"True Crime"（1999）

　トゥルー・クライム

cast >>  Clint Eastwood, Isaiah Washington, Denis Leary, Lisa Gay Hamilton, Diane Venora, Bernard Hill, James Woods, Dina Eastwood, Lucy Liu, Sydney Tamiia Poitier, Frances Fisher, Francesca Fisher-Eastwood, Anthony Zerbe ...
producer / director >>Clint Eastwood
music >>  Lennie Niehaus


サンフランシスコ湾に臨む町、オークランドのサン・クエンティン刑務所 ーーー。
黒人のフランク・ビーチャム（アイザイア・ワシントン  filmography ）は、6年前に白人で妊婦のコンビニ店員を射殺した罪に問われ、翌日の深夜０時１分に "死刑" が執行される。二人の目撃者は白人で、無実を訴え続けたものの、誰にも受け入れられることはなかった。
その晩、当時から事件を追っていた地元新聞記者のミシェルが事故で死亡し、急遽彼女の代わりにフランクの死刑執行前の最期の取材を任された先輩記者のスティーブ・エベレット（クリント・イーストウッド  filmography ）は、即座に無実の "匂い" を嗅ぎとり、ひとり事件の洗い直しを始めるのだが・・・・・。

True Crime - Trailer
 

イーストウッド製作・監督・主演による傑作サスペンス ーーー。
死刑執行まで12時間足らずというタイムリミットの緊迫感の中、イーストウッド映画ならではのダークな面や、主人公とその家族のゴタゴタ劇も巧みに織り込まれており、ラストまで「時計の針」から目が離せない。全編を彩るジャズは "BIRD" と同じくレニー・ニーハウスが担当。主題歌を唄うのはダイアナ・クラール（ ↓ 下記動画をじっくりどうぞ♪）。

新聞社の編集長アラン・マンを演じるのはジェームズ・ウッズ（ filmography ）。スティーブの妻役は "BIRD" でチャーリー・パーカーの妻を演じたダイアン・ヴェノーラ。娘役は、本作で共演しているフランシス・フィッシャー（ "UNFORGIVEN" "TITANIC" ）との間に生まれた実の娘、フランチェスカ・フィッシャー＝イーストウッド。さらにディナ・イーストウッドは、'96年に再婚した元ＴＶキャスターの現妻。さすがイーストウッド！・・・というか、なんというか大胆なキャスティング（苦笑）。ちなみに彼は映画の役以外、一切タバコを吸わない。その他、シドニー・ポワチエの娘のシドニー・タミーア・ポワチエやフランクの妻役リサ・ゲイ・ハミルトン（ "The Soloist" "Jackie Brown" ）、チョイ役でルーシー・リュー（ "Charlie's Angels" "Kill Bill" ）などが出演。

"正義" と "良心" が実ったラストは、ちょっとキザだけど "粋" なシーンで、心温まります ーーー。

Diana Krall - Why Should I Care (1999)


>> Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）

2008-02-20

"The Pelican Brief"（1993）

　ペリカン文書

cast >> Julia Roberts, Denzel Washington, Sam Shepard, John Heard, Tony Goldwyn, James Sikking, William Atherton, Robert Culp, Stanley Tucci, Hume Cronyn, John Lithgow, Anthony Heald ...
writer >> John Grisham
writer/ producer / director >> Alan J. Pakula（141min）


ベストセラー作家ジョン・グリシャム（ "A Time To Kill" "The Client" "The Firm" ）の小説を、アラン・Ｊ・パクラ監督（ "All The President's Men"   "To Kill A Mockingbird" ← 製作）が映画化 ーーー。
グリシャムは、本作をジュリア・ロバーツをイメージしながら執筆したらしく、彼女に原作の「あらすじ」を見せた時点で、本作への出演を承諾。そのＪ・ロバーツの強い要望により、デンゼル・ワシントンとの共演が実現した作品。

The Pelican Brief (1993) Official Trailer

ある夜、二人の最高裁判事が暗殺された ーーー。
法学生のダービー・ショウ（Ｊ・ロバーツ  "Pretty Woman" "Erin Brockovich" ）は、殺された二人の「共通点」を探し、自分なりの仮説を立てて論文をまとめた。しかし事件の核心を突いたこの文書は、やがて "ペリカン文書" と名を変えワシントンに持ち込まれ、政府を震撼させる大きな "爆弾" となっていった。
何者かに狙われていることを確信した孤立無援のダービーは、気鋭のジャーナリスト、グレイ・グランサム（Ｄ・ワシントン  filmography ）に助けを求めることを決意するのだが・・・・・。

突然命を狙われる危機の中で果敢に行動する女子大生と、その彼女を唯一救うことのできる新聞記者 ーーー この二人の間に自然と滲み出てくる "信頼感" がいい。ダービーの恋人でもあった恩師のトーマスをサム・シェパード（ "Safe House" "The Notebook" "Black Hawk Down" ）、トーマスの友人をジョン・ハード（ "EDISON" "Home Alone" ← 父親役の人です）、グランサムの上司である編集長をジョン・リスゴー（ "RICOCHET" ← Ｄ・ワシントンと共演  filmography ）、大統領補佐官のコールをトニー・ゴールドウィン（ "A Walk On The Moon" ← 監督作  "Kiss The Girls" ← 出演）、暗殺者をスタンリー・トゥッチ（ "Lucky Number Sleven" "The Terminal" ）、ダービーの友人をシンシア・ニクソン（ "Sex And The City" ← ミランダ役でお馴染み）などが脇を固めている。

本作に限ったことではありませんが、核心に迫るほどに何かが起こる・・・という展開にはハラハラさせられます。
なぜ "ペリカン文書" と呼ばれるようになったのか、答えは観ればわかります（笑）。
ちなみに、Ｄ・ワシントンが "Training Day" でオスカーを受賞したときのプレゼンターがＪ・ロバーツで、本人以上に大喜びしているのがちょっとジャマでした（苦笑）。

>>  Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）

2008-07-19

"SAFE HOUSE"（2012）

　デンジャラス・ラン

cast >> Denzel Washington, Ryan Reynolds, Vera Farmiga, Brendan Gleeson, Sam Shepard, Ruben Blades, Nora Arnezeder, Robert Patrick, Liam Cunningham, Joel Kinnaman, Fares Fares, Jenna Dover, Stephen Rider, Daniel Fox, Tracie Thoms, Jake McLaughlin ...
director>> Daniel Espinosa（115min）
soundtrack >>


《 NO ONE IS SAFE 》
ＣＩＡの新米職員が、正体不明の武装集団に狙われた元ＣＩＡ凄腕エージェントにして、世界 36ヶ国で指名手配されている最重要危険人物と共に決死の逃亡劇を繰り広げるノンストップ・アクション・サスペンス ーーー。
監督は、スウェーデン出身で本作がハリウッド・デビューとなる新鋭 ダニエル・エスピノーサ（ "EASY MONEY" ）。

Safe House - Trailer

南アフリカ ーーー とあるＣＩＡの極秘施設 "Safe House（隠れ家）"。
その管理を任された新米エージェントのマット・ウェストン（ライアン・レイノルズ  "SMOKIN' ACES" "GREEN LANTERN" ）は、実力を認めてもらえない退屈な仕事にウンザリし、上司に転任を要求する日々。そんなある日 "隠れ家" に思いがけない "客" がやって来る。
その "客" は、ＣＩＡが最も恐れる "裏切り者" にして "史上最高のエージェント" と評された男、トビン・フロスト（デンゼル・ワシントン ← 本作では製作総指揮も。 filmography ）。
ところが彼を "客室" に案内するやいなや、完璧にしてトップ・シークレットのはずの "隠れ家" は武装集団に襲撃され、壊滅状態に。フロストに選択を迫られたマットは、彼を連れて脱出することを決断。なぜ情報が漏れたのか？、敵の正体も不明のまま、たった独りでフロストを守らなければならなくなったマット。しかも逃亡のチャンスを窺うフロストは、人の心を操る天才。巧みな "心理戦" を仕掛けられ、精神的にも追い込まれていくマットの "選択" は・・・・・？！

ＣＩＡのリンクレーターをヴェラ・ファーミガ（ "THE DEPARTED" "UP IN THE AIR" ）、バーローをブレンダン・グリーソン（ "IN MY COUNTRY" "TROY" ）、副長官のホイットフォードをサム・シェパード（ "THE PELICAN BRIEF" ← デンゼルと共演  "THE NOTEBOOK" "BLACK HAWK DOWN" ）、キーファーをロバート・パトリック（ "GANGSTER SQUAD" "D-TOX" ）、分析官をトレイシー・トムズ（ "RENT" "COLD CASE"〈TV〉シリーズ）、フロストの旧友カルロスをルーベン・ブラデス（ "MO' BETTER BLUES" ← デンゼルと共演  "BEAT STREET" ← 音楽）、マットの恋人アナをノラ・アルネゼデール（ "FAUBOURG 36" ）、アレックをリーアム・カニンガム（ "THE MUMMY: TOMB OF THE DRAGON EMPEROR" ）、別の管理人ミラーをジェイク・マクラフリン（ "IN THE VALLEY OF ELAH" ）など。

残念ながら "黒幕" はすぐにわかってしまいました（苦笑）ーーー が、エンディングは良い意味で予想がハズれて、最期まで相手の心理を "操る" あたりは流石！
個人的には、ほんの一瞬でしたがデンゼルの "Malcolm X" を彷彿とさせる 'いでたち' がたまらなかった！（渋）
ちなみに "悪" の魅力とは言いつつ、"TRAINING DAY" ほどのワルではなく、実のところ "○"。
それにしても毎度のコトですが、こんな安っぽい邦題つけるくらいなら、原題のままでイイんじゃない？！（呆＆怒）

>>  Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）
>>  Action - filmography（アクション  映画作品一覧）

2012-09-21

"BLUE COLLAR"（1978）

　ブルーカラー / 怒りのはみだし労働者ども

cast >>  Richard Pryor, Harvey Keitel, Yaphet Kotto, Ed Begley Jr.,  Harry Bellaver, Lane Smith, Cliff De Young, George Memmoli, Chip Fields, Harry Northup, Leonard Gaines, Milton Selzer,  ...
writer >>  Paul Schrader & Leonard Schrader
director >>  Paul Schrader《劇場未公開》


【 blue collar 】 … 肉体労働者（の）、ブルーカラー（の）
個性派俳優が共演した日本未公開作品。『レイジング・ブル』『タクシー・ドライバー』『アメリカン・ジゴロ』などの脚本を手掛けたポール・シュレイダーの初監督作品。
貧困に喘ぐ社会情勢を背景に、労働者たちの怒りを描いた社会派サスペンス ーーー。

Blue Collar Official Trailer #1 - Harvey Keitel Movie (1978) HD

（オープニング＆エンディングに流れるのは "HARD WORKING' MAN"  by Captain Beefheart ）

ジーク（リチャード・プライアー  filmography ）・ジェリー（ハーヴェイ・カイテル  filmography ）・スモーキー（ヤフェット・コットー  filmography ）の3人は、同じ自動車工場で働く労働者。彼らは工場経営者や自分たちを守ってくれるはずの「組合」に、常日頃から不平不満を抱えていた。働けども、僅かな賃金で家族を養わなければならない生活は困窮を極め、精神的にも追い詰められていく・・・・・。

"怒り" と "絶望" が募る中、ジェリーは、ジークとスモーキーの企みに便乗し、組合事務所の金庫破りを実行する。しかし中に目当ての金はなく、彼らが手にしたのは 600ドルほどの "はした金" と、組合の "不正貸し付け" を記録した「裏帳簿」だった。ーーー 組織の陰謀を知ったとき、労働者 "ブルーカラー" に非情な罠が襲いかかる・・・。
人間は "権力" を手中にすると、いとも簡単に友人を裏切り、こんなにも変わるものかと、考えさせられます・・・・・（恐）。

>> Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）
>> 70's movie - filmography（ ’70年代（1970 - 1979） 映画作品一覧）
>> Unscreened - filmography（劇場未公開  映画作品一覧）

2008-03-17

"RISING SUN"（1993）

　ライジング・サン

cast >> Sean Connery, Wesley Snipes, Harvey Keitel, Cary-Hiroyuki Tagawa, Kevin Anderson, Mako, Ray Wise, Stan Egi, Tia Carrere, Ving Rhames, Steve Buscemi, Sam Lloyd, Stan Shaw ...
writer / director >>Philip Kaufman（130min）
music >> Touru Takemitsu
soundtrack >>


日米経済摩擦を背景に、複雑な殺人事件の謎に挑む２人の刑事の活躍を描くサスペンス・ミステリー。
原作はマイケル・クライトン（ "Jurassic Park" ← 原作・脚本  "ER"シリーズ ← 製作総指揮・企画）で、監督のフィリップ・カウフマン（ "The Right Stuff" "The Unbearable Lightness of being" ← 二作とも脚本・監督）と共に脚色も担当。内容が "ジャパン・バッシング" であるとして、全米公開時、日系人団体から上映反対の抗議運動が起こって話題を呼んだ作品 ーーー。

Rising Sun (1993) official trailer HD

日本の大企業ナカモトがロサンゼルスの一角に建てた超高層ビルの落成パーティーが開かれた夜、ビル内で日本人相手の高級コールガールの変死体が発見された。外国人絡みの事件を担当する市警渉外部のウェブ・スミス刑事（ウェズリー・スナイプス  filmography ）は、"日本通" のジョン・コナー警部（ショーン・コネリー ← 製作総指揮も兼任  "The Untouchables" "Finding Forrester" ）と捜査に乗り出した。コナーは日本人の文化や習慣を考慮した捜査を進めるが、日本人をよく思わないグラハム刑事（ハーヴェイ・カイテル  filmography ）は否定的だった。
ナカモトでは、最近日本から出向いた重役のヨシダ（マコ  "The Sand Pebbles" "Seven Years In Tibet" ）、Ｌ.Ａ.支社のエリート、イシハラ（スタン・エギ）、交渉人のリッチモンド（ケヴィン・アンダーソン  "Charlotte's Web" ）らがマイクロコン社の買収を進めていたが、米軍事技術開発に関わっているため議会はこれを認めず、難航していた。やがてコナーとスミスは、ビルの監視カメラが殺害現場を録画したディスクを証拠品として手に入れるが・・・・・。

ナカモトと敵対する系列会社の御曹司 エディ・サカムラをケイリー＝ヒロユキ・タガワ（ "The Last Emperor" "Pearl Harbor" ← マコと競演）、日米ハーフの大学院生ジュンコをティア・カレル（ "True Lies" ）、モートン上院議員をレイ・ワイズ（ "ROBOCOP" ）、フィリップスをスタン・ショウ（ "FREEDOM SONG" "ROOTS: The Next Generations" ）。

昔に比べたらずいぶんマシですが、アメリカ人が思い描く、いわゆるステレオ・タイプ的な日本文化や日本人を窺い知ることができるのは興味深くて面白い！（笑）
本作はマコ（岩松  信 ← 残念ながら '06年に他界）やケイリー＝ヒロユキ・タガワ（田川 洋行）らの、本物の "日本語" が聞けるだけ、まだイイ。「似非」日本人、「似非」日本語ばかりだと、うんざりしますから！（苦笑）
期待せずに一応は観に行ったものの、"Memories Of A Geisha（SAYURI）" なんて「中国人」が「英語」で「芸者」を演じるという、最悪パターン（酷）。"HEROES" のアンドウが「韓国人」で、頑張ってはいるものの摩訶不思議な語り口で話す日本語もキライ（本音）。本物の "日本人" を起用してくださいよ、いくらでもいるんだから（願）。
"The Last Samurai" は "日本人" の起用という面ではかつてないほど頑張ったと思うけど、全編「日本語」で「英語字幕」をつければイイのよ。まぁ、アメリカ人って基本的に「字幕」を読むの大っキライだし、そういう習慣がナイので無理かぁ・・・。
最近じゃあ（国内の）劇場でも「吹き替え版」が増えてるから、仕方ないのかなぁ・・・（不満）。

>> Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）

2008-12-08

在宅ワークならいまたすねっと

"Training Day"（2001）

　トレーニング・デイ

cast >>  Denzel Washington, Ethan Hawke, Scott Glenn, Eva  Mendes, Charlotte Ayanna, Tom Berenger, Snoop Dogg, Harris  Yulin, Raymond J. Barry, Cliff  Curtis, Raymond Cruz, Dr. Dre, Macy Gray ...
director >>  Antoine Fuqua
soundtrack>>


"熱血漢の新人刑事" が "老練なベテラン刑事" の指導のもと、様々な経験を積み "現実" を知るうちに、想像もしていなかった事態に巻き込まれていく、異色の刑事クライム・サスペンス ーーー。
監督は、ストリート出身のアントワン・フークア（ filmography ← 妻は "Waiting To Exhale" のレラ・ローコン）。
撮影は実際に L.A. の無法地帯で行われ、本物のギャングも登場。これまでのイメージを覆す強烈なキャラクターを演じたデンゼル・ワシントンは、本作で1963年 "Lilies of the Field" のシドニー・ポワチエ以来、アフリカ系アメリカ人として２人目の【アカデミー主演男優賞】を受賞。

Training Day Trailer HD

勤務初日、ロス市警（L.A.P.D.）麻薬捜査課に配属された新人刑事ジェイク（イーサン・ホーク  "BROOKLYN'S FINEST" "GATTACA" "Taking Lives" ）は、数々の大物摘発で知られる伝説の刑事アロンゾ（Ｄ・ワシントン  filmography ）とコンビを組む。麻薬に関する "すべて" を熟知しているカリスマ刑事のアロンゾは、まさにジェイクの手本であり憧れの存在。緊張するジェイクにアロンゾは「か弱い子羊でいるか、獰猛な狼になるか、それは自分で選べ」と忠告する。そしてジェイクが目にしたのは、犯罪摘発のためならためらわずに "法を犯す" アロンゾの姿だった。暴行・脅迫・証拠ねつ造 ーーー  戸惑うジェイクをよそに、アロンゾの行動はエスカレートしていき、過酷な24時間の「トレーニング」は続く・・・・・。

ロジャー役のスコット・グレン（ filmography ）が渋い。アロンゾの愛人サラをエヴァ・メンデス（ filmography ）、スタン役をトム・ベレンジャー（ "PLATOON" "A Murder Of Crows" "SNIPER" シリーズ ）。その他、スヌープ・ドッグ（ "Baby Boy" ）、ドクター・ドレイ（ "SET IT OFF" ）、メイシー・グレイ（ filmography ）など、三者三様なかなかイイ味出してます。

本作と同年の2001年 "Monster's Ball" で、74年のアカデミー賞の歴史を塗り替え、ハル・ベリーが黒人女優初の【主演女優賞】を受賞したときにも触れましたが、監督をはじめ、優れた「脚本」や「共演者」に恵まれてこその受賞であり、受賞は逃したものの本作ではイーサン・ホークも【助演男優賞】にノミネートされ、素晴らしい演技が評価されています。
ちなみにデンゼルは、"MTV Movie Awards（MTV ムービー・アワード）" で【悪役賞】を獲得、"King Kong ain't got nuthin on me!"  で【セリフ賞】にもノミネートされています（笑）。
ーーー いずれにしろ、「悪の魅力」漂うデンゼルはカッコ良く、滅多に観られない「惨め」な姿も拝めます（苦笑）。

>>  Hip Hop - filmography
>>  Crime, Gangster, Drug Dealer - filmography

2008-03-12

"UNFAITHFUL"（2002）

　運命の女

cast >> Diane Lane, Richard Gere, Olivier Martinez, Erik Per Sullivan, Chad Lowe, Kate Burton, Dominic Chianese, Margaret Colin, Zeliko Ivanek, Michelle Monaghan, Michael Emerson ...
producer / director >>Adrian Lyne（124min）
soundtrack >>


【unfaithful】… 誠実でない、背信的な、不実な、浮気をする
平凡でも安定した幸せな日々を送っている主婦が、ふと出逢った一人の男との情事に溺れるうちに、運命の歯車が狂っていく様を描いたサスペンス ーーー。
監督は "FLASHDANCE" "Fatal Attraction" "Nine 1/2 Weeks" のエイドリアン・ライン。
原案はクロード・シャブロル監督が 1969年に手掛けた日本未公開のフランス映画。

Unfaithful - Official® Trailer [HD]

N.Y. 郊外に住む主婦コニー（ダイアン・レイン  filmography ）は、会社を経営する夫エドワード（リチャード・ギア  filmography ）とかわいい息子チャーリーに囲まれて、理想的な家庭を築いていた。
ある風の強い日、チャーリーのバースデー・プレゼントを買うためマンハッタンに出かけたコニーは、若く魅力的な男性ポール（オリヴィエ・マルティネス  "Before Night Falls" "S.W.A.T." ）と印象的な出逢いをする。ーーー その時から「運命の歯車」は狂い始めた。"情事" という甘く危険な世界に足を踏み入れてしまったコニーは、徐々にのめり込み罪悪感を感じながらもその誘惑から逃れられない。妻の裏切りを知ってしまったエドワードは "嫉妬" と "愛" との狭間で苦しみ、事態は思いがけない方向へと向かっていく・・・・・。

'84年に "The Cotton Club" で共演したＤ・レインとＲ・ギアは、年齢を重ねて役者としての魅力を増しての再共演。違和感なく自然で息のあった二人の、目と目で交わす演技や、それぞれに追い込まれていく心理描写は秀逸。特にコニーが初めて夫を裏切った日に、グランド・セントラル・ステーションから郊外の家へと向かう列車での演技は圧巻 ーーー。
好青年だと思われたポールの変容ぶりを好演したオリヴィエ・マルティネスも印象的。心理的に追い込まれるのとは対称的に、ヤン・A・Ｐ・ カチュマレクの音楽は美しく静かで、落ち着く。

本作は趣味の悪い邦題（苦笑）と監督のイメージで「エロス」「官能的」という部分がより強調されていますが、どんどん "追い詰められていくサスペンス" です ーーー。
それにしても人間って "幸せ"なのに、それがあまりに当たり前すぎて気付かず "ないもの" や "変化" を欲しがり、取り返しのつかない状態になって初めて "代償の大きさ" を知るんですね。
「不倫は結局 "悲劇" で終わるのよ」と忠告されたにも関わらず・・・愚かだと思うけれど "理性" より "感情" に支配されれば、誰にでも起こるでしょうね。

2008-05-29

"Se7en"（1995）

　セブン

cast >>  Brad Pitt, Morgan Freeman, Gwyneth Paltrow, Richard Roundtree, John C. McGinley, R. Lee Ermey, Reg E. Cathey, Richard Portnow, Kevin Spacey ...
director >>David Fincher（127min）


キリスト教の "７つの大罪" になぞられた猟奇的な連続殺人事件を追う二人の刑事を描いたサイコ・サスペンス ーーー。
監督は本作で「密閉感あるスリラー」の名手と定評を得た、デヴィッド・フィンチャー（ "THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO" "FIGHT CLUB" "ZODIAC" ）。スタイリッシュで、ディテールにこだわった独特の世界観は秀逸。

se7en - Official Trailer

殺人事件が発生し、退職間近のベテラン刑事サマセット（モーガン・フリーマン  filmography ）は、血気盛んな新人刑事ミルズ（ブラッド・ピット "MONEYBALL" "Kalifornia"  "FIGHT CLUB" ← 監督と組む）とコンビを組むことに。極限まで肥満した男が食べ物に突っ伏したまま死に、現場には犯人が残したと思われる《GLUTTONY＝大食》の文字が。高級オフィスビルで弁護士が殺害された第２の現場には《GREED＝強欲》の文字が・・・。サマセットは、犯人がキリスト教の “７つの大罪” ＝ 《憤怒》《嫉妬》《高慢》《肉欲》《怠慢》《強欲》《大食》に基づき殺人を続けていることを確信し、ミルズにあと５人殺されると宣言する。
ーーー 犯罪史上類を見ない、冷静で冷酷な殺人を遂行しようとしている犯人は誰なのか？！　そしてその目的は？

ミルズの妻トレーシーをグウィネス・パルトロー（ "Shakespeare In Love" "The Talented Mr. Ripley" ）が好演。ショッキングな映像が続く本作ですが、サマセットとトレーシーの会話が心に残ります・・・。記者会見に応じる検事をリチャード・ラウンドトゥリー（ "SHAFT" "ROOTS" "JOE and MAX"）、FBI の部隊長をジョン・Ｃ・マッギンレー（ "PLATOON" "THE ROCK" "SET IT OFF" ）。

"Donnie Brasco（フェイク）" でジョニー・デップ＆アル・パチーノのコンビが絶妙なバランスで秀逸だったように、本作でのブラッド・ピット＆モーガン・フリーマンのキャスティングも実に秀逸。フリーマンは多くを語らずとも “目” や “背中” で語れる役者で「語らない」ことで “品位” が滲み出てくる、私にとっての名優のひとり。ロブ・ ボッティンの特殊メイクと、カイル・クーパーのタイトル・デザインも実に秀逸。ちなみに期待が大きかったせいか "ZODIAC" に納得がいかなかった私は、本作がフィンチャー作品の中で一番のお気に入り。

初めから終わりまで気が抜けない作品ですが、特にラストの “３人” のやりとりは緊迫感溢れます・・・。
フィンチャー作品のなかでもイチバンお気に入りの一本です ーーー。

>> Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）

2008-04-25

"The Manchurian Candidate"（2004）

　クライシス・オブ・アメリカ

cast >> Denzel Wahington, Meryl Streep, Liev Schreiber, Jeffrey Wright, Kimberly Elis, Jon Voight, Bruno Ganz, Ted Levin, Miguel Ferrer, Simon McBurney, Vera Farmiga, Pablo Schreiber, Teddy Dunn, Anthony Mackie...
photographer >>Tak Fujimoto
producer / director >>Jonathan Demme（130min）
soundtrack >>


“洗脳” の恐怖をモチーフに、1962年にジョン・フランケンハイマー監督が映画化したリチャード・コンドン原作の "The Manchurian Candidate（影なき狙撃者）" を、ジョナサン・デミ監督（ "The Silence Of The Lambs" "PHILADELPHIA" ）が現代風にリメイク。
一人の将校が政界の裏で渦巻く国家的陰謀に立ち向かう社会派サスペンス ーーー。
オリジナル作品の主演フランク・シナトラの娘、ティナ・シナトラが製作に加わっている。

The Manchurian Candidate (2004) - Trailer

湾岸戦争で英雄となったレイモンド・ショー（リーヴ・シュレイバー   "The Hurricane" "A Walk On The Moon" "LEE DANIELS' THE BUTLER" ）は、大物上院議員である母エレノア（メリル・ストリープ ← もの凄い存在感で、長台詞は圧巻。filmography ）の強力な後ろ盾のもと、若くして副大統領候補にまで成り上がっていた。一方、彼が所属する部隊の隊長だったベン・マルコ少佐（デンゼル・ワシントン ← "The Hurricane" でもＬ・シュレイダーと共演  filmography ）は、戦争時の “悪夢” にうなされていた。そしてある日、元部下メルヴィン（ジェフリー・ライト  filmography  "Lackawanna Blues" ← Ｌ・シュレイダーと再共演）の訴えを機に、自分たちの戦争の “記憶” は何者かに植え付けられたものではないかと疑うようになる。疑念が深まる中、マルコは独自に調査を開始するのだが・・・・・。

ロージーをキンバリー・エリス（ filmography  "John Q" ← Ｄ・ワシントンの妻役で共演）、ジョーダン上院議員をジョン・ヴォイト（ "Glory Rad" "Enemy Of The State" "ALI" ）、金で技術を売る研究者をサイモン・マクバーニー（ "The Last King Of Scotland" ）。その他、父にホセ・ファーラー + 母にローズマリー・クルーニー + 従兄弟にジョージ・クルーニーを持つミゲル・ファーラー（ "TRAFFIC" ）、アンソニー・マッキー（ filmography ）、Ｌ・シュレイダーの弟パブロ・シュレイバーなども出演。

『影なき狙撃者』は残念ながらまだ観ていないのですが、心理描写の繊細さやその積み重ねによる緊迫感は劣っていないというウワサです（苦笑）。
ただ時代性を考慮して、暗示にかけるための小道具が「トランプ」→「呼びかけ」、見えない敵が「共産主義」→「巨大軍事企業」と、設定が異なっているようです。本作を観ると、ますますオリジナル作品が観たくなります。

>>  War - filmography（戦争  映画作品一覧）

2008-07-15

"INSIDE MAN"（2006）

　インサイド・マン

cast >>  Denzel Washington, Clive Owen, Jodie Foster, Christopher Plummer, Willem Dafoe, Chiwetel Ejiofor, Kim Director, Carlos Andres Gomez, James Ransone, Ken Leung, Ashlie Atkinson, Peter Gerety, Peter Frechette ...
producer >>Brian Grazer
director >>Spike Lee（128min）
music >>Terence Blanchard
soundtrack >>


《世紀の完全犯罪は成功するのか？！　常識を覆す天才的な銀行強盗計画の驚愕の結末！》
"Malcolm X" "Mo' Better Blues" などの監督・主演コンビ、スパイク・リー（ filmography ）とデンゼル・ワシントンが再びタッグを組んだクライム・サスペンス ーーー。
銀行に人質を取って立てこもった頭脳明晰な犯人と捜査官たちの息詰まる攻防がスリリングに展開していく。

Inside Man Trailer

仲間と共に、白昼のマンハッタン信託銀行を襲撃したダルトン・ラッセル（クライブ・オーウェン "CLOSER" "The Bourne Identity" ）。彼は人質に自分たちと同じ服を着せ、銀行内に籠城する。その現場に交渉人としてＮ.Ｙ.市警から駆けつけたのは、キース・フレイジャー（デンゼル・ワシントン  filmography ）とビル・ミッチェル（キウィテル・イジョフォー  filmography  "American Gangster" ← デンゼルと共演）のコンビ。しかし、周到な計画のもとに行動する犯人グループを前に、捜査官たちも容易に動けず膠着した状態が続く・・・。
一方、事件の発生を知り激しく狼狽する同銀行会長のアーサー・ケイス（クリストファー・プラマー  "THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO" "The Sound Of Music"  "Malcolm X" ← デンゼルと共演）は、やり手の女性弁護士マデリーン・ホワイト（ジョディ・フォスター "Stealing Home" "The Brave One" ）を呼び出し、極秘で "ある依頼" を託し現場へと送り込んだ・・・・・。

その他、Ｎ.Ｙ.市警のチームを率いる隊長ジョン・ダリウスをウィレム・デフォー（ filmography ）など豪華なキャスティング。新人脚本家のデビュー作を映画化した監督は、今回も独自の映像センスが光り、緊迫する中にも随所に 'sence of humor' が織り交ぜられている。

ーーー 犯人の真の目的とは？　最後に笑うのは？！
本作を楽しむには "知らない" のがイチバンなので、今回はこの辺で（笑）。

>> Suspence - filmography（サスペンス  映画作品一覧）

2008-04-17

"High Crimes"（2002）

　ハイ・クライムズ

cast >> Ashley Judd, Morgan Freeman, Jim Caviezel, Adam Scott, Amanda Peet, Michael Gaston, Tom Bower, Jesse Beaton, John Billingsley, Jude Ciccolella, Michael Shannon, Paula Jai Parker ...
director >>Carl Franklin（116min）


ジョセフ・ファインダー原作の『バーニング・ツリー』を、カール・フランクリン監督（ filmography ）が映画化。ある事件をきっかけに露呈した "夫の過去の罪" に混乱しながらも、必死に冤罪を晴らそうと闘う妻を描いたクライム・サスペンス ーーー。

High Crimes - Trailer

優秀な弁護士クレア（アシュレイ・ジャッド  "A Time To Kill" "Kiss The Girls" ）は、建設会社を営む夫のトム・キュービック（ジム・カヴィーゼル  "DEJA VU" "THE ROCK" ）と幸せな毎日を送っていた。しかし、ある夜家に強盗が入り、警察に通報したことをきっかけに事態は思わぬ方向へ転がり出す。強盗事件を調べる過程で採取した指紋から、彼の本名が「ロナルド・チャップマン」であることが判明。かつて海兵隊の特殊部隊に所属していた彼は、エル・サルバドルで一般市民９人を殺害した容疑でＦＢＩに逮捕されてしまう。夫の無実を信じながらも、自分の知らない夫の “闇” の部分に戸惑うクレア。しかし無実を訴えるトムを救うために、軍事法廷に立つことを決意。特殊な軍事裁判を熟知する弁護士チャーリー・グライムス（モーガン・フリーマン  "Kiss The Girls" ← Ａ・ジャッドと共演   filmography ）の助けを借りて、軍の閉ざされた法廷に挑む・・・・・。

軍事法廷でトムを弁護するエンブリー中尉をアダム・スコット（ "The Aviator" ）、クレアの妹ジャッキーをアマンダ・ピート（ "SYRIANA" "Something's Gotta Give" ）、海兵隊の訴追官をマイケル・ガストン（ "Prison Brake" ）、弁護側証人のアボットをマイケル・シャノン（ "8 Mile" ）、トムの友人だというヘルナンデスをファン・カルロス・ヘルナンデス、エル・サルバドルの男をエミリオ・リヴェラなどが出演。

身の危険を感じつつも果敢に闘うＡ・ジャッドと、一癖あるけれど頼りになる “友達” Ｍ・フリーマンの関係はとてもイイ。Ｊ・カヴィーゼルは "Highwaymen" など不気味で怪しい男のイメージが強く、"The Passion Of The Chirist"（← メル・ギブソン監督で賛否両論巻き起こした問題作）でイエス・キリストを演じたときは驚きました。同じＣ・フランクリン作品でも、どちらかといえば『青いドレスの女』はキャストに、本作はストーリーに惹かれて観た作品で "裏切られる" 展開はこちらの方がキレがあります。映像特典で「原作者インタビュー」が収められており、実に賢い彼なりの「映画化」に対する考え方を誠実に語っています ーーー。

2008-07-20

"THE GIRL with the DRAGON TATTOO"（2011）

　ドラゴン・タトゥーの女

cast >> Daniel Craig, Rooney Mara, Christopher Plummer, Steven Berkoff, Stellan Skarsgard, Yorick van Wageningen, Bengt Carlsson, Robin Wright, Goran Visnjic, Geraldine James, Joely Richardson, Inga Landgre, Per Myrberg, Mats Andersson, Eva Fritjofson, Donald Sumpter, Elodie Yung, Josefin Asplund, Embeth Davidtz, Ulf Friberg, Julian Sands, Martin Jarvis, Arly Jover, Alan Dale, Joel Kinnaman ...
director >> David Fincher（158min）
soundtrack >>


2009年に映画化された（ "MAN SOM HATAR KVINNOR" ）スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラー・ミステリー３部作の１作目『ミレニアム１  ドラゴン・タトゥーの女』を、デヴィッド・フィンチャー監督（ "Se7en" "THE SOCIAL NETWORK" ）が独自の映像センスを活かして再映画化 ーーー。
40年前の少女失踪事件の真相を〈有名で公正な社会派ジャーナリスト〉＋〈驚異的な情報収集能力を持つ孤独な天才ハッカー〉とが奇妙な協力関係を築き、巨大な財閥一族の忌まわしき秘密に迫るさまを、"フィンチャー・ワールド" 全開でスリリングに描き出す。

The Girl with the Dragon Tattoo HD Trailer - David Fincher Version

（↑ 流れているのはレッド・ツェッペリンの "Immigrant Song〈移民の歌〉" のカヴァー）

社会派雑誌『ミレニアム』のジャーナリストであるミカエル（ダニエル・クレイグ  "THE POWER OF ONE" "ROAD TO PERDITION" ）は、スウェーデンを揺るがせた大物実業家の不正を暴く告発記事を書いたものの、逆に名誉毀損で敗訴し休職中。窮地に陥っていた・・・。
そんなある日、国内有数の企業グループの元会長ヘンリック・ヴァンゲル（クリストファー・プラマー  "Biginners" ← 史上最年長でアカデミー賞【助演男優賞】を初受賞！  "INSIDE MAN" "SYRIANA" ）からある依頼が舞い込む。表向きは名家の『家族史編纂』という名目だが、真の目的はヘンリックが 40年前に我が子のようにかわいがっていた少女ハリエットが、一族が住む孤島から忽然と姿を消した未解決失踪事件の真相究明 ーーー。
やがて調査が行き詰まったミカエルに、ヘンリックの弁護士で親友のフルーデ（スティーヴン・バーコフ  "BEVERLY HILLS COP" "THE TOURIST" ）から、アウトローだが天才ハッカーの "ドラゴン・タトゥーの女" リスベット（ルーニー・マーラ  "THE SOCIAL NETWORK" ← 冒頭でザッカーバーグを振る役で監督と組む）を紹介される。実は彼女は、フルーデがミカエルにこの件を一任するにあたり信用に足る人物か身元調査を依頼した人物で、ミカエルのことをよく知る人物。
やがてリスベットはハリエットの日記に記された "聖書にまつわる数字" が、ロシア国境付近で未解決のままとなっている連続猟奇殺人事件と関連があることを突き止めるのだが・・・・・。

ヘンリックの孫で、現ヴァンゲル・インダストリー会長のマルティンをステラン・スカルスガルド（ "AMISTAD" "THE HUNT FOR RED OCTOBER" ）、リスベットの後見人ホルゲルをベンクトゥ・カールソン、ホルゲルが脳卒中で倒れたためリスベットの法律上の後見人となったニルス・ビュルマンをヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン（ "THE NEW WORLD" ）、ミカエルとは『ミレニアム』のビジネス・パートナーであり20年来の付き合いがあるエリカをロビン・ライト（ "MONEYBALL" "FORREST GUMP" ）、警備会社ミルトン・セキュリティのＣＥＯで、リスベットの能力を買っているアルマンスキーをゴラン・ヴィシュニック（ "Biginners" ← Ｃ・プラマーと共演  "ER"〈TV〉シリーズのコバッチュ役でお馴染み）、未解決のままのハリエット殺害事件に執着している警部補のモレルをドナルド・サンプター（ "THE CONSTANT GARDENER" ）、マルティンとハリエットの従姉妹で島から離れ、一族と疎遠な生活を送っているセシリアをジェラルディン・ジェームズ（ "CALENDAR GIRLS" ）など。

やはり『連続猟奇殺人事件』とくればフィンチャーの独壇場でしょう！（本領発揮＆秀逸）
彼の作品はなんだかんだと全部観ていますが、でもやっぱり "Se7en" を超える作品はなかなか・・・（個人的意見）。
本作で思いっきりカラダを張ったＲ・マーラですが、予想通り？【主演女優賞】受賞はなりませんでしたね。
長尺を感じさせないテンポの良さで魅せるストーリーは展開はさすがですが、一段落した後、一体どこまでを描くのだろう？と思いきや、今回はずいぶん "人間らしい" 哀しいラストで意表をつかれました（意外）。

>>  Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）
>>  Crime, Gangster, Drug Dealer - filmography（クライム・ギャング・ドラッグディーラー  映画作品一覧）

 

"FALLEN"（1997）

　悪魔を憐れむ歌

cast >> Denzel Washington, John Goodman, Donald Sutherland, Embeth Davidtz, James Gandolfini, Elias Koteas, Gabriel Casseus, Michael J. Pagan, Robert Joy, Reno Wilson, Cress Williams ...
director >> Gregory Hoblit（124min）


《腕利き刑事が捜査の果てに見た驚愕の真実 ーーー 悪魔の歌が聴こえる》
ある善良な刑事が、彼に取り憑く悪霊（＝悪魔）との闘いを描いたホラー・サスペンス ーーー。
監督はグレゴリー・ホブリット（ "PRIMAL FEAR" "UNTRACEABLE" ）、脚本はニコラス・カザン（← 巨匠エリア・カザン［ "EAST OF EDEN" "ON THE WATERFRONT" ］の息子  "ENOUGH" ）、タイトル・デザイン及びオープニング・クレジットの映像は、いかにもセンスがいいカイル・クーパー！（ "Se7en" "Donnie Brasco" ）
思わず口ずさんでしまう、本作のカギでもある "Time Is On My Side" は '64年のローリング・ストーンズのナンバー。

Fallen (1998) Theatrical Trailer

敏腕刑事のジョン・ホブス（デンゼル・ワシントン  filmography ）は、凶悪な連続殺人犯リース（イライアス・コティーズ  "SHOOTER" "THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON" ）を逮捕。処刑室に送り込んだが、死刑執行の直前、立ち会うように呼び出され渋々出向くと、リースはホブスに握手を求め、意味不明な "呪文" を唱え「俺は自由になって戻ってくる」と不気味な言葉を残した・・・。
リースの "死" によりすべての決着がついたと思われた矢先、不気味な言葉を裏付けるかのように、犯行現場に謎のメッセージを残す、リース同様の手口の連続殺人が続発 ーーー。次々と起こる殺人事件と、浮かび上がる不可解な謎・・・。ホブスは相棒のジョーンジー（ジョン・グッドマン  filmography ）と事件を追ううちに、名刑事でありながら殺人容疑をかけられ "謎の死" を遂げたロバート・ミラノ警部補の存在を知る。真相を知るべく、ミラノの娘で神学教授であるグレタ（エンベス・デイヴィッツ  "SCHINDLER'S LIST" ）を訪ねるが、彼女は口を閉ざしたまま ーーー。
仕方なくホブスはミラノが亡くなった山荘を訪れ物色しているうちに、壁に塗り隠されていた "ASASEL（アザゼル）" の文字を発見。リースの死刑が "悪夢のプロローグ" に過ぎなかったことを実感し、"人知を超えた存在との対決" を決意するのだが・・・・・。

ホブスの弟アートをガブリエル・カソーズ（ filmography ）、その息子のサムをマイケル・Ｊ・ペイガン（ filmography ← 本作で映画デビュー）、ホブスの上司のスタントン警部補をドナルド・サザーランド（ filmography ）、同僚のルーをジェームス・ガンドルフィーニ（ "CRIMSON TIDE" "THE TAKING OF PELHAM 123" ← これらでもデンゼルと共演）、殺害されてしまうピザ屋の店員チャールズをロバート・ジョイ（ "CSI: NY"〈TV〉シリーズ ← シド役）。

本作では "人知を超えた悪霊" の視点のときのみ、わかりやすく映像が加工されています。
♪ Time is on my side  Yes, it is ♪♪ と口ずさみながら次々と悪霊が乗り移っていく様と、その大胆不敵な笑みは、なんとも恐ろしい・・・。
冒頭のナレーションに "あるヒント" が隠されていますので、お聞き逃しなく！

>>  Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）

 

"IN THE LINE OF FIRE"（1993）

　ザ・シークレット・サービス

cast >> Clint Eastwood, John Malkovich, Rene Russo, Dylan McDermott, Gary Cole, Fred Dalton Thompson, John Mahoney, Gregory Alan Williams, Jim Curley, Clyde Kusatsu, Steve Hytner, John Heard, Tobin Bell ...
executive producer / director >>Wolfgang Petersen（129min）
music >>Ennio Morricone


《ＪＦＫを守れなかった一人の男。》
大統領暗殺を狙う謎の男と、過去に "傷" を持つシークレット・サービスとの対決を軸に描いたヒューマン・サスペンス ーーー。Ｃ・イーストウッドが1970年以来、23年ぶりに "役者のみ" で参加し、若くてタフなヒーローではない、"老練で人間味あふれる男っぷり" を披露。監督はウォルフガング・ペーターゼン（ "OUTBREAK" "TROY" ）、音楽はエンニオ・モリコーネ（ "FOR A FEW DOLLARS MORE" ← イーストウッドと組む  "ONCE UPON A TIME IN AMERICA" ）。

1963年 ＪＦＫ暗殺を阻止できず、それ以来深い "自責の念" に苛まれてきた一匹狼的な異端児のシークレット・サービス・エージェントのフランク・ホリガン（クリント・イーストウッド  filmography ）ーーー。
現合衆国大統領の再選キャンペーンが始まる頃、大統領暗殺の脅迫が届いた。やがてホリガンのもとに、彼がＪＦＫ護衛に失敗した過去を知る謎の男ミッチ（ジョン・マルコヴィッチ  filmography ← "CHANGELING" でイーストウッドと組む）から、今度は護りきることができるのかと、挑発的な電話が度々入るようになった。居場所を特定されないよう、電話に逆探知できないよう細工できる技量を持つ、イカれた男から大統領を護るため、"老いぼれ" には務まらないという周囲の反対をよそに、ホリガンはキャンペーン護衛の現場に復帰。ミッチは大統領はもちろん、ホリガンの行動も逐一監視。こうして素性のわからない暗殺者と、長年の "勘" が頼りのＳ・Ｓとの危険な "ゲーム" が始まる・・・・・。

若くて臆病ながら、次第にホリガンの良き相棒へと成長をみせるアルをディラン・マクダーモット（ filmography ）、ホリガンの良き理解者で、彼の現場復帰にも尽力するサムをジョン・マホーニー（ "PRIMAL FEAR"  "ER XIII" ← ゲスト出演ながら、老いぼれた女装家役が忘れられません！）、Ｓ・Ｓでホリガンの現場復帰に反対のビル・ワッツをゲイリー・コール（ "GANG RELATED" ）、女性護衛官のリリー・レインズをレネ・ルッソ（ "OUTBREAK" ← 監督と組む  "MR. DESTINY" ）、大統領補佐官でホリガンを目の敵にして追い出そうとするハリーをフレッド・ダルトン・トンプソン（ "DIE HARD 2" ）ら。

撮影時、イーストウッドは62 or 63歳。作品中、体力的な衰えは巧く活かされ、そのうえまだまだ衰えない "色気" は見事！・・・としか言いようがナイ（笑）。おまけにバーでのピアノ演奏シーンといい、シニカルで小粋な台詞といい、監督がよっぽどのイーストウッド・ファンなのか、それとも本人の意見をふんだんに取り入れたのか、 "役者のみ" の参加ながらほとんど違和感のないイーストウッド作品のよう！
相棒役のＤ・マクダーモットもイーストウッドの "年の差バディ" としてイイ味出してますし、変装の名手であり、国家によって "つくられた" 狂気のマルコヴィッチもさすが！（巧）
２人の対決の行方を "瞳（め）" をこらしてご覧ください ーーー。

>>  Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）
>>  Drama - filmography（ドラマ  映画作品一覧）（A-L）

 

"EDISON"（2005）

　F.R.A.T. / 戦慄の武装警察

cast >> Morgan Freeman, Kevin Spacey, Justin Timberlake, LL Cool J, Dylan McDermott, John Heard, Cary Elwes, Roselyn Sanchez, Damien Dante Wayans, Garfield Wilson, Marco Sanchez, Darryl Quon, Andrew Jackson, Tim Paul Perez, Piper Perabo  ...
writer / director >>David J. Burke（99min）《劇場未公開》


【F.R.A.T.】… First Response Assault & Tactical（初期対応急襲戦術機動部隊）
警察の精鋭部隊【F.R.A.T.】の影に潜む "不正" を、"ペンの力" で暴こうとする新人ジャーナリストと、少数の "良心" を持つ者たちが、真相を暴くために命懸けで挑むサスペンス・アクション ーーー。
監督・脚本は、長年ドキュメンタリーを撮ってきた手腕が活かされたデヴィッド・Ｊ・バーク（← アシュフォードの部屋に飾られた "写真" が、語りかけます）。

Edison - Trailer

警察の精鋭部隊【F.R.A.T.】のルーキー、ディード（ＬＬ・クール・Ｊ  "S.W.A.T." "ANY GIVEN SUNDAY" ）は、相棒のラザロフ（ディラン・マクダーモット  filmography ）と共にマフィアのアジトに潜入。そしてディードはブツと金を押収したラザロフが犯人の一人を "射殺" し、"口ウラ" をあわせるよう強要するのを、為す術もなく目撃 ーーー 同僚たちに抱いた "疑問" は、日増しに膨らむばかり・・・。
一方、裁判を傍聴した若いジャーナリストのポラック（ジャスティン・ティンバーレイク  "THE SOCIAL NETWORK" "BLACK SNAKE MOAN" ）もこの事件に強い "不信" を抱いて記事を書く ーーー が、尊敬する上司アシュフォード（モーガン・フリーマン  filmography ）に「記事に必要なのは "真実" で、"仮説" は要らない」と指摘され、自信過剰の若造はクビにされてしまう。それでも諦められないポラックは、"何者かの妨害" を受けながらも、命懸けで独自の調査を開始。
そんな折、ポラックは連邦捜査官で内部調査担当のウォレス（ケヴィン・スペイシー  filmography ）の助言で、ディードと協力して事件の "唯一の生き残り"（ダミアン・ダンテ・ウェイアンズ ← ウェイアンズ兄弟の甥っ子  "PASSING GLORY" ）から重要な "証言" を得て、アシュフォードとウォレスと共に地方検事のレイガート（ケイリー・エルウィズ  "GLORY" "KISS THE GIRLS" ← これらでもＭ・フリーマンと共演）に報告するが、その翌日、証人が "死体" となって発見される・・・。
一体、事件の裏で何が起こっているのか？　彼らは暴くことができるのか・・・・・？！

【F.R.A.T.】の長 ティルマンをジョン・ハード（ "THE PELICAN BRIEF" "AWAKENINGS" ）、ディードの恋人マリアをロゼリン・サンチェス（ "BOAT TRIP" "BASIC" "YELLOW" ）、ポラックの恋人ウィローをパイパー・ペラーボ（ "COYOTE UGLY" ）など。

この作品がなぜ劇場公開されなかったのか、？？です（苦笑）。
現実味のあるストーリーは信憑性があり、何よりも一人の若者のまっすぐな "情熱" に周囲が動かされて、危険を承知の上、正義のために "不正" を暴いていく様がイイ！
Ｍ・フリーマン × Ｋ・スペイシーという２人のオスカー俳優の共演もさることながら、個人的には "RED" のモーガンより、"THE SOCIAL NETWORK"のジャスティンより、本作の方が好き（秀）。
映画ならではの銃撃シーンも楽しめますが（笑）、ありがちで単純なアクションを連想させる、この悪趣味な邦題はいただけない（← ダメ）。
なぜ原題が "EDISON（エジソン）" なのか、気になる方はぜひどうぞ。

>>  Suspense - filmography（サスペンス  映画作品一覧）
>>  Crime, Gangster, Drug Dealer - filmography（クライム・ギャング・ドラッグディーラー  映画作品一覧）