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~ Recommended "Movie" & "Music" ~
あなたの「心」、ちゃんと感じますか?

"HOOP DREAMS"(1994)

2016-02-10 17:12:22 | Documentary

 フープ・ドリームス

cast >> William Gates, Arthur Agee, Emma Gates, Curtis Gates, Sheila Agee, Arthur "Bo" Agee, Earl Smith, Gene Pingatore, Isiah Thomas, Sister Marlyn Hopewell, Bill Gleason, Patricia Weir, Marjorie Heard, Luther Bedford, Aretha Mitchell, Spike Lee ...
writer / producer / director >>Steve James(169min)
soundtrack >>



シカゴ郊外の貧困地域に暮らしながらも、"NBAのスター選手" になることを夢見る2人の黒人少年の "4年間" を記録したドキュメンタリー作品 ーーー。
当初はTV用「30分」の短編 "Higher Goals"(← エミー賞受賞)として製作された企画を、8年の歳月を経て「169分」の長編として完成。大半はビデオで撮影されたが、後に35ミリ・フィルムに変換。アメリカでは '94年に劇場公開され、ドキュメンタリーとしては異例の大ヒットを記録。日本でも '95年山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された。
監督・製作・脚本・ナレーターは、社会問題やスポーツ関連のドキュメンタリーで活躍するスティーヴ・ジェームズ( "PASSING GLORY" ← 本作の主役A・エイジーが出演)。

HOOP DREAMS trailer


シカゴのスラムで暮らす貧しい2人の黒人少年、アーサー・エイジー( "HE GOT GAME" ← オープニング・モンタージュにクレジットなしで出演)とウィリアム・ゲイツ ーーー 共に14歳。
ある日、ストリートでバスケットボールの "素質と才能" を見込まれた2人はスカウトの目にとまり、貧困から抜け出し夢を叶えるためにNBA選手を育てた実績のあるバスケットの名門高校への進学を勧められる。しかし名門校の "スポーツ奨学金の矛盾"・未知の "環境への不適応"・黒人低所得層の "家庭環境と崩壊"・不運な "ケガ"・大学へ進学するために必要不可欠な "成績の壁(=落とし穴)" など、深刻な社会問題を織り込みつつ、それぞれの "栄光" や様々な "挫折" を繰り返しながらも夢を掴もうとする彼らの "現実" を浮かび上がらせていく・・・・・。

これは2人の少年が歩んだ "4年間という歳月" を「169分」に凝縮した人生の縮図 ーーー。
そこにはとても語り尽くせない「アメリカ社会」の実態が詰まっており、"アメリカン・ドリーム" を掴み取るのがいかに困難なことなのか ーーー 個々のパーソナリティや置かれた環境が違っても "いつ何が功を奏するのか" 、"明日何が起こるのか" は誰にもわからないという現実を目の当たりにします。
スポーツに限らず、"こうすれば必ず成功できる" という方程式は存在しません。
どこで逆転劇が起こるか、または転落するのか。ピンチがチャンスに変わることもあれば、時には軌道修正する勇気も必要になるでしょう。
だからこそ、どんな状況下にあっても "あきらめないコト" 、"夢を持ち続けるコト" がいかに大切か身に沁みるし、必ずしも夢を叶えることだけが人生の成功ではないことも教えてくれる、秀逸な作品です ーーー。
個人的にはガッカリさせられる "くだり" もありますが、とにかくじっくりと観る価値のある作品です。

>>  Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)
>>  Sports - filmography(スポーツ  映画作品一覧)
>>  Black Movie - filmography(ブラック・ムーヴィー  映画作品一覧)

2011-05-05

 

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"STEVIE WONDER: Songs In The Key Of Life"(1997)

2016-02-10 15:36:36 | Documentary

 メイキング・オブ・キー・オブ・ライフ

musicians >> Stevie Wonder, Nathan Watts: bass, Dean Parks: acoustic guitar, Larry Gittens: trumpet, Raymond Pounds: drums, Ben Bridges: guitar, Hank Redd: alto saxophone, Ronnie Foster: keyboards, Mike Sembello: guitar, Trevor Lawrence: tenor saxophone, Isiah "Greg" Brown: drums, Steve Madaio: trumpet, Raymond Maldunado: trumpet
cast >> Stevie Wonder, Berry Gordy, Quincy Jones, Herbie Hancock, Aisha Morris & Yolanda Simmons, Coolio ...
director >>David Heffernan(75min)


本作はイギリスのキャッスル・コミュニケイションズ、アイシス・プロダクション、ダニエル・テレビジョンの3社が、イギリスのBBC、アメリカのVH-1、オランダのNCRV局と共同製作し、各国のTV局で放送された後、一般用に発売されたもの。
1976年10月に発売され、初登場でビルボード No.1という快挙を成し遂げ、スティーヴィー・ワンダーdiscography )のキャリアの中でも最高傑作の一枚として、アメリカの音楽史上、とりわけ '70年代のポップ、ロック、ブラック・ミュージック史における masterpiece である2枚組アルバム "キー・オブ・ライフ" ーーー。
ポピュラー・ミュージックを偉大な "芸術" にまで高めたと同時に、商業的成功も収め、それまでなかった音楽評論家とグラミー賞投票者との "意見の一致" を得ての、グラミー賞4部門【アルバム・オブ・ジ・イヤー / プロデューサー・オブ・ジ・イヤー / ベスト・ポップ男性シンガー / ベストR&B男性シンガー】獲得。この名盤中の名盤が完成するまでを、スティーヴィー自身やアルバム製作に携わったメンバーたちが直接語り、久々に集まってスタジオ演奏も披露する貴重な作品。

Songs In The Key Of Life Part 1


【chapter】1. Introduction(イントロダクション)/ Contusion(負傷)
       2. Isn't She Lovely(可愛いアイシャ)/ Ngiculela - Es Una Historia - I Am Singing(歌を唄えば)
       3. I Wish(回想)
       4. If It's Magic(イフ・イッツ・マジック)
       5. Sir Duke(愛するデューク)
       6. Pastime Paradice(楽園の彼方へ)
       7. Saturn(土星)
       8. Village Ghetto Land(ヴィレッジ・ゲットー・ランド)
       9. I Wish(回想)
     10. Have A Talk With God(神とお話)
     11. Black Man(ブラック・マン)
     12. As(永遠の誓い)
     13. I Wish(回想)

久々に顔をあわせたメンバーたち(← マイケル・センベロ〈 discography 〉の機関銃トークがスゴイ・笑)や、当時のモータウン社長ベリー・ゴーディ、娘のアイシャとその母が明かす秘話や、曲に込められた "想い"、その他クインシー・ジョーンズ( filmography )やアルバムで一曲ながら参加しているハービー・ハンコック( discography )、"Pastime Paradise" をサンプリングしたクーリオらが惜しみない称賛を送っています ーーー。
あまりにも時代を超越した "名盤" すぎて今さら語る必要もないでしょうが、"愛聴盤" にしている方もこれから聴こうという方にも、より理解を深め、ますますこの一枚を身近に感じさせてくれる作品です。
余談ですが、最近「完全限定生産」で再発されている "SHM - CD"・・・困るんだよなぁ(ため息)。
「高音質」+「限定」に弱い私(苦笑)。お金はかかるし、同じCDが2枚ずつ並ぶことに・・・マイっちゃうけど、コレクターだから欲しくなっちゃうんだよなぁ。"Songs In The Key Of Life" も、もちろん買い直しましたよ(辛・笑)。


>>  Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)
>>  Music(DVD/LD)- discography

2009-02-12

 

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"Earth, Wind & Fire: SHINING STARS"(2001)

2016-02-06 11:52:39 | Documentary

 EW&F ~ シャイニング・スターズ

Maurice White, Verdine White, Philip Bailey, Ralph Johnson, Larry Dunn, Andrew Wolfolk, Al McKay, Johnny Graham, Fred White, Sheldon Reynolds, Ramsey Lewis Trio, Louis Satterfield, Wyclef Jean, Eric Benet ... etc.(90min)


~~ The official story of "Earth, Wind & Fire" ~~
世紀を超えて "アース・ウィンド&ファイアー"( discography )という、ひとつの「ジャンル」を確立した彼ら唯一のオフィシャル・ヒストリー。

Earth, Wind & Fire (1/21) - Shining stars (Documentary)

チェス・レコード(cf. "Cadillac Records" )でのスタジオ・ドラマーから『ラムゼイ・ルイス・トリオ』を経て、モーリス・ホワイトが中心となって結成され、'70年代から '80年代初頭に "時代" を築いたアース・ウィンド&ファイアー。
その30年に及ぶ歴史(← 2001年製作)を紐解き、バンド名の由来や結成から成功を収めた華やかな時代、活動停止を決断し苦悩した時代、そして今日に至るまでのエピソードや、歌詞や曲に込められた想いなどを、当時の貴重なライヴ映像 etc. を振り返りながら、モーリス・ホワイトをはじめ、フィリップ・ベイリー、ヴァーディン・ホワイト(← モーリスの実弟)、アル・マッケイ、ラリー・ダン、ラル フ・ジョンソン、ジョニー・グラハム、フレディ・ホワイト(← 同じくモーリスの実弟)、アンドルー・ウルフォークら、オリジナル・メンバーによって語られる。

Earth, Wind & Fire (20/21) - Shining stars (Documentary)

"音楽の殿堂入り" という名誉を受けて「20年ぶり」に不動を誇っていたオリジナル・メンバーが集結 ーーー。
メンバーが脱退したとき、彼らの音楽が "disco" の波に呑まれて誤解されたとき、モーリスが病を患いライヴから姿を消したとき・・・・・すべてを超えてのこのステージは、何度観ても熱いものがこみあげます。それぞれ年齢を重ねて、より素敵。シビれます!
"不遇な時代" を切り拓いてきた彼らのようなバンド(存在)は、今後二度と現れないでしょう。
"EW&F" を知らなくても、彼らの曲を聴いたことがない人はいないハズ。
映画同様 "時代" を肌で感じとるのは容易ではありませんが、知らない人にこそ "知って" ほしいです。
彼らを愛して止まない私はいくらでも語れますが、あえて語りたくないのでこの辺で(笑)。

Earth Wind amp Fire quot Beijo Brazilian Rhyme quot
ちなみに、私の携帯メールの着メロはコレ "Brazilian Rhyme"(絶対・笑)。
iPhone にしてからはアラームに♪(笑)

2008-06-20

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"WATTSTAX"(1972)

2016-02-02 14:22:22 | Documentary

 ワッツタックス / スタックス・コンサート

cast >> Isaac Hayes, The Staple Singers, Luther Ingram, Johnnie Taylor, The Emotions, Rufus Thomas, Carla Thomas, Albert King, The BAR-KAYS, Richard Pryor ...
producer / director >>Mel Stuart(103min)
soundtrack >>


ソウル・ミュージック不滅の名門レーベル "スタックス・レコード" ーーー。
その所属アーティストのほとんどが出演した"黒いウッドストック" とも呼ばれる伝説のコ ンサートを収録した本作は、もはや歴史の1ページ。この真夏の大規模な野外コンサートを企画したのはスタックス・レコードのアル・ベルで、デヴィッド・L・ウォルパー( filmography )と共に本作の製作総指揮を務めている。

WATTSTAX - Original Trailer Film (1972 "Black Woodstock" Concert, Memorial Coliseum L.A.)


1972年 8月20日、L.A.の黒人居住地区にあるメモリアル・コロシアムで行われた、黒人アーティストたちによる "スタックス・コンサート" ーーー。
本作はその豪華な出演者たちによるコンサートのドキュメントに、当時の黒人たちの "宗教・政治・社会・風俗・愛・生活" などについての意見や主張を織り交ぜて構成されており、その進行役をアメリカ社会に巣くう "黒人差別" を逆手に取った過激なジョークの、リチャー ド・プライヤー( filmography )が務めている。ライヴ映像も満喫できるが、ワッツ地区の暴動から7年を経た彼らの生活の記録という、ドキュメンタリーとしての価値が極めて高い。

当時、黒人の誇りを高々と掲げたこの "ワッツタックス" は、アフリカ系アメリカ人が "プライド" という言葉を堂々と口にすることができる数少ない機会で、ジェシー・ジャクソンの『私はひとかどの人間である』という宣言で幕を開ける。
主なアーティストは、アイザック・ヘイズ(← ラストを飾る "SHAFT" は圧巻! "HUSTLE & FLOW" "BaadAsssss Cinema" "I'm Gonna Git You Sucka" )、アルバート・キング、ザ・バーケイズ、ザ・ステイプル・シンガーズ、ルーサー・イングラム、ルーファス&カーラ・トーマスなど。
入場料は「1ドル」。売上げは財団や、マーティン・ルーサー・キング病院などの団体をサポートするワッツ・コミュニティに寄付された。

豪華なアーティストのパフォーマンスを楽しみながら "時代" を強く感じる作品です。
"生" の迫力は凄まじかっただろうなぁ・・・。

>> Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)

2008-08-13

 

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"Gospel According To Al Green"(1984)

2016-01-29 14:46:46 | Documentary
ゴスペル・アコーディング・トゥ・アル・グリーン

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Dierector >>  Robert Mugge(94min.)


1946年 アーカンソー州出身、その唄声が世界中で愛されて続けているソウル・シンガー “アル・グリーン” ーーー。
ゴスペルをルーツに、R&B・ソウルやポップ・ミュージックなど、幅広いフィールドでアメリカ音楽界を代表するアル・グリーンの自伝的ドキュメンタリー。ワシントンD.C.でのライブや、教会での音楽説教などのパフォーマンスや関係者のインタビューなどの貴重な映像から、彼の “ミュージシャン” としての人生を紐解く。

       【chapter】1. All We're Got To Do
                           2. Let's Stay Together
                           3. Free At Last
                           4. Gospel: Going the Spiritual Way
                           5. She Loved Me
                           6. Religious Calling
                           7. The Full Gospel Tabernacle
                           8. I Love You With All My Heart

Al Green- Let Stay Together
↑ 本作からのライヴ映像(ティナ・ターナー"Private Dancer" でカヴァー)


クリエイション、ソウル・メイツといったソウル・グループでの活動後、1967年にソロとなる。
1969年 ハイ・レコードのプロデューサー、ウィリー・ミッチェルと出逢い、1971年のアルバム "Gets Next To You" と翌年の "Let's Stay Together" のヒットで、一躍スターへ ーーー。
しかし1974年、ガール・フレンドから熱湯を浴びせられ、重度のやけどを負った上に、その後彼女は自殺・・・。この出来事に深く心を痛めた彼は「牧師」になる決意。1980年代以降はゴスペル・シンガーに転身し、牧師として宣教活動に力を入れる。そんな中、1984年の彼の姿を追ったドキュメンタリー作品が本作。1990年代後半より、ゴスペルと平行してソウル・シーンに戻ってきた彼の楽曲は "Pulp Fiction" "Menace II Society" など多数の映画で使われたり、多くのアーティストにカヴァーされています。

Al Green-Love And Happiness (Live)
(※本作とは関係ありませんが、3 or 4年ほど前のライブ映像。
デイヴィッド・サンボーンのライヴ ver. はこちら。)


 >> Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)

2008-09-20


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"Quincy Jones: In The Pocket"(2001)

2016-01-23 16:50:00 | Documentary

 クインシー・ジョーンズ:イン・ザ・ポケット

cast >> Quincy Jones, Sidney Poitier, Lionel Hampton, Count Basie, Michael Jackson, Frank Sinatra, Harry Belafonte, President Bill Clinton, Maya Angelou, Oprah Winfrey, LL Cool J ..... and more
writer / producer / director >> Michael Kantor(87min)


作曲家・ミュージ シャン・アレンジャー・プロデューサー・企業家と「多才」で「多彩」な顔を持ち、"ブラック・ミュージックのパイオニア"、そして "アメリカ・ポピュラー 音楽界の偉人" でもある、本名 "Quincy Delight Jones Ⅱ(クインシー・ディライト・ジョーンズ二世  filmography / discography )" ーーー。
"ブラック・ミュージック" を世代を超えてポピュラーなものにし、なおかつビジネスマンとしてもアフリカ系アメリカ人に多大な道を拓いた彼の半生を、本人および多数の関係者のインタビューとアーカイブ映像で辿るドキュメンタリー。
本作はアメリカ文化史の偉人たちをフィーチャーした "American Masters" というシリーズの一本で、アメリカのTV局 PBSで2001年に放映されたもの。

   Act _ 1  イントロダクション
   Act _ 2  幼少期 ~ ジャズ・アーティスト
   Act _ 3  映画音楽
   Act _ 4  マイケル・ジャクソン ~ ウィ・アー・ザ・ワールド
   Act _ 5  プロデューサー・ワーク
   Act _ 6  エピローグ

クインシー自らシカゴの生家を訪ね、そこで語る子供時代の想い出や、デビュー間もない頃の活動、映画音楽制作、マイケル・ジャクソン( discography )との出逢い、アフリカ飢餓救済ソング "We Are The World" のレコーディング秘話、息子 "QD3" とのセッションなど貴重な映像満載。
ハリー・ベラフォンテ(歌手・俳優  "Carmen Jones" )がナレーターを務め、インタビューでは彼の家族を始め、シドニー・ポワチエ(俳優  filmography )、シドニー・ルメット(映画監督 "THE WIZ" "The Verdict" )、メリー・メル(MC  "I Feel For You" )、ビル・クリントン(元アメリカ大統領)などが、彼の多角的な功績を語る ーーー。

Quincy Jones In The Pocket


本作を観ると故レイ・チャールズとの関係(← "Ray" での二人の出逢いのシーンが思い浮かびます)や、"In The Heat Of The Night" "ROOTS" "The Color Purple" "In Cold Blood" などの映画音楽制作の裏側が観られます。
ちなみに、名前も知らないオプラ・ウィンフリーをTVで見て「彼女こそがソフィアだ!」と世に送りだしたのもクインシー。現在オプラはオバマ氏を応援しているのに、なぜクインシーはヒラリーさんを応援しているのか?「謎」が解けます(苦笑)。

彼の名を聞いてピンとこなくても、彼の曲は「必ず」耳にしたことがあるハズ。
マイケル・ジャクソンはもちろん、少し前に山田優さんがイメージキャラクターに起用された CM「カナダドライ  ジンジャーエール  ライト」で流れていた "AIi No Corrida""Soul Bossa Nova" は映画 "Austin Powers" のテーマ曲。
ちょっと古くは、米刑事ものの TV ドラマ『鬼警部アイアンサイド』のテーマ曲が伝説の生放送ワイドショー『ウィークエンダー』のジングルとして使用されていましたね(笑)。エンドクレジットに流れるのは "Stuff Like That"

Heaven's Girl - Quincy Jones

Featured Artists: R Kelly, Ron Isley, Aaron Hall & Charlie Wi
lson with Naomi Campbell  "from Q, with love"
( "Q" の歴史を垣間見ることができる貴重な映像があったのですが、削除?されたようなので、曲だけ・笑)


ーーー "Quincy Jones" は、個人的に"最も敬愛する" 人物の一人。
語ればキリがないけれど、1933年生まれの彼が、まだまだ活躍することを心より祈るばかり・・・(願)。

>> Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)
>> "Quincy Jones: Live At Budokan 1981" はこちら。
>> "Quincy Jones: Live At Montreux 1996" はこちら。

2008-03-24


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"Ray Charles / The Genius Of Soul"(1992)

2016-01-23 15:47:47 | Documentary

 ザ・ジニアス・オブ・ソウル

performer >>  Ray Charles (vo, p) / Louis Jordan (vo) / Count Basie (p) / Muddy Waters (vo, g) / Quincy Jones (tp) / Nat "King" Cale (vo, p) / Charles Brown (vo, p) / Leroy Cooper (bs) / Philip Guilbeau (tp) / Hank Crawford (as) / David "Fathead" Newman (ts) / Roy Acuff (vo) / Hank Williams (vo, g) / Willie Nelson (vo, p)
interview >>  Ray Charles, Billy Joel, Dizzy Gillespie, Dr. John, Quincy Jones, Billy Preston, Willie Nelson, David "Fathead" Newman, Hank Crawford (as musical director), James Clay (ts), Merry Clayton (Raelette), Ahmet Ertegun (Co-founder / Atlantic Records), David Rits (Biographer), Ray Charles Jr. ...


ゴスペル、ジャズ、ソウル、カントリー&ウエスタン ーーー あらゆるジャンルの音楽をクロスオーヴァーさせ、"SOUL MUSIC(ソウル・ミュージック)" という概念をアメリカ音楽史に定着させた、天才レイ・チャールズの、貴重なライブ映像やインタビューをふんだんに織り込んだ音楽ドキュメンタリー。

   Act _ 1  7歳で盲目に、15歳で孤児に
   Act _ 2  新天地シアトルへ
   Act _ 3  『 6-9 』『 7-0 』、生涯の友との出会い
   Act _ 4  初レコーディングへ
   Act _ 5  アトランティックへ移籍。「ゴスペル」と「ブルース」の融合
   Act _ 6  ABC へ移籍。カントリーにも手を出し、広範なファンをつかむ
   Act _ 7  ドラッグ・ゲームをサバイバルして
   Act _ 8  クロスオーヴァー・レコード ~ 経済的自立と音楽的自立を求めて
   Act _ 9  ブラザー・レイの「ソウル」

本作を観ると、映画 "Ray/ レイ" がいかに事実に忠実につくられた作品か、ジェイミー・フォックス( filmography )がいかに優れた演技をしたか、裏側から観ることができるし、劇中使われたほとんどの曲も収録されている(← もちろん "Ray" が製作されたのは本作よりずっと後)。
レイは自らシアトル時代を振り返って「ミュージシャンとして頭角を表してきた時期だと考えている。だが、それと同じくらい重要なことが、クインシー・ジョーンズ( discography / filmography )との出会いだ」と語り、まるで血を分けた兄弟のように ーーー 亡くしてしまった弟ジョージのように思えたのかもしれない ーーー "生涯の友" であると語っている。

一聴してすぐわかる彼の "声" と、どんな曲でも "SOUL" を込めて "自分の唄" にしてしまうレイ。
ジョージア州の黒人差別に反対しコンサートをキャンセルしたため同州から追放されていた彼が、1979年4月24日、追放を撤廃したジョージア州議会に迎え入れられ  " Georgia On My Mind(わが心のジョージア)" が正式な州歌と定められたのは周知の事実ですが、これですら彼のオリジナル曲ではありません。
小学生当時「ザ・ベストテン」で、確か7週連続1位だったサザンオールスターズ『いとしのエリー』をカバーした " Ellie My Love (1989)" がすっかり "彼の曲" になっていたのを聴いたときの感動も未だ忘れられません。

[EuroArts 2057138] Masters of American Music: Ray Charles - The Genius of Soul

以前、アメリカ史の事実を背景にキング牧師ローザ・パークスマーヴィン・ゲイ、クリントン元大統領夫妻など著名人が多数登場し、"ROOTS" よりいくつかのシーンも登場する、優れた "Georgia On My Mind" の動画があったんですが、削除されたようです(残念)。

アメリカの秀逸な一面は、古い貴重な映像をきちんと残してあることーーー。
" I Can't Stop Loving You(愛さずにはいられない)" に始まり、" Georgia On My Mind " で終わる、歴史の1ページをどうぞ。

>> Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)

2008-02-26


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"standing in the shadows of MOTOWN"(2002)

2016-01-14 20:01:00 | Documentary

 永遠のモータウン

cast >>  "The Funk Brothers"( Richard 'Pistol' Allen, Jack 'Black Jack' Ashford, Bob Babbitt, Johnny Griffith, Joe Hunter, Uriel Jones, Joe Messina, Eddie 'Chank' Willis, Benny 'Papa Zita' Benjamin, Eddie 'Bongo' Brown, James 'Igor' Jamerson, Earl 'Chunk of Funk' Van Dyke, Robert White )
Stevie Wonder, Marvin Gaye, Chaka Khan, Ben Harper, Bootsy Collins, MeShell NdegeOcello, Joan Osborne, Gerald Levert, Montell Jordan, Tom Scott, The Beatles, Elvis Presley, Smokey Robinson ...
narrator>>  Andre Braugher
producer / music >>  Alan Slutsky
producer / director >>  Paul Justman
soundtrack>>


《エルヴィス、ビーチ・ボーイズ、ストーンズ、そしてビートルズ。全ての No.1ヒットを足しても"彼ら" にはかなわない。しかし、"彼ら" の名を知るものはいない。》ーーー このキャッチは、実に秀逸。

本作で製作・音楽を手掛けたアラン・スラツキーの、ドクター・リックス名義での著書『伝説のモータウン・ベース  ジェームス・ジェマーソン』を基に映画化。
1960年代、デトロイトから世界中に多くの "MOTOWN SOUND(モータウン・サウンド)" を送り出した、"Berry Gordy Jr.(ベリー・ゴーディJr. )" 率いる黒人音楽レーベル "MOTOWN RECORD(モータウン・レコード)" ーーー。
その栄光を陰で支え続けたスタジオ・ミュージシャン "The Funk Brothers(ザ・ファンク・ブラザーズ)" の実像を浮き彫りにした音楽ドキュメンタリー。

Standing in the Shadows of Motown trailer


伝説の “モータウン” 黄金期に、スティーヴィー・ワンダー( discography )、マーヴィン・ゲイ( discography )、ジャクソン5,シュープリームス、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズをはじめ錚々たるアーティストを生み出し、数え切れない名曲をヒットチャートに送り込んだモータウン・レコード ーーー。
その黄金期を支え “モータウン・サウンド” を確立し、世界で最も多くの “No.1” ヒットを世に送り出した男たち。ーーー 彼らの名は “ザ・ファンク・ブラザーズ”。
しかし、レコードに演奏者をクレジットする習慣のなかった60年代当時、彼らの名前が一般に知られることはなく、彼らの "偉業" が称えられることもなかった。本作は、その偉大な “バック・バンド” に光を当て、ヒット・ソングにまつわる「栄光と挫折」「悲哀」など、彼らの真実を描き出す・・・・・。

クライマックスの再結成ライブでは、亡きメンバーの遺影を掲げる “ザ・ファンク・ブラザーズ” と、現代 R&B 界の錚々たるメンバー、ジェラルド・レヴァート、ジョーン・オズボーンミシェル・ンデゲオチェロ、ブーツィ・コリンズ、ベン・ハーパー、チャカ・カーン( discography )、モンテル・ジョーダン( "The Fighting Temptations" )、トム・スコットらとの夢の共演が実現。コレを観るだけでも価値あり(感動)!

モータウン・サウンドを聴いたことがない人はいないでしょう!
しかし “ザ・ファンク・ブラザーズ” を知っている人はほとんどいないでしょう。
その「影(シャドウ)」に遂に「光」を与えられた "彼ら" に、何度熱いものが込みあげたことか・・・!
"MOTOWN" を愛して止まない人も、知らない人も、音楽好きならば "must - see"

>> Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)

2008-03-31


Comments (4)
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"MARVIN GAYE: Behind The Legend"(2003)

2016-01-14 19:26:00 | Documentary

 マーヴィン・ゲイの真実


【Features Cuts From】What's Going On, Distant Lover, Come Get To This, Inner City Blues, How Sweet It Is, Sexual Healing, I Heard It Through The Grapevine ... and more

【出演】アンナ・ゲイ、ジャン・ゲイ、ノーナ・ゲイ、フランキー・ゲイ、フレディ・クルサート、デヴィッド・リッツ、デイヴ・シモンズ、ゴードン・バンクス、ウィリアム・ブライアント ... etc.

       【chapters】 1. イントロダクション
              Introduction
              2. 逃避行
              Escaping
              3. カムバック・ツアー
              The Comeback Tour
              4. ミッドナイト・ラブ
              "Midnight Love"
              5. セクシャル・ヒーリング
              "Sexual Haling"
              6. レガシー・リヴズ・オン
              The Legacy Lives On

  【Bonus Features】 1. Let's Get It On
              2. What's Going On ~ Save The Children
              3. You're All I Need To Get By ~ Ain't Nothing Like The Real Thing ~ Your Precious Love ~ It Takes Two ~ Ain't No Mountain High Enough

ソウル・ミュージックの枠を超え、多くの音楽ファンに色褪せることなく愛され続けているマーヴィン・ゲイ( discography )ーーー。
本作は未発表映像をを中心に、彼の生涯の後半に焦点を当て、初DVD化されたドキュメンタリー。
遺族( "2人" の妻も登場)や、彼と共演した ミュージシャンやプロデューサーたちの献身的な協力を得て制作されており、マーヴィンの音楽的バイオグラフィーであると同時に、栄光の "影" に隠れた "真実" や "苦悩" を知ることができる。

The Soul Behind The Legend-Marvin Gaye


本作で彼の人生 "Legend" のすべてを追うことはできないが、幼少時代・モータウンで築いたキャリア・不朽の名曲 "What's Going On" に込められた想い・アルバム "Midnight Love" の製作秘話・逃避行時代のハワイやベルギーでの姿・コカインへの依存・・・。そして 1984年 4月 1日、自宅で父親と口論になり、逆上した父親に射殺されるという悲劇的な最期まで、その壮絶な人生を振り返る。奇しくもその日は、彼の45回めの誕生日の前日だった ーーー。

彼が最後に行った、1983年NBAオール・スター・ゲームでの国歌斉唱が収録されていないのは残念ですが、グラミー賞受賞式(← プレゼンターは、グレイス・ジョーンズ&リック・ジェームス)は収められています。なお本作で登場するほとんどの曲はライブからのカットですが、特典映像【Bonus Features】では全編楽しめます。

それにしても何故、私の大好きな人は早く亡くなってしまうんでしょう・・・(残念)。
あの日、FMラジオの番組の途中で聞こえてきた『M・ゲイさんが射殺されて亡くなりました』とのニュースに、思わず「えっ? 今なんて言った?!」と聞き返したほど衝撃的でした。とにかくショックで信じられなくて、背筋が凍りついた感覚を今も忘れられません(悲)。
唯一無二の秀でた才能を与えられた人というのは “繊細” でどこか “脆く”、その “脆さ” 故に “繊細” な作品を生み出し、それが人々の心に沁み入るんでしょうね・・・・・。

>> Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)

2008-05-02


Comments (4)
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"Muhammad Ali THE GREATEST"(1974)

2016-01-10 13:02:26 | Documentary

 モハメド・アリ / ザ・グレーテスト 1964 - 74

cast >> Muhammad Ali, Charles "Sonny" Liston, Malcolm X, George Edward Foreman, Joe Frazier, The Beatles ...
director >>William Klein(111min)《フランス作品・劇場未公開》


《 Float like a butterfly, sting like a bee.(蝶のように舞い、蜂のように刺す)》
その言葉通り、並みいるライバルたちをマットに沈め続けた男、モハメド・アリこと本名カシアス・マーセラス・クレイ・ジュニア( "ALI: Through The Eyes Of The World" "Thrilla in Manila" )ーーー。
彼が1964年にソニー・リストンを7ラウンドTKOで倒し、世界ヘビー級タイトルを獲得してから「苦難」を乗り越え、1974年アフリカのザイールでジョージ・フォアマンを8ラウンドKOで倒し、ヘビー級タイトルを奪取した "キンシャサの奇跡" までを描いたドキュメンタリー。

Muhammad Ali the greatest p 1


カシアス・クレイは1960年、ローマオリンピックのライトヘビー級で金メダルを獲得。
同年10月プロへ転向した直後「ネーション・オブ・イスラム」(cf. "Malcolm X" )の信徒であることを公表し「モハメド・アリ」へ改名。アリは1967年「ベトナムの兄弟を殺せない」と、ベトナム戦争への徴兵を拒否したため「無敗」のままヘビー級タイトルを剥奪され、その後試合もできずにやむなく3年間のブランクをつくる。その後、様々な苦難を乗り越えチャンピオンの座に返り咲くまでを、当時の貴重なインタビュー(有名な "アリ語録" も登場)や映像で綴っている。この10年間は、ウィル・スミス主演の "ALI" でも描かれており、こちらではアリの視点でよりプライベートな苦悩が描かれており、この二つの作品を観ることにより、より深い理解が得られて興味深い。

引退後「パーキンソン病」と闘いながらも、社会へのメッセージを送り続けているアリ。当日まで聖火台の点火者が極秘にされていた、1996年のアトランタオリンピックの開会式でアリが現れ、震える手でトーチに火を灯したときは、思わず立ち上がって拍手してしまいました。「時代」の中で、数々の「記録」「記憶」と「影響力」「逸話」を残した彼のような人は、今後現れないでしょうね。

Will Smith - Just The Two Of Us

原曲は、グローヴァー・ワシントン, Jr.( discography )の "WINELIGHT" に収録された名曲。
これは "Two of Us" を「父と子」に置きかえた心温まる Music Videoで、W・スミス( filmography )との信頼関係を示すかのようにアリが登場。その他、大きなお腹のウィルの妻ジェイダ( filmography )や、ベイビーフェイス( "Soul Food" )、マジック・ジョンソン、キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ( "A Low Down Dirty Shame" "I'm Gonna Git You Sucka" )、ショーン・コムズ( "Monster's Ball" "CARLITO'S WAY: Rise To Power" )らが出演する、豪華な一本です。

>>  Unscreened - filmography

2009-01-11

 

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"Ring Of Fire: The Emile Griffith Story"(2005)

2016-01-08 17:40:30 | Documentary
Ring of Fire: The Emile Griffith Story



このアイテムの詳細を見る


cast >> Emile Griffith, Max Turshen, George Foreman, Garry Moore, Ken Norton ...
producer / director >>Dan Klores, Ron Berger《劇場未公開》
region 1>>  no subtitles


プロボクシング世界戦史上初の “リング禍” となったエミール・グリフィス vs ベニー・パレット第3戦での『事件』を題材に、グリフィスの半生を追ったヒューマン・ドキュメンタリー。

THE TRAGEDY OF BENNY PARET AND EMILE GRIFFITH


キュー バ出身の世界ウェルター級チャンピオン、ベニー・"キッド"・パレットが2度目の防衛戦で迎えた相手は、バージン諸島出身の技巧派 エミール・グリフィス ーーー。
1961年 4月 1日に行われたこの試合で、グリフィスは13回KO勝ちを収めタイトルを奪取。しかし同年9月30日、パレットはグリフィスに雪辱、判定で王座を奪回する。そして翌1962年 3月24日、両者は雌雄を決すべくマディソン・スクエア・ガーデンで「運命の3度目の対決」 ーーー 12回 コーナーに追い詰められたパレットは、グリフィスの激しい連打を浴び立ったまま失神、かつてないほどのゆっくりとしたスピードでマットに沈んだ・・・・・。

Boxer Dies In Ring: Benny "Kid" Paret and Emile Griffith


昏睡状態に陥ったパレットの意識はそのまま戻ることなく、10日後の 4月 3日死亡、25歳だった ーーー。
当時、ボクシングの人気が高かったアメリカでは「ボクシング禁止論」まで飛び出し、この不幸な事件を機に3本だったリングロープは4本に改められた。

1938年 3月 2日生まれのエミール・グリフィスは、19歳で N.Y. のブルックリンに移り住み、帽子職人の見習いとして働くと同時に趣味としてボクシングを習い始めた。ボクシング・キャリアは浅いにも関わらず、バランスのとれた万能型のボクサーで、華やかなボクシング・スタイルに加えて見事にビルドアップされた美しい肉体も持っていた。彼の美しい肉体がリングを躍動すると、それは華麗なショーとなり、あらゆる武器を併せ持つゴージャスなボクシング、優雅な雰囲気、いつしか人々は彼を "ロビンソンの再来" と呼ぶようになった ーーー。

パレットとの第3戦、心ならずとも「加害者」になってしまったグリフィスが、今なお癒えることのない傷を引きずりながらも、初めてカメラの前に立って「事件」について語る本作。
消えることのない深い心の傷を抱えながらも、なぜこれほどまでに優しく柔らかに語れるのかと、驚かされます・・・。
なお、生涯戦績は《85勝23KO24敗2分1無効試合》ーーー。

~ Can One Man Ever Forget?  Will One Family Ever forgive? ~
ラストで、グリフィスが故パレットの息子と対面を果たすシーンは、涙が溢れてきます・・・・・。
ボクシング・ファンならずともぜひ観ていただきたい感動作です ーーー。

>>  Sports - filmography
>>  Unscreened - filmography

2008-05-31


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"Thrilla in Manila"(2008)

2016-01-08 17:33:00 | Documentary
 新証言・伝説のタイトルマッチ  ~1975 アリ vs. フレイジャー~

cast >> Joe Frazier, Muhammad Ali ...(110min)《TVM / イギリス・アメリカ作品》
region1 >>


1975年 ーーー 政情不安に揺れるフィリピンのマニラで行われた、ボクシング史上最高の試合とされる《モハメド・アリ vs. ジョー・フレイジャー》の【スリラー・イン・マニラ】と呼ばれる3度目の対戦を軸に、30余年を経た今、二人の関係を "フレイジャー側の視点(=新証言)" で描いたドキュメンタリー。



これまでにアリに関するドキュメンタリー( "Muhammad Ali  THE GREATEST" "Through The Eyes Of The World" "When We Were Kings" "A.K.A. Casius Clay" )や映画( "ALI" )を観た限り、どの作品にも必ずフレイジャーの名は出てくるものの、いずれも "アリの視点" で、1974年にジョージ・フォアマンを破りヘビー級チャンピオンに返り咲いた【キンシャサの奇跡】を中心に描かれている。
本作にもアリ側の関係者の証言はあるものの、隠れていた "フレイジャー側" の証言を検証することで、今まで知り得なかった "事実" を知ることができ、予想以上に見応えのある作品 ーーー。

Thrilla in Manila (HBO Trailer)


まず『不世出の2人のボクサーは、かつて互いを認め合う親友だった』というくだりに驚いた。
確かにアリ本人が協力して制作された映画 "ALI" の中で、アリがベトナム戦争への徴兵拒否後、タイトルとボクサー・ライセンスを剥奪され、国内外での試合ができなくなり、最も困窮し辛かった時期に、2人は彼らの "タイトル・マッチ" を実現させるために "協力" するシーンがある。が、その時期のアリを "物心" ともに支えたのがフレイジャーだったとは、知らなかった。対戦以外の2人の "人間関係" については全く触れられていないし、まさかアリが窮地を救ってくれたフレイジャーに "恩を仇で返す" ような "仕打ち(裏切り)" をしたとは知らなかった ーーー。
その "裏切り" は、ベニー・パレットがエミール・グリフィスとの対戦で命を落とし、"リング禍" となってしまった事故( "Ring On Fire" )より質が悪い。なぜなら "故意に侮辱して傷つけた" から。単なる "挑発だった" という理由では済まされない、人間としての "過ち" ーーー。しかもアリは後にその "過ち" を後悔し、フレイジャーの息子に謝罪を伝えたが、フレイジャー本人には謝罪していない。この "大衆のチャンプ" らしからぬアリの行為は不可解で、幻滅させられた。
もう一点、マルコムX( "Malcolm X" )やアリが結果として「ブラック・ムスリム」の "広告塔" 及び "金づる" として利用されたことは事実としても、"徴兵拒否" したときの理由の一部が、彼らに "言わされた"、つまり "アリ自身の言葉" ではなかったかもしれないことを示す証言にショックを受けた・・・・・。


本作の背景には "公民権運動" というアメリカ社会にとっての大きな変革があり『黒人としての生き方』『スポーツとは』というテーマが織り込まれていますが、どうしても "2人の関係" が衝撃的でした。
ちなみに3度の対戦の "結果だけ" を述べるとアリの「2勝1敗」。ーーー でも本作の2人を観る限りでは、"富" も "名声" もアリほどではないけれど、"ボクサーとして" "人間として" の勝者はフレイジャー。彼に敬意を払わざるを得ません。

"Smokin" Joe Frazier

《好き勝手に生きてきたヤツは、死ぬまでにツケを払うのさ。当然だろう。(今のアリを)見てみろよ。》
        by Joe Frazier

この言葉が嫌味でなく、物事の "道理" として胸に刺さります ーーー。

>>  Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)
>>  Sports - filmography(スポーツ  映画作品一覧)

2009-06-29

 
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"KASSIM THE DREAM"(2008)

2011-11-05 00:35:10 | Documentary

 カシム・ザ・ドリーム  ~チャンピオンになった少年兵~

cast >> Kassim Ouma ... 
director >>Kief Davidson(87min)


6歳で誘拐、ウガンダの国民抵抗軍(National Resistance Army)の兵士として大量虐殺の訓練を受けた過去を持ちながら、20歳でアメリカへ亡命。国際ボクシング連盟(IBF)スーパーウェルター級チャンピオンになったカシム・オウマの半生を描いたドキュメンタリー ーーー。
監督はキーフ・デヴィッドソン、製作総指揮には "The Last King Of Scotland" でウガンダの悪名高い独裁者イディ・アミンを演じたフォレスト・ウィテカー( filmography )も名を連ねる。

Kassim The Dream film trailer


カシム・オウマは6歳のときウガンダの国民抵抗軍(NRA)に拉致され、強制的に "少年兵" に。
銃の扱いを叩き込まれ、虐殺現場を目の当たりにし、命じられるままに人を拷問し、そして殺した・・・たとえそれが友であっても、自分が "生き残る" ために ーーー。
青年になったカシムはボクシングを学び、国の代表としてアメリカ遠征へ。そこで彼は軍を "脱走" ーーー。
言葉も通じず、知り合いも家もない異国の地で途方にくれていたカシムに手を差し伸べたのは、あるボクシング・ジムだった。その後プロ・ボクサーとしてデビューを飾り、国際ボクシング連盟(IBF)スーパーウェルター級(=ジュニア・ミドル級)チャンピオンにまで上り詰め「祖国のため」「アフリカのため」に闘うカシムは、"ある理由" もあって階級をミドルに上げ、未だアフリカ人前人未踏の2階級制覇を狙うが・・・・・。
一方 "脱走兵" であるカシムは、米大使館の "政治力" を後ろ盾に、軍に殺害されず安全に帰国できるようウガンダ政府に掛けあい、遂に母国の土を踏むのだが・・・・・。

作品中のカシムは2階級制覇を為し得ませんでしたが、その後 NABA北米ミドル級王座に輝いたようです(← ただし、現在はそのタイトルを返上。挑戦者のようです)。
個人的には、過去に "少年兵" だったという辛い過去を持っている子供たちが大勢いる中、脱走したにもかかわらず殺されることなく生き延び、母国からアメリカに母親や息子を呼んで一緒に暮らしている現状を考えれば、チャンピオンになるまでの彼の努力を考慮しても、なんて強運で恵まれた人なんだろうと思ってしまいます ーーー。
"WAR DANCE" でも深い傷を抱え辛い境遇で懸命に生きる少年少女たちの姿が描かれていますが、彼らから比べれば、未だドラッグが止められず、本業を疎かにし悪い友人とつるみ、酒に逃げる弱さは許されない気がしてしまうのです。
ただ彼らとはまるで違う、"平和ボケのぬるま湯" に浸かっている私になど、比較する資格などナイでしょうが(苦笑)。

この国に生まれた自分たちが、どれほど幸せなのか改めて思い知るためにも、ぜひ観ていただきたいのです。
いろいろと考えさせられるハズですから ーーー。

関連作品 >>  "WAR DANCE" "The Last King Of Scotland"
>>  Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)
>>  Sports - filmography(スポーツ  映画作品一覧)
>>  Africa - filmography(アフリカ  映画作品一覧)

 

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"WAR DANCE"(2007)

2011-11-03 00:15:00 | Documentary

 ウォー・ダンス / 響け僕らの鼓動

cast >> Dominic, Nancy, Rose, Jane Adong, Kitara Coldwell, Joshua Kyallo, Members of Acholi Tribe, Janani Okot, Jolly Okot, Stephen Rwangyezi ... 
director >>Andrea Nix Fine, Sean Fine(107min)


《紛争で全てを失ったこどもたち。彼らに希望を与えたのは音楽と踊りだった》
著しい進歩の一方、北部を中心に今も反政府軍による "ゲリラ活動" がつづくウガンダ共和国 ーーー。
反政府軍『神の抵抗軍(LRA)』は平和に暮らす村から強引に拉致した子供たちを卑怯な手段で脅し、"少年兵" として戦線に補充するという悪逆無道なやり方を続けている。内紛の犠牲となり、心に計り知れない深い傷を負った少年少女たちを唯一救ったものは、"アチョリ族" に脈々と受け継がれてきた伝統の "音楽と踊り" ーーー。
本作はウガンダの首都カンパラで開催される "全国音楽大会" に紛争地域から初めて出場することになった生徒と教師が、不利な状況の中 "逆境を力に" 変え、"優勝" を目指して真剣に取り組む姿を追ったドキュメンタリー作品。
監督はアンドレア・ニックス・ファイン&ショーン・ファイン夫妻。

War/Dance Theatrical Trailer


激しい紛争が続くウガンダ北部にあるパトンゴ難民キャンプ ーーー そこには 60,000人を超える避難民が生活している。
ドミニクは9歳のとき兄と共に反政府軍に捕まったが、なんとか脱走しキャンプに逃げ帰ってきた少年。いつも置き去りにしてしまった兄の身を案じ、自分が脱走したせいで兄が殺されることなく生きていることを願っている・・・。木琴が大好きで音楽の才能に恵まれたドミニクは "アチョリ族の誇り" を胸に、大会で伝統の音楽と自分の実力を国中に知らしめることを夢見ている。
ナンシーは子供をかばったために殺された両親のクビを反政府軍に見せられ、激しいショックを受けた少女。自分があのとき家にいれば・・・と考え自分を責めてしまうが、孤児になった今は厳しい叔母のところに身を寄せている・・・。
ローズは村で父親を殺され、他のキャンプで働いている母と離ればなれに暮らしている少女。大会を目前に母と初めて訪れた父の粗末な墓前で、一緒に死んでしまえばよかったと感極まり泣き崩れてしまう・・・。
内戦は純粋無垢な子供たちから『家』も『家族』も『夢』も、そして『子供らしくいること』すら奪い去ってしまった。しかしどれほど悲惨な戦争であろうと、彼らから "伝統の音楽と踊り" を奪うことはできなかった ーーー。
そして彼らは遂に憧れの "全国音楽大会" の舞台である首都カンパラへと向かう・・・・・。

「きっと信じられないと思うけど、これは本当のこと。思い出したくはないけど、誰かが話さなければ(他の人には)わからないしょう」と、澄んだ美しい瞳でまっすぐこちらを見据えながら、自らの言葉で語る子供たちの言葉は重く、あまりに惨い。しかしその声もまた信じられないほど落ち着いていて、なんとも美しい ーーー。
その彼らの瞳がイキイキと輝き、悦びの唄声が唇から溢れ、誇りと情熱がほとばしる踊りをぜひ観ていただきたいのです。まるで自分のことのように一喜一憂し、拍手を送り、そして涙が溢れるでしょう・・・。

関連作品 >>  "KASSIM THE DREAM"  "The Last King Of Scotland"
>>  Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)
>>  Africa - filmography
(アフリカ  映画作品一覧)
>>  War - filmography(戦争  映画作品一覧)

 

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"ALI: Through The Eyes Of The World"(2001)

2009-06-30 01:19:01 | Documentary

 モハメド・アリ / 世界が見た王者の姿

cast >> Muhammad Ali, Billy Crystal, Richard Harris, James Earl Jones, Rod Steiger,  ...
director >> Phil Grabsky(104min)《劇場未公開》


《勝利、信念、挫折、影響力。王者のすべてがここにある ーーー。》
20世紀の偉大な王者、モハメド・アリ( cf. "Muhammad Ali THE GREATEST" "ALI" )の波乱に満ちた半生を、貴重な映像と、家族や友人、関係者の声によって記録したドキュメンタリー作品 ーーー。
当時の社会情勢の貴重な記録映像も織り交ぜながら、リングの内外で闘い続けたアリの "生き様" を綴る。

Muhammad Ali Through The Eyes Of The World Part 1of11


1942年1月17日 "カシアス・マーセラス・クレイ・Jr." として生を享けてから、アマチュア時代、プロへの転向。そして "ネーション・オブ・イスラム" へ入信し、"モハメド・アリ" へと改名 ーーー。
ベトナム戦争への徴兵を拒否したことで強いられた "リング外での闘い"。プロボクサーとして初めて "敗北" したジョー・フレイジャーとの対戦を経て、そのフレイジャーを倒し "王者" となったジョージ・フォアマンにKO勝ちし、"王者" に返り咲いた "キンシャサの奇跡"(← 8ラウンドKOでアリに敗れたフォアマンですが、20年後の1994年 "史上最年長の45歳" にしてヘビー級王座に返り咲いたのは記憶に新しい)。翌1975年のフレイジャーとの名試合( "Thrilla in Manila" )、引退後の "パーキンソン病" との闘い、アトランタ・オリンピック開会式での姿 ーーー。

これらのエピソードをを4度の結婚、9人の子供を持つアリの家族(← 両親も登場)や、名トレーナーのアンジェロ・ダンディ、アリのファンであるビリー・クリスタル( "When Harry Met Sally..." "Analyze This" )、ジェームズ・アール・ジョーンズ( filmography )、ロッド・スタイガー(← '02年に他界  "In The Heat Of The Night" "The Hurricane" "On The Waterfront" )、ベリー・ゴーディ、スポーツ・ジャーナリストらが証言。

2001年製作ということもあり、誕生から1974年 "キンシャサの奇跡" 以降の、現在に至るまで言及している作品なので、モハメド・アリを知らない世代にもお薦めの一本。"Muhammad Ali THE GREATEST" ではスチールで描かれていた試合も、本作ではソニー・リストンをはじめフレイジャーとの全対戦など "迫力の" 動画で一通り観られます。

ちなみに、かの有名な "Float like a butterfly, sting like a bee.(蝶のように舞い、蜂のように刺す)" は、アリのオリジナルではなく、ドゥルー・"バンディーニ"・ブラウン(← 映画 "ALI" ではジェイミー・フォックスが演じた)の言葉で、2人がラップのようにシャウトする姿は本作にも登場します。
ーーー アリの "偉業" と "時代"、そして華麗なボクシング・スタイルと数々のビッグ・マウスぶりもお楽しみください。

>>  Documentary - filmography(ドキュメンタリー  映画作品一覧)
>>  Sports - filmography(スポーツ  映画作品一覧)

 

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