオヤジまで、ちょっと素敵にみえるほど(笑)。